スーパーカーブームの立役者
時折、入庫していた「ランボルギーニ カウンタック」。
いつからかめっきり入ってこなくなりました。
それもそのはず、スーパーカーブームの主役だったカウンタックは21世紀に入っても人気は衰えるどころか中古車価格は高騰し続けています。
入庫するなり売れるのが当然の昨今。
と、いうか店長の知り合いが「入ったら連絡してよ、絶対!」と、頼んでいるようです。
本当にすぐ売れます。
「ミウラ」のようなな高騰を期待して資産としてご購入する方もいらっしゃるようです。
じきに、そんな日もくるでしょう。年々、超希少車種になりつつありますから。
ちなみに、この「カウンタック」という呼び名は飽くまで英語読みで、本当は「クンタッチ」と発音するそうです。
イタリア語で「おー、スゴイ!」という意味だとか。
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しかし、この車、いろいろ規格外すぎて何を書いていいのか迷います。
乗り心地なんて良いわけもないし、静粛性とは真逆の方向性。
夜中でなくても、ご近所迷惑な“超絶爆音”を出しっぱなしです。
そんな庶民目線からしても、スタイリングには特有の、まさに独特の美が発散しているのは認めざるを得なかったものです。
フェラーリの「ディーノ」や「トヨタ2000GT」みたいな流麗さとは明らかに異なる、直線で構成された突拍子もない恰好よさです。
このデザインの変化が近年の「ムルシェラゴ」や「アヴェンタドール」なわけですから、1971年当時、どれだけ度肝を抜くデザインだったのか計り知れません。
そもそも、なぜ、しがない営業マンがカウンタックを運転しなければならなくなったのかと申しますと、もちろん納車の際です。
冷や汗止まらない納車話、しばしお付き合いください。
こういう超高級車は店頭にいらしてもらうのが店としてはありがたいのですが、なかなか、そうはいきません。
弊社の場合、元レーサー(自称?)の販売員がおりまして、当然ながら僕より腕前は上ですので『ランボルギーニは彼が納車してくれるだろう』と、高を括っていました。
それが、カウンタックの納車日にゴルフの打ちっぱなしで小指を骨折したそうなのです。
なんでまた、こんな日に骨折・・・。
そういえば最近「マーチ運転しても手、痛いっすよねえ」とか言ってたっけ。
じゃあ、打ちっぱなしなんか行くなよ、と。
代役は僕しかいないので、どうしようもありません。
社長も「まあ、保険入ってるしな」と、一度は言いつつ、「ゆっくりな」とか「慎重に」とか出発前の5分で十数回、呪文みたいに唱えてくるので、聞いている僕が怖くなりました。
40,000,000円(四千万円)で売れたのですから無理もありません。
毎回、クラッチを切って、キーを半分捻って少しずつエンジンにガソリンを入れるという儀式が必要な為、エンジンは整備担当者にかけて貰いました。
「じゃあ行ってまいります!」と、敬礼しそうなくらいの気合を入れて出発しようとしたものの数メートル先のローレル(売り物)が邪魔になってうまく出られないのです。
「こいつ、曲がらないぞ・・・」
嫌な予感がしたものの行くしかありません。
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「300km/h 夢の続き」です。