「GS300h/GS450h」4代目 L10型/10系 2012年-現行

バランスの良さでは、GS300h

「GS300h」は4代目「GS」が発売された後、1年半以上遅れた2013年10月17日に登場。
以降、「GS」の売れ筋になっています。

ベースグレードで6,153,000円~という価格も購入検討する方たちにとっては魅力的なラインなのでしょう。

逆に「GS450h」が7,428,000円~というのは先代の6,830,000円~より、約60万円、値上がりしているのも影響してか、売れ行きは‘いまいち’のようです。

さて、好調の「GS300h」、乗り味のほうはどうなのでしょうか?

もしかすると、ライバルは他のGSではなく、2,500cc直4エンジン+モーター、全く同じシステムを搭載する、210系 2012年~の「クラウンアスリート ハイブリッド」なのかも知れません。

実際、よく似たセッティングと言えます。

ただし、約100kg重いせいか、重厚感は「GS300h」が上です。

遮音性も行き届いており、モーター走行と、エンジン走行の切り替え時の音は「クラウンアスリート」のものより車内に入ってきません。

『ハイブリッドの違和感が嫌い』と、お思いの方には是非、試乗していただきたい商品です。

ステアリングの反応は「クラウンアスリート」に一歩譲るものの、軽めのセッティングで、どなたでも運転しやすい車に仕上がっています。

『昔はよく飛ばしたけど、今はこれで充分』。
そんな思いで、ゆったり走るのが似合う商品だと思います。

レクサス全般にいえることですが、外装カラーの斑(むら)の無さ、内装の質感は同価格帯の欧州車を凌駕しているので、それだけでも一見の価値あり、です。

 



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「GS450h」・・・この無駄なパワーに血が騒ぐ・・・

上級グレードになると1,000万円に迫ろうというプライスタグにも拘わらず、「GS450h」もやはり、気になるという方も多くいらっしゃいます。

ディーラーで立て続けに試乗してしまうと、パワー感の違いに驚くのではないでしょうか?

「GS300h」も日常域では過不足のない商品ですが、「GS450h」のアクセルを踏んでしまうと、

『これは強烈すぎるなぁ・・・。しかし、300hも非力っちゃあ非力のような気がしてきた』

そう、お感じになるかも知れません。

「GS300h」では坂道では多少、踏み込まなければいけないですし、急勾配では多少の‘もたつき’に寛容さは必要になってきます。

しかし、「GS450h」ではその心配は全く御無用。

まるで、大排気量のディーゼルのようにどこまでも登ってゆきます。

さらに、刺激が欲しい方には<SPORT>モードが用意されており、ダイヤル一つで鬼のような加速を味わうことも可能。

この<SPORT>モードでは、先代190系「GS450h」のような爆発的な加速力を垣間見ることができます。

しかし、先代の、モーターをターボチャージャー代わりに使うセッティングとは異なるようで、この10系「GS450h」は<SPORT>モードにすると、とにかくよくエンジンが先行して回ります。

速さに特化しているのが190系「GS450h」だとすると、スピードメーターとエンジン回転数の違和感が非常に少なく、まるでNAエンジンに乗っているかのような爽快さが10系「GS450h」の特徴でしょう。

ステアリングフィールは「GS300h」含め、「GS-F」を除くほかの「GS」シリーズと同じく、軽め。

切り角を大きくしていっても負荷はさほど掛からない、まさに電子制御ならではのハンドリングです。

それが<SPORT>モードでは、多少、手ごたえがあるように。

おそらく、ほとんどの時間を<NORMAL>で走行すると思いますが、たまに‘その気’になりたいとき、その気にさせてくれる粋な演出です。

7,428,000円~8,435,000円というプライスタグは決して安くはありませんが、ライバルらしき商品が、不在の「GS450h」。

買った後に『あっちにしておけば良かった・・・』と思う要素は無いと断言できるでしょう。

下に価格表、諸元表もございますので、よかったらご覧ください。

 

 

 

○関連記事ご紹介

先代「GS450h」の魅力は色褪せない?
試乗記は
>>>こちら

 

「GS300(200t)/250」の試乗記
もございます。
>>>こちら
「GS350については
>>>こちら

 

日常域では「・・・」な
「GS-F」の試乗記は
>>>こちら

 

 

同じ3,500cc+モーターでも
こんなに違う「マジェスタ」
については
>>>こちら

 

○レクサス10系「GS300h」評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

価格対評価 普通
運転楽しい度 悪い
後席居住性 普通の下
リセール価値 良い
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 普通

 

○レクサス10系「GS450h」評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

価格対評価 良い
運転楽しい度 非常に良い
後席居住性 普通の下
リセール価値 良い
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 普通

10系「GS」税込価格表
GS300=200t5,770,000円
GS300=200t"I package"6,166,000円
GS300=200t"F SPORT"6,599,000円
GS300=200t"version L"6,777,000円
GS300h6,153,000円
GS300h"I package"6,549,000円
GS300h"F SPORT"6,982,000円
GS300h"version L"7,160,000円
GS3506,430,000円
GS350"I package"6,826,000円
GS350"F SPORT"7,465,000円
GS350"version L"7,437,000円
GS450h7,428,000円
GS450h"I package"7,824,000円
GS450h"F SPORT"8,463,000円
GS450h"version L"8,435,000円

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10系「GS300h」主要諸元表
全長4,880mm
全幅1,840mm
全高1,455mm
ホイールベース2,850mm
最小回転半径5.3m
車両重量1,730kg~1,770kg
乗車定員5名
エンジン種類直列4気筒DOHC
トランスミッション電気式無段変速機(CVT)
総排気量2,493cc
エンジン最高出力131kW[178PS]/6,000r.p.m
エンジン最大トルク221N.m(22.5kgf-m)/4,200r.p.m-4,800r.p.m
モーター最高出力105kW(143PS)
モーター最大トルク300N.m(30.6kgf-m)
使用燃料無鉛レギュラーガソリン
JC08モード21.4km/L~23.2km/L

10系「GS450h」主要諸元表
全長4,880mm
全幅1,840mm
全高1,455mm
ホイールベース2,850mm
最小回転半径5.3m
車両重量1,820kg~1,860kg
乗車定員5名
エンジン種類V型6気筒DOHC
トランスミッション電気式無段変速機(CVT)
総排気量3,456cc
エンジン最高出力217kW[295PS]/6,000r.p.m
エンジン最大トルク356N.m(36.3kgf-m)/4,500r.p.m
モーター最高出力147kW(200PS)
モーター最大トルク275N.m(28.0kgf-m)
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
JC08モード18.2km/L

「GS450h」3代目 S190型/190系 2006-2012年

速さでは4代目を上回る

この「GS450h」が発売された2006年から数年経過すると、ホンダが「アコードハイブリッド」をJC08モード:30km/Lで発売したり、マツダの<スカイアクティブテクノロジー>が台頭してきます。

トヨタのハイブリッドシステム<THS-Ⅱ>だけがECOではなくなりました。

トヨタ=レクサスの大型セダンも低燃費化の道を進まざるを得なくなります。

それだけ燃費競争が凄まじく、皆さん、大型セダンがカタログ燃費、20km/Lくらい普通だと感じるようになっている昨今。

190系「GS450h」
10.15モード:14.8km/L
JC08モード:12.6km/L

2000年発売の4,300ccの30系セルシオは10.15モードで8.2km/L だったことを考えると、この450hの燃費に驚くのも無理はないでしょう。

 



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他社のハイブリッド化は遅れていたので、トヨタはこの時代、思い切った作戦に出ています。

<パワーハイブリッド>

公式名称ではないですが、レクサス広報が『ハイブリッドは燃費が良いというイメージばかり先行しがちですが、この「GS450h」で是非、ハイブリッドのパワーというのをお客様に知っていただきたい』と、言っていたのは確かです。

乗るまでは「まあ、そうでも言わないと売れないしな」と、高を括っていたのですが・・・。

異常な中間加速

出だしからして、パワーが有り余っている演出があります。

3,500ccの車だと思ってアクセルを踏むと、モーターが鋭く反応するため、想像以上に‘スルスル’と走りはじめるのです。

僕が初めて乗ったのは2009年。

ちょうど4代目メルセデス「Eクラス(W212)」がデビューした年で、そのEクラスと似た印象を持ったのを覚えています。

たまたま、メルセデスの営業マンと話す機会があったのですが、彼も同じように感じたそうなので、似ている部分は間違いなくあるのでしょう。

「どこが?」
と、聞かれるとステアリングの感触でしょうか。

回し始めの数cmは遊びが多いかな?と感じるものの、そこは人間に対する配慮。

その後はとても素直で、どれくらい回したのかを‘戻る力’で教えてくれるのが少し懐かしいセッティング。

360°以上、回すと、大きく右左折、あるいはUターンと判断した設定なのか、急にタイヤが角度を変えてくれるのも、この「GS」と、メルセデス「Eクラス」の特徴。

狭い道も気になりません。

横幅 1,820mm。
1,850mm超になると、都会の狭い道では使いにくくなりますが、この「GS」は許容範囲といえるのではないでしょうか?

時速30kmで走っていても、パワーの余力感がありすぎて、少々の怖さを覚える、この「GS450h」。

かなり‘浅く’踏んでいないと、すぐに加速するため、低速をキープするのが少々、難しいと言えます。

街中走行は「GS350」のほうが、神経質にならず運転できるでしょう。

しかし「GS450h」の加速力を味わってしまうと、車が好きな方は一気に惚れてしまうのではないでしょうか?

5,000万円クラスの海外高級ブランド車が大排気量にターボを併せたって、この車の反応速度には0.1秒遅れているような気がしました。

踏みこむ⇒「ドンっ!!」

タイムラグがほぼ無いのです。
もちろん、シートに押し付けられる気持ち良いGも味わえます。

加速の仕方も大排気量の加速と違い、エンジン回転数も控えめで、妙な感覚です。

宇宙船にでも乗っているような”

そんな譬えをしたくなるほど異次元体験でした。

セミアニリン本革を選ぶ注意点

他のレクサス車に較べ、やや本革シートのヘタりが気になるのが、この「GS」。

弊社に中古車で入ってきたのがセミアニリンレザー仕様が多かったせいかも知れません。

セミアニリンレザーは、いわゆる普通の本革と違い、‘なめす’ときに薄くカットしているので柔らかさがある反面、耐久性に難があるように思います。

もちろん、新車購入して5年くらいは何の問題もないでしょうが、中古車でレクサスをお考えの場合はご注意なさったほうが良いポイントです。

>>>次ページは
「狙い目は何年式?」
「2012年~の10系GS450hとの比較」です。

「GS430/460」 S190型/190系 2005-2012年(さおり著)

「GS430」試乗

店舗在庫に最近まであったので、駅までのお客様送迎で活躍していたのが「GS430」でした。

「GS350」の試乗記で、‘く’の字シートとか言ってたくせに送迎に使うなんて!と、お思いかも知れませんけど、常時数台程度の弊社ではベストな選択でした。。

80年代のキャデラックもありましたけど、5km乗っただけで運転していた私が船酔いしちゃいましたから、これは使えません(笑)。

ううん・・・「GS350」と、較べてみると「GS430」、やっぱり素晴らしいんですよね。

中古車価格も、大排気量不人気の法則が適用されてて、「GS350」と同じくらいなんです。
たまーにしか出てこないのに、でも、人気ないっていう可哀想な車です。。

「GS350」と比較すると、まず、静粛性の違いに驚かされます。
だって、あの【名作】セルシオ30系と同じエンジンですから、そりゃあもう、お墨つき。
高速道路でも、静かに仕事をこなしてくれます。

セルシオが欲しいけど、もう年式が古くなってきたし・・・なんていう方には、まだまだお薦めの商品です!
 ‘く’の字シート後部座席、気にしなければ、ですけど。。

「GS460」はどうなの?

2007年10月からは「GS430」に変わって、「GS460」に。
これ、最近のターボ化ではなく、数字通り排気量アップしているのです。
この4,600ccエンジンは「LS460」や「クラウン・マジェスタ」にも積まれた、VIP用エンジン。

他の「GS」と、エンジン出力とトルクを比べてみましょう。

エンジン比較

GS350 (V6)
最大出力:315ps(232kW)/6400rpm
最大トルク:38.4kg・m(377N・m)/4800rpm

GS430 (V8)
最大出力:280ps(206kW)/5600rpm
最大トルク:43.8kg・m(430N・m)/3400rpm

GS460 (V8)
最大出力:347ps(255kW)/6400rpm
最大トルク:46.9kg・m(460N・m)/4100rpm



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じつは2004年6月30日は、日本自動車工業会が普通自動車の280馬力規制撤廃を国土交通省に申し出た記念すべき日。

以降、280馬力規制に囚われることなく、開発が進んだので「GS460」は347馬力となったわけです。

それで、どう違うのかというと一番分かるのは停止~20km/L。
結構、エンジン音がして、飛びだします。

「GS430」は、まるでハイブリッドのような‘スルスルー‘という感じなのに対して、「GS460」は勢いが強調された印象。

その後も、静粛性よりはパワーを強調する音響が車内に入ってきます。

「こんな違うんだ!」

小さな違いには鈍感な私でも、びっくりしました。

音も「GS430」の金属的な音質に対して、ちょっと野太い音質。
でも、なぜか同じ4,600ccでも200系「クラウンマジェスタ」のエンジン音は鋭く高いです。

同じV8でも、いろいろあるなあ、と。

どっちが好きかというと、私は「GS430」のほうかな。

ただ、430は30系「セルシオ」に似ているだけに、高速安定性や静粛性など、超えられていない点がどうしても目についてしまいます。

そういうネガティブなものを感じさせないのが「GS460」。
独自性という意味では良いですよ!

「GS350/430/460」、ご紹介してきましたが、中古車価格はこれ以上、急降下しないでしょうし、いずれを選んでも良いお買物になること請け合いですっ!

下に当時の価格表・諸元表、私なりの評価表もあります。
よかったらご覧くださいね。
さおり

※下の内装画像は<Passionate Black Interior(パッショネイトブラックインテリア)>
昭和な赤色がすごいアクセント。
革シートの穴も真っ赤なので、異色度満点の特別仕様車でした。↓↓↓

○190系「GS430」評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 非常に良い
運転楽しい度 良い
後席居住性 悪い
リセール価値 ※※
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 普通

○190系「GS460」評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 良い
運転楽しい度 良い
後席居住性 悪い
リセール価値 悪い
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 普通

 

315馬力は430越え。
これで充分?
190系「GS350」の試乗記は
>>>こちら

 


200系「クラウンハイブリッド」と、どっちにする?
190系「GS450h」の試乗記は
>>>こちら

 

同じエンジンでも、
こちらは和ジェントルマン♪
5代目「クラウンマジェスタ」
のレビューは
>>>こちら

 



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190系「GS」 2011年当時 税込価格表
GS3505,520,000円
GS350 (AWD)5,920,000円
GS350 version I5,930,000円
GS350 version I (AWD)6,330,000円
GS450h6,970,000円
GS450h version I 7,350,000円
GS450h version L7,970,000円
GS430 (2006年価格)6,320,000円
GS4606,750,000円
GS460 version I7,130,000円
GS460 version L7,750,000円

190系「GS430」主要諸元表
全長4,830mm
全幅1,820mm
全高1,425mm
ホイールベース2,850mm
最小回転半径5.2m
車両重量1,700kg
乗車定員5名
エンジン種類V型8気筒DOHC
トランスミッション6 Super ECT
総排気量4,292cc
エンジン最高出力206kW[280PS]/5,600r.p.m
エンジン最大トルク430N.m(43.8kgf-m)/3,400r.p.m
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
10.15モード9.1km/L

190系「GS460」主要諸元表
全長4,850mm
全幅1,820mm
全高1,425mm
ホイールベース2,850mm
最小回転半径5.2m
車両重量1,740kg
乗車定員5名
エンジン種類V型8気筒DOHC
トランスミッション8 Super ECT
総排気量4,608cc
エンジン最高出力255kW[347PS]/6,400r.p.m
エンジン最大トルク460N.m(46.9kgf-m)/4,100r.p.m
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
10.15モード9.3km/L



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「GS350」 S190型/190系 2005-2012年(さおり著)

幻のクラウン190系が、この「GS」

クラウンオーナーの方から、よくご質問いただくのが「クラウンってなぜ、190系がないの?」

190系は、この「GS」なんです。

結構、有名な話らしいんですけど、今でもお客様にちょくちょくご質問いただきます。

「GS」こそ幻の190系と聞くと、いろいろ想像しちゃいませんか?

もともと、クラウンとして開発されていたのかな?、とか。

でも、そんなことはなかったみたいです。

数字は単に数字。

深読みしたくなる心理は出ちゃいますけどね^^。

 



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それにしても、この初代はキレイ!

ルーフが後ろに向けて下がっていく角度なんか、もう芸術的です!

おかげで、これだけの車格なのに後部座席がVIPじゃないのはご愛嬌。。

その前に、このお車、初代って書いちゃっていいのかな?

アメリカのレクサスでは、日本名「アリスト」とは名づけられなくて、ずっと「GS」だったので、事実上、3代目「GS」ということになります。

ううん・・・ちょっと、ややこしいですね。

美しさの代償はもちろん、、頭上空間

さて。

乗り込んでみると、ルーフデザインのせいで、頭上空間が制限されているのが、すぐ分かります。

「低っ!」

まるで、スポーツカーのよう。
って、着座位置は普通なので、ルーフが想像以上に下がっているのでしょう。

これは後部座席だけじゃなく、運転席でも感じます。

特にムーンルーフ装着車は、厳しいっ

大柄な男性だったら、頭上スペース、かなりギリギリかも。

162cmの私が低いと思うので。

じゃあ、後部座席はよっぽど?
と、思われるかも知れませんが意外と座れるんです。

それはシートが‘く’の字に作られているから。
ヒップポイントだけを下げることで、頭上空間を生み出しています。

だから、展示車をご覧になる際、パッと座って、
「お。意外とイケるね」
と、思って使っていると、
「‘く’の字シートじゃん!」と、後ろの人が怒っちゃうとか、ありそうです。
油断ならない仕掛けです・・。

「GS」って‘Grand Touring Sedan’のことなんですけど、3名乗車以上でのロングドライブは・・・な商品。

「IS」は割り切って作ってもいいけど「GS」はもうちょっとだけ配慮が欲しかった気がします。

当時はレクサスにSUVもなかったので、つまり、後部座席が快適なのは「LS」だけだったわけですね。

でも、これだけ美しいサイドビューを毎日、見られるならそれくらい我慢、、かな。

くれぐれも後部座席にいつも人を乗せる方は、ご購入の際、お気をつけください。
なにしろ、この「GS」、タクシーとして使用する許可が下りなかったんです。トホホ。

 



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GS350を運転してみて

2005年8月発売当初は「GS」には350/430の二本立てでした。

約7ヶ月後の2006年3月に450hというハイブリッドがラインアップされています。

今となっては、350=3,500ccなんて結構、大きな排気量ですけど、2005年当時の印象は異なります。

430に憧れるけど、日常ユースで考えたら350で充分かな、みたいな。

価格差は「GS350」が5,200,000円~、「GS430」が6,300,000円~でしたし、自動車税、燃費などを考えると、350を選択するお客様のほうが随分、多かったようです。

なぜ、そう思うかというと、買い取らせていただいたのは「GS350」が最も多く、「GS430」はむしろ珍しいくらいだからです。

1:10ではないにしても、1:5は越えてます。

実際に乗ってみると、
「あ。やっぱり、こっちでいいかな」
と、いう安心感。
3,500cc、ノンターボの気持ち良さが存分に味わえます。

200系「クラウン・アスリート」にも同じ3,500ccが設定されていますが、スポーティなのは「GS350」のほう。

次ページは>>>
「スポーティな理由とは??」です。

「IS300h/250/350」 2nd 30系 2013年~現行

当初は主力と思われた「IS250」が消滅

2005年~2013年に発売されていた初代20系「IS」は、相当に評判の高い商品でしたので、弊社でもかなりいい売れ行きでした(中古車の話です)。

2013年~の、現行モデルのお問合せをいただくことが多くなったのは2015年あたりでしょうか。

マイナーチェンジが入り、初期モデル「IS300h」の価格に変動が出始めた時期です。

2015年8月3日

・フロントパフォーマンスバンパー標準装備
・IS250が4WDのみの設定(2WDの廃止)
・ナビディスプレイ10.3inchに大型化

上記、パフォーマンスバンパーの効果は覿面で、車に乗りなれていない女性スタッフでも気づくほどでした。
少々、硬すぎる感のあった乗り味に‘しなやかさ’が出ています。

ということは、2,500ccNAモデル「IS250」を中古でご検討の方は要注意といえます。

「IS250」に関しては、乗り心地はかなり硬いのです。

後期モデルをディーラーで試乗して「IS250」の2015年8月までの中古車を購入してしまうと違和感はかなりあるでしょう。

ある意味、本来の「IS」のシャシーの硬さを味わえる、という面白さもありますし、やや不人気の為、値下がりが早く、お買い得ではあります。

価格帯の境界線になりうる2016年MC

2016年のビッグマイナーチェンジは、一つの境界線になりそうです。

2016年10月20日

・IS250が全面廃止。
・<Lexus Safety System +>を全車標準装備

・ショックアブソーバー改良
・フロントサスペンションロアアーム素材をアルミに変更
※ロアアームはタイヤの傾きを軽減する部品です。

 

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当時、<Lexus Safety System +>が全車標準装備になったのはインパクト大でした。

従来のシステムと異なるのは追突を完全防止してくれる可能性が高まったこと。

そして、昼間歩行者検知能力の付帯。

車両同士なら40km/hの減速、歩行者に対しては30km/hの減速を自動ブレーキが行ないます。

つまり、60km/hで走行中、停止車両に対して何もアクションを起こさず、アクセルを踏み続けていたとしても20km/hで追突するというわけです。

しかも、この数値はかなり‘謙虚’なメーカー公表値。

過信は禁物ですが、実際は60km/hで追突を起こしそうになっても‘コツン’と当たっただけだったという話を聞いたことがあります。

とにかく、分かりやすい高剛性ボディ

そもそも2代目30系「IS」とはどのようなコンセプトで開発されたのでしょうか。

プラットフォームは「GS」と共有していますが、 スポット溶接の打点間ピッチを、さらに細かくすることを可能にした<レーザースクリュー溶接工法>や、ボディを面で結合する<構造用接着剤>の採用、高張力鋼板の採用拡大などにより、ボディ剛性の向上に尽力したのが、この「IS」。

TNGAボディでこそないですが、剛性については充分、比肩しうるレベルでしょう。
おそらく、次期「IS」との大きな差異は重心位置。
TNGA「カムリ」にせよ「クラウン」にせよ、かなりの低重心ですから、次期「IS」には期待できると思います。

発売時期は2019年12月~2020年春頃と言われています。

 



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この、2代目発表の際に「これまでは欧州車にはどうしても勝てないという思いがありましたが、今回のISは堂々と勝負できます!」と、開発担当者の少々、情けない話が記憶に残っています。

実際、Dセグメントのメルセデス「Cクラス」、BMW「3シリーズ」と火花を散らし、むしろ凌駕している域も数多くあった、初代「IS」を2代目の担当者が貶すとは酷いものです。

あくまで2代目「IS」の売り込み文句なのでしょうが、欧州車と比較した言葉しか出てこないのは残念としか言いようがありませんでした。

後部座席の居住性

ボディサイズは全長4,665mm×全幅1,810mm×全高1,430mm。

先代より全長は80mm、全幅は15mm拡大されています。
実はクラウンより10mm幅広なのです(2018年時点)。

ホイールベースに至っては70mmも延長されています。

ボディ剛性強化よりも、後部座席の居住性を高めることは、2代目「IS」の一番の使命だったのかも知れません。

後部座席の居住性の低さについては、先代「IS」の購入者アンケートでかなり指摘があった、とのこと。

そして、たしかに改善されています。

ただ、大人3名以上でのロングドライブに適しているかというと、まだ不十分と言わざるを得ません。
座面の面積が狭く、背もたれが立っているため、後部座席で長時間、寛ぐ気にはなれません。
それでも、片道30分程度、往復1時間なら苦もなく過ごせるのではないか、と思います。

デザインと後部座席の居住性向上の両立は非常に困難だったのではないでしょうか。
それについては、見事に具現しています。

シートの柔らかさも特筆すべき変化です。
表面の2センチ程度は、近年の自動車界では最も柔らかい仕上げといって過言ではありません (’F-SPORT’は除く)。

フロントシートも同じ柔らかさですので、座って「あっ。柔らかい!」とすぐ、お気づきになるでしょう。

ただし、シートの奥まで柔らかいわけではないので、ドライビングに支障をきたすことはなさそうです。
あくまで好みの問題です。

諸々の同乗者への配慮は先代「IS」とは一線を画します。

それでも購入者アンケートでは「後部座席が・・・」とのご指摘が多い、とのこと。

次期「IS」はさらにボディサイズが拡大するのでしょうか?

次ページは>>>
『「IS350」の試乗・OPのマークレビンソンについて』です。

「IS200t=300」2nd 30系 2015年~現行

トレンドは300hから300へ

初代「IS」では2,500ccと3,500ccだったのが、2,000ccターボ、2,500ccハイブリッド、3,500ccノンターボの3タイプを展開しています。

発売当初は設定されていた「IS250」(V6 2,500ccNAエンジン)が2015年8月3日のマイナーチェンジにて4WDは廃止、約1年後の(2016年10月20日には2WDも廃止されました。

 



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その代わりに入ってきたのが、2,000ccターボモデル「IS300(当初200t)」です。

弊社は、レクサスは中古車しか扱えないのですが、お客様からは「2,000ccターボが欲しい。何とかならないか」とお問合せいただくことが多いです。

「IS300」と言うと聞き慣れない方もいらっしゃるでしょうが、元「IS200t」です。

2017年末から発売の「LS」の3,500ccツインターボを「LS500」と名付けるにあたり、他車種のターボモデルの末尾の’t’を取り、何cc相当という値に変更したようです。

これからのレクサスは‘ハイブリッド’と、‘ターボエンジン’を主流にしていこうという意思なのではないでしょうか。

NAはもう古い、と。
今の時代、何も書いてなくてもエンジン単体ならターボなのは当たり前なのですよ、と。

BMWの表記が排気量と異なり(例えば「540i」が3,000ccターボ)分かりにくいため、’t’を最後に付けてくれたほうが、お客様としても分かりやすかったと思いますので、残念です。

一番人気の2,000ccターボ「IS300」

価格が「IS300h」の5,150,000円~に対して、「IS300」は4,700,000円~だというのも人気の一因でしょう。

ハイブリッドを押しのけて、今や「IS300」は最も人気のあるモデルです。

実際、試乗されると「やっぱりハイブリッドより、こっちが自然だね」と、ハイブリッドから転向したお客様もいらっしゃいます。

ターボラグはほとんど感じられない、まるで3,000ccクラスレベルのNAのような仕上がり。

<アイドリングストップシステム>は、全くストレスにならないエコシステムに昇華。

心地よく耳許に届くエンジン音は、アクセル開度に歩調を合わせるように絶えず、変化していきます。

つまり、‘乗って楽しい車’です。
ひとたび、楽しい!と思わせてしまえばレクサスのもの。

「他も乗ってから決めようか?」という迷いはなくなってしまいます。

年間自動車税39,500円(「IS250/IS300h」は51,000円)というのも嬉しい点。

その分、たまにドライブという目的で、出かけてしまうかも知れません。

「IS」マイナーチェンジを折に導入されただけに装備も充実

2015年8月3日のMCを折に導入された「IS300(旧IS200t)」。

この時点で「IS」全車に<フロントパフォーマンスバンパー>が標準装備されます。

左右フロントタイヤ同士をサスペンションで繋げる感じ、と申しましょうか、実際に乗り較べると、このダンパーの有無で、低速走行時の突き上げの軽減度がかなり違うことが分かります。

ただ、「IS」発売当初のソリッド感も軽減されているのも事実。

とにかく剛性の高さを感じつつ、街中をサーキットのように走りたい!とお思いの方には、何だか普通の乗用車らしくなった後期モデルは物足りないかも知れません。

内装でいえば、大型化された10.3inchのナビが目立ちます。

前期モデルのナビが使いにくいわけではありませんが、ナビは年を追うごとに大型化の一途を辿っているので、これくらいあっても将来、不足はないと思います。

発売後1年強でビッグマイナーチェンジ

2016年10月20日にも、マイナーチェンジが入っています。
このマイナーチェンジはビッグマイナーチェンジと呼んでいいでしょう。

外観の印象に、かなり変化が見られます。

目を惹くのはヘッドランプの形状変更。
ヘッドランプは下部が波うち、鋭さを強調したデザインから、比較的スクエア(四角)でシンプルなデザインへ。

このMCで、ディスチャージヘッドランプから、LEDヘッドランプが全車標準装備となりました。

LEDヘッドランプは法で定められた光量を小型ライトでも発生できるため、ヘッドランプを小型に見せるのは、その主張でもあるのでしょう。

このところ、高級車のヘッドランプに薄目が目立つのは、そういう意味合いが強いように思われます。
「この車種、標準で‘LED’だぞ」と。

ショックアブソーバーにも手が加えられています。
そして、さらに低速での乗り心地が改善。
スポーティセダンというより、ラグジュアリーセダンに変貌を遂げています。

「Lexus Safety System +」を全車標準装備されていることも踏まえると、新車で購入して損はない一台と言えるのではないでしょうか。

なお、MCではありませんが、小変更として2018年8月23日には、さらなるアクセルレスポンスの向上が図られています。

下に価格表、諸元表もございますので、よかったらご覧ください。

 

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○レクサス 2代目「IS300=200t」評価表○
≪非常に良い・良い・普通・悪い・非常に悪いの5段階で評価しています≫

総合評価 良い
運転楽しい度 良い
後席居住性 悪い
リセール価値 非常に良い
故障のしにくさ 非常に良い
部品の安さ 普通

2代目「IS」税込価格表
IS300(200t)4,700,000円
IS300(200t)"F-SPORT"5,204,000円
IS300(200t)"versionL"5,308,000円
IS300h5,150,000円
IS300h(AWD)5,554,000円
IS300h"F-SPORT"5,680,000円
IS300h"F-SPORT"(AWD)6,385,000円
IS300h"versionL"5,788,000円
IS300h"versionL"(AWD)6,192,000円
IS3505,599,000円
IS350"F-SPORT"6,303,000円
IS350"versionL"6,207,000円

2代目「IS300(旧200t)」主要諸元表

全長4,680mm
全幅1,810mm
全高1,430mm
ホイールベース2,800mm
最小回転半径5.2m
車両重量1,630kg
乗車定員5名
エンジン種類直列4気筒ターボ
トランスミッション8AT
総排気量1,998cc
エンジン最高出力180kW[245PS]/5,800r.p.m
エンジン最大トルク350N.m(35.7kgf-m)/1,650-4,400r.p.m
使用燃料無鉛プレミアムガソリン
JC08モード13.2km/L

「LC500h」1st 2017年-現行

「LC500h」にも試乗

レクサスがプレス向けに試乗させる際、必ず、順番が「LC500」 →「LC500h」でした。
その理由は乗った瞬間に理解できます。

ハイブリッド車は出だしのスムースさに特化していますし、殊「LC500h」に関しては、エンジンもいつ掛かり始めたのかモニターを凝視していなければ気づかないレベル。

第一印象は重要です。

この出だしだけで、「こっちのほうが良い」と結論づけてしまうプレスもあったのではないでしょうか?

たしかに「LC500h」の低速時のスムースさは「LC500」を凌ぎます。
リチウムイオン化された大型バッテリーのパワーは132kW(180PS)。

車格が違うとはいえ、4代目プリウスは53kW(72PS)ということを考えると、その大きさに驚きます。



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エンジンは、「LC500h」が発売された時点でレクサスハイブリッド車では「GS450h」、「RX450h」にも搭載されている3,500cc V6を、高回転域での最大パワー、最大トルクが出るよう専用チューニングされたものです。

走り出しは、低速に強いモーターが単独で引っ張ります。
その後、エンジンが掛かるのですが、先述した通り、まったく気が付かない仕上がり。

こういう日本の技術は欧州車と比較にならない素晴らしさなのですが、雑誌やインターネットの記事には余り書かれていないのは残念です。

時速30kmあたりからはエンジンとモーターの両立が始まります。
ここまでは、いわゆる普通のハイブリッド車。

印象に残ったのは、21インチのランフラットタイヤを装着しているにも拘わらず、乗り心地が非常にマイルドなこと。

小回りもよく利きますので(最小回転半径5.3~5.4m)、路地や狭い駐車場に入らない限り、さほど苦はなさそうです。

LCの数少ない問題点

しかし、クーペ特有の‘長い’ドアには悩まされることはありそうです。
どうしても乗降の際、大きく開かないといけないので隣の車との間隔は必要になります。

あと、トランク容量が172L(「LC500」は197L)というのは実用的な数値ではありません。
面積に対して、高さが不足しているので、
「薄い・・・」
これでは、ゴルフバッグはおろか、旅行バッグも後部座席に置くしかないです。

ちなみに同じクーペでもレクサス「RC」は374Lも確保されており、ゴルフバッグだと二つは積めます。

ご参考までに書いておくと、「GS」ガソリン556L、「GS」ハイブリッド468L。
いかに「LC」トランクが、小さく薄いかがお分かりかと思います。

このような実用性の犠牲は後部座席にも及びます。
非常に高い質感は前席にも劣りませんが、大人が座れるスペースは用意されていません。

頭上スペースは150cmくらいの小柄な方でもない限り、顔を真上に向けるか、耳を天上に付けるかしなければ、座れないのです。

レッグスペースは‘0’というより、マイナス回答といって差し支えないでしょう。
ドライバーポジションを普通に取られたら、許されたレッグスペースは数cmのみ。
大柄な方が運転するときは正座を強いられます。

正座して、鼻を天井に押し付けなければ収まらない後部座席というところだけは、かつての「SC」と同じです。

まるで冗談みたいな話ですが、本当です。
ここは割り切らなければいけないポイントですが、これで‘4名乗車の商品’として登録できるのは謎です。

 



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これがマルチステージハイブリッドか?!

この「LC500h」、低速に強いからといって中速~高速に弱いわけでは決してありません。

馬力が落ちた感もなく、トルク不足に悩む必要もなく、ただアクセル開度だけ調整していればドライバーは思いのままの加減速を味わえます。

「あれ?これ、ハイブリッドだよな?」

加速の際、『シューン』というモーター音が耳に届いて、我に返ります。

ハイブリッド車に乗っていることを忘れてしまうほど、高速での‘もたつき’がないのです。
モーターのサポートが得られたと思ったらすぐ切れてエンジン一本頼り、という高速での弱さはハイブリッド車の弱さだと指摘されますが、これがありません。

高回転域でのベストパフォーマンスを狙ったエンジンに加え、モーターのサポートが的確に利き<静粛性+加速性能>は、これまでの、例えば「GS450h」のさらに一つ上のステージにあります。

何よりエンジン回転数と、スピード感が同期しているのが素晴らしいです。

これは<マルチステージハイブリッド>の為せる技であることは間違いありません。

日本の技術というものを、まざまざと見せつけた商品、いや、逸品だと思います。

この「LC500h」を見、運転して「まだまだ欧州車には追いついてない部分があるよね」という人がいたら、色々、分かっていないのか、お金を貰っているのでしょう。

1,350万円~。
無理してでも、ご購入できるなら、幸せ者です。

非常に残念なのは自分が見積書を作る立場だということでしょうか。

次ページは>>>
『「LC500」と「LC500h」どちらが買い?』です。

「LC500」初代 2017年-現行

“美しさ”の最低条件。何者にも似ていない

「LC」の、Lは“Luxury”の頭文字だそうです。
Cは、“Coupe”。“F”のようなスパルタンな走りを追求した商品ではありません。

「高速道路をゆったり、流すだけで至福に浸れるんじゃない?」そう、お金持ちの方々が判断すれば買ってくれる商品です。
 



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高級車の場合、特に“見た目”は、重要です。

「外観はゴテゴテですが・・・でも、サーキットを走ったら何秒ですから・・・」というのは言い訳になりません。

かつてのレクサス「SC」2005-2010年(旧ソアラ)4,300ccも同じ位置づけでした。

ただし、「LC」は5,000ccエンジンバージョンも、3,500ccハイブリッドバージョンも、その「SC」の6,800,000円(2005年発売当初)の2倍の価格設定。

画像で見たときは正直、「プリウスに似たヘッドランプだな。これは好き嫌い別れそうだから、入荷する必要はないかな」と思い、報告書にもその旨、記載しました。

それも実車を見るまでの話。

たしかに写真で見た“あの車”ではありますが、実物は恐ろしく艶やかな輝きを放っています。
オーラというのは、これのことでしょう。

「美しい・・・」

昔のマクロス(アニメーション作品)で、ミリアと名乗る女性を初めて見たときに、つい口をついて出たマックスの言葉もそうだったな、と思い出しました。

それしか、言葉として出ないのです。

しかし、どこから見ても美しい車というのは、そうそうあるものではありません。

“美しい”という概念は「何々に似ている」と脳が判断すれば、興奮度はやや下がるものと思われます。
それほど、独創性に溢れたデザインだということでしょう。

リアの眺めも、また格別です。
フェンダーの大きな膨らみは、空力に配慮したものだそうですが、この「LC」の印象を特徴づけるアイコンにもなっています。

そして、リアランプは擦りガラスのような和のテイスト
小糸工業の珠玉の逸品です。
ブレーキランプを踏めば“おなじみのL”型のブレーキランプが燈ります。

せめて、いつか「LC」の後ろを走りたい。
そう思わされました。

前後ランプに“一筋の雫”のようなイメージを置いたことで、全体に一貫性も出ています。

フロントランプを間近で見ると、複雑な工業用品が細工されているかのようなデザイン。
螺子細工のような、とも、近未来のロボット的だとも表現できます。

見るたびに何か発見が生まれそうな新鮮な造形です。

購入可能な方々は心踊り、さらに所有欲を駆り立てられることでしょう。

何かに似ている点を、強いていうならレクサス「LFA」のサイドラインに共通項は見出せますが、これは寧ろ、意識した演出なのは間違いありません。

 



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内装は、いかなる超高級車にも比肩

外観のコストを考えただけでも、1,300万円というプライスタグはかなり頑張っているな、と思いましたが、内装のレベルも併せれば、この「LC」レクサスで一番、リーズナブルな感すらいたします。

無駄がなく、実用性を兼ね備えた上に“超”高品質。

美しさと、実用性の両立は非常に難しいと思います。

それが、いかにも普通のように設計されている妙。

内装のカラーバリエーションが4種しかないのは、まだ発売当初だからでしょう。
今後の特別仕様車用に別のデザインを取ってあるのかも知れません。

このレクサス「LC」の外装、内装の高級感は3,000万円、4,000万円の海外勢の商品に決して引けの取らないどころか、上回っているのは、驚異的だと思います。

ご検討中の方は是非、お近くのディーラーに足を運んでみてください。

意外なドライビングポジション

全高は1,345mmとさほど低くはないとはいえ、こういう商品というのは得てして‘やたらと’低いポジションに座らされるもの。
そんな心配は「LC」の運転席に座れば杞憂に終わるでしょう。

いわゆる一般的な商品、トヨタ「カローラ」や日産「ノート」などのポジションに慣れた方でも違和感なく運転できてしまいます。
視界も「空しか見えないじゃん・・・」というスーパースポーツの光景ではなく、極めて良好です。

それにしても、外観からくる印象よりロングノーズではないような気が・・・と思ったら、ダッシュボードを薄く作ることで運転のし易さを実現しているのだとか。

次ページは>>>
「違和感に肩透かし・・・驚愕させられた試乗篇」です。

「IS350」GSE20系 2005-2013年

中古車市場では売れ筋「IS350」

弊社では、この「IS350」、中古車としてはかなりの人気でした。

新車当時、「IS250」より、約90万円高い商品が中古車市場ではほぼ同額になっているのは大きな魅力です。

価格が下がっているのには“わけ”があります。

まず、中古車市場では自動車税が掛かる商品は敬遠されがちです。
燃費が悪いというのも、嫌がられます。

新車では、比較試乗という選択があるため、とにかく‘走りの良い’商品が評価されますが、それができない中古車では維持費という点に皆さん、注目されます。

新車をご購入される方と、中古車をご購入される方、それぞれの価値観がくっきりと出るポイントです。

自動車税を「IS250」と較べてみましょう。

「IS250」(年間自動車税)
45,000円
「IS350」(年間自動車税)
58,000円

年間13,000円の負担増です。

燃費に関してはカタログ燃費10.15モードで「IS250」が12.2km/Lに対して、「IS350」は10.0km/L。
いずれも、ハイオク指定。

実燃費はどうでしょうか。

「IS250」:「IS350」
街中 8km/L:7km/L
高速 12km/L:10km/L

 

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ご覧の通り、実際はよほど走らないと大きな差は生まれないと思います。
しかし、13,000円差+燃費の少しの差をお客様は気になさるようで、「IS350」と「IS250」が並んでいたら、ほとんどの方が「IS250」を選ばれます。

しかし、僅かな燃費差と自動車税、ご納得いただける方には断然、「IS350」をお薦めいたします。

V6 3,500ccは生き残る?

2013年-の「IS」にも当初、「IS250」が存在していました。
しかし、ダウンサイジングターボがプレミアムブランドの主流となっていた2016年、「IS300=IS200t」にその座を奪われます(その後も「IS250」は約1年間は4WD車のみ販売継続)。

このようにして、徐々にV6 2,500ccは無くなっていくのではないか?
そう囁かれています。

しかし、V6 3,500ccはガソリンエンジンモデルの上位車種には今後も積まれていくのではないでしょうか?
アメリカではまだまだ大排気量で高出力のエンジンが歓迎されているという信じられない状況(この記事を書いているときにはトランプ大統領)ですので、作らざるを得ないと思います。

カタログ燃費も一応、二桁の10km/Lと表示できますし、自動車税も何とか納得できるレベル。
ちなみに5,000ccの「IS-F」の自動車税は年間88,000円・・・。

“病みつき”になる魅力

2,500ccのV6はエンジンとしての完成形、3,500ccは+工芸品のような魔力すらあります。

静粛性は静かな2,500ccと比較しても、アイドリング~低速~中速~高速、すべての速度域で高められています。

静けさと速さ、そして、力強さもありながら自然に粛々と回るエンジン。
これみよがしに・・・という回転域はわずかにもありません。

下記のエンジン出力比較表をご覧ください。

初代「IS250」
車両重量:1,570kg
エンジン最高出力:158kW[215PS]/6,400r.p.m
エンジン最高トルク:260N.m(26.5kgf-m)/3,800r.p.m

初代「IS350」
車両重量:1,600kg
エンジン最高出力:234kW[318PS]/6,400r.p.m
エンジン最高トルク:380N.m(38.7kgf-m)/4,800r.p.m

「IS250」は日常域での速度に配慮し、3,800回転で最大トルクを発生。
その状態ですら「IS350」のほうがトルクがあるのですから、やはり比較してしまうと・・・という感じです。

車両重量差もわずかに30kg。

「IS350」のフロントに重さを感じることはありません。

ただ、一般道を走りながら回転の変化を聴き、シフトアップ、ダウンを繰り返す楽しみがあるのは「IS250」のほうかも知れません。

「IS350」は、少し遠くでエンジンの囁きがするな、という心地良いサウンドを楽しむ方へ。

また、この初代「IS250/350」のスピードメーター、タコメーターの針の“ブルー” 、実物は、大変、品があり、とても美しいことも書き加えておきます。

実車をご覧になって、内装の質感と、この“ブルー”に惚れて、お買い求めになったお客様も何名かいらっしゃいました。

ある方いわく「ライトセーバーの色だね」。
そうかも知れません。
エピソード4の白っぽいバージョンではなく、最新エピソードの“ブルー”です。
※次ページ内装画像ご参照ください。

次ページは>>>
「なんと初代ISは○○できない」
「【マークレビンソン】の必要性について」です。

「IS250」GSE20系 2005-2013年

2013年-現行「IS」にはないもの

全然、買い替える気がなかったのに、中古車として入ってきた際、乗ってみたら、どうしても欲しくなってしまった・・・。

それが、このアルテッツァ改め、日本でも「IS」として発売された車でした。

まだまだ、発売間もない頃。
中古車を新車より100万円安いくらいのプライスタグを弊社でも掲げていました。

預金残高を確認すると、希望は儚くも消えたのも今は良い思い出です(と、言いたい)。

その魅力的な「IS」について書く前に、少しだけ先代の話をさせてください。

かつて「アルテッツァ」(1998-2005年)と呼ばれた商品は、開発途中に「ライトスポーツって言ったけど、やっぱりラグジュアリー系でいこうか」というお達しがあり、車重ばかり嵩んでしまった悲しい車でした。

軽快さは“そこそこ”。
ラグジュアリーな乗り心地、内装・・・ではなかったです。

しかし、価格を考えると充分に価値はありました。

ただ、アルテッツァの価格帯で、マツダの初代「アテンザ」が発売されていたわけですから、トヨタにも一貫してライトスポーツでいって欲しかった気がします。

 



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レクサス初代「IS」は、先代アルテッツァの完璧版

レクサスの名を冠した初代「IS」は、あの時代とは、まったく“様相の異なる味つけ”と申し上げても良いでしょう。

わずかに、似ているのは外観くらいです。

価格もアルテッツァの最終モデル、最高グレードで335万円(最廉価は220万円)ですから、おおよそ200万円アップ

「アルテッツァ」の名前のまま新型で出したら、苦情ばかりで全く売れなかったでしょう。

たしかに較べるべくもないステージの商品です。
内装の質感は、ベンチマークと言われる3シリーズ含め、欧州勢に肩を並べるどころか上をいくレベル。
走りもレクサス独自のものを明示していました。

“ラグジュアリー”と“スポーツ”・・・相反するポイントさえ、簡単に共存させてしまう日本ならではの技術の結晶でした。

次世代の「IS」、2013年-現行モデルに乗った後でも、それを感じるのはどういうことでしょうか。
2013年-現行「IS」もまた、非常にレベルの高い商品です。

ただ、独自の乗り味と申しましょうか、 数分間、試乗しただけで「ほしい!」と、車ファンを唸らせるだけの訴求力は、初代「IS」のほうが強かったと思います。

>>>次ページは
「IS250/350の2択で悩んだお客様続出?」です。