「ノート」2nd e-POWER(イーパワー)E12型

日産 e-POWERは本当にスゴイのか?

新しい電気自動車の形、“ノート e-POWER”が2016年11月、マイナーチェンジの折に追加されました。

この2代目は2012年発売モデルです。モデルライフも後半に差し掛かろうという時期に思い切った新型派生車種が誕生しました。

 



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トヨタの新型車が一段落していた時期とはいえ、月販売台数で日産車としては、あの“サニー”以来、30年ぶりの一位に輝いたという記念すべき一台。

日産いわく「これは、もはや発明じゃない?」

自らハードルを上げるほどの自信作なのでしょう。“リーフ”で電気自動車としての技術を磨いてきた日産がガソリン車を電気自動車にするそうなのです。

!? (昔のフェアレディのCMではありません・・・)

僕も初めて説明を聞いたときには分かりませんでしたが、エンジンは発電用のみに稼動し、車を駆動させるのは<全て電気の力>だということらしいです。

トヨタのハイブリッドはモーターのみの走行は可能ですが、メインはエンジンでモーターはサポート役です。

この“ノート”e-powerは、メインがモーター、どころか全ての駆動を電気でまかなうガソリン車という相当な変わり種です。

これは面白いことになりそうだと思っていたら、弊社・社長が展示 兼 試乗車(貧乏会社なもので・・・)を導入決定。
試乗記を提供できる運びとなりました。

アクアのとき、ケチって隣町のライバル店にごっそり持っていかれたのを反省したようです(笑)。

結果的には、大成功。

弊社でも、2018年コンパクトカーで一番売れたのはノートでした。

失礼しました。

その”ノート”e-POWER、最初に感じるのは1,200ccのエンジンとは思えないほどの加速力です。

しかし、これ見よがしに加速するのではなく、あくまで自然なフィーリングに抑えてあるのは好印象でした。

大人4名乗車でも坂道を軽々登っていくのは一昔前では考えられませんでしたが、この車は特に踏み込む必要もないのです。

『切れ目のないパワー』

これはハイブリッド車に勝っている点でしょう。

アクセルペダルを緩めるだけで減速するシステムも秀逸。
自然にスピードが下がり、軽くブレーキを踏むだけで同乗者に負担のない停車が可能です。

<ICC渋滞追従システム>も搭載。
こういうシステムは欧州より日本のほうがクオリティ高いです。
じつに自然に付いていきます。
GWやお正月の帰省時のストレス軽減に一役買ってくれるでしょう。

ハイブリッドにはない問題点①

では、逆にハイブリッド、殊にトヨタのハイブリッドがクリアできているのに、このe-POWERが抱えている問題点は、二つあります。

ひとつは坂道発進。

急な坂道で、ブレーキを離すと同時に車が下がります。

これは普通のガソリン車及び他のハイブリッド車にはない現象です。
実際、下がっている距離など10cmほどでしょうから、すぐにアクセルを踏めば大丈夫なのですが、慌てるのは事実。

慣れても俊敏な足の入れ替えor左足でのブレーキペダルをキープを余儀なくされるのは、大衆車としていかがでしょうか。

試乗の際は是非、上り坂のある道を希望してくださいませ。

>>>次ページは「ハイブリッドにはない問題点②、走りについての感想」です。



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ハイブリッドにはない問題点②

二つ目は、低速走行時のエンジンの回転が急に上がる点です。

ハイブリッド車と同じく、e-powerも電池の充電残量が多いときにはエンジンは回りません。モーター音のみで粛々と走ってくれます。

残量が少なくなるとエンジンが掛かるのもハイブリッド車と同様。
しかし、低速走行にもかかわらず、そのエンジン音が大きいのです。

まるで空吹かししたように突然、高回転で回りはじめることが、しばしばあります。

当然ですが、車はアクセルワークに従い低速で一定に走り続けていますので、音さえ気に障らなければ、特に気にする点でもありません。
音のわりに車内の振動が大きくなるわけではないのは、さすが、です。

アクアと比べてノートイーパワーの走りは?

走りについてライバルであるトヨタ「アクア」と比べると、洗練されていると思います。概ね、「ノート」のほうが乗り心地が良いです。

「ノート」は、直進したいときにブレが少なく、カーブも思い通りに曲がってくれます。

「アクア」は「ノート」に比べるとステアリングが重いので正確なハンドリングが女性には少し難しいときがあるかも知れません。

また、平坦な路面なら「アクア」、荒れた路面なら「ノート」のほうが良いと感じる方が多いでしょう。

それはトヨタ「アクア」のサスペンションが硬いから。
しっかり路面を捉えて走っている感覚があります。

決して「ノート」が悪いわけではなく、段差を乗り越えたときや、路面の凹凸を拾いながら運転しなければいけないときなどは断然、「ノート」に軍配です。

このへんは、好みですので是非、店頭で試乗してみていただければ、と思います。

ハンドリングは、電気式ならではの軽さがあります。

軽く回ってくれるハンドルがお好みの方には「これぞ待っていました」という出来。
力を掛けなくても回るハンドルは女性にとっては嬉しいアイテムではないでしょうか。

逆に『きびきびした走りには手ごたえのあるハンドルを』とお思いの方には物足りない感触です。
「アクア」のほうにはまだ、昔の油圧式のダイレクト感が残っています。

※トヨタ「アクア」はマイナーチェンジを折に乗り心地がかなり良くなっていますので、もし中古車をお選びになる際は発売当初2011年~の個体より、2014年12月8日以降に発売された個体をお薦め致します。

最後になりましたが、後部座席ヘッドクリアランス、レッグスペースは「ノート」と「アクア」では比較にならないほど「ノート」が広いので、後部座席にどなたか乗せる機会が多いのなら、こちらの“e-POWER”で決まりでしょう。

ご夫婦と小さなお子様おひとりのご家族にぴったりの車です。

値引き情報

日産は2017年完成車両の検査の不正、燃費改ざん発覚(改ざん車は三菱系軽自動車「デイズ/デイズルークス」)以来、すこし値引き率も上げざるを得ない状況です。

欧州メーカー、特にメルセデスとVWも燃費改ざんしましたし、質も向こうのほうが悪いと思うのですが、日本のニュースで叩かれるのはなぜか国産車ばかり。
不景気になってほしいんでしょうか?

さて。
肝心の値引き額は、

Sグレード、Xグレードからなら、付属品込みで23万円~。
メダリストなら、付属品込みで29万円です。

ご参考になれば。

対抗のトヨタ「アクア」は、トヨタ4系列全店で販売しているため、値引きはかなり期待できますので、先にトヨタ店で見積もりを貰っておき、日産店の出方を伺うと良いと思います。

 

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以下、ライバル車の試乗記です。併せてお楽しみいただけたら幸いです。

トヨタ「アクア」は >>>こちら
トヨタ「プリウス」は >>>こちら
スズキ「スイフト」は >>>こちら
マツダ「CX-3」は >>>こちら
ホンダ「フィット」は >>>こちら

○「ノート」2代目 イーパワー評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 良い
運転楽しい度 良い
後席居住性 良い
リセール価値 良い
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 良い

価格表
S ※1,393,200円
X ※1,495,800円
MEDALIST ※1,985,040円
e-POWER S1,772,280円
e-POWER X1,959,120円
e-POWER MEDALIST2,244,240円

※印はガソリンモデルの価格
主要諸元表
全長4,100mm
全幅1,695mm
全高1,520mm
ホイールベース2,600mm
車両重量1,170kg~1,220kg
エンジン種類DOHC水冷直列3気筒
トランスミッションエクストロニックCVT(無段変速機)
総排気量1,198cc
最高出力58kW[79PS]/5,400r.p.m
最大トルク103N.m(10.5kgf-m)/3,600-5,200r.p.m
動力用主電源リチウムイオン電池
モーター定格出力70kW(95PS)
モーター最高出力80kW[109PS]/3,008-10,000r.p.m
モーター最高トルク254N.m(25.9kgf-m)/0-3,008r.p.m
乗車定員5名
最小回転半径4.9~5.2m
使用燃料無鉛レギュラーガソリン
JC08モード34~37.2km/L
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