開発名「フィッタ」
フィットハイブリットが発売される約10年前、初代フィットが誕生しています。
発売期間は2001年~2007年。
もう“懐かしさ”を感じてもいい年数が経っているのですね。
この親しまれている車名、開発当初「フィッタ」でしたが《ちょうどよい、ぴったりの》というイメージを持ってもらおうと、直前になって「フィット」に変更したという経緯があります。
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「フィット」。
覚えやすい車名も大人気車種になった一因でしょう。
エンジンは1,300ccと1,500ccの2種類でした。
売れ筋は1,110,000円~という、かなりの買い得感のあった1,300cc。
今の車だったら、1,300ccでも、そこそこの低速トルクを期待してしまいますよね?
その”今”の期待にすら応えてくれてしまうのが、この初代フィットです。
残念ながら、今、乗ると感動はないのかも知れません。
しかし、21世紀に入ったばかりの2001年、ホンダの小型i-DSiエンジンは本当に素晴らしかったです。
聞いたところによると、最高出力を犠牲にして、日常で使う回転数を重視して作ったらしいですが、それがピタリと嵌っていました。
実際、80km/h程度なら難なくこなします。
燃費は1,300ccのカタログ燃費が23.0km、1,500ccが20.0km(当時は10.15モード)。
JC08モードなら1,300ccで20~21kmだと思います。
実燃費は、これまで見た個体は全て15km前後だったのでカタログ燃費に裏切られた感はありません。
難点といえば、やけに硬い足回りでしょうか?
欧州コンパクトカーの低速走行時にありがちなコツコツというかピョコピョコした感覚が、あります。ハンドルの手ごたえもそこそこあるので、運転していると“素直さ”ばかりを褒めてやりたくもなりますが、助手席に座っていると硬さが体に染みる、と言われたことも。
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車は初代が一番、故障が少ない?
しかしながら、荷室も充分に広く、4名乗車しても全く問題なくドライブができ、何より乗り出しで1,300,000円程度というのは革命的でした。
謂わば、“ミニ”ミニバンです。ミニバンほどの大きさはいらないけど・・・、そんなユーザーの心を鷲づかみにしました。
この「フィット」そのままに、もし欧州車として発売されていたなら+1,000,000円のプライスタグを付けても、それなりに売れたと思います。
内装の作りもしっかりしていました。
当時、販売台数で無敵を誇っていたカローラを抜いたことさえあるのも頷けます。
「フィット」発売の2年後、2003年には日産が「キューブ」、トヨタは「シエンタ」を投入してきて、このジャンルの争いはすぐに激化してゆきます。
車の世界、なかなか独擅場が許されないようです。
あと、この初代、故障率も相当に低いんです。
内装を見れば、だいたい分かりますが、メーカーが本腰を入れて作る初代は開発コストを掛けている上に、さらに諸々コストを掛けているのでしょう。
初代でコケたら元も子もありませんから、利益度外視で出してきているのだと思います。
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2代目以降は、初代の分を取り返そうとするのでしょうか。
どのメーカーも、その逆をいくことが多いです。
販売価格は代を追うごとに高くなるのに。
初代で確立した「フィット」ブランドを信じて、購入する方のために、もっともっと細かい部分にコストを掛けていってほしいという願い、開発者に届いてくれるでしょうか。
初代「フィット」、名車といっても過言ではない出来映え、そして革命でした。
○点数表(5点満点)○
総合評価 | 4.8点 |
リセール価値 | ※※ |
故障のしにくさ | 5点 |
部品の安さ | 4.5点 |
○主なスペック○
全長3,830mm 全幅1,675mm 全高1,525mm(FF)1,550mm(4WD)
エンジン:水冷直列4気筒横置
トランスミッション:ホンダマルチマチックS(自動無段変速機)