新型「クラウン/3.5 G executive」15代目/220系/2018年-現行

事実上のマジェスタ後継モデル

マジェスタは1991年に140系クラウンの上級車種として登場してから、27年間、販売台数の面でトヨタに貢献してきたとは到底言えませんでした。

その、マジェスタは2018年3月を以って終了し、15代目「クラウン」のG-エグゼクティブにその後継を担わせるようです。

マジェスタだけに搭載されていた3,500cc V6エンジンをG-エグゼクティブに搭載することが一つの証明です。

事実、トヨタ広報さんも「G-エグゼクティブは先代までマジェスタに乗ってこられた方に対応して作られている」とおっしゃっています。

もう、マジェスタが復活することは、ないでしょう。

 



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実際、他グレードと比較して、これだけの仕様が追加、変更されています。

・リアガラスの高厚板化
・後席シート及びラゲッジ周辺への吸音材の最適化
・リヤホイールハウスへの吸音材の追加
・ノイズリダクションアルミホイールの採用

※ノイズリダクションアルミホイールとは?
ロードノイズと言われる雑音の主たる原因は、タイヤ気柱共鳴音と言われています。
ボールを弾ませたときに‘キーン’とか‘バーン’とか響きますよね?あれと同じ理屈でタイヤが地面を転がると共鳴音が発生します。
その不快音を低減させるホイール。
ホイールの外周(タイヤを履くと見えなくなる部分です)に360度、ハニカム構造の空洞を設け、空気の出入りが可能な空間を作り、共鳴音を低減するそうです。
じつは、この<中空レゾネーター>という構造は2010年にホンダ「レジェンド」でも採用されていました。

それ以外にも内装にシルバー加飾が施されたりして、さりげなく高級感は上がっています。

価格は
2.5L(4WD)が税込6,323,400円
3.5L(2WD)が税込7,187,400円

4WDモデルに2,500ccしかない理由は、3,500ccV6エンジンと4WDシステムが同時にエンジンルームに納まらなかったからです。

先代「マジェスタ」も、同じ理由で4WDモデルには2,500ccしか用意されませんでした。

おのずとG-エグゼクティブの売れ筋は2WD、3,500ccということになります。

少々、余談気味になりますが、先々代では4WDにはレクサス「LS」と共通の新エンジン4,600ccV8が積めず、「セルシオ」で使われていた4,300ccV8代用していました。

4WDモデルは‘買い’なのか?

15代目「クラウン」のカタログには2ページも費やして、今回の4WDモデルは違うんだ、コーナリングが違うんだ、と力説がありますが、正直、ドライ路面で乗っている限り分かる方は非常に少ないでしょう。

アウディなどはFF(前輪駆動)とクワトロ(4WD)とが同モデルに存在していたりするので、乗ると結構、分かるのですが「クラウン」は代々FR(後輪駆動)。

しかも、この4WDモデルは通常、前後輪比40:60ですので、ややFRのような感覚。
余計に2WDとの違いが分かりません。

急なコーナリング時は50:50。

アクセルを踏み込んだときは30:70に瞬時に変更するなどコンピュータが巧みにコントロールしてくれるそうですが、それこそニュルブルクリンクでも本気で走れる人が体感できるレベルではないでしょうか?

もちろん、ウェット路面、さらには雪道を走る方には4輪駆動は心強いです。

ただ、東京都内、大阪府内に住む方が安定性向上を期待して4WDを選択することはないと思います。

通常グレードの最小回転半径が5.3mに対して、2WD 3,500ccモデルが5.5m。

4WD 2,500ccモデルは5.7mだというのは都内では実感してしまいます・・・。

 



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マジェスタから買い替えてはいけない

14代目「クラウン」と並行して販売されていた210系「クラウンマジェスタ」は200系「クラウンマジェスタ」のドライバーズカー志向から逆行したような、後席重視の乗り心地の良い車でした。

2009年~の「200系マジェスタ」が発売されたときに開発者の方が「マジェスタは7割以上がオーナーさんがハンドルを握るというデータがありますので、これからはマジェスタも走って楽しいと思える車になっていきますよ!」なんて言ったくせに、2013年~の210系では、なかなかどうして素晴らしいVIPカーに仕立てたのでしょう。

4人乗り仕様がなかったのは残念にしても、210系「クラウンマジェスタ」は後席を重視する方には2018年時点、候補に入れてほしい車です。

210系マジェスタは、2016年8月29日には<トヨタセーフティセンスP>が全車標準装備されているので、狙うなら平成28年9月登録車~平成30年5月登録車をお薦めします。

さて、15代目「クラウン」に統合されたに等しい7代目マジェスタ、別名、G-エグゼクティブ、と申し上げたいところですが、乗ってみて驚きました。

次ページは>>>
「最上級モデルはドライバー最優先仕様だった!?」です。

サスペンションが硬い!

18インチタイヤは先代も履いていましたが、柔らかい乗り心地が実現していましたので、タイヤのせいではないでしょう。

もう一度、申し上げます。
サスペンションが硬い!

つまり、G-エグゼクティブはどう考えても「RS/RSアドバンス」の上級モデルです。

14代目「クラウンアスリート」のときの2,500ccハイブリッドと違い、15代目の4気筒2,500ccダイナミックフォースエンジンのパワーにご不満を覚える方は少ないでしょうから、一体、なぜ、こういう方向で結論が出たのか謎です。

謎といえば、<マルチステージハイブリッド>。
レクサス「LS」レクサス「LC」に搭載された<マルチステージハイブリッド>は主に高速走行時の燃費貢献はしてくれるようですが、運転していて普通のトヨタハイブリッド車との違いは感じられないでしょう。

ただし、これは通常のトヨタハイブリッドシステムTHS-Ⅱの出来が良すぎるせいかも知れません。

 



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後席に乗るなら先代210系マジェスタか?

乗り心地という意味では少なくとも80km/hまでは最終マジェスタのほうが良いでしょう。

そのマジェスタをお薦めする理由は、まだ、あります。

G/G-エグゼクティブに装備される後席リクライニング角度が小さいのです。

メーカーははっきり‘何度’とは謳ってはいませんが、14代目「クラウン」までとは違います。

マジェスタとの差は、もっと、はっきりしています。

ノイズリダクションアルミホイールの効果も正直、よく分からないレベルですし、コンフォートという次元では最終「マジェスタ」より後退したと言えましょう。

ただ、「マジェスタ」が永年、伸び悩んでいたのはネームバリューの低さ。

ブランド力の無さは販売台数に直結していました。

最終6代目「マジェスタ」では14代目「クラウン」と共通シャシを使い、デザインもほとんど変えず、クラウンの王冠ロゴも入れ、「マジェスタ」史上では健闘した車種です。

15代目「クラウン」“G-エグゼクティブ”は、期待以上の販売台数を稼ぎ出すのは間違いありません。

 

○関連記事ご紹介

Gエグゼクティブ高速試乗記
>>>こちら

 

マイチェンはいつなのか?
その内容は?
>>>こちら

 

同エンジン、同モーター搭載
最高級レクサス「LS」のエグゼクティブ!
試乗記は>>>こちら

 

2,500ccは、新開発エンジン。
先代から劇的変化のRSハイブリッド
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普段使いなら17inchタイヤでがベストです。
最もリーズナブル(?)なS”Cパケ”
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燃費は気にしない!
走りを楽しみたい方はターボで。
欧州車からの乗り換えも多いです。
試乗記は>>>こちら

 

文中でもご紹介した最終「マジェスタ」
試乗記は>>>こちら

 

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○220系 15代目「クラウン」3,500cc G-エグゼクティブ 評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

価格対評価 普通-
運転楽しい度 良い
後席居住性 普通
リセール価値 良い
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 良い


トヨタ15th「クラウン」220系 税込価格表
2.0 B4,606,200円
2.0 S4,746,600円
2.0 S "C package"4,941,100円
2.0 RS-B5,000,000円
2.0 RS5,1804,000円
2.0 G5,416,200円
2.0 RS Advance5,594,400円
2.5 S4,978,800円
2.5 S "C package"5,157,000円
2.5 S Four5,194,800円
2.5 S Four "C package"5,373,000円
2.5 RS5,416,200円
2.5 G5,621,400円
2.5 RS Four5,632,200円
2.5 RS Advance5,799,600円
2.5 RS Advance Four6,015,600円
2.5 G-Executive Four6,323,400円
3.5 S6,237,000円
3.5 RS Advance6,906,600円
3.5 G-Executive7,187,400円

「クラウン」220系 3,500cc Hybrid 主要諸元表
全長4,910mm
全幅1,800mm
全高1,455mm
ホイールベース2,920mm
最小回転半径5.5m
車両重量1,860-1,900kg
乗車定員5名
エンジン種類V型6気筒
トランスミッションマルチステージHV トランスミッション
総排気量3,456cc
エンジン最高出力220kW[299PS]/6,600r.p.m
エンジン最大トルク356N.m(36.3kgf-m)/5,100r.p.m
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
モーター最高出力132kW(180PS)
モーター最大トルク300N.m(30.6kgf-m)
動力用主電池リチウムイオン電池
WLTCモード(総合)16.0km/L
WLTCモード 市街地12.7km/L
WLTCモード 郊外16.4m/L
WLTCモード 高速17.7km/L
JC08モード17.8-18.0km/L
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