「5シリーズ 523i」G30/G31/G32型(さおり著)

523iに漂う品。523iのほうが私は好き

F10(先代モデル)の中古車は、どちらかというと523dのほうが弊社では多く扱ってきたでしょうか。
弊社は正規ディーラーではないので、扱うのは中古車のみですが、F10は結構、人気者でして入れ替わり立ち替わり・・・という感じで入庫したら、売れてくれます。

高級車なだけに、ほんの2年、3年も経つと値下がり幅が大きくて、欲しかった方には手が届くから、というのはあるのでしょう。

5シリーズだったら、2年落ちを半額で捌いているお店もよくあります。

でもでも・・・ここだけの話ですけど、外国車の中古車狙いの方はぜーったい認定中古車を買ってくださいね^  ^。
個体差が大きく、故障持ちの商品は次から次に故障するので、長期保証が付いていないものを選ぶのは・・・。

弊社でもトラブル、耐えません。
「ヘッドランプ新品なんじゃないの?右だけ光らなくなったんだけど」
みたいな電気系から、
「まだ35,000kmでエンジンマウントの交換っておかしくないか?」
というエンジン不調まで、まあ、いろいろなんです。

外国車はそういうところも愛していかないと、とはよく言われますよね^^。

 



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さて、523iです。
日本では523iは、認可が下りるのに時間が掛かって先に発売されたのは「523d」

523dをディーラーでご覧になって、ガソリンのほうをどーしても欲しいと、おっしゃるお客様がいらっしゃいまして、本国から取り寄せてくれ、と頼まれた希少な一台なので、「523i」はよく覚えています。

エンジンは先代後期から継いだ直列4気筒ターボ

最高出力こそ先代F10と同値ですが、最高トルクは290馬力なので20馬力アップしています。
290馬力というと、かつてのトヨタ「セルシオ」の280馬力を上回るわけですね・・・。

でも、523iは1,998cc、セルシオは4,300ccなわけで、パワー感は走ってみたら、だいぶ違います。15年落ちのセルシオのほうが随分、余裕あります。

でも、523iは4気筒のわりには、すごく静かなんです。

1,998ccで1,700kgの車両重量+αを引っ張るわけですが、じつに頼もしいです。
ほんと街中では何の不満もありません。
静粛性、先代より確実にアップしています。

>>>次ページは
「BMWアクティブステアリング体感♪」
「値引き情報」です。

「5シリーズ 523d」7th G30/G31/G32型

このBMW 5シリーズ、キープコンセプトと言われるが・・・

先代がエレガントなら、G30は若干ワイルドにも見えます。厚みのあるヘッドランプがそう感じさせるのかも知れません。特徴があるという意味では間違いなくG30のほうでしょう。

 実車を前にして、まず、感じたのは先代にも増して堂々とした雰囲気を醸しだしていること。7シリーズのプラットフォームを使用していると聞いてはいたものの、その大きさには驚きました。

F10(先代)5シリーズ
全長:4.915mm 全幅:1,860mm 全高:1,475mm
ホイールベース:2,970mm

G30/5シリーズ
全長:4.945mm 全幅:1,870mm 全高:1,480mm
ホイールベース:2,975mm

「ミッションインポッシブル:フォールアウト」
特別仕様車については>>>こちら

 

どこの試乗記にも「わずかに大きくなっているが・・・」と簡単な一言が添えられているだけですが、全幅の1cmは立体駐車場を利用している方にとっては大きな問題ではないでしょうか?

先代5シリーズは実際には1,855mmでしたので、横幅1,850mm制限の立体駐車場にギリギリ収まるケースもありました。

G30のカタログ値は1,870mmに対して実寸1,868mm
しかし、G30/5シリーズが収まるマンションの立体駐車場は非常に少ないです。

その1cmの車幅アップ、3cmの全長アップは運転すると、より強く感じます。

日本の道路はどうしても狭い道が多いし、駐車場に充分な空間が用意されているところが寧ろ少ないからでしょう。

巨大化した「5シリーズ」が発売されることは誰もが予想していましたが、大きさだけで購入を控えなければいけないお客様が出てきてしまうのは残念でなりません。

100kg軽量化は本当なのか?

大型化したにもかかわらず、軽量化するには素材を変えるというのが一番の方法です。

唯一のデメリットは軽量で丈夫な素材は高額であることでしょう。

G30「5シリーズ」も、他の高級車に負けじと、大型化かつ軽量化に成功しています。
アルミニウムに加え、超高張力鋼板も、ふんだんに使用しているとプレスリリースで話していましたが、その数値には驚きました。

約100kg!だというのです。

しかし、売れ筋の523i/523dを比較すると、F10/1,750kgに対して、G30/1,700kgというところです。

つまり、100kgではなく50kgです。

いったい、どのモデルのことを言っているのか未だに謎です。
日本車で、こういう発表をしたら相当、叩かれるでしょう。

ちなみにその他モデルは悉く、ダウンサイジングによりエンジン種類に変更があり、比較対象ではありません。

もともと大きさからして特別、重い車でもないので、50kg減量でも、素晴らしいのですが。

 



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BMWらしい走りとは?

よく”BMWらしい走り”という表現がありますが、いったい何のことでしょうか?

メルセデスベンツにも言えることですが、70年代~90年代前半のドイツ車は、完成度が突出していたと思います。

走りだした瞬間に感じるフラットな安定感、重厚感、聞くからにトルクに溢れるエンジン音、しかし振動は来ないという絶妙なフィーリングとでも申しましょうか、あの頃のドイツ車は確かに世界の最先端を走っていました。

アメリカ車は故障が多く、相変わらず、フワフワの乗り心地を変えようとせず、日本車はそのアメリカ車を真似しているかのような剛性のない自動車が多かったような気がします。

いかなる国もドイツ車に一目を置くしかなかったでしょう。

しかし、製造の機械化がベンツやBMWにも訪れ、‘あの頃の乗り心地’を変更せざるを得ない状況になっています。

高速道路での圧倒的な安定性は、今回の5シリーズもまた素晴らしいです。

それは間違いありません。

が。日本メーカー含め、同価格帯の商品の高速直進安定性は好みこそあれ、それぞれに非常に質の高いものになってきています。

逆にBMWは高速域のみを重要視しているのか、低速~中速域、いわゆる一般道での乗り心地は、このクラスの商品としては最低レベルです。

わずかな凹凸を越えても振動が、いなされることなく、シートに伝わります。

低速域で踏み込んだときの唐突な加速も高級車とは思えません。

それらを否定しようとしない自動車評論家はBMWを辛口評価を下すと自らの評価が下がってしまうという恐れを抱いているかのようです。

次ページは>>>
「広島発のエンジンが桁外れに優れているのは嬉しいが・・・」です。

「先代5シリーズ(F10)523i/523d/535i」2010年~2017年

bmw-f10-01

禁断の直6は幻に?

「販売台数の半数は3シリーズだが、利益の半分は5シリーズから出ている」と、BMW本国の重役が発言していました。

5シリーズも売れているんだよ、ということなんでしょうが、そう言われると余計に3シリーズ買ったほうがお買い得みたいな気がするのは庶民の証でしょうか・・・。

日本では3シリーズの陰に隠れている感、大アリの5シリーズ。

もともとサイズが大きいのに、モデルチェンジごとに巨大化は止まらないので、そりゃあお客さんは3シリーズに流れるはずです。

全長x全幅x全高(mm)=4,915×1,860×1,475
この5シリーズ(F10)で、ぎりぎり立体駐車場に押し込める車幅ですから、現行モデルは全幅1,868mmでは、もう入らないでしょう。

 



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気になるのは車幅だけではありません。

エンジンのダウンサイジングの流行によって“シルキーシックス”がどうなってしまうのか?

旧くからのBMWファンの方は気が気でないでしょう。

“シルキーシックス”とはBMWの直列6気筒エンジンが余りにも美しく奏でるサウンドや、直列では有り得ないレスポンスの良さに与えられた称号です。

これを味わってしまうと、どのエンジンの味わいも希薄に感じてしまうほどの禁断の6気筒。

しかし、それを葬り去ろうとBMW自身がしている、とも思えるマイナーチェンジを行なうから、ファンは心配になります・・・。

辛うじて「535i」には直列6気筒が残されていますが、「523i」の本体価格6,100,000円~(新車当時)と比較すると何と230万円も高い8,400,000円~(新車当時)ですから、そうなると中毒者かつお金持ち以外は他の車種あるいはメーカーに流れていってしまうのも無理はありません。

当時、新車のご案内もしていましたが、F10モデル末期時代からは、マイナーチェンジ前の直列6気筒の搭載された「523i」、あるいは「528i」を中古でご購入いただくのが得策でした。

モデル末期になってますます台数は落ち込んでいる中、日本で最もよく出ていたのは「523i」と「523d」。

直列4気筒エンジンの「523i」、決して悪いわけじゃないのです。

ツインターボとはいえ、直列4気筒2000ccでよくこれだけ走るなあ、と感心します。
振動も抑えられているし、馬力に不足を感じることはほとんどないでしょう。

しかし、これは「BMW」。
価格も6,120,000円~(新車当時)となると、ユーザーの期待値も違うでしょう。

2000ccにしては・・・なんて言葉を付け足さなければいけないのは寂しいかぎりです。

 



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F10 ディーゼルの走りは?

523dはディーゼルとは思えないほど、静かな車内です。

遮音が徹底しています。
ただし、震えはあります。

音は聞こえないけれども(聞こえないから余計に?)ディーゼル特有の震えがシートに伝わってきます。

走り自体に不満はありません。
「523i」とは比べ物にならないほどのトルクフルな走り。

高速道路に乗ってしまえば、ディーゼルのネガも消え、すこぶる快適です。

ワインディングロード上だけは「523i」のほうが吹き上がりが良い分、面白いかもしれません。

一番、気になったのは先述の通り、エンジンの振動。

6,330,000円~(新車当時)で、あれだけシートに震えられると3,175,200円~手に入れることができるマツダ「アテンザ」の後塵を拝することになりかねません。

それほどマツダのディーゼル技術は格別で、他メーカーにとって驚異だと思います。

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「高速道路でも物足りない?」です。