初代「ティアナ」 J31系 2003-2008年 (さおり著)

内外装のデザイン力

2003年2月発売商品です。

そう聞くと「ティアナ」も意外と長くあるんだな、と改めて思います。

3代目の売れ行きが芳しくないので、これまでか・・・との声も囁かれる中、4代目での復権はあるのでしょうか?
3代目にて販売終了??

それにしても、初代「ティアナ」はキャッチコピーからして斬新でしたよね♪

『くるまにモダンリビングの考え方』

上品で平淡なナレーションと共にお洒落な内装が映し出されるCM、私は小学生の時に見たんですけど、今でもよく覚えています。

自動車史に残るデザインの一つでは?

まず、エクステリアがお見事。

ルーフがリアにかけて、ゆったりとしたカーブで下がっていくデザインは後の、アウディ「スポーツバック」やBMWの「グランクーペ」も参考にしたのかな?っていうくらい美しい角度でした。
日本上陸直後のレクサス「GS」も似た角度ですよね。

初代「ティアナ」は4ドアクーペの先駆けとなったデザインだと私は思っています。

そして、何といっても、すごいのはキャッチコピーになったインテリアです。
お洒落な居間のような空間です。

デザイナーの方々は、いちど自動車の内装はこうあるべき・こうだった、というのを全く考えないようにして作りなおしたのでしょう。

本当に美しいです。
それを前席~後席に統一させているのは芸術的としか言いようがありません!

ただ、メーター周りの発光色が‘オレンジ一色’というのは・・・ご愛嬌。

でもね。
価格を考えたら、ここは仕方ないかなあ、と思えるほどで。

2,300ccモデル
2,250,000円~(4AT)

3,500ccモデル
2,840,000円~(CVT)

ボディサイズからすれば相当な割安価格だったので、材質に妥協が見受けられるのは仕方ありません。

オレンジ色のメーターもそうですし、シートも座り心地がどうか?と聞かれると、ふんわりでもないし、しっかりでもなく・・・どちらかというと硬めではありますが、そこにスポーティさがあるわけでもないです。

試乗しないで買ったら、ダメな車

じつは、この初代「ティアナ」乗ったら驚くことがあるんです。

それはハンドル。。です。

もうね、びっくりするくらい硬いですから。
軽く指でクルクルしちゃうよ♪なんて夢のまた夢。

『かった!』

と、試乗したお客様がおっしゃるのを何度も聞きました(笑)。

って笑っている場合ではありません。

そのおかげか、総額60万表示でも売れず、50万でも売れず、40万円でもまだ売れ残っています・・・。弊社の落札価格は32万円。

車検たっぷり残ってるぅ♪と思って、私が仕入れに一役買っちゃっただけに責任、感じます。

何件かお問合せをいただいた矢先、日産の衝撃事件発生するし・・・。

そう。

これを書いているときに起きてしまったのです、あれが。

2017年10月、完成車の検査を無資格者が行なっていたことが判明した件です。

しかもメディアで散々、報道されてからもしばらく行なわれていたとかで、てんやわんや・・・。
リコール台数も初回車検を通していない商品だけで済むのかどうかも分かりません。
2代目「リーフ」が発売直後だったこともあり、日産にとっては大打撃でした。

2017年日産のキャッチコピー“やっちゃえ日産” ⇒ “やっちゃった日産”
というネットの書き込みを何回、見たことでしょう・・・。

あぁ。これで弊社の旧「マーチ」や、旧「スカイライン」はまた大幅値下げせざるを得ない状況に(泣)。

ほかの中古車業者さんも、みんな困ってるんじゃないかな?

話を元に戻しますm(_  _)m

もう、ハンドルの‘硬さ’たるや中途半端なものではないです。

日産はトヨタに較べると‘しっかり’した手ごたえのステアリングが多いですけど、初代「ティアナ」は別格(?)。

乗り心地も、たぶん、ほとんどのお客様が想像するより硬めですので違和感は多少、あると思います。

何もかも硬い上に、FF(前輪駆動)特有の曲がらない感もアリ。。

これじゃあ、見た目の上質さと余りに釣り合わないわけです。
うぅん。それでも、車検付30万円台はお買い得と言えるんだけどなぁ。

私が買い取る羽目になったらどうしよう・・・。トホホ。



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お薦めなのは350かも?

そうなんです。
そんな廉価版サルーンみたいな位置づけだったのに、なぜか3,500ccもラインアップされていたところが、ちょっと謎です。
284万円~と、こちらも、お手頃価格でした。

中古車価格は2,300ccも3,500ccも、落ちきったレベルに達していたところへ、上記、日産の不祥事があったため、また一気に価格下落は間違いなし。

ものすごく‘買い値’になりますよ♪

3,500cc、お薦めの理由は何といっても<CVT>。

日産の<CVT>は、当時から出だしのモッサリ感がないし、当然、変速ショックもないのでとても快適です。

パワーに関しては実用域では必要ないかな、というレベルですが“静粛性”、“余裕”、本来、そういうものを求めてもいい車だと思うので3,500ccを買っても良いんじゃないかなあ。

ちなみにパワー感は2,300ccも、かなりありますよ^^。

トヨタ「ゼロクラウン」のほうが軽く回って面白いですけど、初代「ティアナ」のV6も力感では負けていないと思います。
V6だしエンジン音が安っぽいとかもないです。

3,500ccは、2,300ccより、税金・燃費で不利なため、さらに安く出ていることも多いので、自動車税58,000円(2300ccは45,000円)、ガソリンがハイオクというハンデを考えても検討価値ありだと思います。

下に当時の価格表や諸元表もご用意したので、よかったら覗いてみてくださいね♪

さおりでした。

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○初代「ティアナ」評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 悪い
運転楽しい度 悪い
後席居住性 普通
リセール価値 ※※※
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 非常に良い

初代「ティアナ」5%税込価格表
230JK2,250,000円
230JK M-collection2,400,000円
230JM2,520,000円
250JK four (4WD)2,450,000円
250JM four (4WD)2,770,000円
350JK2,840,000円
350JM3,190,000円



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初代「ティアナ 230JK」主要諸元表
全長4,770mm
全幅1,765mm
全高1,475mm
ホイールベース2,775mm
最小回転半径5.3m
車両重量1,450kg
乗車定員5名
エンジン種類V型6気筒DOHC
トランスミッション4AT
総排気量2,349cc
エンジン最高出力127kW[173PS]/6,000r.p.m
エンジン最大トルク225N.m(22.9kgf-m)/4,400r.p.m
使用燃料無鉛レギュラーガソリン
10.15モード11.2km/L

初代「ティアナ 350JM」主要諸元表
全長4,770mm
全幅1,765mm
全高1,475mm
ホイールベース2,775mm
最小回転半径5.7m
車両重量1,520kg
乗車定員5名
エンジン種類V型6気筒DOHC
トランスミッションCVT(無段変速機)
総排気量3,498cc
エンジン最高出力170kW[231PS]/5,600r.p.m
エンジン最大トルク333N.m(34.0kgf-m)/2,800r.p.m
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
10.15モード9.8km/L

2017年「アクア」vs「ノート e-power=イーパワー」その他、ライバルたち

「アクア」と「ノート e-power=イーパワー」の比較

長きに渡り「コンパクトカー+ハイブリッド」という独自の分野を切り開き、月販台数1位をほしいままにしてきた「アクア」に天敵が現れたのが2016年11月。
なんと、32年ぶりに日産が月販台数1位を奪取してしまうという大波乱が起きます。

それもそのはず、、
なんといっても後部座席の居住性のアドバンテージがかなり大きいのです。
日産のディーラーにはライバルの「アクア」をわざわざ展示する店舗もあるほど。
「アクア」では後部座席で30分以上のドライブは厳しいですが、「ノート e-power=イーパワー」ならロングドライブでも苦痛ではありません。

つまり、ファミリーユースが可能か否かという問題になり、販売台数に直結したのです。
チャイルドシート使用時の~3歳までのお子さまくらいしか「アクア」の後部座席に乗せられないでしょう。

乗り心地に関しても、正直、申し上げまして「アクア」より「ノート e-power」のほうが快適性は高いです。万人受けするのは明らかに「ノート e-power」のほうでしょう。
しかし、硬めのサスペンション、硬めのハンドルフィールを持つ「アクア」を好むドライバーもきっといらっしゃるはずです。
かなりスポーティな味付けの「アクア」は、お一人で運転する機会が多いなら選択肢から外すわけにはいきません。
>>>下に続きます。



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また、熟成されたハイブリッドシステムを持つ「アクア」が昔ながらのガソリン単体モデル同様のフィーリングであるのに対し「ノート e-power=イーパワー」のシステムは唐突にエンジン回転数が上がる状況があり、まだまだ不自然さが残ります。

日産「ノート e-power」の試乗記は>>>こちら

「ヴィッツ・ハイブリッド」という意外な刺客

「ノート e-power」の発売を事前にキャッチしたトヨタは「アクア」の大幅なマイナーチェンジではなく、同じトヨタ車である「ヴィッツ」にハイブリッドシステムを搭載し「アクア」との2枚看板で「ノート e-power」に対抗していきます。

「ヴィッツ・ハイブリッド」もまた「アクア」と同じハイブリッドシステム(1.5Lエンジン+モーター)を搭載していることから、ガソリンエンジンのような自然なドライブフィールを持っており、見逃せません。
しかも価格でいうと「アクア」より、およそ100,000円ほど安く設定されています(ただし、後発の「ヴィッツ・ハイブリッド」のほうが値引き額は小さいです)。
>>>下に続きます。



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「アクア」に比べ「ヴィッツ・ハイブリッド」のほうがフロントガラスが立っているため、運転のし易さで「アクア」を凌駕しているのも好印象です。

次ページは>>>「ライバル車の部門別評価(加速力、内装の質感、e.t.c…」です。

「セレナ」5代目 C27型 2016年-現行(2018年 イーパワー追加)さおり著

nissan_fifth_serena-01

これは!ホントのハイウェイスターかも

2016年に5代目となる“セレナ”を登場させた日産。1991年発売の初代なんか、まだまだ商用バンっぽい感じだったのに立派になったものです。

と、書きつつ、私よりセレナは少し先輩なんですが(汗)。

名前が続いている車は代々、みんなが期待するから評価も厳しめになるし、価格も先代モデルと比較されるから無闇にアップグレードできないし・・・などなど、考えただけでも頭が痛くなることだらけの中、お見事なモデルチェンジです。

ええ。誰にでもオススメしたいくらい、5代目セレナは、さおりの一押し商品なのです!

何よりもミニバンに、ありがちなカーブ時のグラグラが本当に少ないんです。

気になる点といえば、アイドリングストップにならなかったときの振動が少し大きいことくらい。フルハイブリッドではないですが、バッテリー以外の小さなモーターを一つ積んでいる為、アイドリングストップは比較的よく作動しますので、さほど大きな問題ではないかなあ、と。

 



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目線はステップワゴンと同じくらいだと私は思いました。

ノア/ヴォクシーよりは低いです。ハンドル直径は、ライバル車よりも明らかに小さめでスポーティさもあるし、運転していて楽しい♪

もしや、私だけ?と不安になって男性社員に聞いてみたら、みなさん、高評価だったので私の感覚もだいぶん、営業担当っぽくなってきているということでしょう。ほっ。

運転が楽しいだけではありません。

フロントガラスも広くて前方視界良好な上、サンバイザー(フロントガラスの上にぶら下がっているアレです)が一部、網目になっていて、下ろしたままでも信号の青・赤くらいは見えちゃいます。公式ページでもあまり謳ってないですが、これは便利ですよ。

nissan_fifth_serena-02あと、2列目だけじゃなくて、3列目にもUSBソケットが装備されていたり、キャップレスの給油口(給油ノズルを差し込めば、内側にガチャっと入る蓋が付いています。開閉するドアのイメージ、といったら分かりやすいでしょうか?)のおかげでセルフスタンドでも手が汚れない配慮がなされているなど、細かい気配りも充分。

3列目シートはステップワゴンみたく、床下収納はできません。両サイドに上げるタイプです。

そこは一歩譲ります。


nissan_fifth_serena-03さらにデュアルバックドアっていう名前だけでは「??」なんですけど、二通りの開き方ができるリアゲートを日産も搭載してきました!

ホンダ“ステップワゴン”は上にガバッって開く+α、左3分の1が開く“わくわくゲート”で、セレナは上の窓部分が開く仕様です。

セレナ版のメリットは上だけ開けて荷物をぎりぎりまで載せても落ちてこないから、結構、詰め込めることかな。

”わくわくゲート”のメリットはベビーカーの積み込みが楽々できること!

どちらもガバっと開きのリアゲートより使いやすさを追求した機能ですので、一度、ディーラーさんで見てみてくださいね。

>>>次ページは「半自動運転、プロパイロットは付ける必要あり?」です。

「ノート」2nd e-POWER(イーパワー)E12型

nissan_note_e-power

日産 e-POWERは本当にスゴイのか?

新しい電気自動車の形、“ノート e-POWER”が2016年11月、マイナーチェンジの折に追加されました。

この2代目は2012年発売モデルです。モデルライフも後半に差し掛かろうという時期に思い切った新型派生車種が誕生しました。

 



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トヨタの新型車が一段落していた時期とはいえ、月販売台数で日産車としては、あの“サニー”以来、30年ぶりの一位に輝いたという記念すべき一台。

日産いわく「これは、もはや発明じゃない?」

自らハードルを上げるほどの自信作なのでしょう。“リーフ”で電気自動車としての技術を磨いてきた日産がガソリン車を電気自動車にするそうなのです。

!? (昔のフェアレディのCMではありません・・・)

僕も初めて説明を聞いたときには分かりませんでしたが、エンジンは発電用のみに稼動し、車を駆動させるのは<全て電気の力>だということらしいです。

トヨタのハイブリッドはモーターのみの走行は可能ですが、メインはエンジンでモーターはサポート役です。

この“ノート”e-powerは、メインがモーター、どころか全ての駆動を電気でまかなうガソリン車という相当な変わり種です。

これは面白いことになりそうだと思っていたら、弊社・社長が展示 兼 試乗車(貧乏会社なもので・・・)を導入決定。
試乗記を提供できる運びとなりました。

アクアのとき、ケチって隣町のライバル店にごっそり持っていかれたのを反省したようです(笑)。

結果的には、大成功。

弊社でも、2018年コンパクトカーで一番売れたのはノートでした。

失礼しました。

その”ノート”e-POWER、最初に感じるのは1,200ccのエンジンとは思えないほどの加速力です。

しかし、これ見よがしに加速するのではなく、あくまで自然なフィーリングに抑えてあるのは好印象でした。

大人4名乗車でも坂道を軽々登っていくのは一昔前では考えられませんでしたが、この車は特に踏み込む必要もないのです。

『切れ目のないパワー』

これはハイブリッド車に勝っている点でしょう。

アクセルペダルを緩めるだけで減速するシステムも秀逸。
自然にスピードが下がり、軽くブレーキを踏むだけで同乗者に負担のない停車が可能です。

<ICC渋滞追従システム>も搭載。
こういうシステムは欧州より日本のほうがクオリティ高いです。
じつに自然に付いていきます。
GWやお正月の帰省時のストレス軽減に一役買ってくれるでしょう。

ハイブリッドにはない問題点①

では、逆にハイブリッド、殊にトヨタのハイブリッドがクリアできているのに、このe-POWERが抱えている問題点は、二つあります。

ひとつは坂道発進。

急な坂道で、ブレーキを離すと同時に車が下がります。

これは普通のガソリン車及び他のハイブリッド車にはない現象です。
実際、下がっている距離など10cmほどでしょうから、すぐにアクセルを踏めば大丈夫なのですが、慌てるのは事実。

慣れても俊敏な足の入れ替えor左足でのブレーキペダルをキープを余儀なくされるのは、大衆車としていかがでしょうか。

試乗の際は是非、上り坂のある道を希望してくださいませ。

>>>次ページは「ハイブリッドにはない問題点②、走りについての感想」です。