クラウンハイブリッド/ 13代目/GRS200系/2008-2012年

控えめなブランド力の真髄を発揮?

二つ目は,ナビからの道路情報から路面段差を学習し、ショックアブソーバーの減衰力を制御するシステムです。

つまり一度通った凸凹道が、どれほどのものだったのか記録し、二度目以降、乗り心地が格段に良くなるというものです。この『NAVI・AI-AVS』はGS450hにも搭載されていましたが、GSの9段階制御に対して、クラウンハイブリッドは10段階制御。

どこまでも勝ちにきているのかが、お分かりになるかと思います。

革シートもハイブリッド専用の洒落たダークブラウンを用意して、価格はレクサスGS450hより1,000,000円以上安いし、値引きも含めれば充分、勝つ見込みは出てきます。

実際にその通りになりました。

GS450hが負けたわけでもないでしょうが、とにかくクラウン自体の売れ行きに、ハイブリッドモデルが貢献したのは間違いありません。
ナビは標準装備とはいえ、クラウンとしては、やたら高いプライスタグのくせに寧ろロイヤルより売れるのです。

後日、ご購入されたお客様に、購入の決め手を伺ってみるとやはりレクサスと検討した上で、という方が多かったです。

 

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「GSもいいけど、何かレクサスはお高くとまっているみたいでさ」

そう、おっしゃった、お客様の言葉がクラウンの控えめなブランド力を証明していたのではないでしょうか。

レクサスもまだ“微笑むプレミアム”と控えめなブランドを謳っていた時代でさえ、控えめなイメージでは負けなかったのが、この「クラウンハイブリッド」でした。

この闘いの後、しばらくしてスピングリルを全面に押し出し、控えめなブランドを捨て去り、ブランドを強くアピール、‘レクサス’は突き進む道を選びます。

「控えめでは勝てない」、レクサスにそう思わせたのが、この「クラウンハイブリッド」だったとしたら?

そういう空想に近い想像さえさせてしまうほど特異な車種でした。

とにかく猛烈に速い200系「クラウンハイブリッド」。
孤高の存在、まだまだお薦めの商品です。

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