トヨタ「タンク」・スズキ「ソリオ」 さおりの比べてみたら、どっち?

タンクとソリオ、どっちが買い?

<コンパクト・トールワゴン>という独自の分野で一時期、独擅場だったスズキ「ソリオ」ですけれども、危機感を持ったトヨタが、ライバル車を発売したのが2016年暮れのお話。

しかも、トヨタ4系列(トヨタ自動車・トヨペット・トヨタカローラ・ネッツトヨタ)+スバル+ダイハツで売りに出るという攻勢に出てきました。

それだけの投資に見合った採算を見込んでのことでしょうけれども、果たして?!

さて、今回は営業のさおりが、“どちらが買いか”という難問に挑戦してみます。

と、書きつつ「Aという使用方法のユーザーにはこちらですが・・・Bにこだわりのある人にはあっち。

まあ、どちらも魅力的です」と終わらせるのがプロの評論家の試乗記。

“くるまりんく”では販売店名を伏せているので、在庫車の贔屓をしなくて良いというメリットがありますので、ここは自分なりにちゃんと結論を出していこうと思います。

 



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まず、使い勝手ですが、トヨタは後発ですので、このへんの抜かりはありません。
ドアの開口部の広さや、荷室の最低地上高など「タンク e.t.c…」が微々たる差とはいえ、勝っています。

けれども、あくまで数値上の差であることもまた事実。

正直なところ、実際、使ってみて使い易さでは「タンク e.t.c…」と「ソリオ」は同じくらい使いやすいと思います。

シティサイクル(26・27インチは入るか試してみました)なら後部座席を倒せば、どちらも積めますしね♪

ほんと、どちらも便利な車です。

と、いうわけで、使い勝手では「タンク e.t.c…」の辛勝。

内装の質感も、五分と五分でしょうか。

でも、スズキディーラーにいわゆる高級車が置いてないぶん「この価格で、このファブリックシートだったら頑張ってるかも」と思えるのに対して、トヨタは横に「クラウン」や「CH-R」とか置いてあったりするじゃないですか。

あれって天敵ですよね(笑)。

較べたら絶対、質感悪く見えちゃいますもん。

なので、ディーラー巡りしてる方は、気をつけてくださいね。

いずれも、価格相応以上の頑張りだと思いますよ!

内装の質感は「タンク e.t.c…」と「ソリオ」、同点。

タンクとソリオの維持費比較

996ccの「タンク」の自動車税が29,500円。1,242ccの「ソリオ」は34,500円。

車検時、車両重量が1,000kgをわずかながらオーバーしている「タンク」は「ソリオ」より、約8,000円程度は高くつきそうです。1年あたり4,000円と考えます。

ガソリン代はグレードの差は多少あるとはいえ、どちらも実燃費20km/L弱です。
年間1,000円という微妙な差額ながら「タンク e.t.c…」の勝利。

外観については、かなり個人的な意見になっちゃいますけど、私は「タンク e.t.c…」のほうが好きかなあ。

上記画像のワインレッド(正式名称:マゼンタマイカメタリック)は珍しいカラーだし、派手すぎないし、素敵だと思います。

「ソリオ」は、ミニバンっぽいデザインなので、「ソリオ」が好きって方もいらっしゃるとは思いますけど、ここは個性的だということで「タンク e.t.c…」に一票。
外観は「タンク e.t.c…」の勝利。

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「走らせてみたら大逆転が?!」です。

「TANK タンク/ROOMY ルーミー/THOR トール/JUSTY ジャスティ」2016年~現行 (さおり著)

TANKはホントにbB後継なの?

軽自動車ではちょっと手狭かな?と思う人向け、という意味では一緒だけれどもコンセプトはだいぶ違うトヨタのタンクorルーミーorスバルのジャスティorダイハツトール。

ここでは「タンク」としてご紹介しますね♪

 



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遡ること10年。

bBなんて東京モーターショーのコンセプトカーのときは黄金虫のように輝いていて、何かスピーカーがいっぱいあって「ちょい悪」を目指す人向けだったそうだから、そりゃあ「タンク」は違うわけです。

完全なファミリーカーです

もう、使い勝手は最高です。
ご主人と奥様、そして新しいお子さまが生まれるかも知れない、あるいは小さなお子さまがお一人、いらっしゃるご家庭にはぴったり。

後でご紹介する内装のお写真に写っている牛乳パックなんかはメーカー側の備品に付いていましたから、いかにファミリーを意識しているかが分かります。

500mlペットボトルだけでなく、500ml紙パックも置けちゃうなんて、そうなかなか、ありません。

ちなみに、
・トヨタ「TANK=タンク」(トヨペット・ネッツトヨタで取り扱い)
・トヨタ「ROOMY=ルーミー」(トヨタ自動車・トヨタカローラで取り扱い)
・ダイハツ「THOR=トール」
・スバル「JUSTY=ジャスティ」
すべて同じ車です。

同装備なら同価格ですので、とりあえず、お気に入りのフロントフェイスのお車を見に行ってはいかがでしょう?

値引きについては後ほど書きますね。

3社から売り出されたこの商品、じつはダイハツ製です。
エンジンはダイハツ、ボディもダイハツ。
つまり、全部ダイハツのお車なのです。
さすが、トヨタはダイハツを完全子会社化しただけあって販売したい車種は持っていってしまいます・・・。

そもそも、なぜトヨタは系列全店で取り扱うほど頑張っているのでしょう?

それはスズキ「ソリオ」の存在。

「ソリオ」はワゴンRなどのトール系の軽自動車では手狭になってきたとおっしゃる30代~40代のご家族がよくご購入なさるのです。
しかも、なぜかライバル不在でした。当然、そこに割って入るのがビジネスというもの。

トヨタは子会社であるダイハツに早急に打倒「ソリオ」が可能な車種の投入を命じたそうです。

開発期間も2年足らずしか与えないという無茶振り・・・。

同時期に発売された「CH-R」のような目新しさがないのは仕方ないことでしょう。

 

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それでも、一昔前のコンパクトカーのハンドル感覚とは決別した自然な応答を実現しているのがさすがです。

60度くらい回したあたりから、ちょっと硬くなって「グイッ」と力を入れる必要があるのは玉に瑕。

でも回した角度とタイヤの向きは女性の私でも掴みやすかったので、とても運転しやすいです。ここ、大事です。

後部座席を倒してフラットにしたら広大なスペースが出現。

自転車も一緒に乗れちゃうから、習い事の行きしなは自転車で、帰りはお子さまと自転車をピックアップなんて芸当もできてしまいます。

荷室の床面の低さもポイント

ちょっと重い荷物の積み込みも女性一人でできてしまいます。

ソリオと比較したら、すこしですが、低く出来ていました。

2列目シートを70度も倒せるところも56度の「ソリオ」より上。
お子様が寝てしまったときに重宝しそうな機能です。

こういうところが後発の有利さですね♪

車内も「ソリオ」より広い!

それもそのはず、ソリオの全幅1,625mmより45mmもワイドな1,670mm。

やはり後発だけに見た目の比較では「タンク」かな・・・。

 

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「走りで“ソリオ”と比べたら?」
「衝突軽減ブレーキもダイハツ製」です。

「ノート」2nd e-POWER(イーパワー)E12型

nissan_note_e-power

日産 e-POWERは本当にスゴイのか?

新しい電気自動車の形、“ノート e-POWER”が2016年11月、マイナーチェンジの折に追加されました。

この2代目は2012年発売モデルです。モデルライフも後半に差し掛かろうという時期に思い切った新型派生車種が誕生しました。

 



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トヨタの新型車が一段落していた時期とはいえ、月販売台数で日産車としては、あの“サニー”以来、30年ぶりの一位に輝いたという記念すべき一台。

日産いわく「これは、もはや発明じゃない?」

自らハードルを上げるほどの自信作なのでしょう。“リーフ”で電気自動車としての技術を磨いてきた日産がガソリン車を電気自動車にするそうなのです。

!? (昔のフェアレディのCMではありません・・・)

僕も初めて説明を聞いたときには分かりませんでしたが、エンジンは発電用のみに稼動し、車を駆動させるのは<全て電気の力>だということらしいです。

トヨタのハイブリッドはモーターのみの走行は可能ですが、メインはエンジンでモーターはサポート役です。

この“ノート”e-powerは、メインがモーター、どころか全ての駆動を電気でまかなうガソリン車という相当な変わり種です。

これは面白いことになりそうだと思っていたら、弊社・社長が展示 兼 試乗車(貧乏会社なもので・・・)を導入決定。
試乗記を提供できる運びとなりました。

アクアのとき、ケチって隣町のライバル店にごっそり持っていかれたのを反省したようです(笑)。

結果的には、大成功。

弊社でも、2018年コンパクトカーで一番売れたのはノートでした。

失礼しました。

その”ノート”e-POWER、最初に感じるのは1,200ccのエンジンとは思えないほどの加速力です。

しかし、これ見よがしに加速するのではなく、あくまで自然なフィーリングに抑えてあるのは好印象でした。

大人4名乗車でも坂道を軽々登っていくのは一昔前では考えられませんでしたが、この車は特に踏み込む必要もないのです。

『切れ目のないパワー』

これはハイブリッド車に勝っている点でしょう。

アクセルペダルを緩めるだけで減速するシステムも秀逸。
自然にスピードが下がり、軽くブレーキを踏むだけで同乗者に負担のない停車が可能です。

<ICC渋滞追従システム>も搭載。
こういうシステムは欧州より日本のほうがクオリティ高いです。
じつに自然に付いていきます。
GWやお正月の帰省時のストレス軽減に一役買ってくれるでしょう。

ハイブリッドにはない問題点①

では、逆にハイブリッド、殊にトヨタのハイブリッドがクリアできているのに、このe-POWERが抱えている問題点は、二つあります。

ひとつは坂道発進。

急な坂道で、ブレーキを離すと同時に車が下がります。

これは普通のガソリン車及び他のハイブリッド車にはない現象です。
実際、下がっている距離など10cmほどでしょうから、すぐにアクセルを踏めば大丈夫なのですが、慌てるのは事実。

慣れても俊敏な足の入れ替えor左足でのブレーキペダルをキープを余儀なくされるのは、大衆車としていかがでしょうか。

試乗の際は是非、上り坂のある道を希望してくださいませ。

>>>次ページは「ハイブリッドにはない問題点②、走りについての感想」です。