新型「クラウン/ターボ 2.0 RS/RS advance」15代目 220系 2018年-現行

直列4気筒2,000ccターボの進化が凄い

先代にあたる14代目「クラウン/アスリート」の後期になって2,500ccに代わる新エンジンとして登場した直列4気筒2,000ccターボエンジン。

しかし、これは時期尚早でした。

ターボラグを感じにくい、低速トルクは充分にある、など、絶対評価としては決して低くはなかったものの欧州勢、特に「アウディA3」や「ゴルフ」などに積まれる1,400ccターボエンジンの静粛性、高回転域でのパワー、トルク、要するに大排気量エンジンと錯覚するような秀作エンジンに勝負を挑むのは少し早かったかな、と思います。

「クラウン」らしからぬエンジン音が車内に入ってきましたし、高回転域でのパワーも‘いまいち’でした。

何かずっとアクセルを踏み続けていないとスピードが出ないような余裕の無さがありました。

コンパクトスポーツカーなら、そういう感覚もまた楽しめるものですが・・・。

しかし、満を持して発売された、15代目「クラウン/ターボ」は先代の不満を払拭する出来映えになっていると思います。

 

210系 14代目「クラウン」
直列4気筒ターボエンジン

最大出力:173kW(235PS)/5,200-5,800r.p.m
最大トルク:350N・m(35.7kgf・m)/1,650-4,400r.p.m

220系 15代目「クラウン」
直列4気筒ターボエンジン

最大出力:180kW[245PS]/5,200-5,800r.p.m
最大トルク:350N.m(35.7kgf-m)/1,650-4,400r.p.m

 

高回転域でのトルク感は高まり、ターボラグはさらに高次元で消化され、静粛性が高まり、踏み込んだときのエンジン音も生き物が‘うなり’を上げているような有機的な何かを感じさせます。

 



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これにTNGAの低重心ボディを纏ったら、魅力的でないわけがありません。

内装も高級を演出する方向から質そのものを高めて、シンプル、そしてスポーティな印象が高まり、RS/RS アドバンスに合わせて仕立てたかのよう。

エンジンフィールと速度計が一致する感覚の車、そうはありません。

特に一般道で加減速するのが楽しくて、堪らないです。

しかし、JC08モードでは13.4km/Lから12.8km/Lに燃費が劣化。
車両重量が1,600kg前後(グレードにより異なる)だったのが15代目では1,700kg前後、つまり、約100kg重量増加したのが大きな要因かと思います。

実燃費はどんなものか300kmほど走行してみたら、一般道9km/L弱、高速道路14.5km/Lでした。

14代目は何度か納車したので、走りましたが一般道で9km/L超えた記憶はないし、高速道路では13km後半だった気がします。

走り方が同じだったわけではないので、あくまでご参考までに。

15代目は14代目より、実燃費が劣化してるわけではない、と申し上げておきます。

それでも、ハイオクなのが財布には厳しい・・・と、思うのは自動車営業マンの僕が買えない証です(笑)。

 



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TNGAとは何なのか?

TNGAとはトヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャーの頭文字で決してシャシーだけを指しているだけではありません。

ただ、シャシーの進化は目覚しく、TNGAの代名詞と申しあげても良いと思います。

これまでスポット溶接だった箇所をレーザー溶接にするくらいは序の口で、重量の嵩む部分を可能な限り1mmでも低く設置するという職人の意気込み、そしてシャシーにボディを載せるという考え方を捨て、シャシーとボディーを一体化した設計、そしてそれが製造できるラインをすべて新設すること・・・。

様々な理想を追求して実現した技術です。

また、これだけの設備投資できる体力があるのもトヨタの強みでしょう。

ちなみに、TNGA1号車「プリウス」に関しては利益が出る計算ではなかったようです。

そんなトヨタの技術の結晶というべきTNGAも熟成が進んでいます。

ハイブリッド限定になりますが、新開発された直列4気筒ダイナミックフォースエンジンは熱効率40%を達成(従来は30%が一般的)。

最大トルクが発生する回転数も幅広く、ハイブリッドエンジンとしては理想といえます。

ガソリン単体モデルの直列4気筒ターボも静粛性が高まり、車内の‘こもり音’、ロードノイズは大幅に低減、何より思いのままにコーナリングが可能です。

ハイブリッドに比べて、リヤが軽い(ハイブリッド車は後部座席下に重さ60kgを超えるバッテリーを積んでいます)分、高速道路でのハンドリングのキレは15代目「クラウン」の中でも随一。

直進安定性も非常に高いです。

ドイツ御三家と高速走行でも肩を並べる時代がついにやって来ました。

故障率に関しては、もともと向こうとは話になりません。

あなたならどちらを買いますか?

 

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○220系 15代目「クラウン」2,000cc ターボ RS/RS アドバンス 評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 非常に良い
運転楽しい度 非常に良い
後席居住性 悪い
リセール価値 良い
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 良い


トヨタ15th「クラウン」220系 税込価格表
2.0 B4,606,200円
2.0 S4,746,600円
2.0 S "C package"4,941,100円
2.0 RS-B5,000,000円
2.0 RS5,1804,000円
2.0 G5,416,200円
2.0 RS Advance5,594,400円
2.5 S4,978,800円
2.5 S "C package"5,157,000円
2.5 S Four5,194,800円
2.5 S Four "C package"5,373,000円
2.5 RS5,416,200円
2.5 G5,621,400円
2.5 RS Four5,632,200円
2.5 RS Advance5,799,600円
2.5 RS Advance Four6,015,600円
2.5 G-Executive Four6,323,400円
3.5 S6,237,000円
3.5 RS Advance6,906,600円
3.5 G-Executive7,187,400円

「クラウン」220系 2,000cc ターボ 主要諸元表
全長4,910mm
全幅1,800mm
全高1,455mm
ホイールベース2,920mm
最小回転半径5.3~5.5m
車両重量1,690-1,730kg
乗車定員5名
エンジン種類直列4気筒ターボ
トランスミッション8 Super ECT
総排気量1,998cc
エンジン最高出力180kW[245PS]/5,200-5,800r.p.m
エンジン最大トルク350N.m(35.7kgf-m)/1,650-4,400r.p.m
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
WLTCモード(総合)12.4km/L
WLTCモード 市街地8.7km/L
WLTCモード 郊外12.6km/L
WLTCモード 高速15.1km/L
JC08モード12.8km/L