「クラウンアスリート 」14代目 2リッターターボ Jフロンティア 210系 2015年-2018年

10年以上の時を経てターボ復活

現行モデルとして発売されていた頃、僕は以下のようなことを書きました。

トヨタの公式ページで2,000ccターボモデルと、マイナーチェンジ前の2,500ccモデルをスピード対決させて、2,000ccターボが2,500ccを圧倒するという動画がUPされています。

過去の自社モデルを否定するのは個人的に好きではないのですが、確かに2,000ccターボはクラウンアスリートに新たな風を吹きこんだといえそうです。

同時に‘もはや’クラウンと呼べるのか?というほど、かつての「クラウン」らしさが無いモデルでもあります。

 

 



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「アクセル踏んでくれよ」と、言わんばかりの設定です。
エンジン音は容赦なく車内に入ってきます。

「クラウンは静粛性が命なんて誰が言った?」とロイヤルに一線を画すこの2,000ccターボ。

トヨタ、まあ、何とも冒険したものです。

その聞かせるエンジン音、ハイブリッドの直列4気筒とはまた、違う躍動感があります。

どの回転域でも不安定さを感じさせないのは、さすがはトヨタ。
欧州車もダウンサイジングターボとして4気筒を積んでいる車が多いですが、それらと較べてもよく回るエンジンです。

環境対策として3,500ccにはないアイドリングストップ装置も備わっていました。

欲を言えば、やはりもう少しパワーなりトルクなりは欲しいかな、と思う瞬間があります。
よほど、アクセルを踏んだときですが・・・。

以上、現行モデル時代の記事です。

売った側としては、販売の落ち込みかけた14代目「クラウン」の救世主でしたから、好印象でした。

ただ、どうしても15代目「クラウン」ターボに乗ってしまうと悪い箇所が見えてしまいます。

思えば、170系「クラウン」アスリートに2,500ccターボの設定があったのが2003年まで。

10年以上の時を経て、満を持してのターボ投入。実際、レクサスの「NX」や「IS」に搭載された後ですから、煮詰める時間はあったはずです。

しかし、やはり、2003年に登場した「ゼロクラウン」譲りのシャーシでは2015年のエンジンを完璧にコントロールするのが難しかった部分があったのかも知れません。

15代目に乗った直後に乗り比べると、コーナーでテールが流れる感覚は日常走行速度域でもわずかに感じ取れます。

15代目のシートポジションに慣れてしまうと、やや腰高なのもスポーツ気分をスポイルさせられます。

TNGAボディを纏った15代目「クラウン」は全てのモデルがアスリート系として素晴らしい出来なので、どうしても14代目は見劣りしてしまいます。

サスペンションの固さにボディ剛性が付いていかず・・・という印象も無きしもあらずです。

では、すべてが劣っているのでしょうか?

いいえ。
自動車は走りだけがすべてではありません。

たとえば‘イナズマグリル’と呼ばれた個性的なグリルがお好きな方には、もう、これ以外ないでしょう。

後部座席を考慮するなら「クラウン」ロイヤルのほうを選ぶべきですが、15代目「クラウン」と比べると背もたれが‘やや’寝ているので後部座席の快適性は優っているように思います(公式数値はありません)。

寛ぎやすさは、14代目がが若干、上かな、と。

ネガティブな要素もあります。
後部座席のレッグスペースです。
ホイールベースが14代目2,850mmから15代目は2,920mmと7cmも伸びたのだから仕方ありません・・・。

前席のシートを一番後ろまで下げられると14代目は少々、厳しいのに対して15代目はまだ‘こぶし’一つぶん以上、余裕があります。

逆に一番後ろまで下げないのであれば、14代目でもレッグスペースに問題はないでしょう。

あと、中古車ですから当然ながら価格も魅力的です。

特に2016年8月29日にはビッグマイナーチェンジを受け、<トヨタセーフティセンスP>を全車標準搭載。大変、お薦めです。

15代目発売直後はこれに夜間歩行者検知と昼間自転車検知が付いたものですので、充分、比較に耐えうる衝突軽減ブレーキです。

JC08モードではわずかに15代目を上回ります。
15代目は車重が影響したのでしょう。

14代目13.4km/L⇒15代目12.8km/L。

ただし、実燃費にさほどの差はなく、一般道、10km/Lはいきません。
高速走行燃費はカタログ値を10%上回ることもあります。
両者ともハイオクです。

繰り返しになりますが、やはり、何といっても恰好ですね。
外観がお好きな方は是非。
もともと、‘やんちゃ’な雰囲気がございますので、ローダウンがお好きな方からの依頼も多いです。

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