サーキット走行も可能な「350RDS」
たしかに、レクサス「IS-F」や「GS-F」には直線では圧倒されるでしょう。
しかし、日常域での使い易さも含めて考えると、レース愛好家の方々に「350RDS」も候補から外さないでほしいくらい完成度は高いです。
ステータスという意味では
「マークX」<<「レクサス‘F’」
ですから、レクサスを購入できる方が、これを検討してくれることは今のところないですが・・・。
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褒めちぎるのも、どうかと思いますので、最初は‘ネガ’な部分から取り上げます。
正直、最低でも時速60km~でないと、良さは殆ど出ません。
なぜなら、この<V6 3,500cc>はかなり高速寄りにチューニングされているからです。
日常域では常に力を持て余したエンジンが唸っている状況。
ウォームアップが完了した陸上選手に、
『ゆっくり、歩いてね、今日は』
と言ったような感じと申しましょうか。
車自体がストレスを持っているのが、低速では持続します。
<アイドリングストップ機構>を搭載していないので、信号待ちもハイブリッドに慣れた方からすると、ドライバー側も若干のストレスかも知れません。
特に「350RDS」は停車時の振動があります。
エンジン音自体もアイドリング時や低速走行時は、<V6 2,500cc>の「250RDS」に較べて、半オクターブほども低いでしょうか。
余計に、エンジンの存在を感じざるを得ません。
これに我慢して、時速60kmさえ超えれば、至福の一時が待っているとはいえ、日本では待っている間に一日のドライブが終了してしまう懸念が・・・。
しかし、高速道路上では最高の時間が約束されています。
時速80km程度の巡航なら、まだエンジンパワーが有り余っている感じです。。
高速時の静粛性が非常に高いのも「350RDS」の美点。
意外に思われるかも知れませんが、30系「セルシオ」に搭載されていた<V8 4,300cc>が消えた今(2018年時)、ハイブリッドを除き、1,000万円以内の価格帯の商品内では高速時の静粛性は最高レベルかな、と思います。
ちなみに、 「クラウンマジェスタ」 (2009年 – 2013年)、「LS」(2006年-2017年)に搭載されていた<V8 4,600cc>は、「セルシオ」よりスポーティに振った味付けだったため、静粛性だけに焦点を絞ると最高ではありませんでした。
素晴らしいエンジンとはいえ、燃費は余り褒められたものではありません。
ハイオク指定ですし、カタログ燃費ですら10.0km/L ジャスト。
都内を軽く流したら、6.5km/Lでした。
宝を持ち腐れにはなるでしょうが、宝好きの方にはお薦めいたします。
周りの目は羨んでくれないが
「マークX 350RDS」、最上級グレードを手に入れても、
『お前、すげーっ!しかも350RDSじゃんかよ!』
という言葉が、ご友人から飛び出す可能性は、皆無と言えます。
出たとしたら、よほどのマニアか、あなたからお金でも借りたいのでしょう。
しかし、これ見よがしではない‘恰好良さ’が「350RDS」には、あります。
ハンドルを握るたび『これを買ってよかった』と、思える車、そうはないと思います。
気になる次期「マークX」
「sai=サイ」と、レクサス「HS250h」が2017年で生産終了のニュースが流れたときは「マークX」まで生産終了するとは思いませんでした。
公式に生産終了日時を発表したわけではありませんが、‘beautiful monster’と銘打った「カムリ」を1年も経たないうちに投入し、その発表会で広報が『これまで「マークX」をご購入なさっていたお客様にも満足していただける商品を開発しました』と漏らしたので、とりあえず、2代目の終了は確定したな、と。
2018年末まで、持てば良いほうだと思います。
2,500ccモデルですら、カタログ燃費 11.8km/L というのは削除せざるを得ない現実なのでしょう。
実際、レクサス「IS」も、2,500ccは消え、2,000ccターボが導入されています。
トヨタカローラの専売だった「カムリ」を、ネッツトヨタ、さらにはトヨペットでも売っているのは、近く、来るであろう‘終焉’を予告しています。
復活するとしても次期「マークX」は、FFでハイブリッド、あるいはターボ専用車になっているのでしょうか。
個人的にはせめてFRだけは残してほしい気持ちです。
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○関連記事ご紹介
「250RDS」は一般道で
至福を味わうために・・
試乗記は
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ノーマルグレードについて
値引き情報などは
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V6 2,500ccが消えた「IS」
後継のターボエンジンの相性は?
レビューは
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そもそも、70系「カムリ」は
「マークX」より何が優れているのか?
いないのか?試乗記は
>>>こちら
○マークX「350RDS」評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫
総合評価 | 非常に良い |
運転楽しい度 | 非常に良い+α |
後席居住性 | 普通 |
リセール価値 | 普通 |
故障のしにくさ | 非常に良い |
部品の安さ | 普通 |
2017年130系「マークX」税込価格表 |
|
---|---|
250G"F package" | 2,656,800円 |
250G Four "F package" | 2,901,960円 |
250G | 2,916,000円 |
250G Four | 3,161,160円 |
250S | 3,207,600円 |
250S Four | 3,452,760円 |
250 RDS | 3,434,400円 |
350 RDS | 3,850,200円 |
130系「マークX」2,500cc 3,500cc 主要諸元比較表 |
|
---|---|
全長 | 4,770mm |
全幅 | 1,795mm |
全高 | 1,435mm |
ホイールベース | 2,850mm |
車両重量(2,500cc) | 1,510kg~1,570kg |
車両重量(3,500cc) | 1,560kg |
エンジン | V型6気筒 DOHC |
トランスミッション | <6 Super ECT > |
最高出力(2,500cc) | <149kW(203PS)/6,400r.p.m> |
最高出力(3,500cc) | <234kW(318PS)/6,400r.p.m> |
最大トルク(2,500cc) | 243N.m(24.8kgf-m)/4,800r.p.m |
最大トルク(3,500cc) | 380N.m(38.7kgf-m)/4,800r.p.m |
乗車定員 | 5名 |
最小回転半径 | 5.2m~5.4m |
使用燃料(2,500cc) | 2,500cc<無鉛レギュラーガソリン> |
使用燃料(3,500cc) | 3,500cc<無鉛プレミアムガソリン> |
JC08モード(2,500cc) | 10,6km~11.8km/L |
JC08モード(3,500cc) | 10,0km/L |