新型NSXに<ホンダセンシング>が設定されないのはなぜ?予算不足?

スーパースポーツなのに衝突軽減(自動)ブレーキが設定されないのはなぜ?

ふと疑問に感じたことはないでしょうか?
超高級車であるスーパースポーツに案外、衝突軽減ブレーキが設定されていないのは、なぜなのか?と。

特に2017年発売のNSXに<ホンダ・センシング>が搭載されないことに違和感を覚えた方も多いはず。
かくいう僕もそうでした。

「やはりスピードを追求した車なので、きっと重量増を嫌ったのだろう」
なんとなく、そう結論づけていましたが・・・。
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ところが、メーカーのコメントを見て重量増が理由ではないことを知り、驚きました。
「2代目NSXは低すぎるのです」

全高1,215mm、最低地上高110mmは確かに低いですが、衝突軽減ブレーキと、どういう因果関係があるのでしょうか?

ホンダの採用する衝突軽減ブレーキシステム<ホンダ・センシング>はミリ派レーダーと単眼カメラを合わせたものです。
答えは、レーダーにありました。

「ミリ派レーダーは車体の極めて低い位置に取り付けるため、最低地上高が低いスーパースポーツ“NSX”に取り付けるのは非常に難しい」とのこと。
つまり、先行車の下をミリ派レーダーがすり抜けてしまう恐れがあるのです。

元々、ミリ派レーダーセンサーは大量生産される車両をベースに角度や周波数を設定し、各車両ごとに調整を行なうため、NSXのような極端に形状の異なる車両に搭載するならば一から設定し直さなくてはなりません。予算も時間も掛かります。

車高が低いのも衝突軽減ブレーキにとって不利。
カメラはフロントガラスの高い位置に付けるからです。

これらの難関を突破するのには莫大なコストが掛かる上に、レジェンド、アコード、ステップワゴン、オデッセイe.t.c…に劣る能力しか発揮できなければ、非難はされど「それでもよくやってくれた」と、労いの声など期待できない上に、予算を上乗せしたぶんの売り上げ増もまた期待薄でしょう。

上記の理由が重なり、衝突軽減ブレーキ<ホンダ・センシング>の採用は見送られた、とのこと。

衝突軽減ブレーキが設定されている意外なクルマとは?

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難関を乗り越えて搭載にこぎつけているのが、全高1,290mmの<メルセデス AMG GT>。
その他のメルセデスに搭載される衝突軽減ブレーキの半分近くにまで能力は落ちるそうですが『搭載した』という英断には拍手を送りたいです。

日産GT-Rは比較的車高が高い(1,370mm)のに、2017年モデルへの搭載も無し。
「GT-Rの特性上・・・」と、メーカーは言葉を濁しますが、日産は先行車の下をレーダーがすり抜けて先々行車両を検知する技術を持っているので、是非、2018年モデルには衝突軽減ブレーキの搭載を検討してほしいものです。