7代目クラウン 120系

《いつかはクラウン》

クラウンのキャッチコピー、『いつかはクラウン』の印象が強すぎて、他は何を聞いても他はすぐ忘れてしまいます・・・。

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以後、
《満たされて、新しいクラウン》
《すべてはクラウン》
《美しく走る。日本のクラウン》
《21世紀へ、このクラウンで行く》

 

そして、
《かつてゴールだったクルマが、いまスタートになる》
《超えてゆく、ブランド》
《CROWN ReBORN》
《未来とつながるか》
と、続きます。

 



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やはり《いつかはクラウン》の素晴らしさは時代を超越していますね。

CMではモーツァルトの交響曲第40番のフレーズを使用し、一層、高級感を深める演出です。

「なるほどなあ。その頃は、それだけクラウンの価値が高かったのか」と、妙に納得します。

交響曲第40番といえば、日本での初代レクサスISのCMでもアレンジされて使用されていたものです。

いつ、聞いても心に刺さるフレーズなんですよね・・・。

しかしながら、この12系クラウン、一度だけ乗ったことあるんですが、さすがに使いすぎで、晩年はメンテナンスすらしていない個体だったので、良い思い出がないんです。

14オーナー、870,000kmって、いかがですか?

どなたでも躊躇しますよね・・・。

美車は別として、特にプレミアが付いている車種でもありませんし。

レストアするにもお金が掛かるから、ということで、結局、廃車でした。

僕が運転したのは解体業者さんに乗っていくまでの30分。

それでも、直進は安定していたのを覚えています。

たしかに馬力も全然、感じられず、低速トルクも失い(もともとクラウンは余り低速トルクがないことが多いですが)、カーブもちょっとヨロヨロしながらも、でも、ちゃんと走るんです。

普通に使えそうなのが凄いなあ、と思いました。

当時、新人の女の子が社長に「100,000km超えてても、国産なら下取り10万は出しておいていいよ(ただし、100万以上の購入があった場合)」と、言われて、10万円で下取り個体だったんですが・・・。

「100,000km超えてても、って870,000kmかあ~。一報入れてくれよ~」と泣きながら怒っていた社長が、おかしかったものです。

1,000,000円以上のお車をご購入いただいているので、利益は出ていたし、たぶん、破格の買取値を提示したのが弊社を選んでくださった決め手である可能性が高いので、新人さんも大して責められず、ボーナス対象になっていたのは良かったです。

ちなみに金属として意外と高く買ってくれて7万円になったので、3万円の損失で済みました。

『廃車でも無料で引き受けます』

と、いう広告、ときおり見かけますよね?
あれ、解体業者に持っていったら儲かる場合もあるから、なんです。

ところで、市販の自動車で一体、何万キロまで走った記録があるんだろうか、と興味が沸き、調べてみると、驚きの※4,600,000kmというのがありました。46万キロじゃないですよ、460万キロです・・。

しかし、これはメルセデス限定での記録。世界記録はもっといくのか?

※460万キロの記録を打ち出したのは、ギリシャのタクシー運転手サキニディスさん。1976年製メルセデス・ベンツ240Dは幾度のものオーバーホール、エンジン交換を経て、23年間、走り続けたそう。メルセデスの車両で最長の記録です。現在はメルセデス・ベンツ ミュージアムに寄贈され、大切に保存されています。

と、つらつら書きつつ、すみません。今回は試乗記と呼べるものではなく・・・。

買えるのに手は出せない存在

社内資料には価格も2000ccだけしか残っていなかったのですが、一応、ご紹介。ターボだの、マイナーチェンジで2800cc→3000ccだの、ディーゼルだの、で、何と7代目12系は計11種類ものエンジンが登場しました。

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2,000cc 約3,000,000円~3,500,000円

1983年の大学初任給は、132,200円(現在の価値では145,000円と言われています)。
200,000円前後の現在と比較すると、概算で、3,500,000円⇒約4,80,000円。

数字上は2012年発売の14代目と同じ価格帯といえますが、当時、クラウンはサラリーマンにとって、なかなか手を出せない憧れの対象でした。中小企業だったら社長さんがクラウンで、以下は”コロナ・マークⅡ” まででしょうか。

名前からも、お分かりの通り、マークⅡの前身です。

コロナ、という名前が取れて“マークⅡ”を名乗るようになってから独自性を主張するような外観に変化してきましたが、この時代は、何だか<クラウンに似た安そうな車>という雰囲気を、わざと醸しだしているのは否めません。

昭和58年・1983年、古き良き(?)時代のクラウンのお話でした。

2018年発売「クラウン」の試乗記は>>>こちら

 

 

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○主なスペック○
エンジン:水冷直列6気筒DOHC 2000cc,2800cc
最高出力(ネット):138kW(190PS)/5,600r.p.m(2,800cc)
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
10モード:8.5~9.0km(2000ccAT),9.8km(2000ccMT)
8.2
km(2800cc)
全長4,860mm 全幅1,720mm 全高1,435mm