「スイフト」スポーツ 4th 2017年-現行 ZC33S型

間違いなく‘買い’の逸品

「これは凄い!」

外観からはノーマル「スイフト」との違いはホイールデザインくらいしか伝わってきませんが、内装にはセミバケットシート(背もたれが倒せない本格バケットではありません)が仕立てられ‘いかにも’という雰囲気を醸しだします。

じつは内装もシート以外は他モデルとほとんど差異はないのが実情。
しかし、もともと、スポーティな内装だけに何ら不満はないでしょう。

驚くなかれ。

これで
1,836,000円(税込 MT)~
1,906,200円(税込 AT)~

特製シートに、強化されたサスペンション、「スイスポ」専用のターボエンジンなどを鑑みて、この価格設定は破格以外の何物でもありません。

あれこれ『特別感がすごいです』と並び立てても、乗ってみてバランスの悪い商品なぞ幾らでもあります。

そんな中、この「スイフトスポーツ」ほど期待を裏切らない車も珍しいのではないでしょうか。

 



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街乗り 普段使いも◎

この商品をお買い求めになる方の多くは、普段使い・街乗りを主にお考えでしょう。

もしかしたら、奥様やお子さんを乗せてドライブを楽しむ方かも知れません。

同価格帯の軽自動車ダイハツ「コペン」、さらに乗り心地など‘無い’に等しいホンダ「S660」はドライバーの興奮こそあれ、助手席に人を座らせようものなら、車に詳しくない方にも、

『乗り心地悪くね?』

と、ブチ切れられそうな気がします。

「スイフトスポーツ」は違います。

サスペンションが強化されているといっても、むしろ‘しなやかさ’は増しています。
欧州の高級ブランドが追い求めている感覚をいとも簡単に完成させてしまいました。

海外メーカーからお金を貰って仕事をするジャーナリスト達は口が裂けても、そこまで褒めませんが。

試乗すると、期待とは違う乗り心地に驚きました。

低速で街中を流しているだけなら、特段、普通の「スイフト」と違いは見られません。

凹凸を越えた際の‘いなし’などは懐の深さを感じるほど。

バケット風シートが少々、窮屈だとおっしゃる方もいらしたので、ファミリーユースという点ではノーマル「スイフト」に一歩譲りますが、運転好きなら、

『普通の「スイフト」も良かったけど、この価格差なら「スポーツ」が欲しい』

と、思われる方も多いでしょう。

なんといっても‘楽しい’のです。
10km/hで走っていても、ついつい頬が緩んでしまう車は‘なかなか’ないものです。

現実的に考えると~60km/hをいかに楽しめるかに重きを置いて考えて良いと思うので、
そういう意味でも「スイフトスポーツ」は最高でしょう。

高速巡航ではノーマル1,695mmより40mm車幅が拡がり1,735mmとなったこともあり、安定性は抜群に良いです。

荷室は狭いので4名以上乗車+荷物というのは無理がありますが、3名までの乗車+荷物なら常にストレスなく利用できるでしょう。

車幅が上がったことにより、5ナンバーから3ナンバーになったことのデメリットをよく聞かれますので、一言。

『特にありません』

自動車税も1,500cc以下なので34,500円。

維持費という点でのデメリットは、ハイオク指定であること。

街中実燃費は意外に悪く12km/L程度(JC08モード:16.2~16.4km/L)という点も、ご留意なさった上で検討なさってください。

ATとMT、どちらが‘買い’か?

ATだからといって、「スイスポ」をご購入なさった方がただアクセルを踏むだけなんてことはないでしょう。

ご心配なく。
‘パドルシフト’のギア比は相当、シビアなので、十分にF1気分が味わえます。
ハンドルの切り角が一定以上の場合、アクセルを離してもシフトアップしないのも嬉しい設定です。

シフトスピードについても不満はないレベル。
『AT限定の妻もたまに運転するから仕方なく・・・』
という妥協ではなく、積極的に選択しても面白い商品だと思います。

毎日、サーキット気分で興奮したい方には、やはりMT=マニュアルをお薦めいたします。

『MTに魅力を感じるが、久しく運転してないし、大丈夫か?俺』

そんな不安をお持ちの方でも「スイスポ」に試乗していただいています。

1速・2速にはトリプルコーンシンクロ、3速にダブルコーンシンクロを採用しているため、非常にクラッチがつながりやすいのです。

シンクロ=同調という言葉どおり出力側と入力側のシャフトを同調させる歯車のような部品が複数重なっており、『ガリガリっ』となりそうなときでも、もう一方のコーンが受け止めてくれるという大変、優しい機構です。

運転して感じるのは、とにかく3速の入りが気持ち良いこと。
何も考えず、クラッチペダルを上げるだけでOKというレベルです。
当然、4速・5速・6速 然り。

マニュアル=MT車が久しぶりなのであれば、試乗する注意点は、何といっても1速の入れ方です。

『エンジン入れる前にクラッチペダルと、ブレーキペダルを踏んで・・・』

までは皆さん、注意深くなさるのですが、スタートしてアクセルペダルとクラッチペダルを慌てて入れ替えようとなさる方がいらっしゃいます。

クラッチペダルは1速に入れる場合は慎重になさってください。

ゆっくり上げるのが重要です。

試乗車は、当然、新車に近い状態の個体が多いので、クラッチが繋がる位置がとても下の方にあります。
踵がまだ付いているくらいで繋がるので、慌てて上げすぎないようご注意ください。

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