「Cクラス C180/200/350e」4th W205 2014年-現行

180と200 比較

欧州車はディーゼルに諸々、問題を抱えている反面、小排気量エンジンのトルクの出し方が日本車よりも優れていると思います。
さすがに「Eクラス」まで大きくなると重量も増し、加速時の不満などが出てくるのですが、「Cクラス」にはまさに‘ぴったり’のエンジンと言えるのではないでしょうか。

 

「Cクラス」全般レビューについては
>>>こちら

 

4気筒ターボの1,595ccと1,991ccのエンジン。
主要諸元を比較してみます。

 

「C180」
エンジン種類:直列4気筒DOHCターボ
排気量:1,595cc
車両重量:1,490kg-1,540kg
エンジン最高出力:115kW[156PS]/5,300r.p.m
エンジン最大トルク250N.m(25.5kgf-m)/1,200-4,000r.p.m
JC08モード:15.7km/L~16.1km/L
価格:4,980,000円~(ローレウスエディション
※ベースグレードは4,410,000円~ですが、受注生産のため比較対象車から外しました。

 

「C200」
エンジン種類:直列4気筒DOHCターボ
総排気量:1,991cc
車両重量:1,540kg-1,590kg
エンジン最高出力:135kW[184PS]/5,500r.p.m
エンジン最大トルク:300N.m(30.6kgf-m)/1,200-4,000r.p.m
JC08モード:14.2km/L
5,300,000円(アヴァンギャルド)

「C180」は1,500ccを超えているため、年間自動車税は共に39,500円です。

 



スポンサーリンク

 

<レーダーセーフティパッケージ>も、双方共に設定済み。
燃費はカタログ値から、さほど落ちないところも似ており、およそ8割程度といったところでしょうか。

つまり、価格差の約30万円をどう捉えるかという話になります。

ちなみに「180」にしか設定のないローレウスエディションにはエクステリアやステアリング周りのデザインがAMGラインになります。

それも含めて、オプション価格218,000円分がお得という「C180 ローレウスエディション」。

やはり、180は「Cクラス」一番の売れ行きだそうで、ウチに入ってくる新古車の割合は「200」の約2倍。

ディーラー在庫も「180」中心に揃えていますので、お客様も選びやすいです。

「180」と「200」、時間を置かず、試乗をしても大きな差は感じられないとおっしゃったお客様が多かったことも付け加えておきます。

とはいえ、「C200 AMGライン」に設定されたエアーサスペンションだけは、さすがに違いが分かるでしょう。

ただ、このエアサスはかなりエアサスっぽさがないと申しましょうか、要は硬めなので、若干、柔らかめのW205「C」のコイルサスとの明確な違いが出ていないのは事実。

後部座席にお乗りになったほうが違いを楽しめるかもしれませんが、いかんせんメルセデスのエアサスほど信用に欠けるのはイタリア車くらいなものなので、やめておいたほうが良いと思います。

このW205のエアサスは一箇所、故障すると25万円也。
新車保証内で絶対に乗り換える方以外には相当なギャンブルといえましょう。

そうなると、エアサス以外に「200」が「180」より優秀な点を探さなくてはなりません。
しかし、一般道では見つかりにくい、というのが正直なところです。

特に低速トルクなどは「180」で充分でしょう。

差が出るシチュエーションは、高速走行時の加速力、および高速時のエンジン回転数でしょうか。

1,600ccと2,000ccと聞けば、結構、違うものをご想像するかと思いますが、不思議とあまり違いはありません。

冒頭に申し上げたとおり、“欧州のコンパクトエンジン恐るべし”です。

逆に2,000ccの非力さに多少の不満を覚えるのも事実です。
もう少し、低速トルクがあってもいいし、1,600ccよりも常時、静粛性に優れていても良いのでは?と思います。

『‘買い’はどちらですか?』

と、僕もお客様によく聞かれます。

これは、どう考えても「180」でしょう。
100万円近くもプライスダウンしているディーラー在庫車(ほぼ新車)が、豊富だというのもポイントです。

次ページは>>>
「2種のホワイトについて」
「350eって何だ?」
「値引き情報」です。

「Cクラス C220d」4代目 W205 2014年-現行

革命的な変貌

登場したのは2014年。

キャッチコピーは 『メルセデスの本気』。

当時、サッカー日本代表の本田圭佑選手を起用したのもトピックでした。

煙の中から登場する「C-class」と、それと対峙するように、じっと迎える本田選手。

高級感と、挑戦的な雰囲気が出ていて印象的なCMでした。

じつは本田選手、この直後にトヨタ「オーリス」がハイブリッド導入した折のCMにも出演していました。
同時に放映されていたわけではないのでOKということなのでしょうが・・・。

俳優の渡辺謙さんが日産「スカイライン」に起用された数年後に、スズキのコマーシャルに出ていたのも妙な感じでした。

渡辺謙、当時はわりと良いイメージがあった俳優さんでしたね。

 



スポンサーリンク

 

このW205「Cクラス」、はっきりとW213「Eクラス」よりも優れている、と裁定した自動車評論家も多くいらしたので、果たしてどうなのか、期待は膨らむばかりでした。

が。弊社がなかなか買い取らせていただけない・・・(欧州車は新車で入荷した試しなし)。

まあ、ウチは国産がメインなので買い取ってもオークションに流すケースもあり、高値が付けられなかったのもあります。

期待が大きくなる理由はもう一つありました。

それは先代にあたる3代目W204「Cクラス」の後期のレベルが非常に高かったことです。

2007年に発売された当初、Dセグメントでは頭一つ抜けているのではないか、と思うほど安定感のある走りを提供していました。

それが2011年に何と2,000箇所に及ぶ改良を経て、マイナーチェンジ。

どこがどう変わったのか、というよりも、さらに一つ上のレベルに引き上げられた感のあるMCでした。

個人的には満点を付けても良い仕上がりに感じましたが、BMW「3シリーズ」好きの整備士によれば、
『ハンドリングがまだまだ』
とのこと。

シビアな切れ味こそが‘良い’という価値観もあるので、そこは否定しません。

しかし、日常走行時においての直進安定性はもちろん、ハンドルの応答性までメルセデスに高められたのでは、他の欧州メーカー、特に似たベクトル上に存在するアウディは3代目W204「Cクラス」に焦ったのではないでしょうか?

メルセデスベンツ独特の‘しっとり感’に加え、この頃から標榜する<アジリティ=機敏さ、敏捷さ>を見事に体現していたのは見事でした。

W204よりW205は優れているのか?

さきほど、価値観と申し上げたとおり、僕はW204に満点を付けた人間なので、それをアップデートする方向ではなく、変化を求めたフルモデルチェンジ、四代目の「C」W205に対してさほど高評価はできないだろうな、とは思っていました。

エクステリアがW222「Sクラス」の近似値に纏めてきたことから何か相容れないものもありましたし・・・。

「Sクラス」と勘違いされると素晴らしいわけでもないでしょうに。

あと、ドアの開閉音が軽くなったことも少なからずショックでした。
これはアルミ製になったことによる変化ですが、あの‘ド’と重い音と共に乗り込むと、

『ああ、これが欧州メルセデスだ』

と、優越感を覚えてしまうタチでしたので、どうしても盛り上がりません。

しかし、インテリアのさらなる質感の向上は間違いなく、ご購入検討中の方々の心に響くのではないでしょうか?

W204の内装が安物っぽいとまでは言いませんが、国産車で同価格帯の商品と比較すると劣っていたのは否めなかったので、これは嬉しい変貌です。
走りもまたW204とは別物です。

次ページは>>>
「走りでCクラスは3シリーズに勝てるのか?」です。

「Eクラス E200/250/400」5th W213 2016年-現行(さおり著)

エンジン3種

最近、どのメーカーも1車種に、たくさんのエンジンバリエーションがあるのが当たり前の時代。

この、W213「Eクラス」は、エンジンが3種用意されています。

・1,949ccディーゼル⇒220d【ターボ】

・1,991ccガソリン⇒200【ターボ】、250【ターボ】、350e【ハイブリッド】

・3,497ccガソリン⇒400【ツインターボ】

この中で「400」は4WDのみの展開で価格は1,000万円を超えています。

他グレードより200万円以上高いプライスタグなのも気になりますし、よほど加速力が欲しい方でもない限り不必要かなぁ、と。

しかも、その加速は‘どっかんターボ’と呼ばれた80年代の商品と似ていて、アクセルを踏み込んでからのタイムラグもあるので、さおりはお薦めしていません。



スポンサーリンク

 

250と、350eならどっちにする?

少し、お手頃な価格(?)になってくると、「250」と「350e」で迷われる方も多いと思います。
「250」が7,750,000円~、「350e」が7,980,000円~です。

「250」のターボは「400」と違い、より一般道での自然な加速力を高めるためにセッティングされているのでしょう。
ずいぶん、スムースです。

急に‘ドーン’と出たりはしませんし、「200」とエンジンは同じとはいえ、最高出力・最大トルク、ともに15%もUP↑↑していますので、力強さで不足を感じることも少ないでしょう。

「200」と比較すると、もう少し回転を落としてもいいかな?というような場面でもエンジンがグルグル回っているのは珠にキズ?

あと、あまり台数が出ていないのでカタログ落ちする可能性も・・・。

ところで「350e」はディーラーの方はあまり薦めてこないのではないでしょうか?
なぜって、それは在庫がほとんどないから。

国産車と違い、メルセデス正規ディーラーや、ヤナセは予め、売れ筋グレードの売れ筋カラーを仕入れているので、それ以外は余り売りたくないのです。
「350e」、商品としても正直、「Eクラス」の中で最もお薦めできないです。
ハイブリッドなのに燃費が良いわけではなくて、モーターとエンジンの切り替えがトヨタほどスムースではありません。

どのガソリン車がいいのかっていうと、私なら迷わず「200」。

高速道路へ入るときの加速力の心許なさがあるのが唯一‘らしくない’かな?という点と申し上げても良いでしょう。

普通に走っているぶんにはベストバランスです。

あと、コストパフォーマンスもさることながら、在庫車も豊富で色もブラックorホワイト以外から選べることも♪

カライトグリーンなんていう青みがかった緑は、綺麗なお色なのに日本ではほとんど見かけないので、もし選べたら是非!

「E200」と「E220d」の比較は>>>こちら

同じ車で全長が違う?

諸元表をご覧になって、
「おや?」
と、疑問に思われたことがある方、いらっしゃるのではないでしょうか?

じつは、全長の違いは、ほとんどバンパー形状の違いによって生じています。

この「Eクラス」も4,930mmと4,950mmの2タイプ、ございましてリアバンパーの形状違いによって2cmの違いが出ている、とのこと。

パッと見、分かりませんが展示車がたくさんあるディーラーで見比べてみると面白いですよ♪

お薦めできないCDプレーヤー

なんとW213「Eクラス」にはCDの挿入口がないのです・・・。
音楽聞くにはUSBで接続して聴くしかないわけです。

パソコン慣れしているユーザーをターゲットにしつつ、お値段は若者向けではないので、CDプレーヤーレスという標準仕様はどうなのかなあ、と思ってしまいます。

どうしても欲しい方は90,000円のオプションの外付けCDプレーヤーが用意されてはいます。

けれども、かなり音質は悪いですので、価格の価値はありません。

なんとかしてほしいものですネ。。



スポンサーリンク

 

「C」にはなく「E」にはあるインテリジェント

衝突安全システム、メルセデスは半自動運転という考え方なので<インテリジェントドライブ>という名称を使っています。

まだまだ、すべてを委ねることはできないシステムですが、いざというときに頼りになるのは確かです。

この「Eクラス」、「Cクラス」には設定のない<ステアリングサポート>が付いています。

つまりブレーキだけでは衝突が避けられないけれども、周囲に退避エリアがあると自動車が判断した場合にステアリングが勝手に切れるシステム。

国産車だと2017年~の「LS」に初搭載されました。

いろいろ進化してくれるのは嬉しいですけど、ハンドルを握らなくて良い時代がくるのかなあ、なんて思うと複雑な気分ですよね。。

さおりでした。

 

○関連記事ご紹介

最大のライバル
のご紹介は
>>>こちら

 

「E200」vs「E220d」は
>>>こちら

 

似ているって言えば似ている?
「GS」シリーズの記事は
>>>こちら

 

○メルセデスベンツ「Eクラス 200 アバンギャルド」5th W213 評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 良い
運転楽しい度 良い
後席居住性 非常に良い
リセール価値 普通
故障のしにくさ 悪い
部品の安さ 悪い

○メルセデスベンツ「Eクラス 400 4matic」5th W213 評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 悪い
運転楽しい度 良い
後席居住性 良い
リセール価値 非常に悪い
故障のしにくさ 悪い
部品の安さ 悪い

5代目ベンツ「Eクラス」W213 税込価格表
E200 アバンギャルド6,820,000円
E200 4マチック アバンギャルド7,050,000円
E200 アバンギャルドスポーツ7,340,000円
E250 アバンギャルドスポーツ7,750,000円
E350e アバンギャルドスポーツ7,980,000円
E220d アバンギャルド7,050,000円
E220d アバンギャルドスポーツ7,570,000円
E400 4マチック エクスクルーシブ10,140,000円



スポンサーリンク

ベンツ「E200」W213主要諸元表
全長4,930mm-4,950mm
全幅1,850mm
全高1,455mm
ホイールベース2,940mm
最小回転半径5.4m
車両重量1,670kg-1,700kg
乗車定員5名
エンジン種類直列4気筒DOHCターボ
トランスミッション9AT
総排気量1.991cc
エンジン最高出力135kW[184PS]/5,500r.p.m
エンジン最大トルク300N.m(30.6kgf-m)/1,200-4,000r.p.m
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
JC08モード14.7km/L

ベンツ「E220d」W213主要諸元表
全長4,930mm-4,950mm
全幅1,850mm
全高1,455mm
ホイールベース2,940mm
最小回転半径5.4m
車両重量1,800kg-1,820kg
乗車定員5名
エンジン種類ディーゼル直列4気筒DOHCICターボ
トランスミッション9AT
総排気量1.949cc
エンジン最高出力143kW[194PS]/3,800r.p.m
エンジン最大トルク400N.m(40.8kgf-m)/1,600-2,800r.p.m
使用燃料軽油
JC08モード21.0km/L

「Eクラス E220d」5th W213 2016年-現行

Cクラスとの差別化には成功したの?

2014年にW205「Cクラス」が登場したときのこと。

試乗動画でモータージャーナリストの方が「Eクラス(2010年-2015年のW212)のオーナーさん、これはヤバイです。Eクラスのオーナーが乗ってもびっくりすると思います」とおっしゃっていたのが、印象に残っています。

また、同じ時期、メルセデス広報が「Eクラス」の存在意義をジャーナリストに質問された際、

『それは次期「Eクラス」で答えを出しますんで』と、W212を見捨てるかのような発言があったのにも驚きました。

その発言の1年前、2013年にW212「Eクラス」の4眼ヘッドライトを廃止したビッグマイナーチェンジに対して、
『現在のメルセデス、最強の商品を登場させました!』
なんて言っていたのに・・・。

今回、ようやく弊社にも中古車が入ってきたのでレポートさせていただくのが、先代「Eクラス」を凌駕した、そして「Cクラス」のさらに上にいくはずのW213「Eクラス」。

でも、パッと見「Cクラス」との違いを余り感じないW213「Eクラス」です(汗)。

並べて眺めるとリアが‘すぼまっていない’ぶん、伸びやかなデザインに見えるのが特徴と言えるでしょう。

ただ、CもEもW222(2013年-)の「Sクラス」っぽいデザインになっているのは、好き嫌い分かれそう。

それぞれのサイズ、個性に合わせたデザインを取り入れつつ、メルセデスらしさを表現してほしい気がしますけど、まあ、言うは易しですね・・・。

間違いなく言えるのは10年後にも旧型っぽく見えないだろうな、っていうこと。

斬新ではないかも知れませんが、飽きのこない落ち着いた仕上がりだと思います。

Cとのステアリングの差にびっくり!

そうなんです。

ステアリング、かなりのライトフィールでびっくりしました。

BMWと較べて、というより「Cクラス」と較べて、明らかに軽いです。
回しこんでいっても、どこかで‘グッ’と固くなるようなことはなく終始‘スルスル’回ります。

インテリアは「Cクラス」との差は歴然っ!
パネルの樹脂から、ドアノブから、皮シートの縫製から、何から何まで1ランク上です。

メーター類は‘のぺっ’としたデジタル表示。
これは「Sクラス」風。
ライバルの、レクサスとの違いは凹凸表現がなく、いかにも近未来デジタル表示を目指していることでしょうか。

グラフィックの鮮明さは「BMW」よりはキメ細かいですが、レクサスには及んでいないです。
こういう風に日本車が明確に優れている点はもっと評論家さんに主張してほしいな、と常々、思います。

<アイドリングストップ>機構なんかもそうです。
「Eクラス」の<アイドリングストップ>は、日本車の多くに‘かなり’遅れています。

エンジンスタートの時のショックも大きく、ブレーキペダルが押し戻される感覚があります。

高速道路での安定感はさすが

「Cクラス」も良いお車ですので、街中で時速60km程度で走っているだけなら、「Eクラス」に乗り換えても、すこしの静粛性を感じるくらいでしょうか。

あと、ボディが大きいぶん振動なども、わずかには違います。
でも、強いて言えば・・・というレベル。

これが、高速道路になると違いは明らかになってゆきます。

「Cクラス」はよりロードノイズが騒がしくなってくるのに対して、「Eクラス」は寧ろ、静けさが増したような印象を持ちました。

もちろん、安定感も抜群です。



スポンサーリンク

 

のんびり直進をするなら(東名~名神で空いているときのような)快適さはEセグメント最高レベルではないでしょうか?

ちなみに、最大のライバルBMW「5シリーズ」は、ちょっと上下の揺れを感じますし、レクサス「GS」は高額の450hでもなければ、すこし力不足を感じます。
アウディ「A6」はそもそも余り乗り心地が良いとは思えず・・・ファンの方ごめんなさい。

次ページは>>>
「200と200dはどちらがお薦め?」です。