「スイフト」スポーツ 4th 2017年-現行 ZC33S型

間違いなく‘買い’の逸品

「これは凄い!」

外観からはノーマル「スイフト」との違いはホイールデザインくらいしか伝わってきませんが、内装にはセミバケットシート(背もたれが倒せない本格バケットではありません)が仕立てられ‘いかにも’という雰囲気を醸しだします。

じつは内装もシート以外は他モデルとほとんど差異はないのが実情。
しかし、もともと、スポーティな内装だけに何ら不満はないでしょう。

驚くなかれ。

これで
1,836,000円(税込 MT)~
1,906,200円(税込 AT)~

特製シートに、強化されたサスペンション、「スイスポ」専用のターボエンジンなどを鑑みて、この価格設定は破格以外の何物でもありません。

あれこれ『特別感がすごいです』と並び立てても、乗ってみてバランスの悪い商品なぞ幾らでもあります。

そんな中、この「スイフトスポーツ」ほど期待を裏切らない車も珍しいのではないでしょうか。

 



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街乗り 普段使いも◎

この商品をお買い求めになる方の多くは、普段使い・街乗りを主にお考えでしょう。

もしかしたら、奥様やお子さんを乗せてドライブを楽しむ方かも知れません。

同価格帯の軽自動車ダイハツ「コペン」、さらに乗り心地など‘無い’に等しいホンダ「S660」はドライバーの興奮こそあれ、助手席に人を座らせようものなら、車に詳しくない方にも、

『乗り心地悪くね?』

と、ブチ切れられそうな気がします。

「スイフトスポーツ」は違います。

サスペンションが強化されているといっても、むしろ‘しなやかさ’は増しています。
欧州の高級ブランドが追い求めている感覚をいとも簡単に完成させてしまいました。

海外メーカーからお金を貰って仕事をするジャーナリスト達は口が裂けても、そこまで褒めませんが。

試乗すると、期待とは違う乗り心地に驚きました。

低速で街中を流しているだけなら、特段、普通の「スイフト」と違いは見られません。

凹凸を越えた際の‘いなし’などは懐の深さを感じるほど。

バケット風シートが少々、窮屈だとおっしゃる方もいらしたので、ファミリーユースという点ではノーマル「スイフト」に一歩譲りますが、運転好きなら、

『普通の「スイフト」も良かったけど、この価格差なら「スポーツ」が欲しい』

と、思われる方も多いでしょう。

なんといっても‘楽しい’のです。
10km/hで走っていても、ついつい頬が緩んでしまう車は‘なかなか’ないものです。

現実的に考えると~60km/hをいかに楽しめるかに重きを置いて考えて良いと思うので、
そういう意味でも「スイフトスポーツ」は最高でしょう。

高速巡航ではノーマル1,695mmより40mm車幅が拡がり1,735mmとなったこともあり、安定性は抜群に良いです。

荷室は狭いので4名以上乗車+荷物というのは無理がありますが、3名までの乗車+荷物なら常にストレスなく利用できるでしょう。

車幅が上がったことにより、5ナンバーから3ナンバーになったことのデメリットをよく聞かれますので、一言。

『特にありません』

自動車税も1,500cc以下なので34,500円。

維持費という点でのデメリットは、ハイオク指定であること。

街中実燃費は意外に悪く12km/L程度(JC08モード:16.2~16.4km/L)という点も、ご留意なさった上で検討なさってください。

ATとMT、どちらが‘買い’か?

ATだからといって、「スイスポ」をご購入なさった方がただアクセルを踏むだけなんてことはないでしょう。

ご心配なく。
‘パドルシフト’のギア比は相当、シビアなので、十分にF1気分が味わえます。
ハンドルの切り角が一定以上の場合、アクセルを離してもシフトアップしないのも嬉しい設定です。

シフトスピードについても不満はないレベル。
『AT限定の妻もたまに運転するから仕方なく・・・』
という妥協ではなく、積極的に選択しても面白い商品だと思います。

毎日、サーキット気分で興奮したい方には、やはりMT=マニュアルをお薦めいたします。

『MTに魅力を感じるが、久しく運転してないし、大丈夫か?俺』

そんな不安をお持ちの方でも「スイスポ」に試乗していただいています。

1速・2速にはトリプルコーンシンクロ、3速にダブルコーンシンクロを採用しているため、非常にクラッチがつながりやすいのです。

シンクロ=同調という言葉どおり出力側と入力側のシャフトを同調させる歯車のような部品が複数重なっており、『ガリガリっ』となりそうなときでも、もう一方のコーンが受け止めてくれるという大変、優しい機構です。

運転して感じるのは、とにかく3速の入りが気持ち良いこと。
何も考えず、クラッチペダルを上げるだけでOKというレベルです。
当然、4速・5速・6速 然り。

マニュアル=MT車が久しぶりなのであれば、試乗する注意点は、何といっても1速の入れ方です。

『エンジン入れる前にクラッチペダルと、ブレーキペダルを踏んで・・・』

までは皆さん、注意深くなさるのですが、スタートしてアクセルペダルとクラッチペダルを慌てて入れ替えようとなさる方がいらっしゃいます。

クラッチペダルは1速に入れる場合は慎重になさってください。

ゆっくり上げるのが重要です。

試乗車は、当然、新車に近い状態の個体が多いので、クラッチが繋がる位置がとても下の方にあります。
踵がまだ付いているくらいで繋がるので、慌てて上げすぎないようご注意ください。

>>>次ページは
「サーキットを走るには?」
「値引き情報」です。

「クラウンマジェスタ」6代目 S210系 2013年-2018年 後編

前編は>>>こちら

200系「クラウンハイブリッド」後継なのか?

後継という意味合いでは、200系「クラウンハイブリッド」が、‘しっくり’きます。

やはり、3,500cc+モーターですから、諸々のレスポンス、走り心地は似ているといえば似ています。

ただ、200系「クラウンハイブリッド」は、クラウン史上最速商品

5年後に発売された210系「マジェスタ」とて、スピードという分野では後塵を拝します。

時代の流れからして、さすがに、超高速「マジェスタ」は不要だと考えたのでしょう。

実際、200系「クラウンハイブリッド」(JC08モード:14.0km/L)はアクセル全開の楽しみこそあれ「クラウン」としては謎の多い加速マシンでした。

驚くのはその加速マシンの車両重量1,840kgより210系「マジェスタ」は、30kgも軽量化されていることです。

車の骨格とも言えるシャシーこそ共通ですが、ホイールベース(前後車輪間)は延長されていますし、後部座席のための装備は間違いなく210系「マジェスタ」のほうが嵩むはず。

軽量化された分を燃費向上に宛てたのでしょう。
それが、JC08モード:18.2km。

たいへん、均整の取れたハイブリッド車だと思います。

お薦めは2016年8月以降のマイナーチェンジモデルです。

・<トヨタセーフティセンスP>標準装備。
・リアを中心に、スポット溶接90箇所以上追加。

乗り較べると、急カーブの際、リアが流れにくくなっているのが分かります。

値崩れしにくい

210系「マジェスタ」は、2004年-2009年までの4代目4,300cc、2009年-2013年までの5代目「マジェスタ」4,600ccよりも格段に小排気量エンジンを搭載しています。

そうはいっても、V6 3,500ccもあるのですが。

5代目の4,600ccの超・高燃費は許せても、許せない(?)のが年間自動車税。
3,500ccだと、自動車税は58,000円ですから、何とか普通の金銭感覚で支払えそうです。

3,500cc:58,000円
4,300cc:76,500円
4,600cc:88,000円

忘れたころにポストに投函される自動車納税書に落ち込むこともなくなるのは朗報です。

維持費という観点では、エアサスが採用されていないのも特筆事項でしょう。

修理時、一本、15万円ほどもするエアサス寿命を気にすることなく、中古車を購入できます。

そうなると、ここ何十年、不人気の一途を辿ってきた「マジェスタ」の中古車価格に変化が現れます。

お察しのとおり、値崩れしにくくなっているのです。

歴代マジェスタは、大排気量ゆえの高額な自動車税に加え、故障が不安なエアサスを抱えていたため、軒並み激しい値下がりを見せておりました。

それが、若干ながら改善(?)されている模様です。

とはいえ、ノーマル「クラウン」よりは割安でご購入できる状況は今後も続いていくようですので、特に後部座席にお客様や、ご家族を乗せることが多い方は是非、ご検討ください。

2018年当初、新車当時の値引き情報

発売当初から、本家「クラウン」より値引率の高かった「クラウンマジェスタ」も、モデルライフ終盤にきて、さらなる値引き商戦に入っています。

オプションが非常に少ない(フロアマットやサンバイザーだけで充分)にも拘わらず、最大400,000円を出したことがありますので、ご報告。

買取車がある場合は、値引きと別々に見積もりを出してもらうことをお薦めします。

以下に価格表・諸元表などございますので、よかったらご覧ください。

 

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○「クラウンマジェスタ」6th S210系 評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 良い
運転楽しい度 普通
後席居住性 非常に良い+
リセール価値 良い
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 良い

※こちらは、最終限定モデルの“J-フロンティア”の内装です。

カタログで見るよりも、実際はシート両端や、センターコンソールの濃茶色が印象に残ります。
もっと薄い色合いのイメージを僕は持ってしまっていたので、ご参考になれば、と思い、掲載しました。

カタログのイメージより実車のほうが、若々しい雰囲気が出ていると思います。
 



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トヨタ「クラウンマジェスタ」6th S210系 税込価格表
2,500cc Four6,577,200円
2,500cc Four J-フロンティア(最終モデル限定)6,739,200円
3,500cc 2WD ベース6,426,000円
3,500cc 2WD Fバージョン6,987,600円
3,500cc 2WD Fバージョン J-フロンティア(最終モデル限定)7,149,600円

トヨタ「クラウンマジェスタ」6th S210系 2WDモデル主要諸元表
全長4,970mm
全幅1,800mm
全高1,460mm
ホイールベース2.925mm
最小回転半径5.3m
車両重量1,810-1,830kg
乗車定員5名
エンジン種類V型6気筒DOHC
トランスミッション電気式無段変速機(CVT)
総排気量3,456cc
エンジン最高出力215kW[292PS]/6,000r.p.m
エンジン最大トルク354N.m(36.1kgf-m)/4,500r.p.m
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
モーター最高出力147kW(200PS)
モーター最大トルク275N.m(28.0kgf-m)
動力用主電池ニッケル水素電池
JC08モード18.2km/L

「クラウンマジェスタ」6代目 S210系 2013年-2018年 前編

210系「クラウンロイヤル」とは別物

2018年2月、6月に控えたクラウンのフルモデルチェンジを前にひっそりと幕を閉じた「クラウンマジェスタ」。
おそらく、もう「マジェスタ」という名は消えてゆくのみでしょう・・・。

この試乗記は最終限定モデル‘J-フロンティア’が発売されている頃に、ようやく買取させていただけたS210系「クラウンマジェスタ」に乗ったときのものです。

これまでの「マジェスタ」は、独自デザインだったため、ややもすると「クラウン」ロイヤルより格下に見られがちでした。

210系「マジェスタ」は、車好きの方が見ないと普通の「クラウン」と違いが分からないレベルに纏められているのに驚きます。

意地悪くいえばコスト削減とも言えましょうが、乗ってみれば別物だということが‘すぐ’に分かります。

 



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内装の質然り、走り然り

内装については高品質に見せる技術が素晴らしいロイヤルに対して、本木目を使うするなど一味違う高級の在り方を提示しています。

ただ、先代まではセンターコンソールも本木目だったのに対し、210系は高度な熱転写を利用した本木目調。
本物志向のユーザーには残念な点です。

走りについては、非常に落ち着いたものがあります。

比較したい車種に、同時期に発売された210系「クラウンロイヤル」を挙げられる方も多いのではないでしょうか?

しかし、いずれも候補に入れられるほどの財力をお持ちなら、僕は迷わず「マジェスタ」をお薦めいたします。

たしかに、ロイヤルの23.2km/L(街中実燃費でも16km/L程度)という燃費は素晴らしく、これだけでも選択に値すると思います。

しかしながら、以下の2点から僕は210系「クラウンロイヤル」は手放しで‘買い’だとお客様にお伝えしていません。

・4気筒エンジンの音に雑味があること。振動もやや大きい。

・モーター⇔エンジンの切り替えが多く、スピードとエンジン回転数の不一致が起きること。

音質が悪いといっても、静粛性の高い「クラウン」ですから、そうそう音が侵入してくるわけではありませんし、ハイブリッドですからタコメーターとスピードに多少の不一致があっても仕方ありません。

210系「ロイヤル」はとにかく低燃費を、というコンセプトで開発されたので走りにおいては諸々、妥協せざるを得ない点が出たのでしょう。

しかし、「クラウン」という冠に期待するスムースさに欠け、かつ価格もハイブリッドだと込み込み500万円以上というのは少々、納得がいきません。

その代わり、といっては何ですが、2,500cc V6のノンハイブリッド=ガソリンモデルは、JC08モードが11.4km/Lながら、すばらしくスムースな出来映えです。

解消されたネガ

210系「マジェスタ」は、上に挙げた不満を解消したモデルと言えます。

エンジンが直列4気筒2,500ccではなく、V型6気筒3,500ccとすることによりエンジン音、振動のネガは完全解消しています。

車内に入ってくるエンジン音に‘聞きとれる’ことすらあるのではないでしょうか。

この3,500ccエンジンは210系「アスリート」のノンハイブリッドモデルに搭載されているものと同型。
単独でスポーツモデルに搭載できるほどですから、パワー不足とも無縁です。

「マジェスタ」に関しては、カタログ燃費だけを‘売り’にする必要がないのも、走りを充実させられた要因となりましょう。

210系「クラウンロイヤル」は高燃費を狙うがために、可能な限りモーター走行を行なおうとしてしまい、それが故、やや不自然な走りになっている点は否めません。

対する210系「マジェスタ」はスタートこそモーター走行に委ねるものの、基本はエンジンを補助する役割を担って低燃費(JC08モード:18.2km)を目指しています。

そうすることにより、エンジン回転数とスピードが比例するため、ハイブリッドの違和感が最小限に留められ、より自然な走りを得られた、というわけです。

5代目と6代目は比較対象にならないのか?

先代にあたる5代目「マジェスタ」は4,600ccV8、ノンハイブリッドでしたので、6代目「マジェスタ」と車として比較するのは何か違うような気がします。

正直、申し上げて、5代目に詰まれた4,600ccV8エンジンは世界最高レベルですから、エンジン音やスムースさだけを取り上げると6代目とて一歩譲ります。

ただ、5代目200系「マジェスタ」は、カタログ燃費ですら、9.4km/L。
街中の実燃費で5km/L強ですから、実燃費で2.5倍ほども差が出ます。

ガソリン代うんぬんではなく、これだけ環境問題が提起されている中で、同車種次期モデルの燃費を2.5倍に引きあげたのはトヨタの英断という他ありません。

走りに対する考え方も5代目と6代目で随分、異なります。

5代目「マジェスタ」が発売された2009年当時、開発チーフが

『マジェスタはご自分で運転なさるお客様が意外にも70%いらっしゃるとのデータを獲得したので、ドライバーズカーとしてご満足いただけるようセッティングした』
という発言がありました。

実際、ステアリングもしっかりした手ごたえがあり、アクセルレスポンスも良く、正に‘スポーティサルーン’でした。

これに対して6代目の趣はずいぶん、違います。

ステアリングフィールは最小限。
アクセルレスポンスも控えめで、踏み心地も柔らかく、いかにも‘ショーファーカー’です。

ただ、2代目「センチュリー」のように、どのような運転をしても緩やかにしか動いてくれないわけではないのが「マジェスタ」の特徴でしょう。

ステアリングは決してアンダーではないですし、アクセルも使いようによっては‘暴走’も可能。

お客様を乗せるときには‘ショーファードリブン’として、
ご自分だけのときは繊細なタッチでスピードを追求できる、そんな贅沢な商品に仕上がっていると思います。

 



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それだけに、4名仕様が最後まで設定されなかったのは残念でした。

ちなみに、後部座席の乗り心地だけなら、5代目と6代目、甲乙付けがたいところです。

5代目は峠道でも横揺れを感じないのが特徴。
6代目は直進時に特化した快適性を得ています。

>>>つづく

3,500cc+モーター、他車種との比較。
値引き情報など、
「後編」は>>>こちら

「Cクラス C180/200/350e」4th W205 2014年-現行

180と200 比較

欧州車はディーゼルに諸々、問題を抱えている反面、小排気量エンジンのトルクの出し方が日本車よりも優れていると思います。
さすがに「Eクラス」まで大きくなると重量も増し、加速時の不満などが出てくるのですが、「Cクラス」にはまさに‘ぴったり’のエンジンと言えるのではないでしょうか。

 

「Cクラス」全般レビューについては
>>>こちら

 

4気筒ターボの1,595ccと1,991ccのエンジン。
主要諸元を比較してみます。

 

「C180」
エンジン種類:直列4気筒DOHCターボ
排気量:1,595cc
車両重量:1,490kg-1,540kg
エンジン最高出力:115kW[156PS]/5,300r.p.m
エンジン最大トルク250N.m(25.5kgf-m)/1,200-4,000r.p.m
JC08モード:15.7km/L~16.1km/L
価格:4,980,000円~(ローレウスエディション
※ベースグレードは4,410,000円~ですが、受注生産のため比較対象車から外しました。

 

「C200」
エンジン種類:直列4気筒DOHCターボ
総排気量:1,991cc
車両重量:1,540kg-1,590kg
エンジン最高出力:135kW[184PS]/5,500r.p.m
エンジン最大トルク:300N.m(30.6kgf-m)/1,200-4,000r.p.m
JC08モード:14.2km/L
5,300,000円(アヴァンギャルド)

「C180」は1,500ccを超えているため、年間自動車税は共に39,500円です。

 



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<レーダーセーフティパッケージ>も、双方共に設定済み。
燃費はカタログ値から、さほど落ちないところも似ており、およそ8割程度といったところでしょうか。

つまり、価格差の約30万円をどう捉えるかという話になります。

ちなみに「180」にしか設定のないローレウスエディションにはエクステリアやステアリング周りのデザインがAMGラインになります。

それも含めて、オプション価格218,000円分がお得という「C180 ローレウスエディション」。

やはり、180は「Cクラス」一番の売れ行きだそうで、ウチに入ってくる新古車の割合は「200」の約2倍。

ディーラー在庫も「180」中心に揃えていますので、お客様も選びやすいです。

「180」と「200」、時間を置かず、試乗をしても大きな差は感じられないとおっしゃったお客様が多かったことも付け加えておきます。

とはいえ、「C200 AMGライン」に設定されたエアーサスペンションだけは、さすがに違いが分かるでしょう。

ただ、このエアサスはかなりエアサスっぽさがないと申しましょうか、要は硬めなので、若干、柔らかめのW205「C」のコイルサスとの明確な違いが出ていないのは事実。

後部座席にお乗りになったほうが違いを楽しめるかもしれませんが、いかんせんメルセデスのエアサスほど信用に欠けるのはイタリア車くらいなものなので、やめておいたほうが良いと思います。

このW205のエアサスは一箇所、故障すると25万円也。
新車保証内で絶対に乗り換える方以外には相当なギャンブルといえましょう。

そうなると、エアサス以外に「200」が「180」より優秀な点を探さなくてはなりません。
しかし、一般道では見つかりにくい、というのが正直なところです。

特に低速トルクなどは「180」で充分でしょう。

差が出るシチュエーションは、高速走行時の加速力、および高速時のエンジン回転数でしょうか。

1,600ccと2,000ccと聞けば、結構、違うものをご想像するかと思いますが、不思議とあまり違いはありません。

冒頭に申し上げたとおり、“欧州のコンパクトエンジン恐るべし”です。

逆に2,000ccの非力さに多少の不満を覚えるのも事実です。
もう少し、低速トルクがあってもいいし、1,600ccよりも常時、静粛性に優れていても良いのでは?と思います。

『‘買い’はどちらですか?』

と、僕もお客様によく聞かれます。

これは、どう考えても「180」でしょう。
100万円近くもプライスダウンしているディーラー在庫車(ほぼ新車)が、豊富だというのもポイントです。

次ページは>>>
「2種のホワイトについて」
「350eって何だ?」
「値引き情報」です。

「Cクラス C220d」4代目 W205 2014年-現行

革命的な変貌

登場したのは2014年。

キャッチコピーは 『メルセデスの本気』。

当時、サッカー日本代表の本田圭佑選手を起用したのもトピックでした。

煙の中から登場する「C-class」と、それと対峙するように、じっと迎える本田選手。

高級感と、挑戦的な雰囲気が出ていて印象的なCMでした。

じつは本田選手、この直後にトヨタ「オーリス」がハイブリッド導入した折のCMにも出演していました。
同時に放映されていたわけではないのでOKということなのでしょうが・・・。

俳優の渡辺謙さんが日産「スカイライン」に起用された数年後に、スズキのコマーシャルに出ていたのも妙な感じでした。

渡辺謙、当時はわりと良いイメージがあった俳優さんでしたね。

 



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このW205「Cクラス」、はっきりとW213「Eクラス」よりも優れている、と裁定した自動車評論家も多くいらしたので、果たしてどうなのか、期待は膨らむばかりでした。

が。弊社がなかなか買い取らせていただけない・・・(欧州車は新車で入荷した試しなし)。

まあ、ウチは国産がメインなので買い取ってもオークションに流すケースもあり、高値が付けられなかったのもあります。

期待が大きくなる理由はもう一つありました。

それは先代にあたる3代目W204「Cクラス」の後期のレベルが非常に高かったことです。

2007年に発売された当初、Dセグメントでは頭一つ抜けているのではないか、と思うほど安定感のある走りを提供していました。

それが2011年に何と2,000箇所に及ぶ改良を経て、マイナーチェンジ。

どこがどう変わったのか、というよりも、さらに一つ上のレベルに引き上げられた感のあるMCでした。

個人的には満点を付けても良い仕上がりに感じましたが、BMW「3シリーズ」好きの整備士によれば、
『ハンドリングがまだまだ』
とのこと。

シビアな切れ味こそが‘良い’という価値観もあるので、そこは否定しません。

しかし、日常走行時においての直進安定性はもちろん、ハンドルの応答性までメルセデスに高められたのでは、他の欧州メーカー、特に似たベクトル上に存在するアウディは3代目W204「Cクラス」に焦ったのではないでしょうか?

メルセデスベンツ独特の‘しっとり感’に加え、この頃から標榜する<アジリティ=機敏さ、敏捷さ>を見事に体現していたのは見事でした。

W204よりW205は優れているのか?

さきほど、価値観と申し上げたとおり、僕はW204に満点を付けた人間なので、それをアップデートする方向ではなく、変化を求めたフルモデルチェンジ、四代目の「C」W205に対してさほど高評価はできないだろうな、とは思っていました。

エクステリアがW222「Sクラス」の近似値に纏めてきたことから何か相容れないものもありましたし・・・。

「Sクラス」と勘違いされると素晴らしいわけでもないでしょうに。

あと、ドアの開閉音が軽くなったことも少なからずショックでした。
これはアルミ製になったことによる変化ですが、あの‘ド’と重い音と共に乗り込むと、

『ああ、これが欧州メルセデスだ』

と、優越感を覚えてしまうタチでしたので、どうしても盛り上がりません。

しかし、インテリアのさらなる質感の向上は間違いなく、ご購入検討中の方々の心に響くのではないでしょうか?

W204の内装が安物っぽいとまでは言いませんが、国産車で同価格帯の商品と比較すると劣っていたのは否めなかったので、これは嬉しい変貌です。
走りもまたW204とは別物です。

次ページは>>>
「走りでCクラスは3シリーズに勝てるのか?」です。

「Eクラス E200/250/400」5th W213 2016年-現行(さおり著)

エンジン3種

最近、どのメーカーも1車種に、たくさんのエンジンバリエーションがあるのが当たり前の時代。

この、W213「Eクラス」は、エンジンが3種用意されています。

・1,949ccディーゼル⇒220d【ターボ】

・1,991ccガソリン⇒200【ターボ】、250【ターボ】、350e【ハイブリッド】

・3,497ccガソリン⇒400【ツインターボ】

この中で「400」は4WDのみの展開で価格は1,000万円を超えています。

他グレードより200万円以上高いプライスタグなのも気になりますし、よほど加速力が欲しい方でもない限り不必要かなぁ、と。

しかも、その加速は‘どっかんターボ’と呼ばれた80年代の商品と似ていて、アクセルを踏み込んでからのタイムラグもあるので、さおりはお薦めしていません。



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250と、350eならどっちにする?

少し、お手頃な価格(?)になってくると、「250」と「350e」で迷われる方も多いと思います。
「250」が7,750,000円~、「350e」が7,980,000円~です。

「250」のターボは「400」と違い、より一般道での自然な加速力を高めるためにセッティングされているのでしょう。
ずいぶん、スムースです。

急に‘ドーン’と出たりはしませんし、「200」とエンジンは同じとはいえ、最高出力・最大トルク、ともに15%もUP↑↑していますので、力強さで不足を感じることも少ないでしょう。

「200」と比較すると、もう少し回転を落としてもいいかな?というような場面でもエンジンがグルグル回っているのは珠にキズ?

あと、あまり台数が出ていないのでカタログ落ちする可能性も・・・。

ところで「350e」はディーラーの方はあまり薦めてこないのではないでしょうか?
なぜって、それは在庫がほとんどないから。

国産車と違い、メルセデス正規ディーラーや、ヤナセは予め、売れ筋グレードの売れ筋カラーを仕入れているので、それ以外は余り売りたくないのです。
「350e」、商品としても正直、「Eクラス」の中で最もお薦めできないです。
ハイブリッドなのに燃費が良いわけではなくて、モーターとエンジンの切り替えがトヨタほどスムースではありません。

どのガソリン車がいいのかっていうと、私なら迷わず「200」。

高速道路へ入るときの加速力の心許なさがあるのが唯一‘らしくない’かな?という点と申し上げても良いでしょう。

普通に走っているぶんにはベストバランスです。

あと、コストパフォーマンスもさることながら、在庫車も豊富で色もブラックorホワイト以外から選べることも♪

カライトグリーンなんていう青みがかった緑は、綺麗なお色なのに日本ではほとんど見かけないので、もし選べたら是非!

「E200」と「E220d」の比較は>>>こちら

同じ車で全長が違う?

諸元表をご覧になって、
「おや?」
と、疑問に思われたことがある方、いらっしゃるのではないでしょうか?

じつは、全長の違いは、ほとんどバンパー形状の違いによって生じています。

この「Eクラス」も4,930mmと4,950mmの2タイプ、ございましてリアバンパーの形状違いによって2cmの違いが出ている、とのこと。

パッと見、分かりませんが展示車がたくさんあるディーラーで見比べてみると面白いですよ♪

お薦めできないCDプレーヤー

なんとW213「Eクラス」にはCDの挿入口がないのです・・・。
音楽聞くにはUSBで接続して聴くしかないわけです。

パソコン慣れしているユーザーをターゲットにしつつ、お値段は若者向けではないので、CDプレーヤーレスという標準仕様はどうなのかなあ、と思ってしまいます。

どうしても欲しい方は90,000円のオプションの外付けCDプレーヤーが用意されてはいます。

けれども、かなり音質は悪いですので、価格の価値はありません。

なんとかしてほしいものですネ。。



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「C」にはなく「E」にはあるインテリジェント

衝突安全システム、メルセデスは半自動運転という考え方なので<インテリジェントドライブ>という名称を使っています。

まだまだ、すべてを委ねることはできないシステムですが、いざというときに頼りになるのは確かです。

この「Eクラス」、「Cクラス」には設定のない<ステアリングサポート>が付いています。

つまりブレーキだけでは衝突が避けられないけれども、周囲に退避エリアがあると自動車が判断した場合にステアリングが勝手に切れるシステム。

国産車だと2017年~の「LS」に初搭載されました。

いろいろ進化してくれるのは嬉しいですけど、ハンドルを握らなくて良い時代がくるのかなあ、なんて思うと複雑な気分ですよね。。

さおりでした。

 

○関連記事ご紹介

最大のライバル
のご紹介は
>>>こちら

 

「E200」vs「E220d」は
>>>こちら

 

似ているって言えば似ている?
「GS」シリーズの記事は
>>>こちら

 

○メルセデスベンツ「Eクラス 200 アバンギャルド」5th W213 評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 良い
運転楽しい度 良い
後席居住性 非常に良い
リセール価値 普通
故障のしにくさ 悪い
部品の安さ 悪い

○メルセデスベンツ「Eクラス 400 4matic」5th W213 評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 悪い
運転楽しい度 良い
後席居住性 良い
リセール価値 非常に悪い
故障のしにくさ 悪い
部品の安さ 悪い

5代目ベンツ「Eクラス」W213 税込価格表
E200 アバンギャルド6,820,000円
E200 4マチック アバンギャルド7,050,000円
E200 アバンギャルドスポーツ7,340,000円
E250 アバンギャルドスポーツ7,750,000円
E350e アバンギャルドスポーツ7,980,000円
E220d アバンギャルド7,050,000円
E220d アバンギャルドスポーツ7,570,000円
E400 4マチック エクスクルーシブ10,140,000円



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ベンツ「E200」W213主要諸元表
全長4,930mm-4,950mm
全幅1,850mm
全高1,455mm
ホイールベース2,940mm
最小回転半径5.4m
車両重量1,670kg-1,700kg
乗車定員5名
エンジン種類直列4気筒DOHCターボ
トランスミッション9AT
総排気量1.991cc
エンジン最高出力135kW[184PS]/5,500r.p.m
エンジン最大トルク300N.m(30.6kgf-m)/1,200-4,000r.p.m
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
JC08モード14.7km/L

ベンツ「E220d」W213主要諸元表
全長4,930mm-4,950mm
全幅1,850mm
全高1,455mm
ホイールベース2,940mm
最小回転半径5.4m
車両重量1,800kg-1,820kg
乗車定員5名
エンジン種類ディーゼル直列4気筒DOHCICターボ
トランスミッション9AT
総排気量1.949cc
エンジン最高出力143kW[194PS]/3,800r.p.m
エンジン最大トルク400N.m(40.8kgf-m)/1,600-2,800r.p.m
使用燃料軽油
JC08モード21.0km/L

「Eクラス E220d」5th W213 2016年-現行

Cクラスとの差別化には成功したの?

2014年にW205「Cクラス」が登場したときのこと。

試乗動画でモータージャーナリストの方が「Eクラス(2010年-2015年のW212)のオーナーさん、これはヤバイです。Eクラスのオーナーが乗ってもびっくりすると思います」とおっしゃっていたのが、印象に残っています。

また、同じ時期、メルセデス広報が「Eクラス」の存在意義をジャーナリストに質問された際、

『それは次期「Eクラス」で答えを出しますんで』と、W212を見捨てるかのような発言があったのにも驚きました。

その発言の1年前、2013年にW212「Eクラス」の4眼ヘッドライトを廃止したビッグマイナーチェンジに対して、
『現在のメルセデス、最強の商品を登場させました!』
なんて言っていたのに・・・。

今回、ようやく弊社にも中古車が入ってきたのでレポートさせていただくのが、先代「Eクラス」を凌駕した、そして「Cクラス」のさらに上にいくはずのW213「Eクラス」。

でも、パッと見「Cクラス」との違いを余り感じないW213「Eクラス」です(汗)。

並べて眺めるとリアが‘すぼまっていない’ぶん、伸びやかなデザインに見えるのが特徴と言えるでしょう。

ただ、CもEもW222(2013年-)の「Sクラス」っぽいデザインになっているのは、好き嫌い分かれそう。

それぞれのサイズ、個性に合わせたデザインを取り入れつつ、メルセデスらしさを表現してほしい気がしますけど、まあ、言うは易しですね・・・。

間違いなく言えるのは10年後にも旧型っぽく見えないだろうな、っていうこと。

斬新ではないかも知れませんが、飽きのこない落ち着いた仕上がりだと思います。

Cとのステアリングの差にびっくり!

そうなんです。

ステアリング、かなりのライトフィールでびっくりしました。

BMWと較べて、というより「Cクラス」と較べて、明らかに軽いです。
回しこんでいっても、どこかで‘グッ’と固くなるようなことはなく終始‘スルスル’回ります。

インテリアは「Cクラス」との差は歴然っ!
パネルの樹脂から、ドアノブから、皮シートの縫製から、何から何まで1ランク上です。

メーター類は‘のぺっ’としたデジタル表示。
これは「Sクラス」風。
ライバルの、レクサスとの違いは凹凸表現がなく、いかにも近未来デジタル表示を目指していることでしょうか。

グラフィックの鮮明さは「BMW」よりはキメ細かいですが、レクサスには及んでいないです。
こういう風に日本車が明確に優れている点はもっと評論家さんに主張してほしいな、と常々、思います。

<アイドリングストップ>機構なんかもそうです。
「Eクラス」の<アイドリングストップ>は、日本車の多くに‘かなり’遅れています。

エンジンスタートの時のショックも大きく、ブレーキペダルが押し戻される感覚があります。

高速道路での安定感はさすが

「Cクラス」も良いお車ですので、街中で時速60km程度で走っているだけなら、「Eクラス」に乗り換えても、すこしの静粛性を感じるくらいでしょうか。

あと、ボディが大きいぶん振動なども、わずかには違います。
でも、強いて言えば・・・というレベル。

これが、高速道路になると違いは明らかになってゆきます。

「Cクラス」はよりロードノイズが騒がしくなってくるのに対して、「Eクラス」は寧ろ、静けさが増したような印象を持ちました。

もちろん、安定感も抜群です。



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のんびり直進をするなら(東名~名神で空いているときのような)快適さはEセグメント最高レベルではないでしょうか?

ちなみに、最大のライバルBMW「5シリーズ」は、ちょっと上下の揺れを感じますし、レクサス「GS」は高額の450hでもなければ、すこし力不足を感じます。
アウディ「A6」はそもそも余り乗り心地が良いとは思えず・・・ファンの方ごめんなさい。

次ページは>>>
「200と200dはどちらがお薦め?」です。

初代「ティアナ」 J31系 2003-2008年 (さおり著)

内外装のデザイン力

2003年2月発売商品です。

そう聞くと「ティアナ」も意外と長くあるんだな、と改めて思います。

3代目の売れ行きが芳しくないので、これまでか・・・との声も囁かれる中、4代目での復権はあるのでしょうか?
3代目にて販売終了??

それにしても、初代「ティアナ」はキャッチコピーからして斬新でしたよね♪

『くるまにモダンリビングの考え方』

上品で平淡なナレーションと共にお洒落な内装が映し出されるCM、私は小学生の時に見たんですけど、今でもよく覚えています。

自動車史に残るデザインの一つでは?

まず、エクステリアがお見事。

ルーフがリアにかけて、ゆったりとしたカーブで下がっていくデザインは後の、アウディ「スポーツバック」やBMWの「グランクーペ」も参考にしたのかな?っていうくらい美しい角度でした。
日本上陸直後のレクサス「GS」も似た角度ですよね。

初代「ティアナ」は4ドアクーペの先駆けとなったデザインだと私は思っています。

そして、何といっても、すごいのはキャッチコピーになったインテリアです。
お洒落な居間のような空間です。

デザイナーの方々は、いちど自動車の内装はこうあるべき・こうだった、というのを全く考えないようにして作りなおしたのでしょう。

本当に美しいです。
それを前席~後席に統一させているのは芸術的としか言いようがありません!

ただ、メーター周りの発光色が‘オレンジ一色’というのは・・・ご愛嬌。

でもね。
価格を考えたら、ここは仕方ないかなあ、と思えるほどで。

2,300ccモデル
2,250,000円~(4AT)

3,500ccモデル
2,840,000円~(CVT)

ボディサイズからすれば相当な割安価格だったので、材質に妥協が見受けられるのは仕方ありません。

オレンジ色のメーターもそうですし、シートも座り心地がどうか?と聞かれると、ふんわりでもないし、しっかりでもなく・・・どちらかというと硬めではありますが、そこにスポーティさがあるわけでもないです。

試乗しないで買ったら、ダメな車

じつは、この初代「ティアナ」乗ったら驚くことがあるんです。

それはハンドル。。です。

もうね、びっくりするくらい硬いですから。
軽く指でクルクルしちゃうよ♪なんて夢のまた夢。

『かった!』

と、試乗したお客様がおっしゃるのを何度も聞きました(笑)。

って笑っている場合ではありません。

そのおかげか、総額60万表示でも売れず、50万でも売れず、40万円でもまだ売れ残っています・・・。弊社の落札価格は32万円。

車検たっぷり残ってるぅ♪と思って、私が仕入れに一役買っちゃっただけに責任、感じます。

何件かお問合せをいただいた矢先、日産の衝撃事件発生するし・・・。

そう。

これを書いているときに起きてしまったのです、あれが。

2017年10月、完成車の検査を無資格者が行なっていたことが判明した件です。

しかもメディアで散々、報道されてからもしばらく行なわれていたとかで、てんやわんや・・・。
リコール台数も初回車検を通していない商品だけで済むのかどうかも分かりません。
2代目「リーフ」が発売直後だったこともあり、日産にとっては大打撃でした。

2017年日産のキャッチコピー“やっちゃえ日産” ⇒ “やっちゃった日産”
というネットの書き込みを何回、見たことでしょう・・・。

あぁ。これで弊社の旧「マーチ」や、旧「スカイライン」はまた大幅値下げせざるを得ない状況に(泣)。

ほかの中古車業者さんも、みんな困ってるんじゃないかな?

話を元に戻しますm(_  _)m

もう、ハンドルの‘硬さ’たるや中途半端なものではないです。

日産はトヨタに較べると‘しっかり’した手ごたえのステアリングが多いですけど、初代「ティアナ」は別格(?)。

乗り心地も、たぶん、ほとんどのお客様が想像するより硬めですので違和感は多少、あると思います。

何もかも硬い上に、FF(前輪駆動)特有の曲がらない感もアリ。。

これじゃあ、見た目の上質さと余りに釣り合わないわけです。
うぅん。それでも、車検付30万円台はお買い得と言えるんだけどなぁ。

私が買い取る羽目になったらどうしよう・・・。トホホ。



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お薦めなのは350かも?

そうなんです。
そんな廉価版サルーンみたいな位置づけだったのに、なぜか3,500ccもラインアップされていたところが、ちょっと謎です。
284万円~と、こちらも、お手頃価格でした。

中古車価格は2,300ccも3,500ccも、落ちきったレベルに達していたところへ、上記、日産の不祥事があったため、また一気に価格下落は間違いなし。

ものすごく‘買い値’になりますよ♪

3,500cc、お薦めの理由は何といっても<CVT>。

日産の<CVT>は、当時から出だしのモッサリ感がないし、当然、変速ショックもないのでとても快適です。

パワーに関しては実用域では必要ないかな、というレベルですが“静粛性”、“余裕”、本来、そういうものを求めてもいい車だと思うので3,500ccを買っても良いんじゃないかなあ。

ちなみにパワー感は2,300ccも、かなりありますよ^^。

トヨタ「ゼロクラウン」のほうが軽く回って面白いですけど、初代「ティアナ」のV6も力感では負けていないと思います。
V6だしエンジン音が安っぽいとかもないです。

3,500ccは、2,300ccより、税金・燃費で不利なため、さらに安く出ていることも多いので、自動車税58,000円(2300ccは45,000円)、ガソリンがハイオクというハンデを考えても検討価値ありだと思います。

下に当時の価格表や諸元表もご用意したので、よかったら覗いてみてくださいね♪

さおりでした。

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○初代「ティアナ」評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 悪い
運転楽しい度 悪い
後席居住性 普通
リセール価値 ※※※
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 非常に良い

初代「ティアナ」5%税込価格表
230JK2,250,000円
230JK M-collection2,400,000円
230JM2,520,000円
250JK four (4WD)2,450,000円
250JM four (4WD)2,770,000円
350JK2,840,000円
350JM3,190,000円



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初代「ティアナ 230JK」主要諸元表
全長4,770mm
全幅1,765mm
全高1,475mm
ホイールベース2,775mm
最小回転半径5.3m
車両重量1,450kg
乗車定員5名
エンジン種類V型6気筒DOHC
トランスミッション4AT
総排気量2,349cc
エンジン最高出力127kW[173PS]/6,000r.p.m
エンジン最大トルク225N.m(22.9kgf-m)/4,400r.p.m
使用燃料無鉛レギュラーガソリン
10.15モード11.2km/L

初代「ティアナ 350JM」主要諸元表
全長4,770mm
全幅1,765mm
全高1,475mm
ホイールベース2,775mm
最小回転半径5.7m
車両重量1,520kg
乗車定員5名
エンジン種類V型6気筒DOHC
トランスミッションCVT(無段変速機)
総排気量3,498cc
エンジン最高出力170kW[231PS]/5,600r.p.m
エンジン最大トルク333N.m(34.0kgf-m)/2,800r.p.m
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
10.15モード9.8km/L

「クラウンマジェスタ」5代目 S200系 2009-2013年

「セルシオ」の後継は「LS」ではない

「セルシオ」の後継といえば、レクサス「LS」だとお思いの方が多いのではないでしょうか?

海外では「セルシオ」は長らく「LS」として販売されていたのは事実です。

しかし「LS460」(4代目 2006年-2017年)に乗ってみれば思うのは

『これは、違う』

誤解なきよう先に申し上げますが、「LS460」は素晴らしい車です。
1,875mmという車幅は、国内では難はあるものの、海外では特に気にするほどの数値でもなかったでしょう。

 



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2006年は、立体駐車場(横幅1,850mm制限が多い)をご利用していた3代目「セルシオ」(車幅1,830mm)のオーナー様にとって「LS」(車幅1,875mm)への買い替えが難しかったため、「セルシオ」の質の良い中古車が高値をキープしていました。

僕たちは横浜に「セルシオ」ばかり入札しに行ったものです。

5代目「マジェスタ」こそ

180系4代目「マジェスタ」も価格相応の商品ではありました。

しかし、「セルシオ」より小ぶりなボディでは「セルシオ」以上を実現するのはなかなか難しかったようです。

もっとも、4代目「マジェスタ」が発売された2004年当時はまだモデル末期の3代目「セルシオ」が販売されていましたから、機能面などで上回るわけにいかず、制約が多かったと聞きます。

それに対して、この5代目「マジェスタ」は2006年に消えた「セルシオ」に遠慮する必要はありませんでした。

車幅1,810mm、全長4,995mmとボディサイズは拡大し、価格もCタイプで、6,950,000円。

同じCタイプで比較すると、4代目登場時は6,090,000円でしたから、相当な値上がりを敢行したと言えます。

それもそのはず、実際、乗ってみると、この5代目は4代目と較べて、一つ格上の車種だということが誰しも分かると思います。

エンジンは2006年に「LS460」に採用された4,600cc V8エンジン。

「LS460」は「LS600h」というラグジュアリーに特化した商品がレクサスに存在していたため、実はかなりスポーティ寄りでした。

それが、「セルシオ」後継ではないと感じる最大の点です。

エンジン音は、やや低く設定されており、アメリカンスポーツを思わせる雰囲気すらあります。

新型「セルシオ」と呼べる仕上がり

相当、スポーティ寄りな「LS460」と違い、ゆったりと乗れる商品を目指して開発されたのが、この5代目「マジェスタ」です。

たしかに30系「セルシオ」に似てはいますが、ステアリングは‘しっかりした感触’を得、切り始めの遊びも少なくなっていることで運転のし易さが増しています。

また、急ハンドルを切ったときにリアが流れる感覚が消えていることから明らかにボディ剛性が上がっているのが分かります。

4代目「セルシオ」と呼んでも誰もが納得する商品でした。

そして、静けさ。

「セルシオ」といえば、静粛性の高さではライバルを凌駕していました。
5代目「マジェスタ」は、これに磨きをかけています。

この「マジェスタ」は、静けさに加えてエンジンの吹き上がりが‘さらに’滑らかになっているのが特徴です。

ATが8速に進化したこともあるでしょう。
30系「セルシオ」は前期は5速AT、マイナーチェンジされた後期でも、6速ATでした。

8速の「マジェスタ」は、特に低速のシフトチェンジが恐ろしくスムースなので、大排気量エンジンにありがちな低速でのトルク不足を全く感じさせないまま加速していきます。

日常域である40km/h~60km/hは基本、無音。

風切り音も、コントロールされており、やたらと静かな車内です。

ロードノイズが、わずかに入ってくるばかりというレベルに仕上がっています。

これだけの静粛性を得るために2008年に発売されていた、200系「クラウン」から、さらに吸音材を見直しています。

わずかにでも空洞ができた箇所には発砲素材で空気振動を抑える配慮も為されています。

リアガラスは「クラウン」の、3.5mmから4mmへ、サイドガラスは4mmから5mmへ変更。

ドアトリムの吸音材に至っては6mmから10mmと、実に4mmも厚くなっていることには驚きました。

その他、全グレード標準装備のエアサスの空気量を増加させつつ乗り心地に芯を持たせる技術など、静粛性に対する創意工夫は枚挙に暇がありません。

 

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Aタイプ‘Lパッケージ’とは?

この「クラウンマジェスタ」にはAタイプという少々、変わったグレードが存在していました。

いわゆるベースグレードに該当するのですが、そのAタイプの‘Lパッケージ’にしか装備されていないシステムがあったのです。

それは<アクティブステアリング統合制御>

ハンドリングが少々、過敏になるので、この商品をお買い求めになるような方々に好評を博したとは思えませんが、面白い試みでした。

また、Aタイプ‘Lパッケージ’には特製のボルドーの本革シートが奢られます。
他グレードでは選べない上、艶のある色合いだったので魅力的に映りました。

その代わり、オプションでもリアエアコンやリアプリクラッシュセーフティなどの後部座席に対する装備は選択できないという・・・。

フロントドア・リアドアのイージークローザーすらオプション選択できませんでした。

そのくせ、標準でサンルーフが付いてくるのは、ちょっと意味不明でした。

次ページは>>>
「当たり前ですが欠点は燃費。
しかし、走りは、珠玉」

新型「センチュリー ハイブリッド」最新情報

さようならV12

3代目にして、ハイブリッド化されることが決定した「センチュリー」。

余りに燃費が悪いので、安倍首相の公用車が「センチュリー」から「LS」や「アルファード」になってしまったのは有名な話です。

ハイブリッド化は、至極、当たり前の流れだったのかも知れません。

新型に搭載されるエンジンは、先代「LS」の5,000cc V8。
これにハイパワーのモーターがどのように組み合わされるのか、興味は尽きません。

2代目のV12エンジンは、万一のトラブルでもV6エンジンとして使用できるという、念には念を・・・な、システムを搭載していただけに、新型のV8も片バンクだけで走ってしまうのか?も気になるところです。

ただ、カタログ燃費が悪ければ『社会的にどうなの?』と陰口を叩かれかねない時代です。

個人的には、燃費をわずかでも犠牲にしてしまう、片バンク走行可能なエンジンは不要だと思います。

2018年、最高の自動車として

3代目は、外観、内装とも「センチュリー」らしさは色濃く残ってはいるものの、その全てが一新されています。

エンジンはポート噴射と直噴の切り替えを最適化し、滑らかな走りと高燃費を実現。

200系「クラウンハイブリッド」で搭載された、ハイブリッド車特有のこもり音を低減する<アクティブ・ノイズ・コントロール>も標準仕様。

タイヤは、乗り心地の良さ・静粛性を突き詰め、新開発されたことが判明。

ヘッドライトは、プロジェクター式3灯とLEDアレイAHS(アダプティブ・ハイビーム・システム)の組み合わせにより衝突軽減システムとの連携を図ります。

リアランプは「和の光」とアナウンスされたことから察するに、昨年、発表されたレクサス「LC」に採用された小糸工業のパネルでしょう。

気になる方はレクサスディーラーを覗いてみてはいかがでしょう?
和紙のような美しいリアランプをご覧になることができます。

また、音響システムも最高品質に。

スピーカーの数、何と“20”。

日本代表モデルだけに、レクサスのオプションで有名な<マークレビンソン>は採用されないそうです。

その他、さらなる低床化や、後部座席の読書灯、全自動オットマン機能、シアターシステムなど細かい部分のアップデートも抜かりありません。

ボディサイズは2代目より拡大

全長は、65mm延長の5,335mm
全幅は、40mm拡大の1,930mm
全高は、30mmアップして1,505mm

ホイールベースも65mm延長されています。

2代目「センチュリー」の運転手をしていた経験からすると、全幅の1,930mm、全長5,335mmは正直、かなり厳しい数値です。

「センチュリー」はフロント・リアともに、かなりスクエア(四角い)です。
全長・車幅ともに、かなり掴みやすい車種とはいえ、ここまで絶対値が上がると駐車スペースを選ばなければいけません。

つまり、それだけ選ばれた人物を、選ばれた場所に送迎する商品として開発されたといって良いでしょう。
ここまで、至れり尽くせりのシステムを装備しながら、「オートクローザー(半ドアの際、自動でドアが閉まるシステム)はリアドアのみ」という設定は存続するのかも気になります。

次ページは>>>
「避けられないビッグマイナーチェンジ」です。



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