<ダイナミックフォースエンジン>とは何か?
4代目「プリウス」で始まったトヨタのTNGAも、ここにきて充実してきました。
10代目「カムリ」ではプラットフォームだけでなく、エンジンも一新。
その名も<ダイナミックフォースエンジン>。
トヨタ搭載第1号車です。
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このエンジンは最大熱効率41%というのがセールスポイントと言えるでしょう。
既存のガソリンエンジンは最大熱効率30%強というのが、一般的でした。
これが、何と41%。
特に燃料の爆発が起きてから、それを動力に伝えるまでの反応が非常に速くなっている、とのこと。
新開発の直噴インジェクタは安定した燃焼を提供し、吸気バルブの開閉も複数のパターンから最適のタイミングを選んで制御されています。
レスポンスが良ければ、当然、出力も高くなります。
つまり、走りの楽しみが増し、高燃費にも繋がるわけです。
それにしても、この「カムリ」の都内の街乗り燃費でさえ20km/L以上だというのには驚かされるばかりです。
※先代は15km/L程度でした。
「クラウン」と比較できる
燃費が良いのは分かりました。
では、乗り味はどうなのでしょう。
僕のような営業マンは4代目「プリウス」で、一度、良い意味での衝撃を味わっていますから、舌は肥えている、と申し上げても良いのではないでしょうか?
結論から申し上げると「プリウス」の時のような衝撃的な・・・とはいきませんでした。
元々、「カムリ」の乗り味はレベルの高いものがありましたから、それを明確に凌駕しているとは、少し乗っただけでは分かりません。
しかし、間違いなく‘じわじわ’と真価に気づかされる商品だとも申し上げます。
では、なぜ衝撃はなかったのか?
それは、おそらく外観からくる変貌から、
『これは、間違いなくスポーティな走りに振っているな』
と、僕が勘違いしたことが大きな要因でしょう。
「カムリ」はトヨタ4系列の内、一部を除き、‘トヨタ自動車’にだけは扱わせていないモデルです。
理由は「クラウン」と競合するから。
70系「カムリ」は、その「クラウン」ロイヤルほど、アンダーステアではありませんが、「クラウン」アスリートほど道路の凹凸を拾いあげるわけではない、中間的な立ち位置だという印象。
220系「クラウン」試乗記は>>>こちら
100万円以上高額な「クラウン」と比較できうるレベルに仕上がっていることで、試乗なさったお客様からは‘じわり’と評価が上がったという話を伺います。
しかし、比較できるだけに、比べてしまうと、わずかな欠点が見え隠れしてきます。
やはり、FF(フロントにエンジンがあり、前輪を駆動)だけに、後部座席では若干、突き上げが大きい点です。
後部シート下にリチウムイオン電池があるので、前後バランスはある程度、保たれているはずですが、そこはFR(フロントにエンジンがあり、シャフトを通して後輪を駆動)の「クラウン」にわずか一歩譲ります。
ただし、リアが‘ぐらつく’ような素振りがないのは凄いな、と思いました。
同価格帯であるFRの「マークX」と比較すると、後部座席の乗り心地は「カムリ」のほうが一枚上手でしょう。
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リクライニング機能は付かないものの、レッグスペースの確保や、ヘッドクリアランスもさることながら、サスペンションが無闇に固められていないことも乗り心地の良さに繋がっています。
また、デンソー製の後方衝突軽減ブレーキ<リヤクロストラフィックアラート+ブレーキ>がオプション価格 92,880円で装備できるのは、この“Gグレード”からです。
ちなみに前方支援の<トヨタ・セーフティ・センス>は全てのグレードに標準装備されています。
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「カムリはいくら値切れるのか?
競合させると有効な車種は?」です。