新型「クラウン/3.5 G executive」15代目/220系/2018年-現行

事実上のマジェスタ後継モデル

マジェスタは1991年に140系クラウンの上級車種として登場してから、27年間、販売台数の面でトヨタに貢献してきたとは到底言えませんでした。

その、マジェスタは2018年3月を以って終了し、15代目「クラウン」のG-エグゼクティブにその後継を担わせるようです。

マジェスタだけに搭載されていた3,500cc V6エンジンをG-エグゼクティブに搭載することが一つの証明です。

事実、トヨタ広報さんも「G-エグゼクティブは先代までマジェスタに乗ってこられた方に対応して作られている」とおっしゃっています。

もう、マジェスタが復活することは、ないでしょう。

 



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実際、他グレードと比較して、これだけの仕様が追加、変更されています。

・リアガラスの高厚板化
・後席シート及びラゲッジ周辺への吸音材の最適化
・リヤホイールハウスへの吸音材の追加
・ノイズリダクションアルミホイールの採用

※ノイズリダクションアルミホイールとは?
ロードノイズと言われる雑音の主たる原因は、タイヤ気柱共鳴音と言われています。
ボールを弾ませたときに‘キーン’とか‘バーン’とか響きますよね?あれと同じ理屈でタイヤが地面を転がると共鳴音が発生します。
その不快音を低減させるホイール。
ホイールの外周(タイヤを履くと見えなくなる部分です)に360度、ハニカム構造の空洞を設け、空気の出入りが可能な空間を作り、共鳴音を低減するそうです。
じつは、この<中空レゾネーター>という構造は2010年にホンダ「レジェンド」でも採用されていました。

それ以外にも内装にシルバー加飾が施されたりして、さりげなく高級感は上がっています。

価格は
2.5L(4WD)が税込6,323,400円
3.5L(2WD)が税込7,187,400円

4WDモデルに2,500ccしかない理由は、3,500ccV6エンジンと4WDシステムが同時にエンジンルームに納まらなかったからです。

先代「マジェスタ」も、同じ理由で4WDモデルには2,500ccしか用意されませんでした。

おのずとG-エグゼクティブの売れ筋は2WD、3,500ccということになります。

少々、余談気味になりますが、先々代では4WDにはレクサス「LS」と共通の新エンジン4,600ccV8が積めず、「セルシオ」で使われていた4,300ccV8代用していました。

4WDモデルは‘買い’なのか?

15代目「クラウン」のカタログには2ページも費やして、今回の4WDモデルは違うんだ、コーナリングが違うんだ、と力説がありますが、正直、ドライ路面で乗っている限り分かる方は非常に少ないでしょう。

アウディなどはFF(前輪駆動)とクワトロ(4WD)とが同モデルに存在していたりするので、乗ると結構、分かるのですが「クラウン」は代々FR(後輪駆動)。

しかも、この4WDモデルは通常、前後輪比40:60ですので、ややFRのような感覚。
余計に2WDとの違いが分かりません。

急なコーナリング時は50:50。

アクセルを踏み込んだときは30:70に瞬時に変更するなどコンピュータが巧みにコントロールしてくれるそうですが、それこそニュルブルクリンクでも本気で走れる人が体感できるレベルではないでしょうか?

もちろん、ウェット路面、さらには雪道を走る方には4輪駆動は心強いです。

ただ、東京都内、大阪府内に住む方が安定性向上を期待して4WDを選択することはないと思います。

通常グレードの最小回転半径が5.3mに対して、2WD 3,500ccモデルが5.5m。

4WD 2,500ccモデルは5.7mだというのは都内では実感してしまいます・・・。

 



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マジェスタから買い替えてはいけない

14代目「クラウン」と並行して販売されていた210系「クラウンマジェスタ」は200系「クラウンマジェスタ」のドライバーズカー志向から逆行したような、後席重視の乗り心地の良い車でした。

2009年~の「200系マジェスタ」が発売されたときに開発者の方が「マジェスタは7割以上がオーナーさんがハンドルを握るというデータがありますので、これからはマジェスタも走って楽しいと思える車になっていきますよ!」なんて言ったくせに、2013年~の210系では、なかなかどうして素晴らしいVIPカーに仕立てたのでしょう。

4人乗り仕様がなかったのは残念にしても、210系「クラウンマジェスタ」は後席を重視する方には2018年時点、候補に入れてほしい車です。

210系マジェスタは、2016年8月29日には<トヨタセーフティセンスP>が全車標準装備されているので、狙うなら平成28年9月登録車~平成30年5月登録車をお薦めします。

さて、15代目「クラウン」に統合されたに等しい7代目マジェスタ、別名、G-エグゼクティブ、と申し上げたいところですが、乗ってみて驚きました。

次ページは>>>
「最上級モデルはドライバー最優先仕様だった!?」です。

新型「クラウン/ターボ 2.0 RS/RS advance」15代目 220系 2018年-現行

直列4気筒2,000ccターボの進化が凄い

先代にあたる14代目「クラウン/アスリート」の後期になって2,500ccに代わる新エンジンとして登場した直列4気筒2,000ccターボエンジン。

しかし、これは時期尚早でした。

ターボラグを感じにくい、低速トルクは充分にある、など、絶対評価としては決して低くはなかったものの欧州勢、特に「アウディA3」や「ゴルフ」などに積まれる1,400ccターボエンジンの静粛性、高回転域でのパワー、トルク、要するに大排気量エンジンと錯覚するような秀作エンジンに勝負を挑むのは少し早かったかな、と思います。

「クラウン」らしからぬエンジン音が車内に入ってきましたし、高回転域でのパワーも‘いまいち’でした。

何かずっとアクセルを踏み続けていないとスピードが出ないような余裕の無さがありました。

コンパクトスポーツカーなら、そういう感覚もまた楽しめるものですが・・・。

しかし、満を持して発売された、15代目「クラウン/ターボ」は先代の不満を払拭する出来映えになっていると思います。

 

210系 14代目「クラウン」
直列4気筒ターボエンジン

最大出力:173kW(235PS)/5,200-5,800r.p.m
最大トルク:350N・m(35.7kgf・m)/1,650-4,400r.p.m

220系 15代目「クラウン」
直列4気筒ターボエンジン

最大出力:180kW[245PS]/5,200-5,800r.p.m
最大トルク:350N.m(35.7kgf-m)/1,650-4,400r.p.m

 

高回転域でのトルク感は高まり、ターボラグはさらに高次元で消化され、静粛性が高まり、踏み込んだときのエンジン音も生き物が‘うなり’を上げているような有機的な何かを感じさせます。

 



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これにTNGAの低重心ボディを纏ったら、魅力的でないわけがありません。

内装も高級を演出する方向から質そのものを高めて、シンプル、そしてスポーティな印象が高まり、RS/RS アドバンスに合わせて仕立てたかのよう。

エンジンフィールと速度計が一致する感覚の車、そうはありません。

特に一般道で加減速するのが楽しくて、堪らないです。

しかし、JC08モードでは13.4km/Lから12.8km/Lに燃費が劣化。
車両重量が1,600kg前後(グレードにより異なる)だったのが15代目では1,700kg前後、つまり、約100kg重量増加したのが大きな要因かと思います。

実燃費はどんなものか300kmほど走行してみたら、一般道9km/L弱、高速道路14.5km/Lでした。

14代目は何度か納車したので、走りましたが一般道で9km/L超えた記憶はないし、高速道路では13km後半だった気がします。

走り方が同じだったわけではないので、あくまでご参考までに。

15代目は14代目より、実燃費が劣化してるわけではない、と申し上げておきます。

それでも、ハイオクなのが財布には厳しい・・・と、思うのは自動車営業マンの僕が買えない証です(笑)。

 



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TNGAとは何なのか?

TNGAとはトヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャーの頭文字で決してシャシーだけを指しているだけではありません。

ただ、シャシーの進化は目覚しく、TNGAの代名詞と申しあげても良いと思います。

これまでスポット溶接だった箇所をレーザー溶接にするくらいは序の口で、重量の嵩む部分を可能な限り1mmでも低く設置するという職人の意気込み、そしてシャシーにボディを載せるという考え方を捨て、シャシーとボディーを一体化した設計、そしてそれが製造できるラインをすべて新設すること・・・。

様々な理想を追求して実現した技術です。

また、これだけの設備投資できる体力があるのもトヨタの強みでしょう。

ちなみに、TNGA1号車「プリウス」に関しては利益が出る計算ではなかったようです。

そんなトヨタの技術の結晶というべきTNGAも熟成が進んでいます。

ハイブリッド限定になりますが、新開発された直列4気筒ダイナミックフォースエンジンは熱効率40%を達成(従来は30%が一般的)。

最大トルクが発生する回転数も幅広く、ハイブリッドエンジンとしては理想といえます。

ガソリン単体モデルの直列4気筒ターボも静粛性が高まり、車内の‘こもり音’、ロードノイズは大幅に低減、何より思いのままにコーナリングが可能です。

ハイブリッドに比べて、リヤが軽い(ハイブリッド車は後部座席下に重さ60kgを超えるバッテリーを積んでいます)分、高速道路でのハンドリングのキレは15代目「クラウン」の中でも随一。

直進安定性も非常に高いです。

ドイツ御三家と高速走行でも肩を並べる時代がついにやって来ました。

故障率に関しては、もともと向こうとは話になりません。

あなたならどちらを買いますか?

 

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○220系 15代目「クラウン」2,000cc ターボ RS/RS アドバンス 評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 非常に良い
運転楽しい度 非常に良い
後席居住性 悪い
リセール価値 良い
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 良い


トヨタ15th「クラウン」220系 税込価格表
2.0 B4,606,200円
2.0 S4,746,600円
2.0 S "C package"4,941,100円
2.0 RS-B5,000,000円
2.0 RS5,1804,000円
2.0 G5,416,200円
2.0 RS Advance5,594,400円
2.5 S4,978,800円
2.5 S "C package"5,157,000円
2.5 S Four5,194,800円
2.5 S Four "C package"5,373,000円
2.5 RS5,416,200円
2.5 G5,621,400円
2.5 RS Four5,632,200円
2.5 RS Advance5,799,600円
2.5 RS Advance Four6,015,600円
2.5 G-Executive Four6,323,400円
3.5 S6,237,000円
3.5 RS Advance6,906,600円
3.5 G-Executive7,187,400円

「クラウン」220系 2,000cc ターボ 主要諸元表
全長4,910mm
全幅1,800mm
全高1,455mm
ホイールベース2,920mm
最小回転半径5.3~5.5m
車両重量1,690-1,730kg
乗車定員5名
エンジン種類直列4気筒ターボ
トランスミッション8 Super ECT
総排気量1,998cc
エンジン最高出力180kW[245PS]/5,200-5,800r.p.m
エンジン最大トルク350N.m(35.7kgf-m)/1,650-4,400r.p.m
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
WLTCモード(総合)12.4km/L
WLTCモード 市街地8.7km/L
WLTCモード 郊外12.6km/L
WLTCモード 高速15.1km/L
JC08モード12.8km/L

新型「クラウン ハイブリッド 2.5 RS/RS advance」15代目 220系 2018年-現行

アスリート後継モデルとは?

11代目クラウンから続いてきたアスリートシリーズが終焉を迎え、それに変わる後継モデルが「RS/RS アドバンス」ラインです。

2017年の東京・大阪、他のモーターショーでコンセプトカーとして出ていたのがこのRS。

ホイールがいかにもスポーツモデルらしく、ブレーキローター丸見えのデザイン。
スパッタリング塗装も派手に施されており、

「RSがスポーツモデルですよね?」

と、ほとんどのお客様が分かってらっしゃいます。

14代目クラウンのアスリートモデルが販売の7割を占めていたことからして、クラウンの主力モデルは、このRS/RSアドバンスが担うことになるかと思います。

今回ご紹介するのは2,500ccハイブリッドの方です。

RSだけの装備とは?

RSと他のグレードとの主な違いは、

・スパッタリング塗装の18インチホイール
・フロントバンパーが、ボディ色に拘わらず‘ブラック’
・方向指示器が内側から外側に流れるように光る(シーケンシャルターンランプ)
・マフラーが左右各2本出し
・ジャパンカラー内装3色のオプション選択可能

といったところでしょうか。

エンジンやモーターの出力は他のグレードと同一です。

ただ、見えないところではサスペンションが明らかに他グレードと較べ、硬めなので、是非、凹凸のある一般道をご試乗して確かめてみてください。

 



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後部座席優先の作りではない

「カムリ」や「レクサスES」に採用される“GA-K”はFF車に特化したシャシーですので、FR(後輪駆動)の「クラウン」はボディサイズこそ、「カムリ」クラスですが、「レクサスLC」、「レクサスLS」のTNGAプラットフォーム“GA-K”をクラウン専用に幅を設定し直して採用されています。

とにかく、ボディ剛性が素晴らしいです。
そして低重心。

これは運転をなさる方なら誰もが簡単に感じられる美点です。

試乗して一つ目のカーブを曲がっただけで、

「お!」

と声を上げられたお客様もいらっしゃいました。

後で伺うと、その時点で購入意欲が倍増したのだとか。
それくらい、すぐに15代目「クラウン」のステアリングの凄さは分かります。

サスペンションも締め上げられてして、ボディ剛性も高い・・・となると、やはり乗り心地には影響します。

アスリート時代も「ゼロクラウン」以降は、なかなかの悪い乗り心地でしたので、RS/RSアドバンスをご選択なさる方にとっては、‘乗り心地の悪さ’は、さした欠点でもないでしょう。

まあ、一般道で同乗者に乗り心地を自慢する車ではないのは確かです。

先代アスリートとの違い

210系の先代アスリートとの違いで、すぐに分かるはアイポイント及びヒップポイントの位置です。

スポーツセダンらしく、かなり低い位置に座っている感覚があります。

だからといって視界が悪いなどということはないのがトヨタ流。

併せてボンネット位置も下がっており、寧ろ先代より見晴らしは良いのが恐ろしい・・・。

こういう実用性を汲みつつ、スポーティなデザインを実現した日本のエンジニアがもっと声高に賞賛されても良いような気がします。

唯一、犠牲になっているのは後方視界でしょう。
バック駐車のときだけは若干、気を使います(あくまで先代との比較です。視界は充分に確保されています)。

まあ、あれだけルーフが後方に向けて下がっているわけですから無理もありません。
後部座席のヘッドクリアランスが先代以上、確保されていることが奇跡と言えましょう。

RS/RSアドバンスには追加オプションにパラノミックビューモニター(自車を空から俯瞰しているかのような映像を見られるモニター)&巻き込み防止警報付きのインテリジェントパーキングアシストというのがありますが、これは不要オプション。

RSをご購入される方より優秀な駐車能力があるとは思えません。

さすがコンピュータなだけあって、狭い場所を不得意とはしませんが、広い駐車スペースでも左右が完璧になるよう一度、やり直します・・・。

いや。これは周りに見られたらカッコ悪い・・・。

ちなみに、RSへのオプション価格は他のセーフティ機能とパッケージで246,240円也・・・。

<トヨタセーフティセンス>は全車標準装備ですので、ご安心ください。

>>>次ページは
「それでもイチオシグレードではない訳とは?」
「値引き情報」です。

新型「クラウン/ハイブリッド 2.5 S”C-package”」15代目 220系 2018年-現行

つい、クラウンについて語りたくなる・・・

12代目のゼロクラウン以来の衝撃であることは間違いありません。

外観、走り、内装、すべてが次のステージへ引き上げられた220系15代目クラウンです。

今回は売れ筋の直列4気筒2,500ccのハイブリッドの試乗評価です。

特にオススメしたいのは冒頭の画像にもあるS “C パッケージ”。

その理由は後ほど。

エンジンは先代に引き続き4気筒ですが、エンジン自体もフルモデルチェンジ(自動車のフルモデルチェンジはエンジンもモデルチェンジしているとは限らない)。

2017年に発売された「カムリ」に搭載された燃焼効率40%以上というダイナミックフォースエンジンを搭載しています。

この新型エンジン、明らかにトルクがあるな、と感じたのを覚えています。

210系 14代目「クラウン」直列4気筒エンジン
最大出力:131kW(178PS)/6,000r.p.m
最大トルク:221N・m(22.5kgf・m)/4,200-4,800r.p.m

220系 15代目「クラウン」直列4気筒エンジン
最大出力:135kW(184PS)/6,000r.p.m
最大トルク:221N・m(22.5kgf・m)/3,800-5,400r.p.m

 

エンジン回転数を表すr.p.mの太字の値をご覧ください。

最大トルクこそ同値ですが、その値が出る回転数域が広いのです。

 



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これによりモーターの出力にムラが出ないため、先代よりモーター⇔エンジンの切り替えが少なくて済むのでしょう。
非常にスムースな仕上がりです。

ダイナミックフォースエンジンの欠点とは

「カムリ」が素晴らしい車であることは間違いありません。

しかし、エンジン音を聞いて、良い、とか、官能的だ、とか、スポーティだ、とかいう表現は出てこなかったのです。

少し低めのザラザラした音質と申しましょうか。
決して上質とはいえなかったと思います。

ところが、これが「クラウン」に積まれると、変貌・・・。

横置きから縦置きにした、とかいう問題ではないと思います。
お金をかけると、こうも違うのかと驚きました。

エンジン音も、歴代の仕様とは違い、かなり、<聴かせる演出>が為されています。

その音は、スポーティな質感を伴っており、さらにアクセルを踏み込んでいきたくなるほどです。

聞けば13代目「クラウンハイブリッド」で初搭載された‘アクティブノイズコントロールシステム’がハイブリッドモデルは全車標準装備なのだとか。

これはエンジンから発生する不快な‘こもり音’をルーフに備え付けられたスピーカーから逆の周波数の音を出すことにより相殺する素晴らしいシステムです。

当たり前ですが、スピーカーからの相殺音が聞こえることなどありえません。

ひたすらエンジン音が美しく聴こえます。

「それだけ?」

とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、不快な‘こもり音’は長距離ドライブで長い時間、聞き続けると疲労が増大するという研究結果が出ているほどの大きな問題。

つまり、自然とドライブが快適だと思う、そんな車に仕上がっています。

>>>次ページは
「最も素晴らしい点を一つだけ言うと」
「歴代クラウンとの比較」

「ランドクルーザープラド」4代目 150系 2009年-現行

マイナーチェンジで、顔変わりすぎ?

2013年に1度目のマイナーチェンジでえらく挑戦的なデザインにチャレンジしたなあ、と思っていたら、2017年にさらなるマイナーチェンジで、あらあら、普通のデザインに。。

私、さおりは意外と(?)2013年版が好きなので、ディーゼルを選びたいなら2013年9月~2015年6月までのモデルに限られちゃうわけですね。

そう。
ディーゼルが搭載されたのは2015年6月17日付で同時にこれまで看板エンジン(?)だった4,000ccガソリンが日本向けではカタログ落ち。
ちなみに2015年6月以降の2,700ccガソリンモデルは5速⇒6速に♪

5速から6速への進化は運転していても、よく分かるので嬉しいかぎりです。
燃費もわずかながら向上しています。

 



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2017年版のMCでのトピックは“トヨタセーフティセンスP”(2018年6月、Pの呼称がなくなりました。それに伴い夜間の歩行者に対応するなど、アップグレード)が全車標準装備となったことでしょうか。
全車LEDヘッドランプ化も実現。

内装はベージュが特に素敵です。
木目調のステアリングもお洒落で触れ心地はとっても高級感があります。
ハンドルは、いっつも触っているところだから、コレ大事ですよね。

本来はTZ-Gを選ぶべき?

KDSSというスタビライザー(乗り心地に影響します)のオン・オフができたり、リアのエアサスペンションを利用した高さ調節機能、そして5つのドライブモードセレクトボタンが標準です。

オプションでクロールコントロールという悪路走行時、ステアリング操作だけしていれば、4輪への力配分を最適に行なって‘ゆっくり’走破してくれるシステムまで選べます。

公式HPにあるような超絶走破が日常な方には必須アイテム?!

いやぁ。私なんか、ああいうオフロード感を出されると、つい、
「洗車がぁ~!」
と思ってしまいます。。

だって、自動車整備兼販売会社にいると毎朝、洗車ですから、ちょっとした洗車トラウマ(?)です。
この時期(書いたのは7月上旬)は雨が多く、洗車しなくて良い日があるからちょっとラッキー♪というわけでありません。

雨が多いとお客様の足は遠のく、遠のく・・・。
そして、社長さんからハッパかけられます。

飛び込み営業でもしないとダメなんじゃないの?くらい。

「ピンポーン」
「は~い」
「自動車販売店のものですけどぉ。すみません」

こんな流れで車検の一つでも取れたら大したものです。
誰が自動車を飛び込み営業マンから買いますかって(笑)。

ディーゼルの乗り心地は・・・

はい。申し上げます。
ディーゼルの乗り心地は、、非常に、悪いです。

正直、これをファミリーカーとしてご購入なさる方々は一体、何を考えてらっしゃるのか?!
スクエアっぽいデザインなのに死角は多いし、大きさのわりに荷室は狭いです。

もちろん、お一人で運転なさるなら何の問題もないです。
こういうの、好きな方は好きです。
あと、どうしても悪路走行しなければいけない状況の方も一部、いらっしゃるでしょう。

でもね。
少なくとも、ウチに買いに来たお客様でそういう方はいらっしゃいませんでしたっ(ピシャ!)。

エンジンの振動なんて、商用車級ですよ。
マツダのスカイアクティブとなんて比較にもなりません・・・。

トルクは確かにありますけど、じゃあ、マツダの同排気量よりあるのかと言うとそうでもない。

とにかく、うるさいです。
よく振動します。

ガソリンの方は‘買い’

トルクがディーゼルの約55%。
もちろん、パワー的にはディーゼルより明らかに劣るものの、日本の国道を走るぶんにはこちらの方が優れものです。

やっぱり、振動が少ないし、音も静か。
タイヤも17インチを選べば、ずいぶん快適に走れます。

SUVじゃなくて本格クロスカントリーじゃないとダメなんだぁ~!
というお父さまは是非、ガソリンの17インチタイヤをお選びくださいませ。

男のロマン?

ディーゼルを完全否定しちゃいましたけど、カタログやホームページに40度くらい傾いて走る姿や、川をバシャバシャ横切る姿がアップされていることからすると、これって‘男性のロマン’なのかなあ?って思ったり。

考えたら、スポーツカーだって実用性からしたらかなり低いけど、買いますもんね^^。

プラドはSUVっぽいから、ついつい較べちゃうわけで。

以上、主観と偏見に満ち満ちた試乗記でした。

さおり

 

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○関連記事ご紹介

こういうSUVと較べちゃうと
ダメなんでしょうけど・・・
レビューは>>>こちら

 

そうはいっても乗り心地さえ
極上のクロカンもあります。
値段も別格。。「LX」
レビューは>>>こちら

 

こういう形がお好きなら断然、
「ハリアー」でしょう!
お値段も安いっ!値引きもあります!
レビューは>>>こちら

 

「RX300」はパワー感ないので、
お薦めは450hですけど、、
お値段が・・・値引きもほとんどないんです。
レビューは>>>こちら

 

 

○4代目「ランドクルーザー プラド」評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 評価不可・・
運転楽しい度 悪い
後席居住性 普通
リセール価値 良い
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 良い

ランドクルーザープラド 150系 税込価格表
TX(ガソリン5人乗り)3,538,080円
TX(ガソリン7人乗り)3,692,520円
TX(ディーゼル5人乗り)4,152.600円
TX(ディーゼル7人乗り)4,307,040円
TX"L pkg"(ガソリン5人乗り)4,047,840円
TX"L pkg"(ガソリン7人乗り)4,202,280円
TX"L pkg"(ディーゼル5人乗り)4,667,760円
TX"L pkg"(ディーゼル7人乗り)4,822,200円
TZ-G(ディーゼル7人乗り)5,363,280円

トヨタ「ランドクルーザー プラド」150系 ガソリンモデル主要諸元表
全長4,825mm
全幅1,885mm
全高1,850mm
ホイールベース2,790mm
最小回転半径5.8m
車両重量2,050~2,100kg
乗車定員5名~7名
エンジン種類直列4気筒
トランスミッション6 Super ECT
総排気量2,693cc
エンジン最高出力120kW[163PS]/5.200r.p.m
エンジン最大トルク246N.m(25.1kgf-m)/3,900r.p.m
使用燃料無鉛レギュラーガソリン
JC08モード9.0km/L

トヨタ「ランドクルーザー プラド」150系 ディーゼルモデル主要諸元表
全長4,825mm
全幅1,885mm
全高1,850mm
ホイールベース2,790mm
最小回転半径5.8m
車両重量2,170~2,320kg
乗車定員5名~7名
エンジン種類直列4気筒
トランスミッション6 Super ECT
総排気量2,754cc
エンジン最高出力130kW[177PS]/3,400r.p.m
エンジン最大トルク450N.m(45.9kgf-m)/1,600-2,400r.p.m
使用燃料軽油
JC08モード11.2-11,8km/L

「クラウンマジェスタ」6代目 S210系 2013年-2018年 後編

前編は>>>こちら

200系「クラウンハイブリッド」後継なのか?

後継という意味合いでは、200系「クラウンハイブリッド」が、‘しっくり’きます。

やはり、3,500cc+モーターですから、諸々のレスポンス、走り心地は似ているといえば似ています。

ただ、200系「クラウンハイブリッド」は、クラウン史上最速商品

5年後に発売された210系「マジェスタ」とて、スピードという分野では後塵を拝します。

時代の流れからして、さすがに、超高速「マジェスタ」は不要だと考えたのでしょう。

実際、200系「クラウンハイブリッド」(JC08モード:14.0km/L)はアクセル全開の楽しみこそあれ「クラウン」としては謎の多い加速マシンでした。

驚くのはその加速マシンの車両重量1,840kgより210系「マジェスタ」は、30kgも軽量化されていることです。

車の骨格とも言えるシャシーこそ共通ですが、ホイールベース(前後車輪間)は延長されていますし、後部座席のための装備は間違いなく210系「マジェスタ」のほうが嵩むはず。

軽量化された分を燃費向上に宛てたのでしょう。
それが、JC08モード:18.2km。

たいへん、均整の取れたハイブリッド車だと思います。

お薦めは2016年8月以降のマイナーチェンジモデルです。

・<トヨタセーフティセンスP>標準装備。
・リアを中心に、スポット溶接90箇所以上追加。

乗り較べると、急カーブの際、リアが流れにくくなっているのが分かります。

値崩れしにくい

210系「マジェスタ」は、2004年-2009年までの4代目4,300cc、2009年-2013年までの5代目「マジェスタ」4,600ccよりも格段に小排気量エンジンを搭載しています。

そうはいっても、V6 3,500ccもあるのですが。

5代目の4,600ccの超・高燃費は許せても、許せない(?)のが年間自動車税。
3,500ccだと、自動車税は58,000円ですから、何とか普通の金銭感覚で支払えそうです。

3,500cc:58,000円
4,300cc:76,500円
4,600cc:88,000円

忘れたころにポストに投函される自動車納税書に落ち込むこともなくなるのは朗報です。

維持費という観点では、エアサスが採用されていないのも特筆事項でしょう。

修理時、一本、15万円ほどもするエアサス寿命を気にすることなく、中古車を購入できます。

そうなると、ここ何十年、不人気の一途を辿ってきた「マジェスタ」の中古車価格に変化が現れます。

お察しのとおり、値崩れしにくくなっているのです。

歴代マジェスタは、大排気量ゆえの高額な自動車税に加え、故障が不安なエアサスを抱えていたため、軒並み激しい値下がりを見せておりました。

それが、若干ながら改善(?)されている模様です。

とはいえ、ノーマル「クラウン」よりは割安でご購入できる状況は今後も続いていくようですので、特に後部座席にお客様や、ご家族を乗せることが多い方は是非、ご検討ください。

2018年当初、新車当時の値引き情報

発売当初から、本家「クラウン」より値引率の高かった「クラウンマジェスタ」も、モデルライフ終盤にきて、さらなる値引き商戦に入っています。

オプションが非常に少ない(フロアマットやサンバイザーだけで充分)にも拘わらず、最大400,000円を出したことがありますので、ご報告。

買取車がある場合は、値引きと別々に見積もりを出してもらうことをお薦めします。

以下に価格表・諸元表などございますので、よかったらご覧ください。

 

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○「クラウンマジェスタ」6th S210系 評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 良い
運転楽しい度 普通
後席居住性 非常に良い+
リセール価値 良い
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 良い

※こちらは、最終限定モデルの“J-フロンティア”の内装です。

カタログで見るよりも、実際はシート両端や、センターコンソールの濃茶色が印象に残ります。
もっと薄い色合いのイメージを僕は持ってしまっていたので、ご参考になれば、と思い、掲載しました。

カタログのイメージより実車のほうが、若々しい雰囲気が出ていると思います。
 



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トヨタ「クラウンマジェスタ」6th S210系 税込価格表
2,500cc Four6,577,200円
2,500cc Four J-フロンティア(最終モデル限定)6,739,200円
3,500cc 2WD ベース6,426,000円
3,500cc 2WD Fバージョン6,987,600円
3,500cc 2WD Fバージョン J-フロンティア(最終モデル限定)7,149,600円

トヨタ「クラウンマジェスタ」6th S210系 2WDモデル主要諸元表
全長4,970mm
全幅1,800mm
全高1,460mm
ホイールベース2.925mm
最小回転半径5.3m
車両重量1,810-1,830kg
乗車定員5名
エンジン種類V型6気筒DOHC
トランスミッション電気式無段変速機(CVT)
総排気量3,456cc
エンジン最高出力215kW[292PS]/6,000r.p.m
エンジン最大トルク354N.m(36.1kgf-m)/4,500r.p.m
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
モーター最高出力147kW(200PS)
モーター最大トルク275N.m(28.0kgf-m)
動力用主電池ニッケル水素電池
JC08モード18.2km/L

「クラウンマジェスタ」6代目 S210系 2013年-2018年 前編

210系「クラウンロイヤル」とは別物

2018年2月、6月に控えたクラウンのフルモデルチェンジを前にひっそりと幕を閉じた「クラウンマジェスタ」。
おそらく、もう「マジェスタ」という名は消えてゆくのみでしょう・・・。

この試乗記は最終限定モデル‘J-フロンティア’が発売されている頃に、ようやく買取させていただけたS210系「クラウンマジェスタ」に乗ったときのものです。

これまでの「マジェスタ」は、独自デザインだったため、ややもすると「クラウン」ロイヤルより格下に見られがちでした。

210系「マジェスタ」は、車好きの方が見ないと普通の「クラウン」と違いが分からないレベルに纏められているのに驚きます。

意地悪くいえばコスト削減とも言えましょうが、乗ってみれば別物だということが‘すぐ’に分かります。

 



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内装の質然り、走り然り

内装については高品質に見せる技術が素晴らしいロイヤルに対して、本木目を使うするなど一味違う高級の在り方を提示しています。

ただ、先代まではセンターコンソールも本木目だったのに対し、210系は高度な熱転写を利用した本木目調。
本物志向のユーザーには残念な点です。

走りについては、非常に落ち着いたものがあります。

比較したい車種に、同時期に発売された210系「クラウンロイヤル」を挙げられる方も多いのではないでしょうか?

しかし、いずれも候補に入れられるほどの財力をお持ちなら、僕は迷わず「マジェスタ」をお薦めいたします。

たしかに、ロイヤルの23.2km/L(街中実燃費でも16km/L程度)という燃費は素晴らしく、これだけでも選択に値すると思います。

しかしながら、以下の2点から僕は210系「クラウンロイヤル」は手放しで‘買い’だとお客様にお伝えしていません。

・4気筒エンジンの音に雑味があること。振動もやや大きい。

・モーター⇔エンジンの切り替えが多く、スピードとエンジン回転数の不一致が起きること。

音質が悪いといっても、静粛性の高い「クラウン」ですから、そうそう音が侵入してくるわけではありませんし、ハイブリッドですからタコメーターとスピードに多少の不一致があっても仕方ありません。

210系「ロイヤル」はとにかく低燃費を、というコンセプトで開発されたので走りにおいては諸々、妥協せざるを得ない点が出たのでしょう。

しかし、「クラウン」という冠に期待するスムースさに欠け、かつ価格もハイブリッドだと込み込み500万円以上というのは少々、納得がいきません。

その代わり、といっては何ですが、2,500cc V6のノンハイブリッド=ガソリンモデルは、JC08モードが11.4km/Lながら、すばらしくスムースな出来映えです。

解消されたネガ

210系「マジェスタ」は、上に挙げた不満を解消したモデルと言えます。

エンジンが直列4気筒2,500ccではなく、V型6気筒3,500ccとすることによりエンジン音、振動のネガは完全解消しています。

車内に入ってくるエンジン音に‘聞きとれる’ことすらあるのではないでしょうか。

この3,500ccエンジンは210系「アスリート」のノンハイブリッドモデルに搭載されているものと同型。
単独でスポーツモデルに搭載できるほどですから、パワー不足とも無縁です。

「マジェスタ」に関しては、カタログ燃費だけを‘売り’にする必要がないのも、走りを充実させられた要因となりましょう。

210系「クラウンロイヤル」は高燃費を狙うがために、可能な限りモーター走行を行なおうとしてしまい、それが故、やや不自然な走りになっている点は否めません。

対する210系「マジェスタ」はスタートこそモーター走行に委ねるものの、基本はエンジンを補助する役割を担って低燃費(JC08モード:18.2km)を目指しています。

そうすることにより、エンジン回転数とスピードが比例するため、ハイブリッドの違和感が最小限に留められ、より自然な走りを得られた、というわけです。

5代目と6代目は比較対象にならないのか?

先代にあたる5代目「マジェスタ」は4,600ccV8、ノンハイブリッドでしたので、6代目「マジェスタ」と車として比較するのは何か違うような気がします。

正直、申し上げて、5代目に詰まれた4,600ccV8エンジンは世界最高レベルですから、エンジン音やスムースさだけを取り上げると6代目とて一歩譲ります。

ただ、5代目200系「マジェスタ」は、カタログ燃費ですら、9.4km/L。
街中の実燃費で5km/L強ですから、実燃費で2.5倍ほども差が出ます。

ガソリン代うんぬんではなく、これだけ環境問題が提起されている中で、同車種次期モデルの燃費を2.5倍に引きあげたのはトヨタの英断という他ありません。

走りに対する考え方も5代目と6代目で随分、異なります。

5代目「マジェスタ」が発売された2009年当時、開発チーフが

『マジェスタはご自分で運転なさるお客様が意外にも70%いらっしゃるとのデータを獲得したので、ドライバーズカーとしてご満足いただけるようセッティングした』
という発言がありました。

実際、ステアリングもしっかりした手ごたえがあり、アクセルレスポンスも良く、正に‘スポーティサルーン’でした。

これに対して6代目の趣はずいぶん、違います。

ステアリングフィールは最小限。
アクセルレスポンスも控えめで、踏み心地も柔らかく、いかにも‘ショーファーカー’です。

ただ、2代目「センチュリー」のように、どのような運転をしても緩やかにしか動いてくれないわけではないのが「マジェスタ」の特徴でしょう。

ステアリングは決してアンダーではないですし、アクセルも使いようによっては‘暴走’も可能。

お客様を乗せるときには‘ショーファードリブン’として、
ご自分だけのときは繊細なタッチでスピードを追求できる、そんな贅沢な商品に仕上がっていると思います。

 



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それだけに、4名仕様が最後まで設定されなかったのは残念でした。

ちなみに、後部座席の乗り心地だけなら、5代目と6代目、甲乙付けがたいところです。

5代目は峠道でも横揺れを感じないのが特徴。
6代目は直進時に特化した快適性を得ています。

>>>つづく

3,500cc+モーター、他車種との比較。
値引き情報など、
「後編」は>>>こちら

「クラウンマジェスタ」5代目 S200系 2009-2013年

「セルシオ」の後継は「LS」ではない

「セルシオ」の後継といえば、レクサス「LS」だとお思いの方が多いのではないでしょうか?

海外では「セルシオ」は長らく「LS」として販売されていたのは事実です。

しかし「LS460」(4代目 2006年-2017年)に乗ってみれば思うのは

『これは、違う』

誤解なきよう先に申し上げますが、「LS460」は素晴らしい車です。
1,875mmという車幅は、国内では難はあるものの、海外では特に気にするほどの数値でもなかったでしょう。

 



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2006年は、立体駐車場(横幅1,850mm制限が多い)をご利用していた3代目「セルシオ」(車幅1,830mm)のオーナー様にとって「LS」(車幅1,875mm)への買い替えが難しかったため、「セルシオ」の質の良い中古車が高値をキープしていました。

僕たちは横浜に「セルシオ」ばかり入札しに行ったものです。

5代目「マジェスタ」こそ

180系4代目「マジェスタ」も価格相応の商品ではありました。

しかし、「セルシオ」より小ぶりなボディでは「セルシオ」以上を実現するのはなかなか難しかったようです。

もっとも、4代目「マジェスタ」が発売された2004年当時はまだモデル末期の3代目「セルシオ」が販売されていましたから、機能面などで上回るわけにいかず、制約が多かったと聞きます。

それに対して、この5代目「マジェスタ」は2006年に消えた「セルシオ」に遠慮する必要はありませんでした。

車幅1,810mm、全長4,995mmとボディサイズは拡大し、価格もCタイプで、6,950,000円。

同じCタイプで比較すると、4代目登場時は6,090,000円でしたから、相当な値上がりを敢行したと言えます。

それもそのはず、実際、乗ってみると、この5代目は4代目と較べて、一つ格上の車種だということが誰しも分かると思います。

エンジンは2006年に「LS460」に採用された4,600cc V8エンジン。

「LS460」は「LS600h」というラグジュアリーに特化した商品がレクサスに存在していたため、実はかなりスポーティ寄りでした。

それが、「セルシオ」後継ではないと感じる最大の点です。

エンジン音は、やや低く設定されており、アメリカンスポーツを思わせる雰囲気すらあります。

新型「セルシオ」と呼べる仕上がり

相当、スポーティ寄りな「LS460」と違い、ゆったりと乗れる商品を目指して開発されたのが、この5代目「マジェスタ」です。

たしかに30系「セルシオ」に似てはいますが、ステアリングは‘しっかりした感触’を得、切り始めの遊びも少なくなっていることで運転のし易さが増しています。

また、急ハンドルを切ったときにリアが流れる感覚が消えていることから明らかにボディ剛性が上がっているのが分かります。

4代目「セルシオ」と呼んでも誰もが納得する商品でした。

そして、静けさ。

「セルシオ」といえば、静粛性の高さではライバルを凌駕していました。
5代目「マジェスタ」は、これに磨きをかけています。

この「マジェスタ」は、静けさに加えてエンジンの吹き上がりが‘さらに’滑らかになっているのが特徴です。

ATが8速に進化したこともあるでしょう。
30系「セルシオ」は前期は5速AT、マイナーチェンジされた後期でも、6速ATでした。

8速の「マジェスタ」は、特に低速のシフトチェンジが恐ろしくスムースなので、大排気量エンジンにありがちな低速でのトルク不足を全く感じさせないまま加速していきます。

日常域である40km/h~60km/hは基本、無音。

風切り音も、コントロールされており、やたらと静かな車内です。

ロードノイズが、わずかに入ってくるばかりというレベルに仕上がっています。

これだけの静粛性を得るために2008年に発売されていた、200系「クラウン」から、さらに吸音材を見直しています。

わずかにでも空洞ができた箇所には発砲素材で空気振動を抑える配慮も為されています。

リアガラスは「クラウン」の、3.5mmから4mmへ、サイドガラスは4mmから5mmへ変更。

ドアトリムの吸音材に至っては6mmから10mmと、実に4mmも厚くなっていることには驚きました。

その他、全グレード標準装備のエアサスの空気量を増加させつつ乗り心地に芯を持たせる技術など、静粛性に対する創意工夫は枚挙に暇がありません。

 

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Aタイプ‘Lパッケージ’とは?

この「クラウンマジェスタ」にはAタイプという少々、変わったグレードが存在していました。

いわゆるベースグレードに該当するのですが、そのAタイプの‘Lパッケージ’にしか装備されていないシステムがあったのです。

それは<アクティブステアリング統合制御>

ハンドリングが少々、過敏になるので、この商品をお買い求めになるような方々に好評を博したとは思えませんが、面白い試みでした。

また、Aタイプ‘Lパッケージ’には特製のボルドーの本革シートが奢られます。
他グレードでは選べない上、艶のある色合いだったので魅力的に映りました。

その代わり、オプションでもリアエアコンやリアプリクラッシュセーフティなどの後部座席に対する装備は選択できないという・・・。

フロントドア・リアドアのイージークローザーすらオプション選択できませんでした。

そのくせ、標準でサンルーフが付いてくるのは、ちょっと意味不明でした。

次ページは>>>
「当たり前ですが欠点は燃費。
しかし、走りは、珠玉」

新型「センチュリー ハイブリッド」最新情報

さようならV12

3代目にして、ハイブリッド化されることが決定した「センチュリー」。

余りに燃費が悪いので、安倍首相の公用車が「センチュリー」から「LS」や「アルファード」になってしまったのは有名な話です。

ハイブリッド化は、至極、当たり前の流れだったのかも知れません。

新型に搭載されるエンジンは、先代「LS」の5,000cc V8。
これにハイパワーのモーターがどのように組み合わされるのか、興味は尽きません。

2代目のV12エンジンは、万一のトラブルでもV6エンジンとして使用できるという、念には念を・・・な、システムを搭載していただけに、新型のV8も片バンクだけで走ってしまうのか?も気になるところです。

ただ、カタログ燃費が悪ければ『社会的にどうなの?』と陰口を叩かれかねない時代です。

個人的には、燃費をわずかでも犠牲にしてしまう、片バンク走行可能なエンジンは不要だと思います。

2018年、最高の自動車として

3代目は、外観、内装とも「センチュリー」らしさは色濃く残ってはいるものの、その全てが一新されています。

エンジンはポート噴射と直噴の切り替えを最適化し、滑らかな走りと高燃費を実現。

200系「クラウンハイブリッド」で搭載された、ハイブリッド車特有のこもり音を低減する<アクティブ・ノイズ・コントロール>も標準仕様。

タイヤは、乗り心地の良さ・静粛性を突き詰め、新開発されたことが判明。

ヘッドライトは、プロジェクター式3灯とLEDアレイAHS(アダプティブ・ハイビーム・システム)の組み合わせにより衝突軽減システムとの連携を図ります。

リアランプは「和の光」とアナウンスされたことから察するに、昨年、発表されたレクサス「LC」に採用された小糸工業のパネルでしょう。

気になる方はレクサスディーラーを覗いてみてはいかがでしょう?
和紙のような美しいリアランプをご覧になることができます。

また、音響システムも最高品質に。

スピーカーの数、何と“20”。

日本代表モデルだけに、レクサスのオプションで有名な<マークレビンソン>は採用されないそうです。

その他、さらなる低床化や、後部座席の読書灯、全自動オットマン機能、シアターシステムなど細かい部分のアップデートも抜かりありません。

ボディサイズは2代目より拡大

全長は、65mm延長の5,335mm
全幅は、40mm拡大の1,930mm
全高は、30mmアップして1,505mm

ホイールベースも65mm延長されています。

2代目「センチュリー」の運転手をしていた経験からすると、全幅の1,930mm、全長5,335mmは正直、かなり厳しい数値です。

「センチュリー」はフロント・リアともに、かなりスクエア(四角い)です。
全長・車幅ともに、かなり掴みやすい車種とはいえ、ここまで絶対値が上がると駐車スペースを選ばなければいけません。

つまり、それだけ選ばれた人物を、選ばれた場所に送迎する商品として開発されたといって良いでしょう。
ここまで、至れり尽くせりのシステムを装備しながら、「オートクローザー(半ドアの際、自動でドアが閉まるシステム)はリアドアのみ」という設定は存続するのかも気になります。

次ページは>>>
「避けられないビッグマイナーチェンジ」です。



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「カムリ」 レザーパッケージ Gグレード 10th XV70型 2017年-現行

最小回転半径に差が出る理由とは?

最後はレザーパッケージをご紹介します。
(画像は普通のGパケレザーオプションです。申し訳ありません)

エントリーモデル(Xグレード)については
>>>こちら

中核モデル(Gグレード)については
>>>こちら

同車種にもかかわらず、最小回転半径に違いが出るのは、タイヤがフェンダー内で、どれくらい角度を付けられるかが違うからです。

 



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70系「カムリ」の場合、

“Xグレード”16インチ
“Gグレード”17インチ
“Gグレード レザーパッケージ”18インチ

それぞれに別々のタイヤが用意されており、レザーパッケージの18インチはかなり扁平(分厚い)タイヤのため、体積の関係でフェンダー内で角度が付けられないのです。

結果、最小回転半径5.9mという大型SUV並みの数値になってしまいました。

マイナスポイントではありますが、ぎりぎりのUターン時以外は、不満はないでしょう。

ステアリングの切り始めの所作から細やかな反応をしてくれるので、たとえば、21世紀初頭の170系「クラウン」の最小回転半径5.3m(2WD)と比較して、70系「カムリ」のほうが大回りだと感じる方は少ないと思います。

住宅街などにお住まいで、小回りの利く車が必要な方は、ご自分の環境下で問題ないか是非、試乗してみてください。

エンジン音・モーター音のバランス

<THS-Ⅱ>と呼ばれるハイブリッドシステムですから、基本的なシステムは以前からのトヨタのハイブリッド車と凡そ違いはないはず。
そう思っていました。

しかし、乗ってみるとまず、モーターのみで走行する時間が非常に長いことに驚きます。
210系「クラウンハイブリッド」と比較試乗してみると明らかに違います。

諸元表で比較してみましょう。

70系「カムリ」G レザーパッケージ
車両重量:1,600kg
エンジン:直列4気筒2,487cc
エンジン最高出力:131kW[178PS]/5,700r.p.m
エンジン最大トルク:221N.m(22.5kgf-m)/3,600-5,200r.p.m
モーター最高出力:88kW(120PS)
モーター最大トルク:202N.m(20.6kgf-m)
動力用主電池:リチウムイオン電池
JC08モード:28.4km/L

210系「クラウンハイブリッド」ロイヤルサルーンG
車両重量:1,680kg
エンジン:直列4気筒2,493cc
エンジン最高出力:131kW[178PS]/6,000r.p.m
エンジン最大トルク:221N.m(22.5kgf-m)/4,200-4,800r.p.m
モーター最高出力:105kW(143PS)
モーター最大トルク:300N.m(30.6kgf-m)
動力用主電池:ニッケル水素電池
JC08モード:23.2km/L

 

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「カムリ」に搭載されているエンジンは210系「クラウンハイブリッド」に搭載されているものとは違い、本来、最高出力はもっと高く設定できるはずですが、おそらく、‘遠慮’が入ったのでしょう。

これは、国内外問わず、どこのメーカーも配慮する点です。
欧州車では「ポルシェ」が露骨に新型低価格車のスペックに制限を掛けるのが有名です。

やっとの思いで、ローンを組んで高額車を購入したら、1年そこそこで格の低い車にスペックが抜かされるのはオーナーとしては気分の良いものではないでしょうから、分からなくもありません。

逆に、新型モデルに全力投球しない姿勢はいかがなものか?という意見もあります。

自動車メーカー、永遠の課題です。

次ページは>>>
「標準搭載のリチウムイオン電池は、乗るとすぐ分かる」です。