サーブ「9-5」1997-2010年 後期型 試乗評価

乗り味はThe・欧州

肝心の乗り味は「当たり前だが、北欧って欧州なんだよな」と納得してしまうほどの欧州車のものです。
ドイツ御三家「メルセデス・ベンツ」「BMW」「アウディ」でいうと「BMW」に似ています。

ドアを閉めたときに感じた安物感は、走りには影響がないようです。
なかなかの直進安定性ですし、FF(前輪駆動)のせいか重心がやや前のめりではあるものの、しっかりラインを捉えます。
ただし、小回りは利きません。
最小回転半径は車幅1,795mmだというのに5.7m

日本では少々、苦労します。

ちなみに同価格帯の当時のクラウンは車幅1,780mm、最小回転半径5.2mです。

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ステアリングは、明らかに硬いです。
硬いくせに、低速ではダイレクトな反応があるわけではないところもBMW似。

とことん、高速走行、それも160km/hあたりを基準にして作ったのではないでしょうか?

2,290ccというカタログ数値から期待するパワーはありません。

もちろん試乗した個体の“古さ”からくるロスもあるでしょうが、この時代の商品と、現在のエンジンのレベルはやはり違います。

しかし、不足を感じるほど非力でもないので、日常の足としては充分に使えるでしょう。

最大トルクが1,800回転で発生するのは、まるでディーゼル。
つまり、街乗り派に向けた設定といえます。

ただ、さきほども申し上げた通り、ステアリングはやけに硬く、高速仕様なのですが。

ハイオク指定なのにレギュラーでも問題なし?

燃費は都内の街乗りだと5km/L程度と伸びません。
郊外でも7km/Lといったところ。
高速道路では9km/L。
それもそのはず、カタログ記載の10.15モードで9.3kmです。
当然、ハイオク指定です。

ただ、スウェーデンの車はドイツ車よりはるかにレギュラーガソリンに強いようです。

ノッキング現象も起きません。

「ボルボ」などもハイオク指定ですが、どうなるのかと思ってレギュラー入れてみたら普通に走れて大丈夫だった、というお客様を複数知っています。

ただ、プレミアムガソリン(ハイオク)指定にレギュラーを入れるとパワーダウンのみならず、燃費が悪化するため、節約にはなりません。

つまり、まったくお薦めできません・・・。

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パーツ供給停止の心配

やはり、破産したメーカーの怖さはこれでしょう。
エンジン部品は案外、長く残るのですが、パーツに関してはどんどん消えてなくなっていきます。
おそらく、SAABも然り・・・。

しかも、スウェーデンという寒い国の商品だからなのか、日本という国に駐車しているだけで内装の樹脂の傷みや、プラスティック類の割れが、起きている個体が多いのです。

そのへんを気になさらないのであれば、中古車はかなり安くなっているので悪くない選択肢です。画像からは伝わらない内装のチープさはご了承ください。

どのブランドにも似ていない独創的なデザインを持ちながら、ド派手でもないという実に“通”好みの商品。

ご近所さんと被ることは、まず、ないでしょう。

下に当時の価格表、写真でご紹介したサーブ「9-5」の諸元表がございます。

よかったら、ご参照ください。

○サーブ「9-5」後期型 評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 普通
運転楽しい度 普通
後席居住性 普通
リセール価値 非常に悪い
故障のしにくさ 悪い
部品の安さ 悪い

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サーブ「9-5」5%消費税込 2007年当時価格
エステート・リニア4,400,000円
セダン・アーク4,730,000円
エステート・アーク4,980,000円
セダン・エアロ5,620,000円
エステート・エアロ5,870,000円

サーブ=SAAB「9-5」主要諸元表
全長4,860mm
全幅1,795mm
全高1,495mm
ホイールベース2,705mm
最小回転半径5.7m
車両重量1,660kg
乗車定員5名
エンジン種類直列4気筒ターボ
トランスミッション5AT
総排気量2,290cc
エンジン最高出力136kW[185PS]/5,500r.p.m
エンジン最大トルク280N.m(28.6kgf-m)/1,800r.p.m
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
10.15モード9.3km/L