「LC500」初代 2017年-現行



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「LC500」に試乗してみて

<ENGINE START>ボタンを押せば事もなげに、エンジンが掛かります。

仰々しい儀式など全く不要なのも、レクサス流の‘おもてなし’なのでしょう。

驚いたのがシフトレバーの感覚が「プリウス」に似ているということ。
人差し指と親指で挟んでわずかに負荷を掛けると、“カタッ。カタッ”と軽くDレンジに入ります。

なんだ、この違和感は・・・。

僕は、Jゲートと呼ばれる、しっかり掌で握って“ガチャガチャ・・・ガタッ”とドライブに入れて、その気になるタイプなので、これには肩すかしを喰らいました。

ジャガーのようにダイヤル式も出てきている昨今。
指に絶妙にフィットする何か特別なシフトレバーを開発してくるのかと勝手に想像を膨らませていました。

ただ、考えたら「プリウス」のそれも無駄がなく、慣れると何とも思わなくなっているな、と。
欧州車こそ、とお思いの方が購入者層に多い中、なかなかの冒険です。

これが、これからのトヨタ=レクサスのスタンダードなのかも知れません。

「ドライバーに無駄な力を入れさせて、その気にさせることはしません」

そんな理念すら感じさせます。

ハンドリングもそうです。
「軽っ!」
思わず、声をあげる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もっと、どっしりしたステアリングかと思いきや、本当に軽いのです。
スーパーラグジュアリースポーツにしては・・・という修飾抜きに軽いです。

軽すぎて、最初は少しハンドルが取られる感すらあります。
低速時、荒れた路面上を通過すると、ダイレクトに情報を伝えてきます。
それなりの段差なら、ステアリングを両手で握っていないと「グラッ」ときます。

「グラッ」ときても、車体はグラッとはしないので、要するに気持ちなのですが、例えば「LS」にあるような重厚感は極めて薄いです。

低速時の「LC500」は100点満点ではない、というのが正直なところでした。

高速道路でイメージが激変

ちょっと意外なところにレバーが飛び出しています。
場所でいうと、ウィンカーレバーの上。
スピードメーターの左です。

これを回すと「フオォン!」と唸り声を急に上げるのです。
「ようやく目覚めたよ。なんだよ、早く回せよ」
と、窘められたかのよう。

それほどノーマルモードでは制御されていたのでしょう。

このレバーは<ドライブモードセレクト>。
【Sport S+】
【Sport S】
【Normal】
【Comfort】
【Eco】
【Custom】

”5種+カスタム”が用意されています。
通常仕様では【Comfort】、【Normal】、【Sport S】の三つが主体になるのではないでしょうか。

しかし、これまではノーマル=【Normal】で走っていたのが、【Sport S】に入れた途端、これです。
かなり、積極的にギアを引っ張ってくれるのが分かります。

と、いうか、この「LC500」、底なしの加速力です。

100km/hなど「LC500」にとっては、のんびりと散歩する程度なのでしょう。
実際、300万円クラスの商品の50km/hほどに感じられます。

ホンダ「NSX」だと、アドレナリンが出てしまい、もうちょっと踏んでいこうか、という衝動に駆られるのに「LC500」は多くの方にそんな誘惑は訪れないでしょう。

前方のアスファルトが‘ゆっくり’近づいては、過ぎ去ります。
時間の流れが異なる空間のような、そんな錯覚。

いつの間にか、ステアリングも落ち着いています。
どこまでも、余裕のクルージングです。

高速を下り、また一般道へ。
さきほどのステアリングのことなど、寧ろ、魅力的に感じるほどになっています。

考えたら電動ステアリングであれだけダイレクトに、そして瞬時に情報が手に伝わるなんて神業か?、と。

まるで惚れた異性の所作が何から何まで愛らしくなってくる、という、いわば中毒症状を起こしていたのかも知れません。

サーキット試乗がなかったのは残念でしたが、家を売って「LC500」を購入検討しそうなので、これで良かったのでしょう。
次に用意されていたのは「LC500h」。
新技術マルチステージハイブリッドについては、いまだに謎が多いのですが、何か体感できるのでしょうか?

<マルチステージハイブリッドシステム>については
>>>こちら

下に評価表、価格表・価格表もございます。
よかったらご覧くださいませ。

 

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○関連記事ご紹介

500とはまた別の高級のあり方
レクサス「LC500h」
試乗記は
>>>こちら

サーキットなら、こちらもオススメ。
ホンダ「NSX」 試乗記は
>>>こちら

○レクサス「LC500」評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 非常に良い
運転楽しい度 非常に良い
後席居住性 “無”に等しい
リセール価値 非常に良い
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 悪い

レクサス「LC」税込価格表
LC50013,000,000円
LC500"L-package"13,000,000円
LC500"S-package"14,000,000円
LC500h13,500,000円
LC500h"L-package"13,500,000円
LC500h"S-package"14,500,000円

レクサス「LC500」主要諸元表
全長4,770mm
全幅1,920mm
全高1,345mm
ホイールベース2,870mm
最小回転半径5.3-5.4m
車両重量1.940kg~1,960kg
乗車定員4名
エンジン種類V型8気筒DOHC
トランスミッションDirect-Shift-10AT
総排気量4,968cc
エンジン最高出力351kW[477PS]/7,100r.p.m
エンジン最大トルク540N.m(55.1kgf-m)/4,800r.p.m
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
JC08モード7.8km/L