速さでは4代目を上回る
この「GS450h」が発売された2006年から数年経過すると、ホンダが「アコードハイブリッド」をJC08モード:30km/Lで発売したり、マツダの<スカイアクティブテクノロジー>が台頭してきます。
トヨタのハイブリッドシステム<THS-Ⅱ>だけがECOではなくなりました。
トヨタ=レクサスの大型セダンも低燃費化の道を進まざるを得なくなります。
それだけ燃費競争が凄まじく、皆さん、大型セダンがカタログ燃費、20km/Lくらい普通だと感じるようになっている昨今。
190系「GS450h」
10.15モード:14.8km/L
JC08モード:12.6km/L
2000年発売の4,300ccの30系セルシオは10.15モードで8.2km/L だったことを考えると、この450hの燃費に驚くのも無理はないでしょう。
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他社のハイブリッド化は遅れていたので、トヨタはこの時代、思い切った作戦に出ています。
<パワーハイブリッド>
公式名称ではないですが、レクサス広報が『ハイブリッドは燃費が良いというイメージばかり先行しがちですが、この「GS450h」で是非、ハイブリッドのパワーというのをお客様に知っていただきたい』と、言っていたのは確かです。
乗るまでは「まあ、そうでも言わないと売れないしな」と、高を括っていたのですが・・・。
異常な中間加速
出だしからして、パワーが有り余っている演出があります。
3,500ccの車だと思ってアクセルを踏むと、モーターが鋭く反応するため、想像以上に‘スルスル’と走りはじめるのです。
僕が初めて乗ったのは2009年。
ちょうど4代目メルセデス「Eクラス(W212)」がデビューした年で、そのEクラスと似た印象を持ったのを覚えています。
たまたま、メルセデスの営業マンと話す機会があったのですが、彼も同じように感じたそうなので、似ている部分は間違いなくあるのでしょう。
「どこが?」
と、聞かれるとステアリングの感触でしょうか。
回し始めの数cmは遊びが多いかな?と感じるものの、そこは人間に対する配慮。
その後はとても素直で、どれくらい回したのかを‘戻る力’で教えてくれるのが少し懐かしいセッティング。
360°以上、回すと、大きく右左折、あるいはUターンと判断した設定なのか、急にタイヤが角度を変えてくれるのも、この「GS」と、メルセデス「Eクラス」の特徴。
狭い道も気になりません。
横幅 1,820mm。
1,850mm超になると、都会の狭い道では使いにくくなりますが、この「GS」は許容範囲といえるのではないでしょうか?
時速30kmで走っていても、パワーの余力感がありすぎて、少々の怖さを覚える、この「GS450h」。
かなり‘浅く’踏んでいないと、すぐに加速するため、低速をキープするのが少々、難しいと言えます。
街中走行は「GS350」のほうが、神経質にならず運転できるでしょう。
しかし「GS450h」の加速力を味わってしまうと、車が好きな方は一気に惚れてしまうのではないでしょうか?
5,000万円クラスの海外高級ブランド車が大排気量にターボを併せたって、この車の反応速度には0.1秒遅れているような気がしました。
踏みこむ⇒「ドンっ!!」
タイムラグがほぼ無いのです。
もちろん、シートに押し付けられる気持ち良いGも味わえます。
加速の仕方も大排気量の加速と違い、エンジン回転数も控えめで、妙な感覚です。
“宇宙船にでも乗っているような”
そんな譬えをしたくなるほど異次元体験でした。
セミアニリン本革を選ぶ注意点
他のレクサス車に較べ、やや本革シートのヘタりが気になるのが、この「GS」。
弊社に中古車で入ってきたのがセミアニリンレザー仕様が多かったせいかも知れません。
セミアニリンレザーは、いわゆる普通の本革と違い、‘なめす’ときに薄くカットしているので柔らかさがある反面、耐久性に難があるように思います。
もちろん、新車購入して5年くらいは何の問題もないでしょうが、中古車でレクサスをお考えの場合はご注意なさったほうが良いポイントです。
>>>次ページは
「狙い目は何年式?」
「2012年~の10系GS450hとの比較」です。
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ねらい目は何年式なのか?
年次改良の多いレクサスブランド。
この190系「GS450h」も気になるビッグマイナーチェンジを受けてきました。
ご購入のお薦めは2008年10月のMC以降。
ソフトプライバシーガラスをリアウインドウとリアドアに標準装備し、何より課題だったトランク容量が改善されています。
ハイブリッドバッテリーの位置変更により、奥行きが15cmほどでき、実用性が向上。
向上と言うと聞こえは良いですが、それまでのモデルはかなり小ぶりなトランクだったので“何とか実用的になった”と表現したほうがいいかも知れません。
また、サスペンションにもチューニングが加えられ、主に低速域での乗り心地を中心に角が取れた乗り味に仕上がっています。
2009年8月のMCでは<マップオンデマンド(地図の自動更新機能)>を搭載。
MDプレーヤーを廃止し、オーディオ用のUSB端子を装備。
安全面では<アクティブヘッドレスト>が鞭打ち症の軽減のために標準装備されます。
ちなみに、この時代<プリクラッシュセーフティシステム>は常にオプション扱いでした。
10系と較べて190系はどうなのか?
冒頭に書いた、10系「GS450h」より速いというのは事実です。
190系「GS450h」がモーターをターボチャージャーのように使用し、エンジンはほとんど回りっぱなしなのに対し、10系は210系「クラウンマジェスタ」ほどではないですが、走行中もモーターのみに切り替わる時間が多いです。
以下、諸元表からの抜粋です。
190系「GS450h」(2006-2012年)
車両重量:1,890kg
エンジン最高出力:218kW[296PS]/6,400r.p.m
エンジン最大トルク:368N.m(37.5kgf-m)/4,800r.p.m
モーター最大出力:147kW(200PS)
モーター最大トルク:275N.m(28.0kgf-m)
JC08モード:12.8km/L
10系「GS450h」(2012年~)
車両重量:1,820kg~1,860kg
エンジン最高出力:217kW[295PS]/6,000r.p.m
エンジン最大トルク:356N.m(36.3kgf-m)/4,500r.p.m
モーター最大出力:147kW(200PS)
モーター最大トルク:275N.m(28.0kgf-m)
JC08モード:18.2km/L
システム自体は同じだということは10系「GS450h」の燃費向上はエンジンの停止時間を長くしているわけです。
今や標準装備になった衝突軽減システム<レクサスセーフティセンス+>と、燃費以外は10系「GS450h」に引けを取らない190系。
できればOPの<プリクラッシュセーフティシステム>搭載車を選びたいところ。
追突などで完全停止には至らないケースが多いですが、警告音はしっかり鳴らしてくれるので、かなり安心できるアイテムです。
『新車は高い』
『スピンドルグリルがどうしても嫌い』
『とりあえず一度、レクサスのハイブリッドに乗ってみたい』
そんな方には是非。
意外と‘お安く’叶えられると思います。
バッテリーの不具合での入庫もまだ一度もないので、まだまだご安心して購入できる商品です。
下に当時の価格表、諸元表もございますので、よかったらご覧ください。
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○レクサス190系「GS450h」評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫
価格対評価 | 非常に良い |
運転楽しい度 | 非常に良い |
後席居住性 | 悪い |
リセール価値 | 良い |
故障のしにくさ | 非常に良い |
部品の安さ | 普通 |
190系「GS」 2011年当時 税込価格表 |
|
---|---|
GS350 | 5,520,000円 |
GS350 (AWD) | 5,920,000円 |
GS350 version I | 5,930,000円 |
GS350 version I (AWD) | 6,330,000円 |
GS450h | 6,970,000円 |
GS450h version I | 7,350,000円 |
GS450h version L | 7,970,000円 |
GS430 (2006年価格) | 6,320,000円 |
GS460 | 6,750,000円 |
GS460 version I | 7,130,000円 |
GS460 version L | 7,750,000円 |
190系「GS450h」主要諸元表 |
|
---|---|
全長 | 4,850mm |
全幅 | 1,820mm |
全高 | 1,425mm |
ホイールベース | 2,850mm |
最小回転半径 | 5.2m |
車両重量 | 1,890kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | V型6気筒DOHC |
トランスミッション | CVT(電気式無段変速機) |
総排気量 | 3,456cc |
エンジン最高出力 | 218kW[296PS]/6,400r.p.m |
エンジン最大トルク | 368N.m(37.5kgf-m)/4,800r.p.m |
モーター最高出力 | 147kW(200PS) |
モーター最大トルク | 275N.m(28.0kgf-m) |
使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
JC08モード | 12.8km/L |