「GS350」L10型/10系 2012年-現行

走りは別格の、350

価格は素の状態で「GS300=200t」の5,770,000円に対して6,430,000円と、66万円高。

このへんになってくると月収30万円あるかないか(ボーナスは蚊の涙・・・驚きの何千円!)の僕の金銭感覚では、大して差はないような気がしますが、実際、ご購入検討の方に伺うと『一応、気にはなる』とのこと。

考えてみると、「GS350」を余裕をもって購入するには年収にして2,000万円は必要かな、と思います。

ただ、その割合は0.4%前後しかいらっしゃいません。

年収1,000万円~2,000万円の方々になると、およそ4%いらっしゃるそうです。

おそらくですが、後者の範囲に属する方の購入も多いのかな、と思います。

年収1,000万円で、込み込み800万円の商品を買うとなると、少し、気にはなるでしょう。

ただ、このクラスのエンゲル係数は低いでしょうから、年収350万円の僕が184万円の商品を買うのとでは話が違うので何とも言えない部分はあります。

いずれにせよ、貧富を問わず、車が好きな方は‘好き’だということでしょうか。
少しだけ無理をして買ってしまうのは僕も富裕層も同じなのかも知れません。

ちなみに、この「GS350」、自動車税も年間、58,000円とやや割高な上にハイオク指定でカタログ燃費ですら10.8km/L~。

<アイドリングストップ機能>も付きません。
エコとは一線を画す設定です。

しかし、走り出してしまえば、2,000ccターボとは違う落ち着きがそこにはあります。

マイナーチェンジで一変

当初は他の「GS」同様、かなり硬い乗り味が特徴でした。

そんな中、2013年10月17日、ATが6速から8速へ進化。

主に高速巡航時の燃費向上のための多段化と言えましょう。
日常域~80km/h 内で、より積極的にシフトチェンジしてくれるわけではありません。

60km/hまでの日常域では6速モデルか8速モデルか、気づくのも難しいほどです。

大きな転機が訪れたのは、2015年11月25日のマイナーチェンジ
フロントグリルが大型化され、さらに好みの分かれるデザインに。
乗り心地にも変化が齎されます。

ボディ剛性が高まったことは「GS250/200t=300」のご紹介で述べたとおりですが、‘しなやかさ’を手に入れたのは【フロントパフォーマンスダンパー】の採用(2WDのみ)が一役買っているでしょう。

このヤマハ製【フロントパフォーマンスダンパー】は、日本風にいうと、分かりやすいです。

【車体制振ダンパー】

フロントタイヤの両端をつなぐ形で接地されたダンパーは車体の変形エネルギーを吸収し、熱エネルギーとして放出するそうです。

今も昔も「YAMAHA=ヤマハ」は凄い!の一言です。
乗ってすぐ、このダンパーの存在が、分かるくらい効果的です。

 



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エンジンにもマイナーチェンジが施されます。
2GR-FSE型から、直噴機構「D-4S」とアトキンソンサイクルを採用したV6の2GR-FKS型に変更になり、パワーと低燃費(JC08モードで10.8km/L)を獲得。

6,400回転で最大318馬力を記録する旧エンジンに対し、6,600回転で達する新エンジンという違いはあるものの、基本パワーに関しては同値。

それだけ吹き上がりがいいのでしょう。
逆に静粛性では旧エンジンのほうが僅かに優ります。

静粛性に富んだ旧エンジン、音を聞かせるスポーティな新エンジン、という立ち位置です。

燃費に関してはたった、1km/Lの向上ですが、10%の向上と考えると‘なかなか’のものです。

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