「フィット」 3rd 2013年~現行

完成度の高いガソリンモデル

2001年登場の初代フィットから12年、2013年に3代目となった「フィット」。

パワートレイン、シャシーを一新しつつ、「フィット」らしさを継承し・・・、と宣伝文句にはありましたが実際、どうなんでしょうか?

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乗り心地はとても良いです。
初代にあった欧州車ばりの硬さは消えて、しなやかになっていました。ハンドルは操舵感を失わない程度に軽くセッティングしているようです。


ガソリンモデルは1,300ccと1,500ccの2種。いずれも低回転からのトルクが充実していて日常ユースに全く不満ありません。

1,300ccに大人3人(合計体重200kg)乗車して高速道路を走行したことがありますが、よほど加速したい時以外は問題なく使えます。実燃費も17~18km/Lいきます。

1,300cc、1,299,800円~。ハイブリッド、1,690,000円~、この価格差をハイブリッドの燃費で取り戻すことは無理なので、リセール価値を考えなければ、ガソリンモデルで決まりでしょう。

これが進化というものなのでしょうか。
まったく死角がない、といっても過言ではない仕上がりです。

では死角がなければ、完璧なのかというと、そこは人間、贅沢なもので初代みたいな「運転していて楽しい」思いは感じにくくなっているのは否めません。

安心と退屈は、いつも同時に訪れるのでしょうか?

ライバルが進化したので、評価は相対的に厳しくなります。
初代フィットを脅かしたキューブはすっかり落ち着いてしまっていますが、2015年に登場した2代目シエンタは驚くような斬新なデザインと、ハイブリッドを併せて商品力は一段と上がっています。

ホンダのフィットでないと、と思わせる何かが次世代モデルには必要になってきたのかもしれません。

とはいえ、間違いなく良い車であることは確かです。

未完成なハイブリッドモデル

発売後1年で5度のリコール。

巷ではタカタエアバック問題や燃費戦争の激化による焦りが生んだ大失態といわれています。

いずれにせよ、ほぼ同じ箇所のリコールがこれだけ出てしまうと、困ったのは448億円の損失計上した本社より、お客様の対応をしたディーラーのほうだったでしょう。

代車が足りず、代車をレンタカーでまかなったケースも多かったと聞きます。

預かった車を置く場所もなかったこともあるとか、とにかく、てんやわんやだったらしいです。

これだけの醜態にもかかわらず、ちゃんとリコールを届け出たのは評価すべきなのでしょう。三菱だったら・・・と誰もが考えるところです。

ユーザーもリコール対象になっていながら「ちょっと待って。リコールなんだけど、どう直していいか分からないんだよね」みたいなこと言われては不安で仕方なかったそうです。



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そんな、とんでもないスタートになったハイブリッドモデル、乗るとどうなのか?

3代目のフィットハイブリッドに搭載されたi-DCDはパワーは20%アップしたのに燃費も40%良くなるという、とてつもなく進化したものです。

実燃費で25km/Lを明らかに下回る個体を見たことはありません。

市街地走行でも20km/Lを切ることはないといっていいでしょう。EV走行のできないインサイトの電池の倍以上のパワー(29.5ps)を持ち、システムも複雑に作動し、燃費に貢献してくれます。

ただ、それが運転していると逐一分かるのです。

トヨタのTHSⅡの加速は、モーターが回って、しばらくするとエンジンが掛かり、減速すると早めにエンジンが止まる・・・という繰り返しなので、ガソリンモデルから乗り換えられても、皆さんすぐに慣れる、とおっしゃいます。

しかし、このi-DCDは、モーターが動いて、動いて・・・止まって、動き出して・・・また止まって・・・、という、浮き沈みを一定の加速の間に何回も味わうことになります。

それでも、車内に伝わる振動にさほど変化がないのは驚くべきことですが、いかんせんモーター音が結構、耳に入ってくるので動作→停止を繰り返されると、不安定な運転をしているような気がしてしまうのは僕だけでしょうか?

正直なところ、インサイトのほうがシステムが単純だった分、普通に乗れていた気がします。普通というのはガソリンモデルのように、という意味です。

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アクアとの燃費戦争に一瞬だけ勝ったとはいえ(アクアのマイナーチェンジでまた抜かされています)、ここまでしなくても・・・というのが正直な感想です。

2015年~モデルでは、モーターの“ぎくしゃく”がかなり無くなって自然になっています。年次改良で良くなってきているのでしょう。


購入、ご検討の方、2013年、2014年モデルの中古車は検討対象から外したほうが良いかもしれません。



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ファミリーユース中心。
後部座席のお子さまも、寛げる車をお探しの方は以下の商品もお薦めです。。

「タンク/ルーミー/
ジャスティ/トール」
>>>こちら
スズキ「ソリオ」 >>>こちら
ホンダ「フリード」 >>>こちら

点数表(5点満点)○

 ガソリンモデルハイブリッドモデル
総合評価4点3点
リセール価値3.5点4点
故障のしにくさ4点3.8点
部品の安さ4点3.8点

全長3,955mm 全幅1,695mm  全高1,525mm(FF)、1,550mm(4WD)
エンジン:水冷直列4気筒横置
動力主電池(ハイブリッドのみ):リチウムイオン電池
JC08モード:20~26km/L(1.3L)、19~21.8km/L(1.5L)、27.6~36.4km/L(1.5Lハイブリッド)