「カムリ」 Gグレード 10th XV70型 2017年-現行

<ダイナミックフォースエンジン>とは何か?

4代目「プリウス」で始まったトヨタのTNGAも、ここにきて充実してきました。

10代目「カムリ」ではプラットフォームだけでなく、エンジンも一新。
その名も<ダイナミックフォースエンジン>。
トヨタ搭載第1号車です。

 



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このエンジンは最大熱効率41%というのがセールスポイントと言えるでしょう。
既存のガソリンエンジンは最大熱効率30%強というのが、一般的でした。

これが、何と41%

特に燃料の爆発が起きてから、それを動力に伝えるまでの反応が非常に速くなっている、とのこと。

新開発の直噴インジェクタは安定した燃焼を提供し、吸気バルブの開閉も複数のパターンから最適のタイミングを選んで制御されています。
レスポンスが良ければ、当然、出力も高くなります。

つまり、走りの楽しみが増し、高燃費にも繋がるわけです。

それにしても、この「カムリ」の都内の街乗り燃費でさえ20km/L以上だというのには驚かされるばかりです。

※先代は15km/L程度でした。

「クラウン」と比較できる

燃費が良いのは分かりました。

では、乗り味はどうなのでしょう。

僕のような営業マンは4代目「プリウス」で、一度、良い意味での衝撃を味わっていますから、舌は肥えている、と申し上げても良いのではないでしょうか?

結論から申し上げると「プリウス」の時のような衝撃的な・・・とはいきませんでした。

元々、「カムリ」の乗り味はレベルの高いものがありましたから、それを明確に凌駕しているとは、少し乗っただけでは分かりません。

しかし、間違いなく‘じわじわ’と真価に気づかされる商品だとも申し上げます。

では、なぜ衝撃はなかったのか?
それは、おそらく外観からくる変貌から、

『これは、間違いなくスポーティな走りに振っているな』

と、僕が勘違いしたことが大きな要因でしょう。

「カムリ」はトヨタ4系列の内、一部を除き、‘トヨタ自動車’にだけは扱わせていないモデルです。

理由は「クラウン」と競合するから。

70系「カムリ」は、その「クラウン」ロイヤルほど、アンダーステアではありませんが、「クラウン」アスリートほど道路の凹凸を拾いあげるわけではない、中間的な立ち位置だという印象

220系「クラウン」試乗記は>>>こちら

100万円以上高額な「クラウン」と比較できうるレベルに仕上がっていることで、試乗なさったお客様からは‘じわり’と評価が上がったという話を伺います。

しかし、比較できるだけに、比べてしまうと、わずかな欠点が見え隠れしてきます。

やはり、FF(フロントにエンジンがあり、前輪を駆動)だけに、後部座席では若干、突き上げが大きい点です。

後部シート下にリチウムイオン電池があるので、前後バランスはある程度、保たれているはずですが、そこはFR(フロントにエンジンがあり、シャフトを通して後輪を駆動)の「クラウン」にわずか一歩譲ります。

ただし、リアが‘ぐらつく’ような素振りがないのは凄いな、と思いました。

同価格帯であるFRの「マークX」と比較すると、後部座席の乗り心地は「カムリ」のほうが一枚上手でしょう。

 



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リクライニング機能は付かないものの、レッグスペースの確保や、ヘッドクリアランスもさることながら、サスペンションが無闇に固められていないことも乗り心地の良さに繋がっています。

また、デンソー製の後方衝突軽減ブレーキ<リヤクロストラフィックアラート+ブレーキ>がオプション価格 92,880円で装備できるのは、この“Gグレード”からです。

ちなみに前方支援の<トヨタ・セーフティ・センス>は全てのグレードに標準装備されています。

次ページは>>>
「カムリはいくら値切れるのか?
競合させると有効な車種は?」です。

「カムリ」 Xグレード 10th XV70型 2017年-現行(さおり著)

とんだ食パンに変身したものです

それにしても先代の「カムリ」は弊社では、あまり売れなかったですねぇ・・・。
相当な実力者だったのですが、なんか特徴がないというか、存在感がないというか。

 



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と、思ってたら先輩営業マンに

『アメリカでは食パンとか、バニラアイスって呼ばれて劇売れしてたらしい』

と、聞いて、納得。ウンウン。

って、ちょっと待ってください(笑)。
食パンとバニラアイスって全然、違いません?!

食パンの意味は分かりますよ。
朝食には欠かせない一品だけれども、存在感としてはあまり・・・みたいな。

でも、バニラアイスは・・・アメリカ人は欠かせないの?
映画で、バケツみたいなカップから直に食べてる描写があるけど、あれが本当なら頷けるかも。。

さて、そのバニラアイスさん、じつは10代目。

私が記憶している初めての「カムリ」は中学生の頃、見た
『知性は顔に出る』ってキャッチコピー。
お母さんの雑誌の裏に出てたやつです♪
ちなみにそれって8代目だそう。
懐かしい。

さて。
2017年夏に登場した10代目「カムリ」です。

 

スポーツグレード‘WS’は専用装備多数!
試乗記は>>>こちら

 

バンパーグリルの横線がたくさん入ったデザインと、フロントのトヨタマーク下半分がデザインに食い込む形になっているところが「カムリ」らしさでしょうか?

たしかに「カムリ」と分かる外観をキープしつつ、これは恰好いいですねぇ。

トヨタ自身“beautiful monster=ビューティフルモンスター”と、言ってしまって、思いっきりハードル上げてますけど、それでも納得するほど、どこから見ても綺麗・・・。

特にリアビューを印象付けるCピラーのデザインが流麗なのに、車内空間を犠牲にしていない、という。

一見、地味ですが専門学校でデザイン勉強していた私からすると‘超’画期的です!

それでも、インターネットでは「トヨタはダサい」という書き込みがあるのは、なぜなぜ?

この、10代目「カムリ」のデザインは、かなりレベルが高いと思うし、独自性もあるので、相当、突き詰めている感があると思いました。

マイナーチェンジではヘッドランプを、より薄型化するくらいしか、手の加えようがないんじゃないかな?

 



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内装は非常に落ち着いた作り

TNGA「プリウス」「CH-R」と同じ形状のステアリングを採用しているものの、それらと違って近未来感や目新しさの演出は余りしていません。

質感の良さを全面に押し出さずに仕立てたインテリアは、パッと見ただけでは、ちょっと肩透かしでも、きっと10年乗っても飽きなさそう。

こういうのって作るほうは本当に難しいだろうな、とつくづく思います。

だって売れなきゃいけないわけですし、売ろうと思えば斬新なインテリアのほうが訴求力はあるし、ジャーナリストの反応もいいけど・・・って、考えなきゃいけないわけですから。

自動車評論家を名乗る方々も、もうちょっと、長く使うことを考えた上での評価をしてもらいたいな、と、さおりは最近、思うようになりました。

次ページは>>>
「FF(フロントエンジン+前輪駆動)ならではの弱点とは?」です。

「マークX」350RDS GRX130系 2009年~現行(2016年最終MC)

サーキット走行も可能な「350RDS」

たしかに、レクサス「IS-F」「GS-F」には直線では圧倒されるでしょう。

しかし、日常域での使い易さも含めて考えると、レース愛好家の方々に「350RDS」も候補から外さないでほしいくらい完成度は高いです。

ステータスという意味では

「マークX」<<「レクサス‘F’」

ですから、レクサスを購入できる方が、これを検討してくれることは今のところないですが・・・。

 



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褒めちぎるのも、どうかと思いますので、最初は‘ネガ’な部分から取り上げます。

正直、最低でも時速60km~でないと、良さは殆ど出ません。
なぜなら、この<V6 3,500cc>はかなり高速寄りにチューニングされているからです。

日常域では常に力を持て余したエンジンが唸っている状況。

ウォームアップが完了した陸上選手に、
『ゆっくり、歩いてね、今日は』
と言ったような感じと申しましょうか。
車自体がストレスを持っているのが、低速では持続します。

<アイドリングストップ機構>を搭載していないので、信号待ちもハイブリッドに慣れた方からすると、ドライバー側も若干のストレスかも知れません。

特に「350RDS」は停車時の振動があります。

エンジン音自体もアイドリング時や低速走行時は、<V6 2,500cc>の「250RDS」に較べて、半オクターブほども低いでしょうか。
余計に、エンジンの存在を感じざるを得ません。

これに我慢して、時速60kmさえ超えれば、至福の一時が待っているとはいえ、日本では待っている間に一日のドライブが終了してしまう懸念が・・・。

しかし、高速道路上では最高の時間が約束されています。
時速80km程度の巡航なら、まだエンジンパワーが有り余っている感じです。。

高速時の静粛性が非常に高いのも「350RDS」の美点。

意外に思われるかも知れませんが、30系「セルシオ」に搭載されていた<V8 4,300cc>が消えた今(2018年時)、ハイブリッドを除き、1,000万円以内の価格帯の商品内では高速時の静粛性は最高レベルかな、と思います。

ちなみに、 「クラウンマジェスタ」 (2009年 – 2013年)、「LS」(2006年-2017年)に搭載されていた<V8 4,600cc>は、「セルシオ」よりスポーティに振った味付けだったため、静粛性だけに焦点を絞ると最高ではありませんでした。

素晴らしいエンジンとはいえ、燃費は余り褒められたものではありません。
ハイオク指定ですし、カタログ燃費ですら10.0km/L ジャスト。
都内を軽く流したら、6.5km/Lでした。

宝を持ち腐れにはなるでしょうが、宝好きの方にはお薦めいたします。

周りの目は羨んでくれないが

「マークX 350RDS」、最上級グレードを手に入れても、

『お前、すげーっ!しかも350RDSじゃんかよ!』

という言葉が、ご友人から飛び出す可能性は、皆無と言えます。
出たとしたら、よほどのマニアか、あなたからお金でも借りたいのでしょう。

しかし、これ見よがしではない‘恰好良さ’が「350RDS」には、あります。
ハンドルを握るたび『これを買ってよかった』と、思える車、そうはないと思います。

気になる次期「マークX」

「sai=サイ」と、レクサス「HS250h」が2017年で生産終了のニュースが流れたときは「マークX」まで生産終了するとは思いませんでした。

公式に生産終了日時を発表したわけではありませんが、‘beautiful monster’と銘打った「カムリ」を1年も経たないうちに投入し、その発表会で広報が『これまで「マークX」をご購入なさっていたお客様にも満足していただける商品を開発しました』と漏らしたので、とりあえず、2代目の終了は確定したな、と。

2018年末まで、持てば良いほうだと思います。

2,500ccモデルですら、カタログ燃費 11.8km/L というのは削除せざるを得ない現実なのでしょう。
実際、レクサス「IS」も、2,500ccは消え、2,000ccターボが導入されています。

トヨタカローラの専売だった「カムリ」を、ネッツトヨタ、さらにはトヨペットでも売っているのは、近く、来るであろう‘終焉’を予告しています。

復活するとしても次期「マークX」は、FFでハイブリッド、あるいはターボ専用車になっているのでしょうか。

個人的にはせめてFRだけは残してほしい気持ちです。

 

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○マークX「350RDS」評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 非常に良い
運転楽しい度 非常に良い+α
後席居住性 普通
リセール価値 普通
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 普通

2017年130系「マークX」税込価格表
250G"F package"2,656,800円
250G Four "F package"2,901,960円
250G2,916,000円
250G Four 3,161,160円
250S3,207,600円
250S Four3,452,760円
250 RDS3,434,400円
350 RDS3,850,200円

130系「マークX」2,500cc 3,500cc 主要諸元比較表
全長4,770mm
全幅1,795mm
全高1,435mm
ホイールベース2,850mm
車両重量(2,500cc)1,510kg~1,570kg
車両重量(3,500cc)1,560kg
エンジンV型6気筒 DOHC
トランスミッション<6 Super ECT >
最高出力(2,500cc)<149kW(203PS)/6,400r.p.m>
最高出力(3,500cc)<234kW(318PS)/6,400r.p.m>
最大トルク(2,500cc)243N.m(24.8kgf-m)/4,800r.p.m
最大トルク(3,500cc)380N.m(38.7kgf-m)/4,800r.p.m
乗車定員5名
最小回転半径5.2m~5.4m
使用燃料(2,500cc)2,500cc<無鉛レギュラーガソリン>
使用燃料(3,500cc)3,500cc<無鉛プレミアムガソリン>
JC08モード(2,500cc)10,6km~11.8km/L
JC08モード(3,500cc)10,0km/L

「マークX」250RDS GRX130系 2009年~現行(2016年最終MC)

標準のアルカンターラシートと、本革シートとの違い

「Sグレード・Gグレード」その他全般についてのレビューは
>>>こちら

「350RDS」については
>>>こちら

2016年11月22日のマイナーチェンジで追加された「RDS」。

『「RDS」グレードは、その他グレードと何が違うんですかね?』

との、ご質問を、お客様から複数いただきますので、今回は他グレードと同じ<V6 2,500cc>「250RDS」グレードに絞って「マークX」をご紹介します。

まず、内装についてお話しましょう。

「RDS」グレードのみ、標準で<アルカンターラ&合成皮革>のシートが用意されています。

この標準シートはアルカンターラの柔らかさと合成皮革の硬さが、うまくブレンドされており、サイドのサポート力が程良く心地よいです。
標準のファブリックシートとは随分、違います。

本革は「RDS」グレードでも、180,900円でオプション扱い。
その、本革シートは、サイドのサポートが強いわけではございませんので、ゆったり高速道路を流したいときには、本革シートほうが‘のんびり’とハンドルを握れると思います。

スポーティなのはどちらかと言われたら、標準の<アルカンターラ&合成皮革>ですが、本革の感触がお好きな方ももちろんいらっしゃるでしょう。

ただ、価格差がありすぎますし、アルカンターラは“レッド×ブラック”or“ホワイト×ブラック”が選べるという楽しみも。

「RDS」の特性に合っているのは、本革ではなくアルカンターラ仕様だと思います。

 



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ホイールのスパッタリング塗装とは?

外観の違いは‘スパッタリング塗装’された18インチのアルミホイールが最も目に付くところでしょう。

このホイールの‘スパッタリング’というのはアルミを加熱処理せず、塗料の付いた網をブラシで擦るような動きをする機械で、エアブラシのごとく塗装していく技術。
なかなかお金と時間の掛かる処理です。

Sグレードにもオプション装着できますが、何と164,160円。
切削光輝+ダークグレーメタリック塗装’の16インチホイールとの差額分というわけですから、スパッタリング塗装ホイールは相当、高額なオプションといえます。

ただ、スパッタリング塗装’は、加工方法も変わっているだけに、見た目の印象も他のホイールと異なります。

ネット画像、カタログ写真などで見るより、かなり光輝いているので、まるで社外品を付けているかのよう。

見た目は好き嫌いの分かれるところですが、この18インチホイールは、「RDS」グレードには欠かせない装備かも知れません。

サスペンションも締め上げられている

通常グレードである、S・Gグレードとて決して柔らかい乗り味ではありませんが「RDS」は、さらに絞られている、そういう印象です。

サスペンションにも若干ですが、メスが入れられているのでしょう。
18インチホイールとの相性は抜群で、まるでレクサス 「IS-F」 「GS-F」のような‘塊’感があります。
タイヤの上にボディが載っている感覚は全くなく、一つの生命体のような完成度です。

後発の10代目「カムリ」(2017年-)もスポーティな仕上がりとはいえ、この「RDS」グレードと比較すると、FF特有のノーズの重さに気づくほど。

これは「カムリ」が鈍いのではなく、「マークX RDS」グレードが、もはや異常レベルと申し上げていいでしょう。

一般道をサーキット気分で走れる「250RDS」

車両重量は1,520kg。

「350RDS」より40kg軽量です。
その影響は軽やかなステアリングフィールとなって表われています。

とにかく、正確。

交差点を曲がるたびに『おぉ』と感動の余り声が出てしまうほどです。

かといって、過剰なオーバーステアでないのも素晴らしい。

「マークX」は、運転していて楽しいです。
トヨタは、退屈なんて誰が言い始めたのでしょうか?

弱点は、低速時、凹凸を正確に拾い上げる‘スポーティゆえの性’でしょうか。
ドライバーは全く気にならないのですが、ご家族での利用が多い方には「RDS」は余りお薦めできません。

奥様を説得したいときには<トヨタ・セーフティ・センスP>が標準装備という点を推してみてはいかがでしょうか?

『後部座席はレクサス「IS」よりも随分、広いよ』とか。
『いやいや。「350RDS」と違ってレギュラーガソリン仕様だしさ」とか。

ノンターボ、FRセダンをご購入できる機会は年々減少するでしょうから、ご購入できる方には是非。

以下に価格表・諸元表ございますので、よかったらご覧ください。

 

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○130系「マークX」250RDS 評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 非常に良い+α
運転楽しい度 非常に良い+α
後席居住性 良い-
リセール価値 普通
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 良い

2017年130系「マークX」税込価格表
250G"F package"2,656,800円
250G Four "F package"2,901,960円
250G2,916,000円
250G Four 3,161,160円
250S3,207,600円
250S Four3,452,760円
250 RDS3,434,400円
350 RDS3,850,200円

130系「マークX」2,500cc 3,500cc 主要諸元比較表
全長4,770mm
全幅1,795mm
全高1,435mm
ホイールベース2,850mm
車両重量(2,500cc)1,510kg~1,570kg
車両重量(3,500cc)1,560kg
エンジンV型6気筒 DOHC
トランスミッション<6 Super ECT >
最高出力(2,500cc)<149kW(203PS)/6,400r.p.m>
最高出力(3,500cc)<234kW(318PS)/6,400r.p.m>
最大トルク(2,500cc)243N.m(24.8kgf-m)/4,800r.p.m
最大トルク(3,500cc)380N.m(38.7kgf-m)/4,800r.p.m
乗車定員5名
最小回転半径5.2m~5.4m
使用燃料(2,500cc)2,500cc<無鉛レギュラーガソリン>
使用燃料(3,500cc)3,500cc<無鉛プレミアムガソリン>
JC08モード(2,500cc)10,6km~11.8km/L
JC08モード(3,500cc)10,0km/L

「ハリアー 」ターボ 2017年-現行(MC追加車種)3代目 60系 さおり著

ハリアーは‘ターボ’が買いっ!

2013年から発売されている、60系「ハリアー」に2017年6月、待望の、と申し上げていいでしょう♪
2,000ccターボ搭載モデルがラインアップされました。
これまでの2,000ccガソリンモデルと、2,500ccハイブリッドモデルも、そのまま残ります。

けど、2,000ccガソリンモデルは1年半ほどで消えゆくような・・・。
正直、なんで残したのかも分からないくらいです。

燃費が良いわけじゃないし、車両重量1,600kg以上の「ハリアー」を引っ張るには力不足でした。

ただし、最廉価グレード“ELEGANCE”(上級グレードっぽいネーミングですね・・・)にはターンランプが外側に流れる<LEDシーケンシャルターンランプ>が搭載されていなかったり、ハイビームがハロゲン仕様だったり、豪華装備を少しずつ削ったお求め安い「ハリアー」が用意されているのはノンターボガソリンモデルだけ。

税込2,949,480円~、と300万円を切っています。
とにかく、安く「ハリアー」をお買い求めになりたい方向けですが、リセールバリューは、やや悪いです。

 



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対する2,000ccターボモデルはリセールバリューは間違いありません。
概ねトヨタSUVは中古車市場では高値安定型ですが、この「ハリアー」が急落することはまず、ないでしょう。
価格は、ノンターボガソリンモデルより、25万円高とお考えいただければOK。

ターボの場合、最廉価グレード“ELEGANCE”にも上記豪華装備が標準ですので、“ELEGANCE”だけ比較すると40万円以上高い設定です。

ハイブリッドより‘買い要素’多し?!

さて、乗ってみてどうなのでしょう?

まず、違いを感じるのはインテリアの質感です。
2017年のマイナーチェンジの前と後では、まるで違います。
カタログやネット上の、お写真では分かりにくいのですけど、実物を見れば一目瞭然!

MC前は‘高級そうな演出をした、まあまあな質感’だったのが、‘価格以上の高級な質感’になってます。

明らかに使われている樹脂が違いますし、シート表面のスエード、合成皮革、本革、ぜんぶの質感が向上しています。

10年前のトヨタ車はレクサス車に遠慮があったのか分かりませんけど、全体的に質感が落ちていたのが、ここのところ急激に盛り返してきている気がします。

一番、売れているトヨタですから、そういう頑張りには拍手・拍手です。パチパチ。

走りに関しては、ハイブリッドモデルと、ノンターボガソリンモデルには特にテコ入れはないようですが、なぜか2,000ccターボモデルだけ最新のパフォーマンスダンパーが奢られています。
しかも、フロント・リアの2箇所に!

実際、ステアリングを切ったときのぐらつきが少ないし、凹凸を越えたときの衝撃吸収も他モデルより優れています。

大きな段差を乗り越えると、60系「ハリアー」はリア付近が軋むような感覚があったのが、大幅に軽減されているので効果は覿面です。

でも、これって“ターボ”じゃないと付けられない装備でもないでしょうに、なぜでしょう?

たぶん、トヨタとしては、2014年に開発した2,000ccターボモデルをどんどん売り出して、

『ほ~ら、ターボもこれだけ台数、でてるし』

と宣伝して、‘さらなる’ダウンサイズ競争に勝利するための布石を打ったのかな?と思います。

ステアリングの回し心地は、最初、ちょっと遊びがあって、軽くて、180度くらいから少し固く感じます。

そこをグッと押すと、また、やや軽くなって右左折やUターンできる仕組みです。
ここは好き嫌いの分かれるところですけど、懐かしさの残る‘トヨタらしさ’私は好きです。

このターボって決して静かなエンジンじゃないから、レクサス「GS」あたりになってくると、性格が合わないかな?と思うんですけど、「ハリアー」みたいなワイルド感のある商品には‘ぴったり’だと私は思います。

トルクが無茶苦茶あるわけじゃないにしても、一般道から高速道路まで無難にこなしますし、エンジンの回転数は常にわりと上がりっぱなしなので、ちょっと楽しくて心拍数も良い感じで上がりっぱなし?

次ページは>>>
「MC後の値引き情報」です。

次期クラウン発売日は?

これが次期クラウンのフロントマスク


※発売日は2018年6月26日に決定いたしました。

発売後の試乗記は
>>>こちら

 

ニュルブルクリンク北コースで、高速テストを行なうトヨタ車両があったのが2017年7月2日。

カモフラージュされてはいるものの、「GS」、あるいは次期「クラウン」クラスの大型セダンでした。

次期「GS」の開発はまだ車両テストに至るプロセスが全く出ていないので、次期「クラウン」のテスト車両に違いないと騒がれていたものです。

新型「LS」に似たロングノーズのデザインを汲み取りつつ、Cピラーは「クラウン」の‘それ’で間違いありません。

当初、発売は2018年後半にほぼ決定していたクラウンですが、どうやら発売日を前倒しにするようです。

夏頃と発表があったわけですから、2018年7月~8月初旬になることは間違いありません。

トヨタは通常の会社と違い、複数の部署それぞれに完全決定権を持たせることで、小回りの利く経営方針を取っています。

発売日の変更も、ここまでの大会社でありながら、可能なのです。

余談ですが、現行「プリウス」ですら、デザインについては、豊田章男社長の意見を仰がず発売されています。

社長が「あのデザインは何とかしろ、と言ったんだが・・・」とメディアに溢したのは有名な話です。

新型「カムリ」の影響

2017年7月発売の新型「カムリ」の影響は少なからずあったでしょう。

しかも、「カムリ」はこれまでの<トヨタカローラ>の専売から、<トヨタカローラ>、<ネッツトヨタ>、<トヨペット>の3つの系列店で販売されます。

正式決定ではありませんが、一時期売れ筋だった「マークX」の消滅はほぼ間違いのない中、新型「カムリ」には相当、力を入れてきています。

「プリウス」「CH-R」で好評のTNGAボディに加え、燃焼効率が約20%も上がった新型<ダイナミックフォースエンジン>を搭載し、エクステリアデザインもなかなか斬新ですから、相当に「カムリ」は売れています。

弊社でも発表前の注文をいただいた希少(?)車種です。

唯一販売権を得ていない<トヨタ自動車>のディーラーからは「早く、次期クラウンを出してくれ!」とかなり急かされているそうです。

それはそうです。

トヨタの偉い人曰く、「クラウンはウチの屋台骨だもんね。クラウン売ってる<トヨタ自動車>さんが似たようなカムリ売って、カムリばっかり売れたらどうする?利幅はクラウンのほうが上でしょ?株も下がっちゃうよ?だから、もうちょっと待ってようよ」
ディーラー「・・・はい」

と、言わされたものの、長期間待てるわけがありません。

流れとしては2017年10月の東京モーターショー、12月の大阪モーターショーでコンセプトカーとして出展しつつ、ほぼ、そのままの形で発売となります。

新型の発売は6月なのか7月なのか8月なのか?

参考になるか分かりませんが、これまでのクラウンの発売日をまとめてみました。

歴代クラウン発売年月日
10代目 150系 1995年 8月31日
11代目 170系 1999年 9月24日
12代目 180系 2003年 12月22日
13代目 200系 2008年 2月18日
14代目 210系 2012年 12月25日
15代目 220系 2018年?????

しかし、14代目は物議を醸したデザインでしたので、クラウン史に残ると言っても過言ではないでしょうが、なかなかの長寿モデルでした。

6年以上となると、1955年-1962年の初代「クラウン」にまで遡らなければなりません(ワゴンタイプのエステートは除く)。

2017年夏にはモデル末期に登場する“特別仕様車”も用意され、早くも終焉の雰囲気を漂わせていただけに、さらに1年もモデルライフがあるとは少し、驚きました。



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次期クラウンの予想価格

前の記事でもご紹介しましたが、予想価格も載せておきます。
3,500ccはマジェスタを指すと思われます。

2,000cc 直列4気筒ターボ 8AR-FTS
(予想価格:4,500,000円~)

○2,500cc ダイナミックフォースエンジン+モーター
(予想価格:4,900,000円~)

○3,500cc V型6気筒エンジン+モーター
(予想価格:7,500,000円~)



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トヨタ「タンク」・スズキ「ソリオ」 さおりの比べてみたら、どっち?

タンクとソリオ、どっちが買い?

<コンパクト・トールワゴン>という独自の分野で一時期、独擅場だったスズキ「ソリオ」ですけれども、危機感を持ったトヨタが、ライバル車を発売したのが2016年暮れのお話。

しかも、トヨタ4系列(トヨタ自動車・トヨペット・トヨタカローラ・ネッツトヨタ)+スバル+ダイハツで売りに出るという攻勢に出てきました。

それだけの投資に見合った採算を見込んでのことでしょうけれども、果たして?!

さて、今回は営業のさおりが、“どちらが買いか”という難問に挑戦してみます。

と、書きつつ「Aという使用方法のユーザーにはこちらですが・・・Bにこだわりのある人にはあっち。

まあ、どちらも魅力的です」と終わらせるのがプロの評論家の試乗記。

“くるまりんく”では販売店名を伏せているので、在庫車の贔屓をしなくて良いというメリットがありますので、ここは自分なりにちゃんと結論を出していこうと思います。

 



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まず、使い勝手ですが、トヨタは後発ですので、このへんの抜かりはありません。
ドアの開口部の広さや、荷室の最低地上高など「タンク e.t.c…」が微々たる差とはいえ、勝っています。

けれども、あくまで数値上の差であることもまた事実。

正直なところ、実際、使ってみて使い易さでは「タンク e.t.c…」と「ソリオ」は同じくらい使いやすいと思います。

シティサイクル(26・27インチは入るか試してみました)なら後部座席を倒せば、どちらも積めますしね♪

ほんと、どちらも便利な車です。

と、いうわけで、使い勝手では「タンク e.t.c…」の辛勝。

内装の質感も、五分と五分でしょうか。

でも、スズキディーラーにいわゆる高級車が置いてないぶん「この価格で、このファブリックシートだったら頑張ってるかも」と思えるのに対して、トヨタは横に「クラウン」や「CH-R」とか置いてあったりするじゃないですか。

あれって天敵ですよね(笑)。

較べたら絶対、質感悪く見えちゃいますもん。

なので、ディーラー巡りしてる方は、気をつけてくださいね。

いずれも、価格相応以上の頑張りだと思いますよ!

内装の質感は「タンク e.t.c…」と「ソリオ」、同点。

タンクとソリオの維持費比較

996ccの「タンク」の自動車税が29,500円。1,242ccの「ソリオ」は34,500円。

車検時、車両重量が1,000kgをわずかながらオーバーしている「タンク」は「ソリオ」より、約8,000円程度は高くつきそうです。1年あたり4,000円と考えます。

ガソリン代はグレードの差は多少あるとはいえ、どちらも実燃費20km/L弱です。
年間1,000円という微妙な差額ながら「タンク e.t.c…」の勝利。

外観については、かなり個人的な意見になっちゃいますけど、私は「タンク e.t.c…」のほうが好きかなあ。

上記画像のワインレッド(正式名称:マゼンタマイカメタリック)は珍しいカラーだし、派手すぎないし、素敵だと思います。

「ソリオ」は、ミニバンっぽいデザインなので、「ソリオ」が好きって方もいらっしゃるとは思いますけど、ここは個性的だということで「タンク e.t.c…」に一票。
外観は「タンク e.t.c…」の勝利。

次ページは>>>
「走らせてみたら大逆転が?!」です。

15代目次期クラウン220系について 後篇

Toyota Safety Senseは進化するのか?

 

発売後の内装写真(試乗記2ページ目)
も比較してご覧ください。
220系15代目「クラウン」の試乗記は
>>>こちら

次期クラウン発売が2018年夏に決定したということは<Toyota Safety Sense>に何かしらのアップデートがあっても不思議ではありません。

Cの高速走行での対応域、Pの徐行速度での反応を向上させてほしい(2017年現在、クラウンは<Toyota Safety Sense P>が標準装備)のは、もちろんですが多少の向上では買い替えには繋がらないのが自動車販売の宿命です。

では、購買意欲をそそるアップデートは何でしょうか?

欧州勢ではアウディの<マトリックスLEDヘッドライト>、日本国内ではマツダの<アダプティブ・LED・ヘッドライト>、そして、トヨタは<アダプティブハイビームシステム(AHS)>を開発しました。

しかし、まだまだアウディの<マトリックスLEDヘッドライト>に較べると、他社が部分的に照射できる範囲がアバウトなのは確か。

次期クラウンに<マトリックスLEDヘッドライト>並みのヘッドランプが搭載されれば、ユーザーの興味を惹くことができるでしょうが、如何せんコストの問題が・・・。
もしかするとクラウンとの差別化で「マジェスタ」に装備される可能性はあります。

そうなれば、頼みの綱はやはり半自動運転がどこまで進化するか?でしょう。

※発売後の情報
これまでのトヨタセーフティセンスPから進化した新トヨタセーフティセンスは昼間の自転車認識、夜間の歩行者認識能力が加わりました。

特に高速道路上は完全自動運転が可能だというのをレクサスGSにて完璧にテストできたことからすると、新たなデバイスが次期クラウンに搭載されても全く不思議ではありません。

新型「LS」に搭載される新技術も搭載してくれたら嬉しい限りです。
たとえば、自動ブレーキだけでは衝突が避けられない場合、ハンドル操作も自動で制御してくれる最新の衝突軽減システムは魅力的だと思います。

では、純粋に自動車としてのパフォーマンスには、どういう変化があるのでしょうか?

マルチステージハイブリッドシステムが搭載決定!

「LC500h」、新型「LS」に搭載されたマルチステージ~ですが、しばらく他車種への流用はまだアナウンスされていませんでした。

少なくとも2017年夏に発売された新型「カムリ」には搭載されなかったため、中堅車種には搭載を見送るということが分かりました。

「クラウン」は、どういう扱いなのか気になっていましたが<マルチステージハイブリッドシステム>の搭載が明らかになりました。

次期クラウンはTNGAボディにTNGAエンジンを積むことが確定し、さらに<マルチステージハイブリッドシステム>まで・・・。

相当、贅沢なフルモデルチェンジになりそうです。

 

「マルチステージハイブリッド」については
>>>こちら

TNGAエンジンとは何か?

2003年のゼロクラウンに搭載されたV6エンジンがそうだったように、全くの新型エンジンにようやく完成の目途が立ったのは2016年。

ゼロクラウン登場から13年の月日が流れたのかと思うと感慨深いものです。

今後は、新型に搭載されることなく、消えてゆくとのこと。

6気筒エンジンの楽しみ、高級感を味わいたい方は、むしろ新型より現行モデルのほうが魅力的に映るでしょう。

名作”V6エンジン”を積んだ車のご紹介

210系クラウンロイヤル >>>こちら
210系クラウンアスリート >>>こちら
マークX GRX130 前期 >>>こちら
マークX GRX130 後期 >>>こちら

最終「マークX」の出来が
素晴らしすぎて泣きそうでした・・・。
さよならレビューは
>>>こちら

さて、TNGAエンジン、まず2017年、新型「カムリ」に初搭載されました。

これまでのエンジンと何が違うのかと申しますと、それは<熱効率>。

じつはエンジンの歴史は100年を超えるというのに熱効率はせいぜい1/3だと聞いて驚く方も多いかも知れません。

TNGAはそれをエンジン単体で40% ハイブリッドで41%の熱効率を達成。
飛躍的進化といえます。

出力は10%向上。燃費に関しては20%改善されているというのですから、まさに次世代エンジンと呼べるものでしょう。

この新型エンジンの名称は<ダイナミックフォースエンジン>
3タイプの動力ラインナップの内、2,500ccハイブリッドのエンジンが’それ’です。

3,500ccハイブリッドの発売予定もあるようですが、こちらはマジェスタ用ではないかと噂されています。

○2,000cc 直列4気筒ターボ 8AR-FTS
(予想価格:4,000,000円~)


○2,500cc ダイナミックフォースエンジン+モーター
(予想価格:4,500,000円~)


○3,500cc V型6気筒エンジン+モーター
(予想価格:7,500,000円~)

 



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○関連記事ご紹介

「次期クラウン」前篇
発売が2018年にずれこんだわけ、は
>>>こちら

 

新型「カムリ」の存在が
発売日に影響した?
その他、発売日情報は
>>>こちら

 

モデル末期でも
“現行”「クラウンアスリート」は買いなのか?
>>>こちら



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15代目次期クラウン220系について 前篇

2017年内の発売がなくなったわけ

次期クラウンというのは、かなり発売が近づかないと形が見えてこないだけに色々、予想するのが難しかった車種です。

発売後の「クラウン」試乗記は
>>>こちら

 

それが、東京・大阪モーターショーのおかげで、かなり早くエクステリアが公開されました。

サイズは
全長×全幅×全高=4,910mm×1,800mm×1,455mm、ホイールベース2,920mm。

14代目現行「クラウン」は、
全長×全幅×全高=4,895mm×1,800mm×1,450mm、ホイールベース=2,850mm。

ボディサイズを新旧比較すると全長拡大を抑えつつ、ホイールベースが拡大していることがわかります。

正直、代々「クラウン」の後席のレッグスペースは運転席を下げられると窮屈でしたので、7cmのホイールベース拡大が後席のゆとりに宛てられるのなら大歓迎です。

搭載される新技術は?

搭載されるであろう新技術の予想は、過去のモデルほど難しいことではなさそうです。

それはトヨタが声を大にして<Toyota New Global Architecture>=通称名<TNGA>を2021年までに完成させる、と明言しているからです。

4代目プリウスが発売されたとき、多くの人が<TNGA>はトヨタの新しいシャシー(車の骨格)を指すのだと思いました。

ところが、それは自動車の構造を根幹から見直し、文字通り“一”から”開発することだったのです。
シャシー、エンジン、ハイブリッドシステム、トランスミッションe.t.c…トヨタは自動車のすべてを作り直す気でいるのです。



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次期クラウンターボ、クラウンハイブリッドの発売は2018年夏に決定しました。

現行(2017年現在)14代目クラウンが2012年の暮れに発売されたので、6年でのモデルチェンジです。

発売日・価格などの最新情報は >>>こちら

この6年強という数字は近年の自動車業界からすると、普通ですが、じつはクラウンにとっては長いスパン。
これまで、ほとんどのクラウンのモデルチェンジは4年で行なわれてきたのです。

今回、フルモデルチェンジを長引かせた理由は新型の熟成というのが大きな要因です。

欧州車の場合ですと、とりあえず、外観のモデルチェンジを行ない年次改良にて熟成させていくのが常ですので、新型の発売直後はバランスが取れていないことも多いです。
考えを変えれば、“今”のモデルが、その時、その会社の出し尽くせる全て、とも言えます。

2,3年での買い替えを好むユーザーに魅力的な、良いやり方と考えるか、10年近く買い替えられない一般的な消費者に対して敬意に欠けるのか、捉え方にもよりますが日本ではマツダがそのような考え方です。

昔からトヨタは年次改良は少ないほうのメーカーでした。

特にクラウンは4年のモデルライフの真ん中でテールランプのデザイン小変更や、内装の質感を多少、アップさせるくらいで留めていましたので、次期モデルも大きなマイナーチェンジはメーカーが望んでいないと思われます。

ちなみに2012年~の14代目は珍しくビッグマイナーチェンジを施された稀有なモデルと言えるでしょう。

1.<プリクラッシュセーフティシステム>から<Toyota Safety Sense P>への進化
2.構造用接着剤を新たに追加。溶接スポットを90箇所以上追加

1.に関しては他メーカーの衝突軽減ブレーキの充実に加え、トヨタ車の新型が続々<Toyota Safety Sense >を搭載していく中で、看板であるクラウンが旧式のままではユーザーが納得しない、と踏んだのでしょう。

ではなぜ2.の溶接スポットの追加まで行なったのでしょう?これにはプリウスの進化が関係あります。TNGAの技術から生まれたシャシーをベースにした4代目プリウス(2015年~)の乗り心地が異常なほど進化したからです。

大げさなどではなく、乗り心地の良さが売り文句のクラウンをそのままにしていては販売に支障があるほどだったと聞きます。

実際、マイナーチェンジ前と後では、小さな凸凹道を走っただけでボディ剛性が高くなっていることがすぐに分かるほど進化しています。

MC後の「クラウン・アスリート」については
>>>こちら

次期クラウンではTNGA技術による、さらなるボディ剛性のレベルアップ、新エンジン、マルチステージハイブリッドの搭載が決定しています。

では具体的にどうなるのでしょうか?

○関連記事ご紹介

TNGAボディ+エンジンだけではない?!
搭載される新技術とは?
「次期クラウン」後編は
>>>こちら

新型 トヨタ 2代目「プリウスPHV」2017年~現行 試乗評価 さおり著



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普通プリウスにはない気品

一昔前のCMで、私、好きなのがあるんです。
「ある日、すごい車を見たんだよ。劇的なパワーユニットを持ってて、二酸化炭素もほとんど出さない環境に優しい車。走り?走りも最高♪(と、言っていたのかは定かじゃないですが(笑))

そんなナレーションに乗って流れる映像は“透明な自動車”。雨粒が当たったりして、辛うじてセダンだと分かります。

まだ、そんな車ないけど、きっと人類なら・・・いつか。
そんな仄かな期待を寄せて見ていた私。

「ある日。それは・・・今日。今日なんだよ。」

と、CMは告げ、透明の車がレクサスのLSハイブリッドに変わります。

あのCMのハイブリッドも凄かったけど、また、一つ時代は進んだのかな、と思わせる自動車が、この「プリウス・プラグインハイブリッド」です。

実車を見て、感じたのはバランスの良いデザインでした。

4代目のノーマルプリウスを見たとき、
「これは売れるのかな?売れてもらわないと困るな。ううん・・見ているうちにカッコよく見えてきた!これ、外国車だったら誰もダサいって言わないデザインじゃない?」
と、自問自答を繰り返したものです。

蓋を開けてみれば普通に売れまくってしまった4代目プリウスさん。
田舎の一営業ガールの悩みなんて何のその、でした^^。

それが、どうでしょう、このプリウスPHVときたら!!
美しいんです。
LEDライトが付いただけで、こうも綺麗に見えるものかしら?
それともリアガラスの真ん中が凹んだデザインだから??
ちょっとホイールベース(前輪と後輪の距離)が伸びたから?

2代目プリウスPHV、私は現代的で品があって、とっても綺麗だと思います。

加速力が凄すぎる!

運転席に座った感じはノーマル・プリウスと特に変わりありません。
ポジションは決して高くはないので、ミニバン系からの乗り換えだと少し違和感があるかもしれません。短いボンネットが、やっぱり見えない・・。

アクセルを踏んでみて、そろそろと駐車場を進んでいるだけでも「お。重厚感があっていいかも」と、さっそくノーマル・プリウスとの差別化に感心。

PHV用のバッテリーによる重量“150kg”の違いは伊達ではありません。
その150kgが車の床付近にあるわけですから、安定感は増すわけです。



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これだけ高級車のような重厚感があると、逆に加速力とか大丈夫なのかな?
と、不安になって、アクセルを踏んでみると、、

「シュルルル~!」

なんか未知の車に乗っているかのように加速します。
乗り心地も普通「プリウス」より良いです。
800万円クラスの高級車みたい。

静かだし、かといってロードノイズ(タイヤの転がるザーッという音)がうるさいわけでもないのです。

後部座席の居住性は普通プリウスとほぼ同じ。

ホイールベース(前と後ろのタイヤの距離)が伸びているからといって、室内空間には反映されていないようです。
カタログ値も同じでした。

大きな違いは5人乗りじゃなくて4人乗りだということ。
後部座席には大きなセンターコンソールがあって、左右が区切られます。
なので、プライベート空間っぽい演出がお好きな方はPHVのほうが居心地が良いでしょうし、開放感がお好きな方は普通プリウスがお好きだと思います。

それにしても!
切れ目のない加速は凄いです。
“シームレス”。
加速力を褒めるとき、そう書かれること、多いですけど、この「プリウス=PRIUS PHV」の加速力はまさに、それ。

比較される日産「リーフ」の加速もスムースとはいえ、電気だけに頼っているため航続距離を縮めるわけにはいかないのでしょう。
常にセーブしている感じがします。
“加速力”に関しては「プリウスPHV」は「リーフ」とは別次元の加速です。

そして、EV加速が時速80kmでも余裕で続き(テストコースでは時速135kmまで可能だったとか)、距離にして50km程度(カタログ値:68.2km)でしたらEVだけで怒涛の加減速を繰り返して、かつ静けさに満ちた異次元の空間で移動できるわけです。

EV状態の「プリウスPHV」、走ってると“完璧?”とか言っちゃいたくなるほど素晴らしいのですが、動力性能と関係ないところで・・・。

次ページは>>>
「唯一ともいえる残念な点とは?」です。



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