最小回転半径に差が出る理由とは?
最後はレザーパッケージをご紹介します。
(画像は普通のGパケレザーオプションです。申し訳ありません)
エントリーモデル(Xグレード)については
>>>こちら
中核モデル(Gグレード)については
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同車種にもかかわらず、最小回転半径に違いが出るのは、タイヤがフェンダー内で、どれくらい角度を付けられるかが違うからです。
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70系「カムリ」の場合、
“Xグレード”16インチ
“Gグレード”17インチ
“Gグレード レザーパッケージ”18インチ
それぞれに別々のタイヤが用意されており、レザーパッケージの18インチはかなり扁平(分厚い)タイヤのため、体積の関係でフェンダー内で角度が付けられないのです。
結果、最小回転半径5.9mという大型SUV並みの数値になってしまいました。
マイナスポイントではありますが、ぎりぎりのUターン時以外は、不満はないでしょう。
ステアリングの切り始めの所作から細やかな反応をしてくれるので、たとえば、21世紀初頭の170系「クラウン」の最小回転半径5.3m(2WD)と比較して、70系「カムリ」のほうが大回りだと感じる方は少ないと思います。
住宅街などにお住まいで、小回りの利く車が必要な方は、ご自分の環境下で問題ないか是非、試乗してみてください。
エンジン音・モーター音のバランス
<THS-Ⅱ>と呼ばれるハイブリッドシステムですから、基本的なシステムは以前からのトヨタのハイブリッド車と凡そ違いはないはず。
そう思っていました。
しかし、乗ってみるとまず、モーターのみで走行する時間が非常に長いことに驚きます。
210系「クラウンハイブリッド」と比較試乗してみると明らかに違います。
諸元表で比較してみましょう。
70系「カムリ」G レザーパッケージ
車両重量:1,600kg
エンジン:直列4気筒2,487cc
エンジン最高出力:131kW[178PS]/5,700r.p.m
エンジン最大トルク:221N.m(22.5kgf-m)/3,600-5,200r.p.m
モーター最高出力:88kW(120PS)
モーター最大トルク:202N.m(20.6kgf-m)
動力用主電池:リチウムイオン電池
JC08モード:28.4km/L
210系「クラウンハイブリッド」ロイヤルサルーンG
車両重量:1,680kg
エンジン:直列4気筒2,493cc
エンジン最高出力:131kW[178PS]/6,000r.p.m
エンジン最大トルク:221N.m(22.5kgf-m)/4,200-4,800r.p.m
モーター最高出力:105kW(143PS)
モーター最大トルク:300N.m(30.6kgf-m)
動力用主電池:ニッケル水素電池
JC08モード:23.2km/L
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「カムリ」に搭載されているエンジンは210系「クラウンハイブリッド」に搭載されているものとは違い、本来、最高出力はもっと高く設定できるはずですが、おそらく、‘遠慮’が入ったのでしょう。
これは、国内外問わず、どこのメーカーも配慮する点です。
欧州車では「ポルシェ」が露骨に新型低価格車のスペックに制限を掛けるのが有名です。
やっとの思いで、ローンを組んで高額車を購入したら、1年そこそこで格の低い車にスペックが抜かされるのはオーナーとしては気分の良いものではないでしょうから、分からなくもありません。
逆に、新型モデルに全力投球しない姿勢はいかがなものか?という意見もあります。
自動車メーカー、永遠の課題です。
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「標準搭載のリチウムイオン電池は、乗るとすぐ分かる」です。
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リチウムイオン電池のほうが優れている点は?
モーターの数値差は意外でした。
おそらく、これは電池の種類によるものでしょう。
「カムリ」に標準搭載されているリチウムイオン電池はニッケル水素電池に比べ、製造コストが嵩むという点以外はメリットばかりだからです。
代表的なメリットを3つ挙げてみます。
・自己放電が非常に少ない
・小型で軽量、かつ蓄電量も多い
・メモリー効果がない
3点目のメモリー効果は、継ぎ足し充電の際に発生するニッケル水素電池のデメリットでした。
完全に電池容量がゼロになっていない状態で、継ぎ足し充電をすると上限容量の数値が徐々に下がってしまうのです。
ハイブリッド車の場合、電池容量がゼロになってから充電するケースは少ないため、わずかずつでも能力が低下するニッケル水素電池の寿命は15年、最大能力がある程度発揮できるのは10年ほどと言われている所以かもしれません。
しかし、トヨタの電池の故障というのは我々、中古自動車屋兼整備工場をやっている身でも経験がない(軽微ながら供給システムの不具合は一件、経験しました)し、2017年現在、製造後20年以上経過している2代目「プリウス」も問題なく販売させていただいているので、さほど気にする問題ではないでしょう。
ただし、‘能力’という意味ではリチウムイオン電池が一歩も二歩もリードしていることは、70系「カムリ」に乗れば一目瞭然。
朝、会社に来て<スタートスイッチ>を押しても、これまでエンジンが始動したことはありません。
発売が7月、試乗車が入ってきたのが8月という暑い時期(バッテリーは寒さに弱い)でしたので、それも関係しているでしょうが、「クラウン/ハイブリッド」は時折、エンジン始動しますので、やはり差はあるのかと思います。
もっと分かりやすいのは走り出してから。
<PHV プリウス>とまではいかないにしても『え?まだモーターで走っているのか?』と、少し違和感を覚えるほどです。
音もニッケル水素電池時代の‘キーン’という金属音のようなモーター音はしません。
基本、音はしないもの、と考えてよろしいかと思います。
にも拘わらず、風切り音やロードノイズが気にならないほど抑え込まれているのは驚愕レベルと申し上げて良いでしょう。
地味ながら、日本人の匠の技が、こんなところでも発揮されています。
エンジンの始動も気付こうと頑張れば、分かるくらい。
振動が伴わないのは、トヨタにとっては当たり前のマナーなのでしょう。
欧州勢の凄まじい<アイドリングストップ>システムと比較すると、やはり日本の技術は素晴らしいな、と驚嘆するばかりです。
なぜか、自動車雑誌では、取り上げられませんが・・・。
下に諸元表や評価表もございますので、よかったらご覧ください。
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○関連記事ご紹介
特別装備については
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お薦め
「マークX」最上級グレードは
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「H.T」に魅せられることも多いです。
「H.H」との比較レビューは
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○70系「カムリ」Gグレード レザーパッケージ評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫
総合評価 | 良い |
運転楽しい度 | 良い |
後席居住性 | 良い |
リセール価値 | 良い |
故障のしにくさ | 非常に良い |
部品の安さ | 良い |
トヨタ AX70系10th「カムリ」税込価格表 |
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X | 3,298,320円 |
G | 3,531,600円 |
WS | 3,672,000円 |
"G"本革レザーパッケージ | 4,228,200円 |
"WS"本革レザーパッケージ | 4,341,600円 |
トヨタ AX70系「カムリ」G/WS"leatherpackage"主要諸元表 |
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全長 | 4,885mm |
全幅 | 1,840mm |
全高 | 1,445mm |
ホイールベース | 2,825mm |
最小回転半径 | 5.9m |
車両重量 | 1,600kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | 直列4気筒 |
トランスミッション | CVT(電気式無段変速機) |
総排気量 | 2,487cc |
エンジン最高出力 | 131kW[178PS]/5,700r.p.m |
エンジン最大トルク | 221N.m(22.5kgf-m)/3,600-5,200r.p.m |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
モーター最高出力 | 88kW(120PS) |
モーター最大トルク | 202N.m(20.6kgf-m) |
動力用主電池 | リチウムイオン電池 |
JC08モード | 28.4km/L |