乗り味はThe・欧州
肝心の乗り味は「当たり前だが、北欧って欧州なんだよな」と納得してしまうほどの欧州車のものです。
ドイツ御三家「メルセデス・ベンツ」「BMW」「アウディ」でいうと「BMW」に似ています。
ドアを閉めたときに感じた安物感は、走りには影響がないようです。
なかなかの直進安定性ですし、FF(前輪駆動)のせいか重心がやや前のめりではあるものの、しっかりラインを捉えます。
ただし、小回りは利きません。
最小回転半径は車幅1,795mmだというのに5.7m。
日本では少々、苦労します。
ちなみに同価格帯の当時のクラウンは車幅1,780mm、最小回転半径5.2mです。
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ステアリングは、明らかに硬いです。
硬いくせに、低速ではダイレクトな反応があるわけではないところもBMW似。
とことん、高速走行、それも160km/hあたりを基準にして作ったのではないでしょうか?
2,290ccというカタログ数値から期待するパワーはありません。
もちろん試乗した個体の“古さ”からくるロスもあるでしょうが、この時代の商品と、現在のエンジンのレベルはやはり違います。
しかし、不足を感じるほど非力でもないので、日常の足としては充分に使えるでしょう。
最大トルクが1,800回転で発生するのは、まるでディーゼル。
つまり、街乗り派に向けた設定といえます。
ただ、さきほども申し上げた通り、ステアリングはやけに硬く、高速仕様なのですが。
ハイオク指定なのにレギュラーでも問題なし?
燃費は都内の街乗りだと5km/L程度と伸びません。
郊外でも7km/Lといったところ。
高速道路では9km/L。
それもそのはず、カタログ記載の10.15モードで9.3kmです。
当然、ハイオク指定です。
ただ、スウェーデンの車はドイツ車よりはるかにレギュラーガソリンに強いようです。
ノッキング現象も起きません。
「ボルボ」などもハイオク指定ですが、どうなるのかと思ってレギュラー入れてみたら普通に走れて大丈夫だった、というお客様を複数知っています。
ただ、プレミアムガソリン(ハイオク)指定にレギュラーを入れるとパワーダウンのみならず、燃費が悪化するため、節約にはなりません。
つまり、まったくお薦めできません・・・。
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パーツ供給停止の心配
やはり、破産したメーカーの怖さはこれでしょう。
エンジン部品は案外、長く残るのですが、パーツに関してはどんどん消えてなくなっていきます。
おそらく、SAABも然り・・・。
しかも、スウェーデンという寒い国の商品だからなのか、日本という国に駐車しているだけで内装の樹脂の傷みや、プラスティック類の割れが、起きている個体が多いのです。
そのへんを気になさらないのであれば、中古車はかなり安くなっているので悪くない選択肢です。画像からは伝わらない内装のチープさはご了承ください。
どのブランドにも似ていない独創的なデザインを持ちながら、ド派手でもないという実に“通”好みの商品。
ご近所さんと被ることは、まず、ないでしょう。
下に当時の価格表、写真でご紹介したサーブ「9-5」の諸元表がございます。
よかったら、ご参照ください。
○サーブ「9-5」後期型 評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫
総合評価 | 普通 |
運転楽しい度 | 普通 |
後席居住性 | 普通 |
リセール価値 | 非常に悪い |
故障のしにくさ | 悪い |
部品の安さ | 悪い |
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サーブ「9-5」5%消費税込 2007年当時価格 |
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エステート・リニア | 4,400,000円 |
セダン・アーク | 4,730,000円 |
エステート・アーク | 4,980,000円 |
セダン・エアロ | 5,620,000円 |
エステート・エアロ | 5,870,000円 |
サーブ=SAAB「9-5」主要諸元表 |
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全長 | 4,860mm |
全幅 | 1,795mm |
全高 | 1,495mm |
ホイールベース | 2,705mm |
最小回転半径 | 5.7m |
車両重量 | 1,660kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | 直列4気筒ターボ |
トランスミッション | 5AT |
総排気量 | 2,290cc |
エンジン最高出力 | 136kW[185PS]/5,500r.p.m |
エンジン最大トルク | 280N.m(28.6kgf-m)/1,800r.p.m |
使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
10.15モード | 9.3km/L |