「5シリーズ 523d」7th G30/G31/G32型

このBMW 5シリーズ、キープコンセプトと言われるが・・・

先代がエレガントなら、G30は若干ワイルドにも見えます。厚みのあるヘッドランプがそう感じさせるのかも知れません。特徴があるという意味では間違いなくG30のほうでしょう。

 実車を前にして、まず、感じたのは先代にも増して堂々とした雰囲気を醸しだしていること。7シリーズのプラットフォームを使用していると聞いてはいたものの、その大きさには驚きました。

F10(先代)5シリーズ
全長:4.915mm 全幅:1,860mm 全高:1,475mm
ホイールベース:2,970mm

G30/5シリーズ
全長:4.945mm 全幅:1,870mm 全高:1,480mm
ホイールベース:2,975mm

「ミッションインポッシブル:フォールアウト」
特別仕様車については>>>こちら

 

どこの試乗記にも「わずかに大きくなっているが・・・」と簡単な一言が添えられているだけですが、全幅の1cmは立体駐車場を利用している方にとっては大きな問題ではないでしょうか?

先代5シリーズは実際には1,855mmでしたので、横幅1,850mm制限の立体駐車場にギリギリ収まるケースもありました。

G30のカタログ値は1,870mmに対して実寸1,868mm
しかし、G30/5シリーズが収まるマンションの立体駐車場は非常に少ないです。

その1cmの車幅アップ、3cmの全長アップは運転すると、より強く感じます。

日本の道路はどうしても狭い道が多いし、駐車場に充分な空間が用意されているところが寧ろ少ないからでしょう。

巨大化した「5シリーズ」が発売されることは誰もが予想していましたが、大きさだけで購入を控えなければいけないお客様が出てきてしまうのは残念でなりません。

100kg軽量化は本当なのか?

大型化したにもかかわらず、軽量化するには素材を変えるというのが一番の方法です。

唯一のデメリットは軽量で丈夫な素材は高額であることでしょう。

G30「5シリーズ」も、他の高級車に負けじと、大型化かつ軽量化に成功しています。
アルミニウムに加え、超高張力鋼板も、ふんだんに使用しているとプレスリリースで話していましたが、その数値には驚きました。

約100kg!だというのです。

しかし、売れ筋の523i/523dを比較すると、F10/1,750kgに対して、G30/1,700kgというところです。

つまり、100kgではなく50kgです。

いったい、どのモデルのことを言っているのか未だに謎です。
日本車で、こういう発表をしたら相当、叩かれるでしょう。

ちなみにその他モデルは悉く、ダウンサイジングによりエンジン種類に変更があり、比較対象ではありません。

もともと大きさからして特別、重い車でもないので、50kg減量でも、素晴らしいのですが。

 



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BMWらしい走りとは?

よく”BMWらしい走り”という表現がありますが、いったい何のことでしょうか?

メルセデスベンツにも言えることですが、70年代~90年代前半のドイツ車は、完成度が突出していたと思います。

走りだした瞬間に感じるフラットな安定感、重厚感、聞くからにトルクに溢れるエンジン音、しかし振動は来ないという絶妙なフィーリングとでも申しましょうか、あの頃のドイツ車は確かに世界の最先端を走っていました。

アメリカ車は故障が多く、相変わらず、フワフワの乗り心地を変えようとせず、日本車はそのアメリカ車を真似しているかのような剛性のない自動車が多かったような気がします。

いかなる国もドイツ車に一目を置くしかなかったでしょう。

しかし、製造の機械化がベンツやBMWにも訪れ、‘あの頃の乗り心地’を変更せざるを得ない状況になっています。

高速道路での圧倒的な安定性は、今回の5シリーズもまた素晴らしいです。

それは間違いありません。

が。日本メーカー含め、同価格帯の商品の高速直進安定性は好みこそあれ、それぞれに非常に質の高いものになってきています。

逆にBMWは高速域のみを重要視しているのか、低速~中速域、いわゆる一般道での乗り心地は、このクラスの商品としては最低レベルです。

わずかな凹凸を越えても振動が、いなされることなく、シートに伝わります。

低速域で踏み込んだときの唐突な加速も高級車とは思えません。

それらを否定しようとしない自動車評論家はBMWを辛口評価を下すと自らの評価が下がってしまうという恐れを抱いているかのようです。

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「広島発のエンジンが桁外れに優れているのは嬉しいが・・・」です。

ディーゼルのネガ

停車時、低速域での微振動は、マツダの<スカイアクティブ>例えば「アテンザ」と比較すると、まだ肩を並べるレベルではありません。

しかし、防音に関してはかなり入念に対策されており、先代5シリーズより、優れていることは間違いないでしょう。

アイドリングストップからのエンジンスタートは何とも“お粗末”。
排気量が大きいとはいえ、同時期に発売されたスズキ「WAGON-R」のスムースさにも全く及ばない出来です。
BMWは車両全体が震えます。

諸々、書きましたが、
そうは言ってもBMWのブランド力は健在。

高速道路ではやはり爽快です。

このディーゼル「523d」のパワーに不足を感じる速度領域は少なくとも日本ではないでしょう。

高速道路中心なら、「523i」よりも「523d」のほうを圧倒的にお薦めします。

ブランド力という意味では、まだまだ日本ではレクサスを上回っているかもしれないBMW。
車に詳しくない多くの方々はレクサスより‘BMWのロゴ’を見て
「お。いい車乗っているんだね」と、感心するのです。

そのブランド力に見合った商品を今後は開発していってほしいものです。

下に価格表や諸元表もございますので、よかったらご覧ください。

 

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○BMW「523d」評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 悪い
運転楽しい度 良い
後席居住性 悪い
リセール価値 非常に悪い
故障のしにくさ 悪い
部品の安さ 悪い

G30/31/32 BMW5シリーズ8%税込価格表
523i6,170,000円
523i Luxury7,630,000円
523i M Sport7,610,000円
523d6,980,000 円
523d Luxury7,680,000円
523d M Sport7,660,000円
530i Luxury 7,640,000円
530i M Sport 7,890,000円
530e iPerformance Luxury7,780,000 円
530e iPerformance M Sport8,030,000円
540i Luxury 9,720,000円
540i M Sport 9,860,000円
540i xDrive Luxury 10,030,000円
540i xDrive M Sport10,170,000円

523d 主要諸元表
全長4,945mm
全幅1,868mm
全高1,480mm
ホイールベース2.975mm
最小回転半径5.7m
車両重量1,700kg
乗車定員5名
エンジン種類直列4気筒DOHCディーゼルターボ
トランスミッション電子油圧制御8AT
総排気量1,995cc
エンジン最高出力140kW[190PS]/4,000r.p.m
エンジン最大トルク400N.m(40.8kgf-m)/1,750-2,500r.p.m
使用燃料軽油
JC08モード21.5km/L


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