新型 トヨタ 2代目「プリウスPHV」2017年~現行 試乗評価 さおり著



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普通プリウスにはない気品

一昔前のCMで、私、好きなのがあるんです。
「ある日、すごい車を見たんだよ。劇的なパワーユニットを持ってて、二酸化炭素もほとんど出さない環境に優しい車。走り?走りも最高♪(と、言っていたのかは定かじゃないですが(笑))

そんなナレーションに乗って流れる映像は“透明な自動車”。雨粒が当たったりして、辛うじてセダンだと分かります。

まだ、そんな車ないけど、きっと人類なら・・・いつか。
そんな仄かな期待を寄せて見ていた私。

「ある日。それは・・・今日。今日なんだよ。」

と、CMは告げ、透明の車がレクサスのLSハイブリッドに変わります。

あのCMのハイブリッドも凄かったけど、また、一つ時代は進んだのかな、と思わせる自動車が、この「プリウス・プラグインハイブリッド」です。

実車を見て、感じたのはバランスの良いデザインでした。

4代目のノーマルプリウスを見たとき、
「これは売れるのかな?売れてもらわないと困るな。ううん・・見ているうちにカッコよく見えてきた!これ、外国車だったら誰もダサいって言わないデザインじゃない?」
と、自問自答を繰り返したものです。

蓋を開けてみれば普通に売れまくってしまった4代目プリウスさん。
田舎の一営業ガールの悩みなんて何のその、でした^^。

それが、どうでしょう、このプリウスPHVときたら!!
美しいんです。
LEDライトが付いただけで、こうも綺麗に見えるものかしら?
それともリアガラスの真ん中が凹んだデザインだから??
ちょっとホイールベース(前輪と後輪の距離)が伸びたから?

2代目プリウスPHV、私は現代的で品があって、とっても綺麗だと思います。

加速力が凄すぎる!

運転席に座った感じはノーマル・プリウスと特に変わりありません。
ポジションは決して高くはないので、ミニバン系からの乗り換えだと少し違和感があるかもしれません。短いボンネットが、やっぱり見えない・・。

アクセルを踏んでみて、そろそろと駐車場を進んでいるだけでも「お。重厚感があっていいかも」と、さっそくノーマル・プリウスとの差別化に感心。

PHV用のバッテリーによる重量“150kg”の違いは伊達ではありません。
その150kgが車の床付近にあるわけですから、安定感は増すわけです。



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これだけ高級車のような重厚感があると、逆に加速力とか大丈夫なのかな?
と、不安になって、アクセルを踏んでみると、、

「シュルルル~!」

なんか未知の車に乗っているかのように加速します。
乗り心地も普通「プリウス」より良いです。
800万円クラスの高級車みたい。

静かだし、かといってロードノイズ(タイヤの転がるザーッという音)がうるさいわけでもないのです。

後部座席の居住性は普通プリウスとほぼ同じ。

ホイールベース(前と後ろのタイヤの距離)が伸びているからといって、室内空間には反映されていないようです。
カタログ値も同じでした。

大きな違いは5人乗りじゃなくて4人乗りだということ。
後部座席には大きなセンターコンソールがあって、左右が区切られます。
なので、プライベート空間っぽい演出がお好きな方はPHVのほうが居心地が良いでしょうし、開放感がお好きな方は普通プリウスがお好きだと思います。

それにしても!
切れ目のない加速は凄いです。
“シームレス”。
加速力を褒めるとき、そう書かれること、多いですけど、この「プリウス=PRIUS PHV」の加速力はまさに、それ。

比較される日産「リーフ」の加速もスムースとはいえ、電気だけに頼っているため航続距離を縮めるわけにはいかないのでしょう。
常にセーブしている感じがします。
“加速力”に関しては「プリウスPHV」は「リーフ」とは別次元の加速です。

そして、EV加速が時速80kmでも余裕で続き(テストコースでは時速135kmまで可能だったとか)、距離にして50km程度(カタログ値:68.2km)でしたらEVだけで怒涛の加減速を繰り返して、かつ静けさに満ちた異次元の空間で移動できるわけです。

EV状態の「プリウスPHV」、走ってると“完璧?”とか言っちゃいたくなるほど素晴らしいのですが、動力性能と関係ないところで・・・。

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「唯一ともいえる残念な点とは?」です。



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