「Cクラス C220d」4代目 W205 2014年-現行

革命的な変貌

登場したのは2014年。

キャッチコピーは 『メルセデスの本気』。

当時、サッカー日本代表の本田圭佑選手を起用したのもトピックでした。

煙の中から登場する「C-class」と、それと対峙するように、じっと迎える本田選手。

高級感と、挑戦的な雰囲気が出ていて印象的なCMでした。

じつは本田選手、この直後にトヨタ「オーリス」がハイブリッド導入した折のCMにも出演していました。
同時に放映されていたわけではないのでOKということなのでしょうが・・・。

俳優の渡辺謙さんが日産「スカイライン」に起用された数年後に、スズキのコマーシャルに出ていたのも妙な感じでした。

渡辺謙、当時はわりと良いイメージがあった俳優さんでしたね。

 



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このW205「Cクラス」、はっきりとW213「Eクラス」よりも優れている、と裁定した自動車評論家も多くいらしたので、果たしてどうなのか、期待は膨らむばかりでした。

が。弊社がなかなか買い取らせていただけない・・・(欧州車は新車で入荷した試しなし)。

まあ、ウチは国産がメインなので買い取ってもオークションに流すケースもあり、高値が付けられなかったのもあります。

期待が大きくなる理由はもう一つありました。

それは先代にあたる3代目W204「Cクラス」の後期のレベルが非常に高かったことです。

2007年に発売された当初、Dセグメントでは頭一つ抜けているのではないか、と思うほど安定感のある走りを提供していました。

それが2011年に何と2,000箇所に及ぶ改良を経て、マイナーチェンジ。

どこがどう変わったのか、というよりも、さらに一つ上のレベルに引き上げられた感のあるMCでした。

個人的には満点を付けても良い仕上がりに感じましたが、BMW「3シリーズ」好きの整備士によれば、
『ハンドリングがまだまだ』
とのこと。

シビアな切れ味こそが‘良い’という価値観もあるので、そこは否定しません。

しかし、日常走行時においての直進安定性はもちろん、ハンドルの応答性までメルセデスに高められたのでは、他の欧州メーカー、特に似たベクトル上に存在するアウディは3代目W204「Cクラス」に焦ったのではないでしょうか?

メルセデスベンツ独特の‘しっとり感’に加え、この頃から標榜する<アジリティ=機敏さ、敏捷さ>を見事に体現していたのは見事でした。

W204よりW205は優れているのか?

さきほど、価値観と申し上げたとおり、僕はW204に満点を付けた人間なので、それをアップデートする方向ではなく、変化を求めたフルモデルチェンジ、四代目の「C」W205に対してさほど高評価はできないだろうな、とは思っていました。

エクステリアがW222「Sクラス」の近似値に纏めてきたことから何か相容れないものもありましたし・・・。

「Sクラス」と勘違いされると素晴らしいわけでもないでしょうに。

あと、ドアの開閉音が軽くなったことも少なからずショックでした。
これはアルミ製になったことによる変化ですが、あの‘ド’と重い音と共に乗り込むと、

『ああ、これが欧州メルセデスだ』

と、優越感を覚えてしまうタチでしたので、どうしても盛り上がりません。

しかし、インテリアのさらなる質感の向上は間違いなく、ご購入検討中の方々の心に響くのではないでしょうか?

W204の内装が安物っぽいとまでは言いませんが、国産車で同価格帯の商品と比較すると劣っていたのは否めなかったので、これは嬉しい変貌です。
走りもまたW204とは別物です。

次ページは>>>
「走りでCクラスは3シリーズに勝てるのか?」です。



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走りはどうなのか?

目指したのは<アジリティ&インテリジェンス>だそう。

インテリジェンスとは知性、おそらく主に半自動運転を指すかと思われますが、走らせてみても何かそういう雰囲気はあります。

W204「C」が工芸品なら、W205は知性を持ちかけた機械とでも申しましょうか。

運転席でステアリングを握っているのは確かに自分自身ですが、常に車自身も様子を窺っているような気がします。

これは半自動運転機能が付いていることを知っているゆえの錯覚でもありますが、ステアリング応答性、ボディ剛性、加減速のレベルなど、すべての細かい動きが正確にコントロールされているからこそ生まれる感覚だと思います。

それだけ、イメージ通りに(イメージよりも)カーブを曲がれるのです。

ブレーキを踏んだなら、漠然とあのへんに止まりたいな、と思えばなぜかピンポイントで停止線付近で徐行スピードにまで落ちていることもしばしば。

『あれ?』

僕はここまで運転はうまくないのにな・・・なんて違和感を覚えるほどです。

不満があるとすれば、そこに‘わずか’ながら不自然さを伴う点でしょうか。

W204までの自らがステアリングを握っているのだという確固たる自信がない、というか・・・。

いや。大げさだったかもしれません。

まあ、‘近未来を彷彿とさせる’よりも‘クラシックな味わい’こそ評価の対象であるならW204のほうが・・・という話。

僕が単にW204が好みなのでしょう。

それだけ‘別物’ということだけは知っておいていただければ。

数値上、W204よりもW205のほうが、多くの点で優れているのは間違いありません。

残念ながら220dは‘買い’ではない

メルセデス「Eクラス」で他の営業も書いているとおり、欧州車のディーゼルが安価なマツダディーゼルを凌駕している点は現状、見当たりません。

ライバルのBMWディーゼルには、振動の少なさ、静粛性で上回っているのではないか、とは思います。

この「220d」、不正問題の後も普通にラインアップされていますが、果たして本当に諸元表の出力・トルクを維持したまま修正できたのでしょうか?

これだけ短期間で改良できるなら、長きに渡って不正を働いていたのはなんだったのでしょうか?

諸々、疑念も残ることも含め、「C220d」は‘買い’には値しないと考えます。

あと、ディーラーの営業マンにとっても、この不正の件は死活問題なので、あえて話を振っても、

『日本仕様と欧州仕様は違いますので』
とか、
『結局、何も問題なかったということで販売させていただいております』
と、かなり適当なことを言いますので、そこはお気を付けください。

 

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○関連記事ご紹介

「180」か「200」か?
「350e」か?
いや。上の二つが‘買い’です。
レビューは
>>>こちら

 

最大のライバルといえば、
やはり「320d」。レビューは
>>>こちら

 

「Eクラス」のディーゼルも・・・。
では、「E」のお薦めは?
試乗記は
>>>こちら

 

○メルセデスベンツ「C220d」評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

価格対評価 普通
運転楽しい度 普通
後席居住性 悪い
リセール価値 普通
故障のしにくさ 普通
部品の安さ 悪い

ベンツ「Cクラス」4th W205セダン 税込価格表
C1804,410,000円
C180 ローレウスエディション4,980,000円
C200 アバンギャルド5,300,000円
C200 4マチックアバンギャルド5,560,000円
C200 アバンギャルドAMGライン5,664,000円
C200 4マチックアバンギャルドAMGライン5,924,000円
C250スポーツ6,700,000円
C350e アバンギャルド7,260,000円
C220d アバンギャルド 5,500,000円
C220d ローレイウスエディション5,750,000円
C220d アバンギャルド AMGライン5,864,000円

ベンツ「C220d」4th W205 主要諸元表
全長4,690mm-4,715mm
全幅1,810mm
全高1,430mm-1,435mm
ホイールベース2,840mm
最小回転半径5.1m
車両重量1,650kg-1,690kg
乗車定員5名
エンジン種類ディーゼル直列4気筒DOHCICターボ
トランスミッション9AT
総排気量2,142cc
エンジン最高出力125kW[170PS]/3,000-4,200r.p.m
エンジン最大トルク400N.m(40.8kgf-m)/1,400-2,800r.p.m
使用燃料軽油
JC08モード20.3km/L
arukidapon:
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