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80点主義からの決別を図ったトヨタの意欲作
3代目がデビューしたときも、先代より劇的に乗り心地が良くなったという評論家のレビューが多くあったのを覚えています。
たしかにデザインはプリウスだと印象づけながら”少しの野暮ったさ”が無くなり、ある意味、完成されたものでした。しかしながら、乗り心地の進化というのは6年(2代目2003年⇒3代目2009年)も経っているにしては僅かと言わざるをえません。
3代目が2代目に劣る部分がないと言えるのは実は大きな長所ではありました。
劇的な変化を成せなかったのは、やはりホンダの2代目インサイトの存在、価格競争があったのでしょう。
自動車史名勝負 2代目「インサイト」と3代目「プリウス」は >>>こちら
その戦いに勝利し、2015年の4代目プリウスのデビュー時は「インサイト」のようなライバルは不在でした。強いて挙げるなら、ハイブリッド化されたトヨタ車くらいしか思いつきません。
今回こそは余裕をもって、次のステージへ引き上げるための価格を設定できたのでしょう。
エントリーグレードこそ、2,429,018円ですが、人気グレード+オプションだと、150,000円ほど高額になっていると考えていただくと分かりやすいです。
まずは、価格表をご覧ください。
価格表 | ||
---|---|---|
E (2WD) | リチウムイオン電池 | 2,429,018円 |
S (2WD) | ニッケル水素電池 | 2,479,091円 |
S (E-four) | ニッケル水素電池 | 2,673,491円 |
S ツーリングセレクション(2WD) | ニッケル水素電池 | 2,628,327円 |
特別仕様車 S“Safety Plus”(2WD) | ニッケル水素電池 | 2,693,520円 |
特別仕様車 S“Safety Plus”(E-four) | ニッケル水素電池 | 2,887,920円 |
A (2WD) | リチウムイオン電池 | 2,777,563円 |
A (E-four) | ニッケル水素電池 | 2,971,963円 |
A ツーリングセレクション(2WD) | リチウムイオン電池 | 2,926,800円 |
A ツーリングセレクション(E-four) | ニッケル水素電池 | 3,121,200円 |
A プレミアム(2WD) | リチウムイオン電池 | 3,107,455円 |
A プレミアム(E-four) | ニッケル水素電池 | 3,301,855円 |
Aプレミアム ツーリングセレクション(2WD) | リチウムイオン電池 | 3,199,745円 |
Aプレミアム ツーリングセレクション(E-four) | ニッケル水素電池 | 3,394,145円 |
2WDを選ぶなら、4代目で初となったリチウムイオン電池搭載車を選びたい気もしますが、正直、乗り味の差は無いと言っても良いくらいです。
それにしても、最高グレードともなると乗り出し価格が4,000,000円近くと思うと、少々、高い気も・・・。
値引き合戦に持ち込めるトヨタ”sai”の上位グレードと大して変わらない強気の設定と言えます。”sai”は素晴らしい車なんですが、衝突軽減ブレーキが旧タイプ<プリクラッシュ・セーフティ・システム>のままなので、プリウスが発売されてから伸び悩むのも無理はないでしょう。
それくらい、4代目プリウスの進化は凄いです。
3代目まではハイブリッドカーだから・・・という弁解を最初に言わないと語れない車だったのが、トヨタ、いったい急にどうしたんでしょうか。
モデルチェンジでここまで驚いたのは、初めてです。
まるで別物になっています。
TNGAによってTOYOTA車すべてが変わるかも
トヨタはTNGAという新たな車の骨格を苦労して開発したというCMを佐藤浩一さん、永作博美さん、鈴木浩介さん、黒木華さん、三浦友和さん、という錚々たるタレントを使って放送していました。
そして、TNGAを使った第1号車がプリウスです。
最もその恩恵を受けていると思われるのは、乗り心地。
法定速度内でしたら、基本、ずっと良いです。
次ページは>>>
「TNGAをわかりやすく言うと」です。
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TNGAボディを、わかりやすくご説明
TNGA、TNGAと、よく出てくるアルファベットですが、これでは頭文字のTがTOYOTAのTだろう、くらいしか分からないですよね。
TNGAとは何の略かと申しますと、<Toyota New Global Architecture>。
トヨタの新しい世界戦略用構造とでも言うのか、非常に自信に満ちたネーミングであることは確かです。
そのTNGAボディーとは、シャシーを熱し、それが冷めぬ内にボディを乗せて一体化するという恐ろしくコストのかさむプロジェクトから完成するものだそうです。
ビスなどが減るから軽量化でき、ボディ剛性は高まる。
シャシーとボディが一体化しているため、ボディを支えるシャシーという概念を捨てていいので、シャシーも軽量化ができ、低重心となる・・。高速走行での乗り心地向上にも一役買っています。
この4代目プリウス、なんとも“しっとり”していると言うか、突き上げの吸収なんかも独特な感触で、何かに似ているというわけでなく、素晴らしいです。
走りの中で、わずかに問題を残しているのはブレーキフィーリングでしょうか。時折、ハイブリッドならではの回生ブレーキを感じながらになるので、ここはまだ改善の余地があるといえます。ただし、他社のハイブリッド車よりは格段に違和感は格段に少ないです。
後方視界の悪さも書いておかなければいけないでしょう。これ一つで候補車から外した方も何名かいらっしゃいました。
燃費のためとはいえ、あのフォルムを何とかすればもう少し視界確保できるでしょうに、頑なですよね・・・。
後部座席のヘッドクリアランスの不満も、先代から、さして改善されておらず。
170cm以上の方が頻繁に後部座席に座るのでしたら、他の車種を検討しなければいけないかもしれません。
デザインも、超変則的で、こういうのは海外発信じゃないと拒否反応をしてしまうのが我々日本人という民族。
それでも、見慣れてくるのは、トヨタマジックか、単によく走っているからなのか・・・。
しかしながら、悪い点を挙げて試乗記を終わらせたい車ではないので、最後に褒めて終わります。
ハンドリングの素直さ。
曲がりたいように曲がってくれる車は、意外と少ないのに、それを重いバッテリー積んだプリウスで実現するとは一体、どれだけ開発陣が苦労したか分かろうものです。
後方視界、後部座席の欠点が許せるのならば、間違いなく買いの一台。
乗って楽しい車です。
マンションなど充電環境が整わない方は「PHV」ではなく、普通の「プリウス」をご選択ください。
4代目プリウスの値引きはどれくらい?
値引き率も大幅アップしています。
付属品込みで250,000円以上は狙っていってください。
「興味があるのはCH-R。でも、値引きできないならプリウスでいいや。その割引率で購入か否か決めます」という意思を伝えれば、効果があります。
上級グレードでオプション多めなら、割引350,000円も可能だと思います。
追記:
2017年夏商戦では付属品込で450,000円も夢ではありません。
4代目プリウスは歴代プリウスの中で最も値引きしています。
トヨタ系列店でも値引き額が大きめの‘ネッツ’は必ず回ってください。
CH-Rの試乗記は
>>>こちら
マツダCX-3の試乗記は
>>>こちら
スバル・インプレッサの試乗記は
>>>こちら
新型プリウスPHVの試乗評価は
>>>こちら
○「プリウス」評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫
総合評価 | 非常に良い |
運転楽しい度 | 非常に良い |
後席居住性 | 普通 |
リセール価値 | 良い |
故障のしにくさ | 非常に良い |
部品の安さ | 良い |
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○諸元表○
エンジン:水冷直列4気筒DOHC 1800cc
最高出力(ネット値):72kW(98PS)/5,200r.p.m
トランスミッション:電気式無段変速機
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
JC08モード:37.2km[E-four:34.0km]
最小回転半径:5.1m(ツーリングセレクション:5.4m)
全長4,540mm 全幅1,760mm 全高1,470[E-four:1,475]mm
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