VW「ゴルフ7」 2013年~現行 試乗記

車としては素晴らしいのに

2015年の排ガス規制問題以降、ウチの店舗でも売れゆきが悪くなっているフォルクスワーゲン全般。
それでも、このゴルフと、ビートルだけは他のモデルよりは出ています。
今回は、その「ゴルフ7」の試乗記です。

いつかのお客様が「ゴルフって新型買っても中古みたいだし、中古買っても新型みたい」と、おっしゃいまして、結局、中古をお買い求めになられたという記憶があります。

それくらい外観については、近年、変わり映えのしないものとなっています。
6と7の見分け方なんてヘッドライトの下部のラインくらいではないでしょうか?
日本車がそんなフルモデルチェンジをしようものなら非難轟々ですが、そんな超キープコンセプトが許されてしまう車種が、このゴルフでした。

残念ながら“過去形”なのは、やはり排ガス規制問題によるブランド力の失墜です。
あれだけの不正を組織ぐるみで行なっていたというのは遺憾でなりません。
少なくとも、2016年現在、フォルクスワーゲンのリセール価値は相当に落ち込んでいます。

ただ、購入した後で不満が出てきた・・・という点は非常に少ないお車ですので、気に入った!という方は買って損はない、商品です。

さて、購入するとしたら、1,200ccと1,400cc、どっちにしようか、迷われている方、多いです。
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迷われているのであれば、僕は1,200ccを推薦します。

もちろん、坂道や高速道路での中間加速など1,400ccは+200ccなりのアドバンテージがあります。
年額34,500円という自動車税も同じ、実燃費も共に~18km/L、部品代もほぼ同一ですので、車両価格の約700,000円というのを余裕を持って出せる方にはもちろん、1,400ccのほうがいいです。
しかし、700,000円って差ほどあるのかっていうと・・・。
それほど、1,200ccの完成度、高いのです。

内装の質感はクラス相応でしょうか。
あまり評論家は書きませんけど、個体差もあり、建てつけはそんなに良くないです。
レクサスCT200hに内装では劣るのは否めません。ただ、オーリスあたりをライバルとするなら内装だけなら五分と五分。好みで選んでいただけたら、と思います。
スイッチ類の並びや、小さなナビ画面は若干の野暮ったさはあるのはご愛嬌。
荷室は特に工夫もなく、決して広くはありません。

購入お考えの方、必ず、荷室の大きさチェック、お願いいたします。

営業マンが「仕切りを取ると、結構、積めるんです」と、言いますが、そこは余り信用できません。
「その仕切りより上に荷物積んだら、後ろ見えなくならないの?」と聞いてみましょう。
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シートは、やや硬めながら、ドライバーの身長を選ばない上々の出来。
この硬さを演出するのが難しいようで、なかなか、他社ではお目に掛かれないレベルだと思います。
特に高身長の男性でも、すんなりシートポジションが取れるあたり、さすがは欧州車。
硬めのシートから想像した通り、BMWほどではないものの、走りも硬いです。
正直、40km/h~50km/hまでは、この車の良さは余り味わえません。

硬いです。

いわゆる欧州車のコツコツがあります。助手席だと、さらにそれが顕著です・・・。

けれども、やはり高速道路での安定感は素晴らしい!
なんでしょうか。この疲れない感じ。
ひとつ上のセグメントの安心感が確実にあります。

次ページは>>> 「これまでお預かりしたゴルフ7の故障箇所」です。

故障は欧州車の中でも、少ないほう

欧州車、というか外国車は国産車とは比べると、間違いなく故障が多いです。
その中にあって、このゴルフは故障は少ないほうだと思います。
これまで修理でお預かりしたゴルフ7は全て電気系統だったので。
サイドミラー開閉不良、サイドガラス開閉不良、計器盤表示不良、などです。

上記の修理くらいなら数万円~100,000円で済むので、外国車なら許容範囲内でしょうか。
欧州車は、とにかく初期不良(営業マンに聞くと「ドイツとの気候の違いですかね」と言葉を濁します)が多く、しかも同じ箇所が何回も・・・なんてことはザラなので気をつけましょう。

あと、故障ではありませんがスイッチ類の表面劣化と申しましょうか、コーティングが剥がれてくるという症状はあります。その際、スイッチだけでなく、嵌め込んでいる樹脂ごとの交換になるので、これまた数万円掛かります。

国産車と違い、そういう劣化すら愛せる方がオーナーになっているのでしょう。

新車でご購入の場合、延長保証は「すこし高額かな?」とお思いになっても、加入しておくことを強く、お薦めいたします。
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安全性能は必要十分です。
新型パサートに備わる後方支援はありませんが、自動車事故の約40%を占める追突事故はカバーしてくれます。
けれども、最後にブレーキ踏まないと“コン”と軽く追突してしまいますよ、っていう結局は運転者に委ねる考え方ってどうなんでしょうか?
たしかBMWもそんな考え方です。

ちなみに最小半径5.2mというのはよく聞く数字ですが、それ以上の取り回しの良さです。
あの形を頑なに守っているのは、こういうものを失いたくないからなのかも知れません。

既存のユーザーが安心して乗りかえられる車。
それがゴルフなのでしょう。

○点数表(5点満点)

総合評価 4.0点
リセール価値 2.3点
故障のしにくさ 2.5点
部品の安さ 2点


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価格表
TSI Trendline 1,197cc2,499,000円
TSI Comfortline 1,197cc2,809,000円
TSI Highline 1,394cc3,289,000円
GTI 1,984cc3,899,000円~
R 1,984cc5,399,000円~

○諸元概要表
全長4265mm 全幅1800mm 全高1460mm
エンジン:直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ
JC08モード:19.9km(1394cc),21km(1197cc)
arukidapon: