激変したMC「マークX」
2016年11月、2度目のビッグマイナーチェンジが行なわれた「マークX」。
グレードにより乗り味が、かなり違うので、今回は主に「250S/250G」についてお知らせします。
マイナーチェンジ前の「マークX」は>>>こちら
この2代目「マークX」2009年10月に発売された商品なので、近年にしては随分と息の長いモデルとなりました。
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2012年に1回目のMC(マイナーチェンジ)があった時も「乗り心地が良くなったなあ」と、感心したものでしたが、正直、まだ全ての面でクラウン・アスリートに及んでおらず、
価格差が約1,000,000円と考えると、無理もないか、という心境でした。
しかし、今回のMCで話は変わりました。
さらなる静粛性の向上に加え、この上なく”しっとり”仕上がっています。道路の凹凸を越えた後の車の振動が一回で綺麗に収まります。
普通、サスペンションを硬くすれば、振動の収まりは良くなりますが、その代わり、振動そのものは硬く強く、乗員の腰に伝わります。試乗では「きびきび動いて、いい車だった」と感じて、購入してみたら硬すぎた、というのはよくある例です。
この「マークX」は全く違います。
“ボディ剛性は高く、足はしなやかに動く”。
欧州車を褒めるときに使われそうな表現ですが、この車は正にそんな素晴らしさです。
クラウンアスリート 2,000ccターボの車両重量1,630kgに対し、マークX 2,500ccは1,520kg。
最高出力こそクラウンアスリートが勝りますが、やはり110kgも軽いマークXの軽快感もまた、魅力的です。
クラウンアスリート 2,000ccターボをご検討の方は是非、マークXの試乗もしていただくことをお薦めします。
クラウンアスリートの試乗記は>>>こちら
今回の「マークX」は、ハンドリングの出来も秀逸+α。
もっとも、これは2009年の時点で素晴らしかったので特段進化を感じたわけではありませんが、ハンドリングの出来映えに他の全てが揃ってきたという印象です。
軽いタッチですが、フィーリングは細かい、そんなステアリングです。
ドライバー目線で購入するなら「RDS」がお薦め
最上級仕様の「RDS」18inchホイールが標準なので、乗り味はソリッドにはなりますが、決して不快なレベルではありません。
<アルカンターラ+合成皮革>のシートも「RDS」でしか選べません(RDSの標準仕様)。
ファブリックと違い、適度な固さとホールド感がある点が好印象でした。
あと、フロントバンパーモール(フロント下の左右にある角のような部分)に高級感のあるダークメッキが奢られるのが「RDS」だけなのも、選びたくなる理由です。
一つグレードを下げて“Sグレード”にするとなぜかピアノブラックしか選べないのは、どうしたことか・・・。
このモール、デザイン面での主張が大きいので、ここがブラックになると淡い色合いのボディや、ホワイト系ボディとの兼ね合いがどうかな、と思ったりはします。
おそらく大半のご購入者が選択するであろう、“Sグレード”のモールが‘ピアノブラック’というのはいただけないです。
さらにグレードを下げて“Sグレード”にすれば、多少、高級感は失われますが’クロームメッキ’になります。
弱点といえば
・ナビが7inchサイズしか収まらない。
・センターコンソールのデジタル(時計やエアコン温度表示)が単色表示
・スピーカーは最大でも6スピーカー
・アイドリングストップ機能すら付かない。燃費が悪い(2,500ccで街中7km/L程度)。
など、主に旧さによるもの。
しかし、車自体の熟成度合いからしたら愛着すら感じられるのは僕だけではないはず。
内装については、シートの色合いも良くなり、樹脂も初期に比べると質感が上がっています。
全体の雰囲気は充分、価格相応と言えるでしょう。
ちなみに、このマークXがモデル末期を迎えている2017年、クラウンアスリートは”8AT”を採用しています。“6AT”が登場したときは
『これ以上、多段化は必要ないんじゃないか?』
と、思ったものですが、いざ”8AT”に乗ってみると、やはり、それは“6AT”の上をいくスムースさを、特に高速走行時に実現しているのを認めざるを得ません。
ただ、それが「マークX」の‘運転する楽しさ’を削ぐような点でないのは確かです。
次ページは>>>
「次期型消滅」「新車値引き情報」です。
マークXに次期型はあるのか?
”マークX”に未来はあるのでしょうか?
個人的には継続してほしいのは、もちろんですが月販台数が500台前後と振るわないのは懸念材料です。
1990年にあの「カローラ」をも抜き去り月販台数で1位に躍り出たこともある前身「マークⅡ」の時代は遠い過去・・・。
クラウン210系はモデル末期に差し掛かってもハイブリッド2000台・ガソリン800台あたりをキープしたことを考えると消滅の可能性も無きしもあらず、という気がします。
正直、ハイブリッド専用モデル「sai=サイ」は発売直後からいまいち売れなかったので、この「マークX」に統合されて、名前は消え行く運命かな、と思っておりました。
まさか「マークX」の次期型の存在すら危ういとは露知らず・・・。
実は、「camry=カムリ」のトヨペットでの販売が決定したことは「マークX」終了のお知らせと捉える向きがあるのです。
もちろん、トヨタカローラは引き続き「カムリ」を販売、さらに、ネッツトヨタでの販売もされています。
トヨペットは、4系列あるトヨタディーラーの中で「マークX」の専売権を持っています。
トヨタカローラは「カムリ」の専売権を持っていました。
「マークX」の次期型があるとすれば、トヨペットだけが扱う車種が増えるのでしょうか?
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モデル末期にも拘わらず <Toyota Safety Sense P>を標準装備にしたことは、それでも次期型への期待を持たせます。
「sai=サイ」にはオプション設定すら行なわれないままです。
※追記:「サイ」は2017年11月15日生産終了
「sai」もまた、独特の乗り味を提供してくれた希少な車種なので、何とかしてほしいですが、トヨタ4系列で販売しているにもかかわらず、月販台数が500台前後のマークXを約20%も下回っているため消滅の可能性は否定できない状況です。
レクサスの「CT200h」のようなスタイルで復活したら売れると思うのですが・・・。
そういう「マークX」も‘うかうか’していられません。
2016年、モデル末期の「マークX」に大幅なマイナーチェンジを加えたことはメーカーの存続に対する意欲だと捉えていいと思います。
次期型は、開発はされていないものの協議中といったところでしょう。
いわゆる普通の収入の方々の手が届く“V6エンジン+FRのセダン”「markX=マークX」。
トヨタには是非とも頑張って残してもらいたいものです。
おそらくは最後のビッグマイナーチェンジが行なわれた現行モデル、最高の出来映えです。
2018年「マークX」値引き情報
ハイブリッド車ではないため、リセールバリューは他のトヨタ車よりやや低め。
対抗はスバル「レガシィB4」・ マツダ「アテンザ」です。
他の系列のトヨタ店で「sai=サイ」の値引きが凄かったんですが・・・と伝えるのも効果があると思います。
「マークX」だけ買いに来ました!と覚られないのがコツです。
弊社ではRDSグレード、車両本体価格からの値引き220,000円+オプションから150,000円というのが限界値引きです。
Gグレード、Sグレードなら合計300,000円を目指してみてください。
下に2018年版の価格表・諸元表もございます。よかったら、ご参照ください。
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○関連記事ご紹介
「RDS」グレードについては
>>>こちら
○130系「マークX」250G/250S 評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫
総合評価 | 非常に良い |
運転楽しい度 | 非常に良い |
後席居住性 | 良い |
リセール価値 | 普通 |
故障のしにくさ | 非常に良い |
部品の安さ | 良い |
2017年130系「マークX」税込価格表 |
|
---|---|
250G"F package" | 2,656,800円 |
250G Four "F package" | 2,901,960円 |
250G | 2,916,000円 |
250G Four | 3,161,160円 |
250S | 3,207,600円 |
250S Four | 3,452,760円 |
250 RDS | 3,434,400円 |
350 RDS | 3,850,200円 |
130系「マークX」2,500cc 3,500cc 主要諸元比較表 |
|
---|---|
全長 | 4,770mm |
全幅 | 1,795mm |
全高 | 1,435mm |
ホイールベース | 2,850mm |
車両重量(2,500cc) | 1,510kg~1,570kg |
車両重量(3,500cc) | 1,560kg |
エンジン | V型6気筒 DOHC |
トランスミッション | <6 Super ECT > |
最高出力(2,500cc) | |
最高出力(3,500cc) | |
最大トルク(2,500cc) | 243N.m(24.8kgf-m)/4,800r.p.m |
最大トルク(3,500cc) | 380N.m(38.7kgf-m)/4,800r.p.m |
乗車定員 | 5名 |
最小回転半径 | 5.2m~5.4m |
使用燃料(2,500cc) | 2,500cc |
使用燃料(3,500cc) | 3,500cc |
JC08モード(2,500cc) | 10,6km~11.8km/L |
JC08モード(3,500cc) | 10,0km/L |