「IS350」GSE20系 2005-2013年

中古車市場では売れ筋「IS350」

弊社では、この「IS350」、中古車としてはかなりの人気でした。

新車当時、「IS250」より、約90万円高い商品が中古車市場ではほぼ同額になっているのは大きな魅力です。

価格が下がっているのには“わけ”があります。

まず、中古車市場では自動車税が掛かる商品は敬遠されがちです。
燃費が悪いというのも、嫌がられます。

新車では、比較試乗という選択があるため、とにかく‘走りの良い’商品が評価されますが、それができない中古車では維持費という点に皆さん、注目されます。

新車をご購入される方と、中古車をご購入される方、それぞれの価値観がくっきりと出るポイントです。

自動車税を「IS250」と較べてみましょう。

「IS250」(年間自動車税)
45,000円
「IS350」(年間自動車税)
58,000円

年間13,000円の負担増です。

燃費に関してはカタログ燃費10.15モードで「IS250」が12.2km/Lに対して、「IS350」は10.0km/L。
いずれも、ハイオク指定。

実燃費はどうでしょうか。

「IS250」:「IS350」
街中 8km/L:7km/L
高速 12km/L:10km/L

 

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ご覧の通り、実際はよほど走らないと大きな差は生まれないと思います。
しかし、13,000円差+燃費の少しの差をお客様は気になさるようで、「IS350」と「IS250」が並んでいたら、ほとんどの方が「IS250」を選ばれます。

しかし、僅かな燃費差と自動車税、ご納得いただける方には断然、「IS350」をお薦めいたします。

V6 3,500ccは生き残る?

2013年-の「IS」にも当初、「IS250」が存在していました。
しかし、ダウンサイジングターボがプレミアムブランドの主流となっていた2016年、「IS300=IS200t」にその座を奪われます(その後も「IS250」は約1年間は4WD車のみ販売継続)。

このようにして、徐々にV6 2,500ccは無くなっていくのではないか?
そう囁かれています。

しかし、V6 3,500ccはガソリンエンジンモデルの上位車種には今後も積まれていくのではないでしょうか?
アメリカではまだまだ大排気量で高出力のエンジンが歓迎されているという信じられない状況(この記事を書いているときにはトランプ大統領)ですので、作らざるを得ないと思います。

カタログ燃費も一応、二桁の10km/Lと表示できますし、自動車税も何とか納得できるレベル。
ちなみに5,000ccの「IS-F」の自動車税は年間88,000円・・・。

“病みつき”になる魅力

2,500ccのV6はエンジンとしての完成形、3,500ccは+工芸品のような魔力すらあります。

静粛性は静かな2,500ccと比較しても、アイドリング~低速~中速~高速、すべての速度域で高められています。

静けさと速さ、そして、力強さもありながら自然に粛々と回るエンジン。
これみよがしに・・・という回転域はわずかにもありません。

下記のエンジン出力比較表をご覧ください。

初代「IS250」
車両重量:1,570kg
エンジン最高出力:158kW[215PS]/6,400r.p.m
エンジン最高トルク:260N.m(26.5kgf-m)/3,800r.p.m

初代「IS350」
車両重量:1,600kg
エンジン最高出力:234kW[318PS]/6,400r.p.m
エンジン最高トルク:380N.m(38.7kgf-m)/4,800r.p.m

「IS250」は日常域での速度に配慮し、3,800回転で最大トルクを発生。
その状態ですら「IS350」のほうがトルクがあるのですから、やはり比較してしまうと・・・という感じです。

車両重量差もわずかに30kg。

「IS350」のフロントに重さを感じることはありません。

ただ、一般道を走りながら回転の変化を聴き、シフトアップ、ダウンを繰り返す楽しみがあるのは「IS250」のほうかも知れません。

「IS350」は、少し遠くでエンジンの囁きがするな、という心地良いサウンドを楽しむ方へ。

また、この初代「IS250/350」のスピードメーター、タコメーターの針の“ブルー” 、実物は、大変、品があり、とても美しいことも書き加えておきます。

実車をご覧になって、内装の質感と、この“ブルー”に惚れて、お買い求めになったお客様も何名かいらっしゃいました。

ある方いわく「ライトセーバーの色だね」。
そうかも知れません。
エピソード4の白っぽいバージョンではなく、最新エピソードの“ブルー”です。
※次ページ内装画像ご参照ください。

次ページは>>>
「なんと初代ISは○○できない」
「【マークレビンソン】の必要性について」です。

購入時の注意点

中古車購入時に気をつけてほしいのがタイヤです。

“タイヤ一発”などの艶出しクリーナーの効果は絶大で、カーセンサーやグーネットに掲載用の写真撮影時にこれを吹かれると全て新品に見えてしまいます。

特に、初代「IS250/350」は要注意。
タイヤローテーションができないため、フロントタイヤが極端に減っているケースが多々あるからです。

※タイヤローテーションとは減りやすい前輪と後輪を入れ替えることです。
右前タイヤが最も減りやすく(ドライバー1名乗車の際の影響+エンジン重量の関係で自動車はフロント側が重い+操舵の際の左右動作の為)、そして左後が減りにくいため“X”字に入れ替えを行なうことで4輪のタイヤ寿命を平均化する作業です。
弊社では5,000km毎のローテーションをお薦めしています。

じつは安定感を出しつつ、旋回性を高めるには、フロントよりリアタイヤの接地面積が大きいほうが有利。

ただ、一般車ではむやみに部品が増え、コストアップに繋がるので、採用されている車種は限られています。
それを採用してしまったのが初代「IS250/350」。

ご購入の際は、フロントタイヤの溝、必ず、チェックしてみてください。
明らかに減っている場合は「タイヤを新品交換してくれるなら買う」と、おっしゃってみてください。

値引きレベルの要求なので、大丈夫だと思います。

 



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【マークレビンソン】は必要か?不必要か?

オーディオ好きの僕でもレクサスの純正スピーカーは相当、レベルが高いと感じます。

初代「IS250/350」は、純正が13スピーカーに対し、【マークレビンソン】は14スピーカー

【マークレビンソン】オプション価格:294,250円・・・。

もちろん、純正と較べて悪いわけではありません。

ただ「IS350」への装着率が意外に高いだけに、中古車を探す際、【マークレビンソン】に拘るお客様がいらっしゃったことがあり、なかなか思うような個体が出てこなかったことがありました。

実際、差を感じるとすれば、外部に漏れるほど大音量で聞きたいときの安定感でしょうか。

とにかく、トヨタ系、特に“レクサス”はスピーカーが高品質なので、純正で充分だと思います。
繰り返しになりますが、純正で13スピーカーです・・・。

ちなみに、2013年-「IS」では純正10スピーカー、【マークレビンソン】15スピーカー。

かなり差別化されています。

6スピーカーと7スピーカー(6+リアウーハー)の差はかなり出ると思いますが、それ以上になると僅かずつしか違いは出ないと思います。

音楽の感性は人それぞれですので、上記はあくまで個人的な感覚ですが、ご参考になれば幸いです。

以下に評価表、当時の新車価格表、諸元表がございます。
よかったらご覧ください。

 

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こちらも名車。
初代「IS250」の試乗記は>>>こちら

電磁石でシートに背中が・・・
驚異の初代「IS-F」の試乗記は>>>こちら

ハイブリッドに3,500cc、2,000ccターボ…
それぞれの特性が違いすぎる30系レポートは>>>こちら

 


○初代20系「IS350」2005年-2013年評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 非常に良い+
運転楽しい度 非常に良い
後席居住性 悪い(狭い)
リセール価値 悪い
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 普通

レクサス初代「IS250/350」5%税込価格表
IS2503,980,000円
IS250(AWD)4,340,000円
IS250"versionT"4,200,000円
IS250"F SPORT"4,500,000円
IS250"versionL"4,530,000円
IS250"versionL"(AWD)4,880,000円
IS3504,960,000円
IS350"versionT"5,080,000円
IS350"F SPORT"5,380,000円
IS350"versionL"5,410,000円

初代「IS350」主要諸元表
全長4,585mm
全幅1,795mm
全高1,430mm
ホイールベース2,730mm
最小回転半径5.1m
車両重量1,600kg
乗車定員5名
エンジン種類V型6気筒DOHC
トランスミッション6 SUPER ECT (6AT)
総排気量3,456cc
エンジン最高出力234kW[318PS]/6,400r.p.m
エンジン最大トルク380N.m(38.7kgf-m)/4,800r.p.m
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
10.15 モード10.0km/L
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