「クラウン」ロイヤル/ツーリング 9代目 140系 1991年-1995年

すべてはクラウン

「いつかはクラウン」のキャッチコピーは1983年まで遡りますが、140系・150系「クラウン」は、そのイメージを、まだ受け継いでいる感じがします。

9代目140系が1991年登場、そして10代目150系が1995年登場。

ともに共通の概念で、作られた車だと思います。

内装豪華に。
日本の道をゆったりと。
ソファーに乗って揺られているような。

そして、キャッチコピーは『すべてはクラウン』。

自信に溢れた言葉はベートーヴェンの交響曲第9番 ニ短調 第1楽章(合唱付の有名な部分は第4楽章)に乗せて語られます。

「セルシオ」の存在があったとはいえ、まだまだ日本でのレクサス登場までには時間があった1990年代前半、クラウンの内装にまだ安っぽさは見受けられません。

 

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140系は本当に内装の質感が高いです。

樹脂の質だとか建てつけだとか細かい部分で精緻な心づかいのある、サルーンです。

時代を感じるのはオプションの≪自動車電話≫!

これに羨望の眼差しを向けられた時代があったものです。

走りは4速オートマなので1速から2速に入るときに変速ショックがあるものの、60km/hまでなら今の車と遜色ない乗り心地です。

ただ、それ以上になると急にエンジン音も煩くなり、車体もブルブル震えますので高速道路は不安にさせられます。

かなり甘めに見ても、クラウン140系が当時、80km/L以上の高速走行が得意だったとは思えません。

 



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あと、言い訳できないのが最小回転半径。

カタログ値5.5mですが、体感は7mくらいです。

大げさではありません。

慣れない人が140系でUターンしようとしたら、普通に右折してしまうでしょう。
もう、市場に出回ることはほとんどないので、このへんはご愛嬌と言ってもいいのでしょうか。

冒頭では敢えて真横姿をご紹介しました。
それにしても140系「クラウン」のサイドビュー、美しかったです。

以下、当時の価格です。

ロイヤルサルーン2,500cc 3,280,000
ロイヤルサルーン3,000cc 3,425,000
ロイヤルサルーンG 3,000cc 4,420,000
ロイヤルサルーンG 3,000cc エレクトロマルチビジョン装着車 5,020,000

現在のカーナビゲーションの前身である≪エレクトロマルチビジョン≫装着車、あまり見ないのですが、当時、このオプションが非常に高額だったことが分かります。

実用性は高く、その価値は充分にあったと当時を知るお客様から聞いています。
今、見たら、懐かしいゲーム画面みたいに可愛いです。

1991年の大学初任給179,400円(現在の価値では150,000円~160,000円と言われています)。

概算ですが、3,280,000円⇒約4,400,000円。
2012年発売の14代目とほぼ同じ価格設定です。

○140系「クラウン」評価表
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 良い
運転楽しい度 悪い
後席居住性 非常に良い
リセール価値 ※※※
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 良い


○主なスペック○

エンジン:水冷直列6気筒DOHC 2500cc,3000cc
最高出力(ネット値):167kW(230PS)/6,000r.p.m(3,000cc)
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
10モード:8.1km(2500cc),7,8km(3000cc)
全長4,810mm 全幅1,760mm 全高1,440mm