「IS250」GSE20系 2005-2013年

2013年-現行「IS」にはないもの

全然、買い替える気がなかったのに、中古車として入ってきた際、乗ってみたら、どうしても欲しくなってしまった・・・。

それが、このアルテッツァ改め、日本でも「IS」として発売された車でした。

まだまだ、発売間もない頃。
中古車を新車より100万円安いくらいのプライスタグを弊社でも掲げていました。

預金残高を確認すると、希望は儚くも消えたのも今は良い思い出です(と、言いたい)。

その魅力的な「IS」について書く前に、少しだけ先代の話をさせてください。

かつて「アルテッツァ」(1998-2005年)と呼ばれた商品は、開発途中に「ライトスポーツって言ったけど、やっぱりラグジュアリー系でいこうか」というお達しがあり、車重ばかり嵩んでしまった悲しい車でした。

軽快さは“そこそこ”。
ラグジュアリーな乗り心地、内装・・・ではなかったです。

しかし、価格を考えると充分に価値はありました。

ただ、アルテッツァの価格帯で、マツダの初代「アテンザ」が発売されていたわけですから、トヨタにも一貫してライトスポーツでいって欲しかった気がします。

 



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レクサス初代「IS」は、先代アルテッツァの完璧版

レクサスの名を冠した初代「IS」は、あの時代とは、まったく“様相の異なる味つけ”と申し上げても良いでしょう。

わずかに、似ているのは外観くらいです。

価格もアルテッツァの最終モデル、最高グレードで335万円(最廉価は220万円)ですから、おおよそ200万円アップ

「アルテッツァ」の名前のまま新型で出したら、苦情ばかりで全く売れなかったでしょう。

たしかに較べるべくもないステージの商品です。
内装の質感は、ベンチマークと言われる3シリーズ含め、欧州勢に肩を並べるどころか上をいくレベル。
走りもレクサス独自のものを明示していました。

“ラグジュアリー”と“スポーツ”・・・相反するポイントさえ、簡単に共存させてしまう日本ならではの技術の結晶でした。

次世代の「IS」、2013年-現行モデルに乗った後でも、それを感じるのはどういうことでしょうか。
2013年-現行「IS」もまた、非常にレベルの高い商品です。

ただ、独自の乗り味と申しましょうか、 数分間、試乗しただけで「ほしい!」と、車ファンを唸らせるだけの訴求力は、初代「IS」のほうが強かったと思います。

>>>次ページは
「IS250/350の2択で悩んだお客様続出?」です。

IS250だけを試乗すれば問題なし

試乗するにはコツがあります。

車格でいうと低いほうの商品、価格が安いほうの商品を先に試乗することです。

一般的な試乗コースでは「小回りが利くなあ」とか「峠道も余裕そうなハンドリングだね」という所謂、車格が低いほうの商品が持ち合わせている特性を感じにくいくせに、高価格帯の商品の特徴である“静粛性”、“居住性”、“内装の質感”、“エンジンの出力やトルク”の差は瞬時に判別できるからです。

このへん、ディーラーの営業マンも分かっておりまして「このお客様は、高いほうを買ってくれそうだな」と思えば、「とりあえず高い方のIS350から乗ってみます?」と言う、けしからん奴(?)もいました。

「IS350」と比較試乗しなければ、何も問題はないわけです。

もちろん「IS250」は、すばらしい車です。

2,500ccのトヨタV6エンジンは出色の出来映えですから、選んでおいて間違いはありません。吹き上がりは軽く、高回転域まで澱みなく回ります。

180系「ゼロクラウン」時代の低回転域の雑味も、すっかり払拭されています。

ステアリングは2013年-「IS」よりは確実に重いです。
ただ、重すぎるから嫌だ、と減点を与える人はいらっしゃらないのではないでしょうか。

適度に路面の情報が伝わってくるし、本当に素直に曲がってくれる優秀なものです。

特徴は最初、切り込んでいくほんの”数度”のレベルで遊びがある点でしょうか。

2013年-現行「IS」のステアリングは軽く、そして、遊びはかなり少なめです。
とにかく“キレ”をお求めになる方は2005年-2013年初代「IS」のステアリングに“無駄がある”と感じるでしょう。

逆に、普通に一般道を直進したい方は“2005-2013年 初代「IS」のほうが安定している”とお感じになるでしょう。

2005年発売当初モデルは要注意

「IS」が登場したのは2005年8月レクサス開業から1ヶ月遅れの9月。
注意してほしいのは、2005年9月~2006年11月までに生産されたモデルです。

何も故障が多いとか、そういう話ではありません。

サスペンションが相当、硬いのです。

後に発売された「IS-F」並みに硬く感じるのではないでしょうか。
とにかく、硬めが好き。
BMWより硬いのが好き、くらいの方はいいかもしれません。

そこまで拘りのない方は、2006年11月以降、いわゆる2007年モデル~をお選びになったほうが賢明といえるでしょう。

乗り心地は“しっとり”し、いかなる段差も丸みを帯びた柔らかいものに変わります。

ハンドルの手ごたえも必要充分、直進安定性は高く、幅が1,795mmですから、小回り(2WDの最小回転半径は5.1m)も利きます。

内装も立体感を強調するわけではなく、シンプルで質感は極めて高いです。

間違いなく名車と呼べる商品でした。

中古車で付いていると嬉しいオプション

中古車をお探しの際は<プリクラッシュ・セーフティ・システム>搭載の個体が狙い目。

<レクサス・セーフティ+>ほどの実力ではないものの、少なくとも追突事故にはアラーム、時速15km~30kmなら自動ブレーキ作動で対応してくれます。

下に初代「IS250」の評価表、当時の価格表・諸元表もございますので、よかったらご覧ください。

 

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○関連記事ご紹介

魔性「IS350」の試乗記は
>>>こちら

2代目(現行)「IS200t改めIS300」の試乗記は
>>>こちら


○レクサス初代「IS250」2005年-2013年評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 非常に良い
運転楽しい度 非常に良い
後席居住性 悪い(狭い)
リセール価値 良い
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 普通

レクサス初代「IS250/350」5%税込価格表
IS2503,980,000円
IS250(AWD)4,340,000円
IS250"versionT"4,200,000円
IS250"F SPORT"4,500,000円
IS250"versionL"4,530,000円
IS250"versionL"(AWD)4,880,000円
IS3504,960,000円
IS350"versionT"5,080,000円
IS350"F SPORT"5,380,000円
IS350"versionL"5,410,000円

初代「IS250」主要諸元表
全長4,585mm
全幅1,795mm
全高1,430mm
ホイールベース2,730mm
最小回転半径5.1m
車両重量1,570kg
乗車定員5名
エンジン種類V型6気筒DOHC
トランスミッション6 SUPER ECT (6AT)
総排気量2,499cc
エンジン最高出力158kW[215PS]/6,400r.p.m
エンジン最大トルク260N.m(26.5kgf-m)/3,800r.p.m
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
10.15 モード12.2km/L
arukidapon:
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