「クラウン」アスリート/2,500ccハイブリッド・3,500ccガソリン 14代目 210系 2012年~2018年

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脳裏に焼きつく強烈グリルデザイン

2003年発売のクラウン180系、通称名「ゼロクラウン」は文字通り、新しいクラウンでした。プラットフォームも一新して、エンジンも直列6気筒からV型6気筒へ。

乗り味にクラウンっぽさを残しつつ、劇的なフルモデルチェンジだったと思います。

アスリートモデルは、かつて「170系」にも設定されていたものの、あちらはロイヤルからの派生モデルといえる商品でした。

「180系=ゼロクラウン」からは正に別物といえる走りに特化したクラウン”アスリート”が展開されていきます。

批判もありました。
「180系」では、クラウンのふんわり感が全くと言っていいほど消えていたというのも事実。

特にアスリートの鋭い走りは評論家には評価され、販売台数に影響ありませんでしたが、これまでの購入層からの支持は少なかったようです。

2008年、ゼロクラウンからフルモデルチェンジした200系「クラウン」(190系は存在しません)では随分、乗り心地がマイルドに戻っていたのには正直、驚きました。

ただ、ゼロクラウンからの外観の変化が少なかったこと、満を持して投入した「クラウン/ハイブリッド」がレクサスの「GS450h」を意識したのか超高速サルーンとして開発してしまい、燃費面でのアピールができなかったことが影響。

クラウンにしては余り販売台数が伸びなかったモデルでもあります。

そして、2012年。
外観、サイドビューはクラウンらしさを踏襲しつつ、フロントグリルのデザインで世間を驚かせます。誰もが何か意見したくなるグリルで、たちまち評判を呼び、CMでは元AKB48の前田敦子さんをピンクのクラウンに乗せるなど「CROWN Re BORN」のキャッチコピーに併せた宣伝も効果を発揮、販売台数を伸ばしたのが、この210系「クラウン」アスリートです。

 

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乗り味は先代200系より、アスリートとロイヤルの差別化が図られています。

ロイヤルがゼロクラウンの走りの良さに振った乗り味から、かつてのような柔らかさを取り戻したため、とも言えるでしょう。

このロイヤル、最近の車にしてはある意味、冒険ともいえる柔らかい乗り心地、そしてアンダーステアなので「アスリートと、どっちにしようか?」と迷って試乗したお客様は、ほぼ間違いなくアスリートを購入されていました。

お一人で運転する機会が多い方には、アスリートは、お薦め商品です。
ロイヤルとの最も大きな違いは、段差を越えたときの突き上げが厳しいことでしょうか。

「トンっ」と、きてすぐに収まるのですが、この商品は“クラウン”。
もう少しマイルドでもいいかな、と思ったりはします。

ただ、あの稲妻グリルを購入できるということは、お仕事で後部座席に大事なお客様を乗せなければいけない・・・というプレッシャーとは縁の余りない方、つまり自家用車としてのご使用目的なのでしょう。

やはり小気味よくハンドルが切れるのはアスリート。
運転していて楽しいです。
奥様とロイヤルの試乗はなさらぬよう、くれぐれもご注意を(笑)。

次ページは>>> 「エンジンが4種もあるアスリート」です。

トヨタ「CH-R」 2016年~現行 試乗記(ハイブリッド編)

CH-Rという積極的な選択ができる!

ついに発売されたCH-R。
今回は、ハイブリッドモデルに乗車する機会に恵まれましたので、ご報告します。

1.2L ガソリンモデルの試乗記は>>>こちら

CH-R、待ち焦がれた方も多かったのではないでしょうか?
TNGA2号車はSUVルックになるとアナウンスされ、その後、各モーターショーでコンセプトモデルを発表。そして、発表された市販車デザインはコンセプトモデルの期待を決して裏切らないものでしたから、否でも心躍ろうというものです。
>>>下に続きます。



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思い起こせば(思い起こさなくても?)トヨタのデザインは恰好よくない、ダサいと言われ続けてきました。そういう声に一念発起して新たなデザインを提示したのが現行4代目プリウス。
「や・・・ここまで勝負しなくても・・・」と販売側の我々が引いてしまうほどの変化球を投げ込んできました。

まあ、野球でいえば間違いなくナックルとかパームを超えて、奇想天外に入る部類でしょう。
街中に奇想天外が溢れかえるのを、想像するだけで妙な心地だったのを今でも覚えています。

そして、こうも思ったものです。

「ま。さすがにこいつは、そうそう売れないだろう。先代より高いし」
ところが、しがない営業マンの予測は外れ、またまた大ヒットのプリウス。
お客様によっては「新型出るんだって?じゃあ、買うから値引きはどれくらい?」と、購入前提でお越しになる方もいらっしゃいました。
「いや。今回はグロテスクな鳥獣戯画とかに出そうな勢い(←売る気あるの?)なんで現車をご確認してからのほうが」
と、アドバイス(?)しても、揺るがず・・・なんてことも。

そう。毎回、発売直後のプリウスは“座っていても売れます”。
♪待ちぼうけ~待ちぼうけ~♪の歌詞の逆、みたいな意味で、ことわざにしたいくらいです。

閑話休題。
CH-Rです。
TNGA2号車は奇想天外度、ゼロ・・・じゃないにしても正直、コレを「デザインが悪い」とか「ダサい」と思う人は少ないのではないでしょうか?
独創的なのに、恰好いいデザインをまさかのトヨタが出してくるとは驚きました。
リアがホンダみたい、とか言う声も聞きましたが、おそらく日本車がどんなデザインを纏っても横槍は入る運命なのでしょう。

写真でご覧になると「後部座席大丈夫?まさかプリウスより狭いなんてことないよね?」と不安にお思いの方、いらっしゃるかも知れませんが大丈夫です。
頭上スペース、レッグスペースともにプリウスと同等レベルが確保されています。

ただし、リア窓の小ささは写真などでご覧のとおりで、大変、小さいです。そのため、後部座席の閉塞感はかなり強めです。

荷室は決して広くありません。ゴルフバック一つすら飲み込めないという・・・。
4名以上乗車でご利用をお考えの方は決してお急ぎにならず、ディーラーに展示車が並んでから是非、チェックしてみてください。
荷室は“浅い”ので、おそらくカタログ数値より狭く感じるはずです。
後部座席を荷室として使える方でないと、ちょっと厳しいかもしれません。

「今、お申し込みになっても半年以上待ちですよ。年を越してからなら一層・・・」
と、営業マンが言っても気になさらないでください。
実際、発売直後なら、そうそう納車日が変わるわけではありません。

いずれにせよ、かなり納車に期間はかかります(2017年2月に契約で約5ヶ月)が、現在の愛車の車検が切れそうなら「切れたらオーリスとかヴィッツを貸してください」と言えば、おそらく応じてくれるでしょう。
>>>下に続きます。

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車は長い付き合いが生まれる商品。
印鑑はご自宅に置いて、ここは慎重にいきましょう。

次ページ>>>は「走りという意味では・・・」です。

「アルファード/ヴェルファイア」3代目 2015年-現行(2017年マイナーチェンジ)さおり著

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アルファード/ヴェルファイア=ワンルーム♪


見た目の大きさで驚いちゃいけません!

車内の広さは、もはや一部屋といった表現をしたほうがいいでしょう!

2015年にフルモデルチェンジした3代目「アルファード」。

一時期、話題になった東京都知事の枡添要一さんが公私混同で使用していた“あの車”ということでも取り上げられたことも影響したのか(?)大変、好評です。

多くのミニバンは乗り心地が1列目>2列目>3列目と悪くなっていくものですが「アルファード」違います。

2列目も1列目に匹敵する快適さをキープ。

広さでいうと、この2列目が一番、リクライニングできますし、むしろ2列目がVIP席。

3列目も緊急用といった適当な、かったーいシートではありません。

何の問題なく乗車定員7名が長時間、快適に移動できるという、いわば新開発の動くお部屋です。

広いだけではありませんよ♪

かつての「セルシオ」にも奢られたダブルウィッシュボーンを採用しています。

このサスペンションはコストは嵩むんだけど、車体をフラットに保つのには一役も二役も買ってくれる優れものです。

少々、重量が増すのが玉に瑕だったのが、技術の進歩により軽減してきたというのは嬉しいニュース。

「アルファード」は乗り心地もセダンに迫る快適さを身につけているわけですね。

よく「クラウン」(2012年~2018年モデル)よりも乗り心地がいい!
と、書かれた記事を拝見しますが、それは、ちょっと待って。

2018年~のフルTNGA「クラウン」は
>>>こちら

ミニバンの中では凄く良いし、私はこれで充分だと思います。

でも、車高があるっていうのはカーブの時のグラグラにつながるし、縦長の鉄板は、そのグラグラを抑えるのが得意ではありません。

同じ大きさなら、小さな箱を組み合わせたセダンやSUVなどより、大きな箱一つのミニバンが剛性に劣るのは仕方ないんです。

最高のミニバンだからこそ分かってしまう欠点もあります。

 

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そう。高速道路のカーブには、ちょっと弱いっ(汗)。

でも、本気で「クラウン」と較べると、っていうレベルなのは本当に凄いです。
だってクラウン3台分くらいの広さがアルファードにはありますもん。

alphard_thrid_02女の私としては、改良してほしい点があるとすれば、後ろの開口部かなあ。

ガバッ!と上にしか開きません。

背も高いだけに一度、開くと下ろすときに小柄な女性は大変かも。駐車時も後ろにスペース開けて停めないといけないなど、多少の配慮が必要になります。

ホンダ「ステップワゴン」はわくわくゲートがあるし、日産「セレナ」も上部の窓部分だけ開けられるデュアルバックドアを用意しています。

各社『ちょっと開き 又は 全部開き』の二段構えになってきているので、ガバッ!とだけドアはこれから古くなっていきそうです。


あと3列目のシートは立派すぎて折りたたむのが少し重いし「ステップワゴン」や「オデッセイ」みたいに床下収納できないのも残念なポイントです。

でもね・・・それだけ3列目を疎かにしていない証拠でもあるので許してもいいかな、、と思います。

外観はフロントグリルが印象的。

上記画像は初期モデルですが、後期ではフロントグリルの□が正方形に近くなり、立体感は控えめに、陰影を付けて少しお上品に(?)なりました。

押し出しの強いデザインは好き嫌いの分かれるところですが、車のことを少しでも知っている人には「あの人、アルファードに乗っているんだ」と羨ましがられること請け合いです。

サイドビューは逆に落ち着いた品のある雰囲気で、私は横からの「アルファード」大好きです。

次ページは>>> 「私のオススメグレードについて♪」です。

「最終セルシオ」30系 2000-2006年 後編(さおり著)

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~セルシオ後編~柔らかいのに、ふんわりしない乗り心地

速いのは当たり前として、セルシオの良いとこは何といっても、その乗り心地!

その通りだと思います。

おっしゃる通り、10mでも、この車が凄いのが分かります。

曲がると、もっと分かるんです。

直線だと雲の上を走っている感じなのに、曲がるときにフニャフニャしないんです。
高速道路での安定感も抜群に、本当に、良いです。


故障で入庫したのは改造した、お車ばかりだったことを思えば、もう製造中止から年月が経っているのに凄い車ですよね。

アメリカで売れに売れたのに、どうして日本では評判よくなかったりするのかな?

売れなかったわけじゃないみたいだけど、私たち日本人は日本の商品に自信を持ってもいいのにな、と時折、思います。

ごめんなさい。偉そうに。

ちなみに、このページの画像は後期型。

ヘッドライトの形が違うでしょ?

前期型は少し丸っこくて可愛くて、後期型は精悍な顔つきです。

その他、前期と後期ではトランスミッションが5速から6速に進化しているそうです。

うぅ。私はどちらも納車したことがあるのに、運転していて気づかなかったです。
男性スタッフに聞いてみたら、
「6速になっていると知っていたら分かるかな」
「微妙だが分かる」
「ぜんっぜん分からん」
という三者三様の答えでした。
ご参考になれば。

 

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♪さおりから一言♪

これからセルシオの中古車購入をお考えの方へ
『最後のセルシオを購入なさるならエアサスペンションのC仕様をお薦めします。
セルシオのエアーを体験すると他の車に乗れない、、というくらい素晴らしいですよ!

横で上司が運転していても寝てしまった私が言うのだから、嘘じゃないです(笑)。
もう値落ちもそんなにしないくらいお安くなっています。

残念なことに状態の良い商品は年々減少していっているので、迷っておられるなら是非、今どうぞ。

少し中古価格がお高くなりますが
エアサスV8だったマジェスタの試乗記は

>>>こちら

□直哉の追伸□
エアサスが壊れるという話をよくネットで見かけますが、特に故障が多いとは思いません。ただ、ローダウンした個体が2度ほど修理のため、入庫したことがあるので、エアサスを社外品に変更した個体は購入する際、ご注意ください。

価格表(2000年8月発売当初)
A仕様5,400,000円
A仕様 eRバージョン5,650,000円
B仕様5,900,000円
B仕様 eRバージョン6,000,000円
C仕様6,150,000円
C仕様 インテリアセレクション6,650,000円
C仕様 F-package6,950,000円
C仕様 F-pkgインテリアセレクション7,300,000円

点数表(5点満点)○

総合評価 5点
リセール価値 ※※※
故障のしにくさ 4.5点
部品の安さ 2.5点

 

主なスペック○
エンジン:V型8気筒 DOHC 4,292cc
最高出力(ネット値):206kW(280PS)/5,600r.p.m
トランスミッション:<5 Super ECT >⇒<6 Super ECT >(2003年8月以降モデル)
タンク容量:84L
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
10.15モード:8.2km/L⇒8.9km/L (2003年8月以降モデル)
全長4,995mm 全幅1,830mm 全高1,470mm

「最終セルシオ」30系 2000-2006年 前編

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~セルシオ前編~静けさという衝撃

この車に乗ったとき、教習所の教官が「いい車なんてのはなあ。10mも動かせりゃあ、分かるもんよ」、なんて呟いていたのを思い出しました。

10mで分かる車なんてあるわけないだろ!?

完全に名前負けしちゃってるわ、このオジサンは(苦笑)。


そう軽く流してしまった庶民が自動車営業に携わるようになって、この“セルシオ”に乗ったときの衝撃は忘れられません。

 



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今でこそハイブリッド車によるエンジン回転数0からの発進に慣れた方も多くいらっしゃるでしょうが、2000年8月といえば、初代プリウスが売られていた(1997年~2003年)時代の真っ只中です。

ハイブリッド車なんて乗ったこともありませんでした。

セルを回したときに「フォーン」と唸ったあとの「シーン・・・」とした、あの空間は
「あれ?高級車なのに、いきなりエンスト?」
そう、疑うような静けさでした。

思えば、ハイブリッドのエンジンが回っていない音のない車内とは違い、粛々と静かに回るエンジン音は車内に入ってきていたのです。

何とも品のある“静けさ”でした。
それが分かったのは何度も運転するようになってから。

高級とは、こうあるべきなんだとセルシオに教えられたような気がしました。

高速道路で聞いたV8エンジンの、微かでまるで遠くで響いているような高い音は美しく、主張しないくせにやけに聴覚に訴えかけてきました。

どこからか語っても魅力あふれる車であることは間違いありません。

僕の父が破産前に最後の贅沢として所有していた車ですので、思いも一入です。

 

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280馬力規制が解かれる(2004年6月規制解除)直前の車だけあって、カタログ上は280馬力ですが、パワー系でも不足を感じる場面は全くないです。

運転手付で乗る車でもありますので、Dレンジに入れたままアクセルを踏んでも、柔らかい加速しかしてくれないのは仕方ないです。

そういう場合は2速あたりに入れてみたら驚きの加速力を味わえます。
まあ、それでも品の良いこと・・・。

決してドカンと出ることはないです。
でも、たぶん大方のスポーツカーより速いでしょう。

速いのは当たり前として、セルシオの良さは何といっても、その乗り心地です。

>>後編に続きます

「マークX 」2代目 GRX130 2009年~現行 (さおり著)

2016年11月マイナーチェンジ後の「マークX」試乗記は>>>こちら

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マークXは、大きいのに乗りやすい!

初代のときの、佐藤浩市さんのCMが恰好よくて、マークX=恰好いい車、の図式ができてしまった私。

2代目でも、やっぱり佐藤浩市さんが務めてらっしゃって、見るたびにちょっと、ときめいていました。

オジサンでも、あれだけスーツが似合ってたらいいです、ほんとに。

じつは映画「64」で、佐藤浩市さんが乗っていたのはマークXの前身、マークⅡ!
マークⅡに乗っていそうな役柄だったので、本当に’ぴったり’でした。

あの、少し旧いデザインが哀愁たっぷりに見える摩訶不思議。

前置きが長くなりましたけれども”マークX”ってネーミングが恰好よくないですか?
マークⅢだと、ピリっとしないところを“マークX”と、くるなんて、いいセンスしてます。
で、CMに佐藤浩市さん(←しつこい)。

 



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では思い切って、車としての評価いきますね!

163cmの女性でも運転しやすいポジションが取れるのは、とっても好印象。

180cm以上のスタッフも運転しやすい、と申しておりますので日本人だったらほぼ、どなたでも運転しやすいと感じると思いますよ。

運転しやすいのは大事ですよね。

乗り心地は、トヨタ車にしては硬い部類に入ると思います。

助手席に乗るだけなら、「クラウン」には敵いません。

なので、助手席の奥様のことを考えるなら中古でも「クラウン」のほうがいいです。
名前では、あちらのほうが<上>ですしね♪

でも、運転するとなるとどうでしょう?
乗り心地を別にしたら、「クラウン」よりこっちが楽かな、と思います。

私は大きさを感じさせない点で、たとえばライバル車の日産の「ティアナ」よりずっと運転しやすいです。

セクシーさでは「ティアナ」なので、あちらも好きなんですが・・・。

ちなみに、なぜか3代目「ティアナ」は最初から売れません。トホホ。

売れ行きという面では「マークX」も随分、下火になってきました。

ド派手なイエローの特別仕様車も起爆剤にはならなかったのかなあ。
次はハイブリッドになって「sai」と統合されるという噂、あながち嘘ではないかも。

それでもって、なぜか20万円くらい高くなって・・・って、やめてー(泣)。

※その後「sai」のほうが先に消えて、事実上「マークX」の後継車種「カムリ」が2017年にデビューしました。

トヨタ「カムリ」WSの試乗記は>>>こちら

運転しやすいのは「ハンドルの切れが素直だから」と、男性スタッフが教えてくれました。

言われてみれば、そうなんです。

狭い駐車場に入っても、ハンドルを回す手がバタバタしないんです。

これは女性に嬉しい装備(?)です。

最後、問題点も書かないといけないみたいなので、いきます。

ずばり、、

次ページは>>>「マークXの内装・インテリア」です。

トヨタ「プリウス」4代目ZVW5#(2015年~現行) 試乗評価



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80点主義からの決別を図ったトヨタの意欲作


3代目がデビューしたときも、先代より劇的に乗り心地が良くなったという評論家のレビューが多くあったのを覚えています。

たしかにデザインはプリウスだと印象づけながら”少しの野暮ったさ”が無くなり、ある意味、完成されたものでした。しかしながら、乗り心地の進化というのは6年(2代目2003年⇒3代目2009年)も経っているにしては僅かと言わざるをえません。

3代目が2代目に劣る部分がないと言えるのは実は大きな長所ではありました。

劇的な変化を成せなかったのは、やはりホンダの2代目インサイトの存在、価格競争があったのでしょう。

自動車史名勝負 2代目「インサイト」と3代目「プリウス」は  >>>こちら

その戦いに勝利し、2015年の4代目プリウスのデビュー時は「インサイト」のようなライバルは不在でした。強いて挙げるなら、ハイブリッド化されたトヨタ車くらいしか思いつきません。

今回こそは余裕をもって、次のステージへ引き上げるための価格を設定できたのでしょう。
エントリーグレードこそ、2,429,018円ですが、人気グレード+オプションだと、150,000円ほど高額になっていると考えていただくと分かりやすいです。

まずは、価格表をご覧ください。

価格表
 
E (2WD)リチウムイオン電池2,429,018円
S (2WD)ニッケル水素電池2,479,091円
S (E-four)ニッケル水素電池2,673,491円
S ツーリングセレクション(2WD)ニッケル水素電池2,628,327円
特別仕様車 S“Safety Plus”(2WD)ニッケル水素電池2,693,520円
特別仕様車 S“Safety Plus”(E-four)ニッケル水素電池2,887,920円
A (2WD)リチウムイオン電池2,777,563円
A (E-four)ニッケル水素電池2,971,963円
A ツーリングセレクション(2WD)リチウムイオン電池2,926,800円
A ツーリングセレクション(E-four)ニッケル水素電池3,121,200円
A プレミアム(2WD)リチウムイオン電池3,107,455円
A プレミアム(E-four)ニッケル水素電池3,301,855円
Aプレミアム ツーリングセレクション(2WD)リチウムイオン電池3,199,745円
Aプレミアム ツーリングセレクション(E-four)ニッケル水素電池3,394,145円

2WDを選ぶなら、4代目で初となったリチウムイオン電池搭載車を選びたい気もしますが、正直、乗り味の差は無いと言っても良いくらいです。

それにしても、最高グレードともなると乗り出し価格が4,000,000円近くと思うと、少々、高い気も・・・。
値引き合戦に持ち込めるトヨタ”sai”の上位グレードと大して変わらない強気の設定と言えます。”sai”は素晴らしい車なんですが、衝突軽減ブレーキが旧タイプ<プリクラッシュ・セーフティ・システム>のままなので、プリウスが発売されてから伸び悩むのも無理はないでしょう。

それくらい、4代目プリウスの進化は凄いです。

3代目まではハイブリッドカーだから・・・という弁解を最初に言わないと語れない車だったのが、トヨタ、いったい急にどうしたんでしょうか。
モデルチェンジでここまで驚いたのは、初めてです。
まるで別物になっています。

TNGAによってTOYOTA車すべてが変わるかも

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トヨタはTNGAという新たな車の骨格を苦労して開発したというCMを佐藤浩一さん、永作博美さん、鈴木浩介さん、黒木華さん、三浦友和さん、という錚々たるタレントを使って放送していました。

そして、TNGAを使った第1号車がプリウスです。
最もその恩恵を受けていると思われるのは、乗り心地。

法定速度内でしたら、基本、ずっと良いです。

次ページは>>> 
「TNGAをわかりやすく言うと」です。



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2代目センチュリー 1997年~2017年

先代センチュリー試乗記

※新型センチュリー情報は最後に記載してあります。

前身にクラウンエイト(内閣総理大臣“佐藤栄作”の公用車)を持つ「センチュリー」。

満を持して1967年に登場して初代は何と30年もフルモデルチェンジされなかった異例の車です。

1997年~の2代目も小変更は多々あったものの、2017年まで、現役を務めました。

しかし、官公庁が燃費の悪い車を使用していると、色々、批判もありますので(JC08モードで7.6km/h)LSハイブリッドやアルファードへの買い替えが進むのは時代の流れでしょうか。

安倍晋三・第96代内閣総理大臣も「センチュリー」からレクサス「LS600h」に乗る機会が増えたそうです。

 



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結局、2代目は継続が危ぶまれたまま、静かに生産が続いていた晩年でした。
ちなみに最終月は月販台数、たった1台だったようです。

不思議に思うのはトヨタだというだけで、批判している雑誌やネット記事でも、こと「センチュリー」に関しては一目を置くような発言が目立ったことです。

『唯一無二の12気筒エンジン。精緻な作りこみは他の追随を許さない』のような表現、どこかでご覧になった方も多いでしょう。

たしかに「センチュリー」はエンジンを職人が手作業で組み上げる、という途方もない労力と技の結晶です。
レクサス「LS」ですら機械での組み立てがメインですから、いかにトヨタが「センチュリー」を特別扱いしているのか分かろうというものです。

ロゴも然り。
あの複雑な鳳凰を七宝焼きにするのは至難の業とか。

期待を胸にシートに腰掛けてみると、その古臭さに驚愕すること請け合いです。
ナビ画面の小ささも驚くばかりだし、エンジンも普通に鍵穴に挿すタイプです・・・。

とにかく、昭和の香りが半端ではありません。
ただ、ハンドルの触り心地は、やけにしっとりしていて、どの車より良いですが。

座って古くても、走らせてみたら違うかと、申しますと、正直、そこまでの感動もないです。

この鈍重な感じ・・・。
期待しすぎだったんでしょうか?

エンジンは静かですが、30系「セルシオ」のほうが静かです。
パワーに不足はないとはいえ、どんなアクセルワークをしてもそれなりの加速しかしません。

「わたくし、常に本気の7割しか力出しませんので」と言われているような、もどかしさがあります。

まあ、そういう車ですので仕方のない部分はあります。

>>>次ページは
「それでも買い替えたくはならない魅力」です。

「クラウン/ロイヤル」 11代目 170系 1999年-2003年

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有終の美

<21世紀へ、このクラウンで行く>の、クラウンです。世紀の節目だというコピーを使っていながら、新技術搭載車ではなく、むしろ熟成を極めたのが、この11代目170系です。

180系「ゼロクラウン」からは、その後、15年使われることになるプラットフォームが開発され、いわゆる“ふんわりクラウン”はこの代で見納めとなります。

個人的に昭和のクラウンが追い求めていた究極が、この11代目170系ではないかと絶賛中の為、入庫するたびに、お客様にベタ褒めして薦めてしまいます。

そして、170系だけいつも在庫がなくなるという珍事・・・。

社長も「なんでだろうなあ。スカイラインも良い車(←根っからのスカイライン好き)なんだけどなあ」と、不満を漏らしたりしていますが、まあ、在庫が捌けるのは喜ばしいので、ここだけの話にして(笑)。

まず、素晴らしいのは、内装。

代々クラウンから受け継がれてきた使いやすさと、品質の良さには脱帽です。

もう、20年近くになろうという個体でもスイッチ類のバネのヘタリは見たことないですし、たとえばCD挿入口の蓋やコンソールボックスの、ゆっくり開閉する様は当時のまま。
このあたり、やはりお金を掛けていたのだなあ、と感心するばかりです。

6連奏CDチェンジャー+7スピーカーの品質も高いです。

今やCDを車内に持ち込む必要もない時代ですから6連奏は時代の産物としても、真髄はそのスピーカーです。

140系「クラウン」150系「クラウン」、そして170系のスピーカーは本当にいいです。

すみません、130系以前は分からないので、悪いというわけじゃないです・・・。
180系「ゼロクラウン」と200系「クラウン」は、メーカーが変わったのでしょうか?
少しだけ音が軽くなっていたような気がします。

その反省からか210系「クラウン」220系「クラウン」は音質はまた戻ってきています。

この170系、外観も、時代に流されないトヨタらしい雰囲気があると思います。
誰かの真似をした、というわけではないのがいい。

スポーティに路線変更してゆく前の、最後の気品が醸しだされている気がするのは僕だけでしょうか(たぶん・・・)。

走りは、おそらくみなさんのご想像どおりの味わいです。

ふんわり。
アンダーステア。
限界速度、低めの車体。

しかし、僕が絶賛するのは、限界速度が100km/hに引き上げられていることです。
つまり、100km/hまでは非常に安定し、静粛性も高いわけです。

燃料を直接筒内に噴射するシステムが功を奏したのでしょうか、振動は150系以前より明らかに少ないです。

最小回転半径5.2m。
ようやくストレスなくUターンできるように大幅に改善されています。

 



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減点ポイントは、発進時のアクセルワークが難しいこと。

普通に踏むと、ドンっ!と出ることがあるのです。
最初だけ、そろっと踏むコツが求められます。

パワーがあるっぽい演出が、必要な車ではないのに・・・。
唯一、残念な点です。

次ページは>>> 「当時は変化球だったマイルドハイブリッド」

7代目クラウン 120系

《いつかはクラウン》

クラウンのキャッチコピー、『いつかはクラウン』の印象が強すぎて、他は何を聞いても他はすぐ忘れてしまいます・・・。

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以後、
《満たされて、新しいクラウン》
《すべてはクラウン》
《美しく走る。日本のクラウン》
《21世紀へ、このクラウンで行く》

 

そして、
《かつてゴールだったクルマが、いまスタートになる》
《超えてゆく、ブランド》
《CROWN ReBORN》
《未来とつながるか》
と、続きます。

 



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やはり《いつかはクラウン》の素晴らしさは時代を超越していますね。

CMではモーツァルトの交響曲第40番のフレーズを使用し、一層、高級感を深める演出です。

「なるほどなあ。その頃は、それだけクラウンの価値が高かったのか」と、妙に納得します。

交響曲第40番といえば、日本での初代レクサスISのCMでもアレンジされて使用されていたものです。

いつ、聞いても心に刺さるフレーズなんですよね・・・。

しかしながら、この12系クラウン、一度だけ乗ったことあるんですが、さすがに使いすぎで、晩年はメンテナンスすらしていない個体だったので、良い思い出がないんです。

14オーナー、870,000kmって、いかがですか?

どなたでも躊躇しますよね・・・。

美車は別として、特にプレミアが付いている車種でもありませんし。

レストアするにもお金が掛かるから、ということで、結局、廃車でした。

僕が運転したのは解体業者さんに乗っていくまでの30分。

それでも、直進は安定していたのを覚えています。

たしかに馬力も全然、感じられず、低速トルクも失い(もともとクラウンは余り低速トルクがないことが多いですが)、カーブもちょっとヨロヨロしながらも、でも、ちゃんと走るんです。

普通に使えそうなのが凄いなあ、と思いました。

当時、新人の女の子が社長に「100,000km超えてても、国産なら下取り10万は出しておいていいよ(ただし、100万以上の購入があった場合)」と、言われて、10万円で下取り個体だったんですが・・・。

「100,000km超えてても、って870,000kmかあ~。一報入れてくれよ~」と泣きながら怒っていた社長が、おかしかったものです。

1,000,000円以上のお車をご購入いただいているので、利益は出ていたし、たぶん、破格の買取値を提示したのが弊社を選んでくださった決め手である可能性が高いので、新人さんも大して責められず、ボーナス対象になっていたのは良かったです。

ちなみに金属として意外と高く買ってくれて7万円になったので、3万円の損失で済みました。

『廃車でも無料で引き受けます』

と、いう広告、ときおり見かけますよね?
あれ、解体業者に持っていったら儲かる場合もあるから、なんです。

ところで、市販の自動車で一体、何万キロまで走った記録があるんだろうか、と興味が沸き、調べてみると、驚きの※4,600,000kmというのがありました。46万キロじゃないですよ、460万キロです・・。

しかし、これはメルセデス限定での記録。世界記録はもっといくのか?

※460万キロの記録を打ち出したのは、ギリシャのタクシー運転手サキニディスさん。1976年製メルセデス・ベンツ240Dは幾度のものオーバーホール、エンジン交換を経て、23年間、走り続けたそう。メルセデスの車両で最長の記録です。現在はメルセデス・ベンツ ミュージアムに寄贈され、大切に保存されています。

と、つらつら書きつつ、すみません。今回は試乗記と呼べるものではなく・・・。

買えるのに手は出せない存在

社内資料には価格も2000ccだけしか残っていなかったのですが、一応、ご紹介。ターボだの、マイナーチェンジで2800cc→3000ccだの、ディーゼルだの、で、何と7代目12系は計11種類ものエンジンが登場しました。

crown120-02

2,000cc 約3,000,000円~3,500,000円

1983年の大学初任給は、132,200円(現在の価値では145,000円と言われています)。
200,000円前後の現在と比較すると、概算で、3,500,000円⇒約4,80,000円。

数字上は2012年発売の14代目と同じ価格帯といえますが、当時、クラウンはサラリーマンにとって、なかなか手を出せない憧れの対象でした。中小企業だったら社長さんがクラウンで、以下は”コロナ・マークⅡ” まででしょうか。

名前からも、お分かりの通り、マークⅡの前身です。

コロナ、という名前が取れて“マークⅡ”を名乗るようになってから独自性を主張するような外観に変化してきましたが、この時代は、何だか<クラウンに似た安そうな車>という雰囲気を、わざと醸しだしているのは否めません。

昭和58年・1983年、古き良き(?)時代のクラウンのお話でした。

2018年発売「クラウン」の試乗記は>>>こちら

 

 

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○主なスペック○
エンジン:水冷直列6気筒DOHC 2000cc,2800cc
最高出力(ネット):138kW(190PS)/5,600r.p.m(2,800cc)
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
10モード:8.5~9.0km(2000ccAT),9.8km(2000ccMT)
8.2
km(2800cc)
全長4,860mm 全幅1,720mm 全高1,435mm