新型 「NSX」2代目 2017年~ 試乗記 後編

新型NSXのブレーキフィーリングが、すごい

「超一流だと評するには、数多くの超一流に触れる必要がある」と昔の偉い人が言ったらしいですが、それは嘘だったのかも知れません。

新型NSXのブレーキは、一踏みすれば「ああ。これが一級品の感触なんだ」と、分かります。

なにも分かった僕が凄いわけではありません。
一流シェフの料理を「美味しい」と言っているだけに過ぎないのです。
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どこそこのカーボンブレーキを使っていて、何とかにこだわっていて・・・そんな薀蓄(うんちく)は聞きたくもなりません。

僕は180km/h(ただしアメリカのサーキットを一周のみ。並行車無し)までしか出せませんでしたが、このあたりの速度域は新型NSXにとっては余裕。
急ブレーキでも、普通に止まります。
制動距離は短いがテールがふらついたりするようなこともないです。
何事もなかったかのように。

何これ?聞いたことない感じ。
それを刺激と感じなければ、退屈な車と思うのかも知れません。

昔、トヨタ・センチュリーのブレーキ踏んだとき感動したのを覚えていますが、あの時とはもちろん異種の興奮です。センチュリーのは「どんなに荒っぽく踏んでも、ショックはありませんので」と、言われている感じ。

NSXのは「180km/hあたりの低速からの急ブレーキなんで余裕です」と、言われているかのようなブレーキングなのです。
悪く言えば、ちょっと小莫迦にされているような。

いつから、NSX、そんな性格になったのか?こっちが聞きたいくらいですがモード操作したのは自分なわけで・・・。
ちなみに、ブレーキについてのご報告は、『スポーツモード』の上、『スポーツプラスモード』での話。
このへんが僕の限界でした。
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エンジン音も、とても綺麗。
ランボルギーニのような野獣音とは異質のものです。
完全にコントロールされた回転数を聞かせてくれます。まるで電気的とでも申し上げましょうか。本当に研ぎ澄まされたエンジンです。
各ギアに適当なところがないのは日本車らしくて僕は大好きですが、不安を掻き立てるような音質が「艶がない」と言う人も出てくると思います。

音質は低速域から、やや高めの音なので、ゆっくり流しても楽しいのはそのせいもあるのでしょう。
>>>次ページは「ただ恐ろしいトラックモード」

『トラックモード』は“押してはダメ 危険”

そう書いて誘惑しているかのようです。
いや。せっかくの機会だし、押してみたい気持ちにはなりますよね、普通。
それにしても、ここまで激変するとは思わなかったです。

・・・情けない話ですが、『スポーツプラスモード』が僕には精一杯でした。
『トラックモード』だと車の挙動がおかしくなり、コントロールできず、むしろ低速走行で帰還。
あえなく試乗終了です。



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同席していた、かなり運転の上手な人間によれば、
「これは、直哉さんじゃなくても厳しいっすよ」
「でも凄いですね、新型NSX。今、一番、欲しいです」
「難を言えば、タイヤがちょっと柔らかいのと、モーターの分、重いんで横Gが・・・
とのこと。

ただ、速いことは速いので、これまでの車とは違うハンドリングをすれば、感じ方も変わってくるのでは?とも申しておりました。

重さに関しては、以下をご参照ください。

2代目NSX 3,492cc+モーター1,780kg
GT-R3,799cc 1,760kg
アヴェンタドール6,498cc 1,575kg
フェラーリ4883,902cc 1,370kg


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アメリカ、オハイオ州での一日あたりの生産台数、たったの7台・・・。
ディーラーには並ばないかも知れませんが、近いうちにどこかで見る機会があると思います。買えなくても、出会えたら嬉しい車、それがNSXであり続けてほしいです。

○点数表(5点満点)○

総合評価 4.9点
リセール価値 4.8点
故障のしにくさ ???
部品の安さ 1.5点

○2代目NSX 主要諸元表及び価格
全長×全幅×全高=4,490mm×1,940mm×1,215mm
ホイールベース=2,630mm
駆動方式=4WD
車両重量=1780kg
エンジン=3,492cc 水冷V型6気筒 DOHC直噴ツインターボ
最高出力=373kW(507ps)/6,500-7,500rpm
最大トルク=550Nm(56.1kg-m)/2,000-6,000rpm
トランスミッション=9速AT+パドルシフト
フロントモーター最高出力=27kW(37ps)/4,000rpm
フロントモーター最大トルク=73Nm(7.4kg-m)/0-2,000rpm×2基
リアモーター最高出力=35kW(48ps)/3,000rpm
リアモーター最大トルク=148Nm(15.1kg-m)/500-2000rpm×1基
システム最高出力=427kW(581ps)
システム最大トルク:646Nm(65.9kg-m)
動力用主電池:リチウムイオン電池
JC08モード燃費=12.4km/L
使用燃料=無鉛プレミアムガソリン
サスペンション前=ダブルウィッシュボーン式
サスペンション後=ウィッシュボーン式
タイヤサイズ前=245/35ZR19
タイヤサイズ後=305/30ZR20
車両本体価格=23,700,000円

arukidapon: