「IS300h/250/350」 2nd 30系 2013年~現行

当初は主力と思われた「IS250」が消滅

2005年~2013年に発売されていた初代20系「IS」は、相当に評判の高い商品でしたので、弊社でもかなりいい売れ行きでした(中古車の話です)。

2013年~の、現行モデルのお問合せをいただくことが多くなったのは2015年あたりでしょうか。

マイナーチェンジが入り、初期モデル「IS300h」の価格に変動が出始めた時期です。

2015年8月3日

・フロントパフォーマンスバンパー標準装備
・IS250が4WDのみの設定(2WDの廃止)
・ナビディスプレイ10.3inchに大型化

上記、パフォーマンスバンパーの効果は覿面で、車に乗りなれていない女性スタッフでも気づくほどでした。
少々、硬すぎる感のあった乗り味に‘しなやかさ’が出ています。

ということは、2,500ccNAモデル「IS250」を中古でご検討の方は要注意といえます。

「IS250」に関しては、乗り心地はかなり硬いのです。

後期モデルをディーラーで試乗して「IS250」の2015年8月までの中古車を購入してしまうと違和感はかなりあるでしょう。

ある意味、本来の「IS」のシャシーの硬さを味わえる、という面白さもありますし、やや不人気の為、値下がりが早く、お買い得ではあります。

価格帯の境界線になりうる2016年MC

2016年のビッグマイナーチェンジは、一つの境界線になりそうです。

2016年10月20日

・IS250が全面廃止。
・<Lexus Safety System +>を全車標準装備

・ショックアブソーバー改良
・フロントサスペンションロアアーム素材をアルミに変更
※ロアアームはタイヤの傾きを軽減する部品です。

 

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当時、<Lexus Safety System +>が全車標準装備になったのはインパクト大でした。

従来のシステムと異なるのは追突を完全防止してくれる可能性が高まったこと。

そして、昼間歩行者検知能力の付帯。

車両同士なら40km/hの減速、歩行者に対しては30km/hの減速を自動ブレーキが行ないます。

つまり、60km/hで走行中、停止車両に対して何もアクションを起こさず、アクセルを踏み続けていたとしても20km/hで追突するというわけです。

しかも、この数値はかなり‘謙虚’なメーカー公表値。

過信は禁物ですが、実際は60km/hで追突を起こしそうになっても‘コツン’と当たっただけだったという話を聞いたことがあります。

とにかく、分かりやすい高剛性ボディ

そもそも2代目30系「IS」とはどのようなコンセプトで開発されたのでしょうか。

プラットフォームは「GS」と共有していますが、 スポット溶接の打点間ピッチを、さらに細かくすることを可能にした<レーザースクリュー溶接工法>や、ボディを面で結合する<構造用接着剤>の採用、高張力鋼板の採用拡大などにより、ボディ剛性の向上に尽力したのが、この「IS」。

TNGAボディでこそないですが、剛性については充分、比肩しうるレベルでしょう。
おそらく、次期「IS」との大きな差異は重心位置。
TNGA「カムリ」にせよ「クラウン」にせよ、かなりの低重心ですから、次期「IS」には期待できると思います。

発売時期は2019年12月~2020年春頃と言われています。

 



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この、2代目発表の際に「これまでは欧州車にはどうしても勝てないという思いがありましたが、今回のISは堂々と勝負できます!」と、開発担当者の少々、情けない話が記憶に残っています。

実際、Dセグメントのメルセデス「Cクラス」、BMW「3シリーズ」と火花を散らし、むしろ凌駕している域も数多くあった、初代「IS」を2代目の担当者が貶すとは酷いものです。

あくまで2代目「IS」の売り込み文句なのでしょうが、欧州車と比較した言葉しか出てこないのは残念としか言いようがありませんでした。

後部座席の居住性

ボディサイズは全長4,665mm×全幅1,810mm×全高1,430mm。

先代より全長は80mm、全幅は15mm拡大されています。
実はクラウンより10mm幅広なのです(2018年時点)。

ホイールベースに至っては70mmも延長されています。

ボディ剛性強化よりも、後部座席の居住性を高めることは、2代目「IS」の一番の使命だったのかも知れません。

後部座席の居住性の低さについては、先代「IS」の購入者アンケートでかなり指摘があった、とのこと。

そして、たしかに改善されています。

ただ、大人3名以上でのロングドライブに適しているかというと、まだ不十分と言わざるを得ません。
座面の面積が狭く、背もたれが立っているため、後部座席で長時間、寛ぐ気にはなれません。
それでも、片道30分程度、往復1時間なら苦もなく過ごせるのではないか、と思います。

デザインと後部座席の居住性向上の両立は非常に困難だったのではないでしょうか。
それについては、見事に具現しています。

シートの柔らかさも特筆すべき変化です。
表面の2センチ程度は、近年の自動車界では最も柔らかい仕上げといって過言ではありません (’F-SPORT’は除く)。

フロントシートも同じ柔らかさですので、座って「あっ。柔らかい!」とすぐ、お気づきになるでしょう。

ただし、シートの奥まで柔らかいわけではないので、ドライビングに支障をきたすことはなさそうです。
あくまで好みの問題です。

諸々の同乗者への配慮は先代「IS」とは一線を画します。

それでも購入者アンケートでは「後部座席が・・・」とのご指摘が多い、とのこと。

次期「IS」はさらにボディサイズが拡大するのでしょうか?

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『「IS350」の試乗・OPのマークレビンソンについて』です。