何だこれは!?獣のようなクラウン
トヨタ広報さん、記者から「ロイヤル、アスリート、ハイブリッドと3モデル、がラインアップされる中で一番の自信作はなんですか?」と聞かれ、間髪いれず、
「ハイブリッドです!」
と回答したのは、たいへん記憶に残っています。
ちなみに2008年発売の200系クラウンには“ハイブリッド”という車種があり、ロイヤル、アスリートとは一線を画す個別モデルで、カタログも計3冊用意されていました。
ハイブリッドのカタログは水色~青色に統一された色使いで、いかにも環境に配慮したエコカーという印象。
燃費は、10.15モードで15.8km/L(JC08モードで14.0km)と、当時の大型セダンの中では目を引くほど良かったのですが、2006年にレクサスから発売されていたGS450hという全く同じパワートレインを持つ車が10.15モードで14.2km/L(JC08モードで12.8km)だったことを踏まえると少々、物足りないような気もしました。
それもそのはず、トヨタのたまに出る暴走企画(?)がこんなところで発動していたのです。
当時の技術で3,500ccエンジンを積んだハイブリッドでも、燃費はおそらく18km/hくらいに設定することは可能だったはず。
それを敢えて、しなかったのはなぜでしょうか?
先述したGS450hへの強い意識です。
後にも先にも共存ではなく、明らかにレクサスに対抗しようとしたトヨタ車は、これだけではないでしょうか?
しかも≪速さ≫という分野で、です。
燃費でも表向き勝る必要があったため、ノーマルモードでは少々、出力を抑えて10%ほどGS450hを上回る設定にしたのは“一応”クラウンだから。
重量もクラウンのほうが60kg軽いので、10%オフくらい朝めし前だったでしょう。
じつはスポーツモードというクラウンらしからぬコマンドが用意されていたのには驚きました。タコメーターが青⇒≪真っ赤≫に変化します。
試しにアクセルを踏み込んでみると、それはもう、恐ろしい加速でした。
シートに背中が押し付けられるクラウンなど誰が想像したでしょうか。
「キュイーィン!」とモーターで怒涛の加速を味わったあと、中間加速では「フォォォン!」と勇ましくV6エンジンの音が被さります。
試乗しながら、「ひゃ~!」と、バルログばりの奇声を発したのは後にも先にもこれ一台でしょう。
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そう。
このクラウンハイブリッドはクラウンの皮をかぶったスーパーGS450hだったのです。
なにがスーパーなのかは後述するとして、じつは僕が初めて乗った日、ドライブレコーダーの音声がONになっており、あとで、社員からからかわれる始末。いい歳して情けない・・・。
さて、GS450hに対抗、そして勝ちにきたのは何も速さだけではありません。
以下の二点はその最たるものです。それぞれ、大変、高額なシステムなだけに、クラウンハイブリッドの執念を感じます。
一つは『アクティブ・ノイズコントロール・システム』。
エンジンの出すこもり音を天井のマイクで検知し、その都度、逆位相の音を発するスピーカーを搭載していました。
これはGS450hには搭載されなかったシステムです。
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「200系“ハイブリッド”の意外な、ご購入理由」です。