走りは別格の、350
価格は素の状態で「GS300=200t」の5,770,000円に対して6,430,000円と、66万円高。
このへんになってくると月収30万円あるかないか(ボーナスは蚊の涙・・・驚きの何千円!)の僕の金銭感覚では、大して差はないような気がしますが、実際、ご購入検討の方に伺うと『一応、気にはなる』とのこと。
考えてみると、「GS350」を余裕をもって購入するには年収にして2,000万円は必要かな、と思います。
ただ、その割合は0.4%前後しかいらっしゃいません。
年収1,000万円~2,000万円の方々になると、およそ4%いらっしゃるそうです。
おそらくですが、後者の範囲に属する方の購入も多いのかな、と思います。
年収1,000万円で、込み込み800万円の商品を買うとなると、少し、気にはなるでしょう。
ただ、このクラスのエンゲル係数は低いでしょうから、年収350万円の僕が184万円の商品を買うのとでは話が違うので何とも言えない部分はあります。
いずれにせよ、貧富を問わず、車が好きな方は‘好き’だということでしょうか。
少しだけ無理をして買ってしまうのは僕も富裕層も同じなのかも知れません。
ちなみに、この「GS350」、自動車税も年間、58,000円とやや割高な上にハイオク指定でカタログ燃費ですら10.8km/L~。
<アイドリングストップ機能>も付きません。
エコとは一線を画す設定です。
しかし、走り出してしまえば、2,000ccターボとは違う落ち着きがそこにはあります。
マイナーチェンジで一変
当初は他の「GS」同様、かなり硬い乗り味が特徴でした。
そんな中、2013年10月17日、ATが6速から8速へ進化。
主に高速巡航時の燃費向上のための多段化と言えましょう。
日常域~80km/h 内で、より積極的にシフトチェンジしてくれるわけではありません。
60km/hまでの日常域では6速モデルか8速モデルか、気づくのも難しいほどです。
大きな転機が訪れたのは、2015年11月25日のマイナーチェンジ。
フロントグリルが大型化され、さらに好みの分かれるデザインに。
乗り心地にも変化が齎されます。
ボディ剛性が高まったことは「GS250/200t=300」のご紹介で述べたとおりですが、‘しなやかさ’を手に入れたのは【フロントパフォーマンスダンパー】の採用(2WDのみ)が一役買っているでしょう。
このヤマハ製【フロントパフォーマンスダンパー】は、日本風にいうと、分かりやすいです。
【車体制振ダンパー】
フロントタイヤの両端をつなぐ形で接地されたダンパーは車体の変形エネルギーを吸収し、熱エネルギーとして放出するそうです。
今も昔も「YAMAHA=ヤマハ」は凄い!の一言です。
乗ってすぐ、このダンパーの存在が、分かるくらい効果的です。
スポンサーリンク
エンジンにもマイナーチェンジが施されます。
2GR-FSE型から、直噴機構「D-4S」とアトキンソンサイクルを採用したV6の2GR-FKS型に変更になり、パワーと低燃費(JC08モードで10.8km/L)を獲得。
6,400回転で最大318馬力を記録する旧エンジンに対し、6,600回転で達する新エンジンという違いはあるものの、基本パワーに関しては同値。
それだけ吹き上がりがいいのでしょう。
逆に静粛性では旧エンジンのほうが僅かに優ります。
静粛性に富んだ旧エンジン、音を聞かせるスポーティな新エンジン、という立ち位置です。
燃費に関してはたった、1km/Lの向上ですが、10%の向上と考えると‘なかなか’のものです。
次ページは>>>
「単価の低い商品を扱う自動車営業マンの視点」です。
迷っているのならお薦めしない商品
良い車であることを否定はしませんが、価格は高いですし、実用燃費も7~8km/Lと悪く、レクサスの中ではリセール価値が低い、というのは僕が特にお客様に‘お薦め’していない理由です。
30~40万円安価に設定されている「GS300h」の存在もあります。
また、ラグジュアリーなイメージを求めると、肩透かしを喰らうことも・・・。
190系「GS」に比べると後部座席の頭上クリアランスがアップしたとはいえ、<リクライニング機能>はオプション設定すらなく、<イージークローザー>(半ドアの際に自動で閉まる機能)もトランクのみ。
あくまでドライバーズカーに徹するのは「IS」が存在している中、どうなのかな、と。
ファミリーユースの方なら「GS」にはない機能が満載の210系「クラウン」や、「GS」の半額程度で買えてしまうダイナミックフォースエンジン搭載の70系「カムリ」に魅力を感じるでしょう。
2018年モデル「クラウン」RS試乗記は>>>こちら
ただ、3,500ccのNAエンジンを積んだセダンは、おそらく消えていく時代の流れであろうことを思えば、もう、限られたご購入機会と言えます。
お好きな方には今しか選択の余地はないかも知れません。
スポンサーリンク
「GS350」は値引きしてくれるのか?
値引きに関してはレクサスルールを適用するディーラーが多い「GS」。
この350は、「GS」の中でも、やや富裕層狙いの商品の為、200t=300では応じてくれるディーラーでも、『GS350の値引きはありません』と突っぱねられることが多いです。
レクサス営業マンは割と強気に出てくるので、こちらも強気に出なければ、言いなりになってしまいます。
『ボディコーティングのサービスくらいは付けてもらわないと、帰るよ』と、席を立てば、付属品からの値引き5~7万円は可能でしょう。
競合車種、ベンツ「Eクラス」や、BMW「5シリーズ」を検討中であることを覚らせるのをお忘れなく!
特にBMWは値引き王国なので、「検討対象になかった「540i」もすごい値引きしてくれているんですよ」とおっしゃると、多少の反応はあるでしょう。
ただ、あまり値引きを迫ると、レクサスの営業マンは嫌がります。
『値引きしてでも売ってしまえ!』ではなく、『売れないなら値引きは致し方ない・・・』という会社の考えですので、成る丈、営業部署から上に値引きの話を持っていきたくないのです。
リセール価値については明らかに“F-SPORT”が高い状況です。
乗り心地はやや硬めなので、同乗者には不評ですが、お一人で楽しむなら、こちらもお薦めです。
下に価格表、諸元表もございますので、よかったらご覧ください。
スポンサーリンク
○関連記事ご紹介
レクサス一推しの2,000ccターボを乗り較べ
試乗記は>>>こちら
「GS」ハイブリット2兄弟は
性格が違いすぎて・・・
試乗記は>>>こちら
仕立ての良さでは
現行を凌ぐ?
190系「GS350」
試乗記は>>>こちら
○10系「GS350」評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫
総合評価 | 普通 |
運転楽しい度 | 良い |
後席居住性 | 普通 |
リセール価値 | 悪い |
故障のしにくさ | 非常に良い |
部品の安さ | 悪い |
10系「GS」税込価格表 |
|
---|---|
GS300=200t | 5,770,000円 |
GS300=200t"I package" | 6,166,000円 |
GS300=200t"F SPORT" | 6,599,000円 |
GS300=200t"version L" | 6,777,000円 |
GS300h | 6,153,000円 |
GS300h"I package" | 6,549,000円 |
GS300h"F SPORT" | 6,982,000円 |
GS300h"version L" | 7,160,000円 |
GS350 | 6,430,000円 |
GS350"I package" | 6,826,000円 |
GS350"F SPORT" | 7,465,000円 |
GS350"version L" | 7,437,000円 |
GS450h | 7,428,000円 |
GS450h"I package" | 7,824,000円 |
GS450h"F SPORT" | 8,463,000円 |
GS450h"version L" | 8,435,000円 |
10系「GS350」主要諸元表 ()内はAWD |
|
---|---|
全長 | 4,880mm |
全幅 | 1,840mm |
全高 | 1,455mm(1,470mm) |
ホイールベース | 2,850mm |
最小回転半径 | 5.3m(5.4m) |
車両重量 | 1,650kg~(1,730kg~) |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | V型6気筒DOHC |
トランスミッション | 8 Speed SPDS |
総排気量 | 3,456cc |
エンジン最高出力 | 234kW[318PS]/6,600r.p.m |
エンジン最大トルク | 380N.m(38.7kgf-m)/4,800r.p.m |
使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
JC08モード | 10.8km/L~(10.0km/L~) |